2012年6月29日金曜日

Warrior新CM Paul Rabil Explosive

NCAAのシーズンが終わり、MLLの放映が始まった頃からWarriorの今シーズンのPaul Rabil(ポール=イブル, Johns Hopkins 08, Team USA 10, Boston Cannons)シリーズの2発目のCMが繰り返し流されている。

これもまたかなりカッコイイ。Warrior-Rabilのコンビ、かなり強力だ。これ見て育つ子供達は完全にRabil万歳世代になるんじゃないだろうか。

  • 彼は常にExlposive(爆発的)だった
  • WarriorはPaulにもう一つの爆発物/起爆装置を与えた

2012年6月27日水曜日

MLL 2012 vol.05 Boston Cannons @Charlotte Hounds

5勝0敗から一気に2連敗と躓いてしまった王者Cannons。対するは1勝5敗でじりじりと追いつめられつつある新規参入チームの一つCharlotte Hounds。

16-8でCannonsがHoundsを撃破。

点差は開いたが、見ていていろんな事を学ばせてくれる、そして考えさせられる試合だった。

Charlotte Hounds (Roster)
  • 今回見て一番感じたのは、いくらNCAA程チーム戦術がバキバキに磨き込まれていないMLLとは言え、やはり「紙の上で強いスター選手を寄せ集めれば即席で強いチームが出来る」というのは絶対に嘘だ、と言う事。
  • Charlotteメンバーは正直言って一年目のチームとは思えない程豪華。ATには#40 Matt Danowski (Duke 08), #2 Jeremy Boltus (Army 11), #4 Billy Bitter (UNC 11)と過去数年の1st Team All American級のタレントが勢揃い。MFにも#13 Stephen Bergerらが揃い、紙面でRosterを見る限り、「これで勝てなかったら嘘だろ?」という個が大量に揃う。
  • ところが、今回の試合では正直一切「gel(ジェル)」していなかった。Chemistry(相性/連携)のかけらも感じられなかった。OFは全て単発ダッジ。無理矢理ロングシュート。周りのメンバーがどう動けばいいのかも良く解らない。一人で無理して突っ込んで自爆、変なパスを投げてターンオーバーというパターンが多過ぎて目を覆いたくなった...マジでいい加減なんとかしないとファン離れるぞこれ...もしかして新人コーチの手腕にかなり「?」が付いてるパターンじゃないか?全然まとめられてない...こりゃこのままOhioにしか勝てなくて2勝でシーズン終わるパターンも見えて来た...
  • DFも同様。メンツはえげつねえ。#84 Joe Cinosky (Maryland 08), #24 Ryan Flanagan (UNC 11), #35 Kevin Ridgway (Notre Dame 12)はこれまた1st Team All American軍団。このメンツでなぜ止められない...?チームDFのコンセプトが見えない。
  • あと、悲惨過ぎてギャグの領域に突入しつつあるのがFace Off。FOGOいないってどゆこと...?このスーパーレベル高いMLLのFOの戦いで、専任FOいないって自殺行為越えてるっしょ。誰か故障したんだっけ?#34 MF Brian Carroll (Virginia 10)ってそもそも大学時代FOやってたっけ...?ズタボロにFO全敗してる...2割も取れてなかったんじゃないか?
  • いやーきついわー。これ。このチームがこのままシーズンの途中にいきなり突然変異的に強くなる絵が全く描けない...こらーきついよー。新規参入したオーナー達もじわりじわりとMLLの戦いの厳しい現実に直面しつつあるんじゃないだろうか。コーチ変更も含めて早めに結構抜本的に梃入れしないとやばいっすよ。

Boston Cannons (Roster)
  • AT 3枚のユニット完成度高過ぎる。#14 Ryan Boyle (Princeton)が抜いて崩して全てを設計し、#27 Kevin Buchanan (Ohio State)が高い身体能力のスピードとシュート力で切り崩し、最後は最強のクリース職人#7 Matt Poskay (Virginia 07)が全部拾って一瞬でぱちっとQuick stickで決める。何点取った?
  • #99 Paul Rabil (Johns Hopkins 08)は一点しか取ってないが、その存在感は相変わらず怪物。一本決めた左のジャンピングショットは度肝を抜かれた。トップからサクッと左に数歩抜いて軽く振り抜いて2ポイント。なんだこのスピードと正確さは。でもってOff handってよ。このレベルで両手が使えると無敵になれるというこれ以上無い実例。
  • あとはGのJordan Burke。凄まじい。
Highlight

2012年6月25日月曜日

Tewaaraton 2012: Colgate #15 AT Peter Baum (Jr)

シーズンを通してのMVP、Tewaaraton Trophy(Wikipedia)。今年はColgateの#15 AT Peter Baum(ピーター=バーム) (Jr)に。(記事

  • 67得点30アシストの97ポイントという驚愕のパフォーマンスを発揮した。
  • トーナメント1回戦、2回戦のDuke戦での一瞬のパフォーマンス、そこでのぶっちぎったダッジ力、シュート力は印象的だった。
  • Mark Millonと比較される事も多い。
  • まだ3年生。来年どこまで行けるか。間違い無くMLL上位指名されるはず。
  • Final 4に行ったチーム以外から選出されるのは何と第一回の2001年のDoug Shanahan (Hofstra)以来。

  • チーム/学校/仲間/家族に感謝したい。
  • 自分の力だけで達成出来た訳では無くて、今年のColgateはオフェンス力の高い選手が多く、それによりプレッシャーが軽減された事も大きい。
  • 自分がColgateにいなかったら自分はここにいなかったし、100点近いポイントを稼ぐ事も絶対に出来なかった。
  • 「初めての東海岸以外からの受賞者として?」西海岸のラクロス出身者としてそれが出来て嬉しい。誇りに感じる。
  • 「来年は?」今年はQuarter Final止まりだったので、Semiに行きたい
Highlight
  • ぱっと見た感じ感じるのは、左右両方に抜いて決められる点
  • 異様にスピードがある点
  • ゴールから遠ざかりながらのフェイダウェイでかなり強力で正確なシュートを決めている点
  • 間違い無く下半身と体幹がぶっちぎってしなやかで強いという事だろう
  • MLLでスーパースターになってくる予感

2012年6月23日土曜日

MLL 2012 vol.04 Rochester Rattlers @Denver Outlaws

16-12でDenver。Rochesterもしぶとく着いて行ったがやはり明確な実力の差が出た。

Denver Outlaws (Roster)
  • 現世界最高のATの呼び声も高い#2 Brendan Mundorf (UMBC 06)。やば過ぎる。感動的に強過ぎる。フルタイムのプロとしてNLL/MLLでプレー。脂が乗り切っている。オフシーズンも専任のトレーナーを付けてフィジカルを鍛え続けている効果が明らかに出ている。Xからのダッジのスピードとキレ、方向転換の鋭さには誰も着いて行けていない。シュートでもダイブや至近距離での巧さは小さいゴールと大きいゴール、狭いスペースと数段速いスピードの中でやっているNLLでの経験がもろにでている。ミドルのシュートもクソ巧い。マジで外さない。どんだけ毎日シュート練習してんだ?っていう精度と安定性。8ポイントの活躍。ATとしてこのレベルでプレー出来ているのは現時点で彼だけだろう。
  • ATは上記Mudorfと、ルーキー#22 Mark Matthews (Denver 12)、#10 Jordan McBride (Stony Brook 11)のCanadian 2枚。これがまた効果的。二人ともシュートゲロウマ。えぐいフィードでも確実に拾って決める。
  • GとDFが堅い。Gの#19 Jesse Schwartzman (Johns Hopkins 07)が引き続き不動の守護神。好セーブ連発。(一回まさかのクレードルからポロリの自殺点があった。珍しい。恐らく小学校以来とかじゃないだろうか...)
  • 感動的だったのは#29 DF Lee Zink (Maryland 04, Team USA 10/11/12)。「相手エースATの存在を消し去る」力半端無し。毎回エースATに着いて確実に封殺している。今回も信じられない事にRochesterエースの#22 AT Ned Crottyの存在がゼロになった...ボールを持たせない。持たせてもビタッとネチッと着いてやらしいチェックを入れて決して抜かせない、落とす。DFでここまで見る人を感動させられる選手は決して多くない。現時点で世界最高DFと呼ぶ人も多い。間違い無くトップクラスの一人。でかくて身体能力高くてNastyな(えげつない)DFを多く輩出してきた事で有名な名門Maryland強力DF軍団出身。
  • ここまで4試合MLLを見て来た中で、Chesapeake以外の7チームの中では明らかにトップレベル。Boston Cannons同様、強力なチームとしての土台が存在しており、歴史が組織の実力として蓄積している。加えて大幅入れ替えを図ったATが間違い無く去年より良くなってる。(去年はぶっちゃけBilly Bitterがイマイチ機能してなかった.../OF全体の流れを考えるとマイナスになっていた)優勝候補の一角である事は間違い無い。

Rochester Rattlers (Roster)
  • 惜しかった。前半までは良かったが。ただまあ間違い無く良くなってる。去年は完全に最下位ドアマットチームだったが、明らかにチームとしての体を為して来ている。
  • ただ、今回は明確に#22 AT Ned Crotty (Duke 10)が完全に封殺された事が痛かった。しかもルーズボールでも絡まった際に足首を負傷したっぽい...途中退場。もしここでCrottyが長期離脱と言う事になれば一気に黄色信号、いやもう赤信号点灯...まずいな...
  • Syracuse 11のG & DF軍団が引き続きいい。特に今回は#11 LSM Joel White (Syracuse 11)のMLLトップクラスのアスリートっぷりが遺憾なく発揮された。コートを縦横無尽に駆け回りGBを発生させ、拾い、クリアし、OF参加。圧巻だったのはクリア後ゴール裏からwrap aroundしてのダイブショットでの得点。思わず飲んでたビールをブホーッと吹き出させられた。有り得ん。180°以上の角度をカバーするダイブ。ロングスティックでそれやるんかい!?と。この人はUS代表の器だ。第二のBrodie Merrillになる日も近い。
Highlight

2012年6月21日木曜日

Loyola優勝の余波 vol.04 HC Charlie Toomeyインタビュー

決勝数日後に放送された解説者で元Johns Hopkins All American Goalie Quint KessenichによるESPNU Lacrosse Podcastで、優勝したLoyolaのHead Coach Charlie Toomey(チャーリー=トゥーミー)氏のインタビューが掲載されていた。

優勝の裏側のドラマを感じさせてくれ、心を打ったのと、ラクロスとして、人生として、いくつか我々にとっても学ぶべき点があると感じたので紹介。特に舞台裏での戦術的なやり取りは単純に知的に面白い。また、優勝までに注がれて来た苦労や努力が垣間みれて胸が熱くなる。

リンク

ちなみにToomey氏、Loyolaを90年に卒業しており、4年時にはスーパーゴーリとしてLoyolaを決勝に導き、Gait Brothers率いるSyracuseに破れている。その後いつか決勝に戻ってきたい、そして雪辱を果たしたいとの想いを胸に母校のコーチとして就任し、ここ数年でHCとして中堅校だったLoyolaをグイッとターンアラウンドして来た。

いくつか印象に残った、そしてチームとして、僕個人として学びがあると感じたコメントは、

土曜の準決勝に勝ち、二日後の決勝に向けての不安は何だった?
  • とにかく疲労のマネジメント。MarylandはLoyolaに比べて層が厚い。とにかく選手をフレッシュな状態でフィールドに送り出す事を考えた。高い気温と湿度の中全力で戦い、準決勝から中1日のもう一試合。中日はとにかく超負荷軽めに最終確認作業を行うに留めた。決勝の「Madness(興奮と混乱)」の中準備するのには明確な方法論が必要。多くの他校の先輩コーチ達がどう準備すればいいかアドバイスしてくれて感謝している。

決勝ではしょっぱなにMaryland #36 LSM Jesse Bernhardtにサクッと先取点を取られたが、その後どうやって落ち着いていつもの自分たちのプレーを取り戻せたのか?
  • いや、ぶっちゃけ最初の試合開始の笛の瞬間から、「あ、これいつも通りやれるな」という感覚を持った。トーナメント一回戦のCanisium戦から、チーム全体が集中して、地に足を着けて、落ち着いていつも通りのSolidなLacorsseをプレー出来ると感じた。一方で、「余裕」というのとはまた違う。当然ラクロスの試合なので、60分間の喧嘩なので、何が起こるか解らない。油断はせずに、高い緊張感を持って挑めていた。

OFに関して、MarylandのDFパッケージは、立ち上がり全体が連動してカバーし合うZoneに近いMan-toで来て、途中から超ガチンコMan-toになり、ほとんどスライド無しの一対一対決モードに変え来た。にも関わらず9得点。どう対応した?
  • 確かに。Marylandは身体能力が高く、1-on-1の真っ向勝負を挑んで来て、我々が相手を抜かなくちゃいけない状況になった。OFを統括しているAssistant CoachのDan Chemotti(Duke 02)が素晴らしい仕事をしてくれた。試合中にベンチでMarylandのDFを良ーく見て、分析し、どういうスライドパッケージ/スライドシステムでやって来ているか、それが試合中にどう変わったかを都度都度把握していた。で、常時OFメンバーに指示を出し、常に複数箇所から分散して攻めるようにした。トップ/ウィングから、そしてエックス(ゴール裏)から1 on 1で崩し、スライドで空いたクリースに捌けるように巧く攻められていた。


DFでは、2Q最後から試合終了の40分40秒もの間相手を無得点に抑えると言う決勝では前代未聞の鉄壁DFを見せた。Marylandは20本のシュートを外し、NCAA決勝史上最少得点の3点に抑えられ、シュート成功率は何と10%という驚愕の数字に。どうやったの...?
  • 明確にまず言えるのは、MF DFが非常に良くやったと言う点。#5 Josh Hawkins (Jr), #34 Pat Laconi (So)のShorty DFMF 2枚と、LSM #2 Scott Ratliff (Jr)の3人が素晴らしいパフォーマンスを見せた。明確にMarylandはここから崩す事を狙い、OF MFがアイソレーションして繰り返しInvertやHigh-wingからゴリゴリにダッジを掛けて来た。が、彼らが1-on-1の対決で最後まで勝ち続け、抑え続けた事が大きい。
  • そして言うまでもなくClose DFの3枚もスライド/カバー、そしてATとの1-on-1の勝負で、トーナメントを通して素晴らしい働きをした。

9-3のスコアボードを見て、残り時間1分を切った時、何を想い、何を感じた?
  • 走馬灯のように今までの出来事が頭を駆け巡った。支えてくれた全ての人々の顔が思い浮かんだ

最後に、3人の娘さんとホテルで会ったが、家族が皆見に来てたと思うが、父親が目の前でDivision 1の優勝コーチになった事について何か想いは?
  • Incredible feeling。優勝した後に一度感情を落ち着けて、今後に向けて切り替えようとしたが、そこで娘達が遠くから自分に向かって走って来るのを見て、また感情が溢れ出してしまった。Division 1のコーチは多忙でタフな仕事。休みもほとんど取れず、大きな負担と心労が家族にのし掛かってしまう。今回もBostonではほとんど家族とは会う事は出来なかった。全てを理解し支えてくれた妻に感謝。でも、昨日の優勝はToomey家の皆の一生の記憶に残る素晴らしい出来事になった。

2012年6月19日火曜日

NCAA 2013 Pre Pre-Season Ranking

毎年恒例の、シーズン終了直後の"Way Ahead Ranking" by Inside Lacrosse。来年2月に開幕する2013年シーズンの順位を今年のパフォーマンスと、そこから卒業生の分を差し引いて、夏に入学する新入生の戦力を足し込んで予測。(リンク

何気にかなり興味深い。過去の例を見る限り、実際に年末に出て来る本当のPre-Season Rankingとさほど大きな差は無い。実際の来シーズンの戦力分析としてかなりいい線行ってると見ていいだろう。

NCAA 2013 Pre Pre-Season Ranking

20 (tie). Mount St. Mary’s (7-10 this past season今シーズンの勝敗数)
20. (tie) Navy (6-6)
19. Georgetown (7-6)
18. Princeton (11-5)
  • あっちゃーPrinceton Tigers落ちぶれたなー。まあ、最後の防波堤だったGの#6 Tyler FioritoとDFの#9 Chad Wiedmaierがごそっと卒業してMLLに行っちゃったのでこうなるか...
  • 90年代のHC Bill Tierney政権下での6回優勝の栄光はどこへ...リクルーティングで学業成績とタイミングの遅さというハンデを負っているIvy League。今後も現行のルールが続く限り、上位に復活する事はもう無い気がする。
17. St. John’s (8-7)
16. Massachusetts (15-1)
15. Yale (11-5)
14. Denver (9-7)
  • あらら。結構大きく落ちた。やっぱここ数年大黒柱だった4年生 Canadian AT 2枚(含む#22 Mark Matthews)が抜けるのはでかい。MatthewsのTV放映有るときの神懸かったクラッチっぷり半端無かったかんね。一方でGのFausも残り、DFも経験を積み、MFの柱Cam Flint (16,7, Jr) and Jeremy Noble (25,21, Jr)が残るのは心強い。
13. Syracuse (9-8)
  • 去年ガバッと主力が抜けて、今年は経験の年と見られていたが、何気に今年も結構4年が多く、彼らがまた卒業した。DFとGがそのまま残るが、OFのFire Powerがなー...名門復活は数年以上先か...
  • (と言うか、今後復活するのか?今のリクルーティングの厳しい競合状況を考えると、以前のようにCuseだけが明らかに技術的に突き抜けた素材を独占すると言う状況はもう起こらないはず。もしかしたら2011年のチームを最後に今後永遠に低迷するんじゃないかという不安が頭をよぎる。尚の事去年のGallaway, Lade, White, Miller, Thompson, Keogh時代に優勝出来なかった事が来やまれる。)
12. Penn State (9-6)
  • じわりじわりと、だが着実に良くなってるJeff Tambroni HCのPenn State。まだ時間掛かるか。むしろ今後5年、10年で見ればこういうチームの方が登って来る可能性を感じる。
11. Villanova (8-7)
  • 何気に来年も渋い所に着けて来てるな...Philadelphiaの地元の高校のレベルが明らかに上がっている事と無縁ではない筈。
10. Cornell (9-4)
  • やっぱねー。ガクッと落ちるか...
  • senior Rob Pannell (7G, 9A in two games、今年は足首の粉砕骨折で欠場。来年5年生として復帰)と、その一番弟子でプレーもほぼクローンのsophomore Matt Donovan (18,14)のATコンビは相っっっ当強力だが、DFとMFの柱が抜けたからなー。Gもグラグラしてる。明らかに去年から戦力ダウン。
  • 何気に、ちょっと囁かれ始めてるのが、やっぱTambroniコーチ抜けたらいくら優秀なDeLucaコーチと言えどもあそこまでの神通力は発揮出来ないって話か。
  • ただまあPannell先生の異次元のプレーがあと一年見られるだけでも有り難いですかね。
 9. Colgate (14-4)
  • ほうっ...まだこんなに強いか?
  • Four of the top five scorers are back: Seniors Peter Baum (67,30) and Matt Baker (16,10), sophomore Ryan Walsh (38,22) and junior Brendan McCann (23,11). なのか。なるほど、結構強いな。
  • 今年ちゃんと見てないから正直よく解らんな...Tewaaratonを取ったBaumが凄い事だけは確実に言える。1シーズン67得点30アシストの97ポイントって何?吐きそうな数字だ。
 8. Virginia (12-4)
  • 相当久しぶりにそこまで強くないVirginiaを見ることになりそう。如何せん4年間ATの柱を務めて来た#6 AT Steele Stanwickと#10 AT Chris Bockletの2枚看板が抜けますからな。何気にGもせっかく今年スタメンを取ったRob Fortunatoは4年生だったので卒業。結構リセット&土台作りの年でしょ。
  • いや、待て。そうは言っても腐ってもVirginia...。名門として強力な選手をリクルーティングし続けているのは間違い無い。DとMFは引き続きクソ強く、どうせATも控えてた実力者がズバッと出て来てこれまで日の目を見なかった鬱憤を晴らすが如く活躍してくれる気もする。何だかんだ言って結局Final 4に残って来るってシナリオも全然あるな。
 7. Duke (15-5)
  • おりょ?意外と低いね...なぜ?
  • ATはゴリっと残るよと。The all-junior attack features Jordan Wolf (32,33), Christian Walsh (34,15) and Josh Dionne (36G). 
  • GもDもMも結構残るし、7位って事はねえんじゃねえか?もっと上だろ。来年こそむしろ優勝あるんじゃない?
  • まあ冷静に考えると、MFの1stのRotanzとTurriとLSM CostabileとDF Manleyが抜けたか...確かにチームの動脈の部分がゴソッと抜けてはいる訳ね。まあ、確かに結構違うチームになるのかもな。
6. Johns Hopkins (12-4)
  • いやいやいや!!もっと上だろうよ!来年こそが勝負の年でしょうよ!強力MF軍団(Ranaga, Greeley, Coppersmith)とG Pierce BassettとCanadian AT Palmerを含む国内全体1位のRecruiting Classが最終学年だよ?来年こそはでしょうよ。 (で、来年優勝出来なかったら暫く本格的に悲惨になるはず。)
  • 今年もリーグ戦では強かったんだが、後半失速してプレーオフでもかなり期待はずれで残念な形でMarylandにやられた事により一気に皆冷めて期待値が下がってしまったイメージだろうか。
5. Lehigh (14-3)
  • ドキッとする名前だ...え?Lehighが5位?と。
  • が、今年のパフォーマンスを見てぶっちゃけ納得。UNC戦を生で見た感覚、TVで見たプレーオフでの勇姿を思い出す。
  • 間違い無くつええよ、このチーム。何気にでかい。才能も高いし、極めて高いレベルで規律を刷り込まれて来る。あの堂々とした動じず揺らがぬメンタル。ガチで新興強豪校。
  • もう中堅じゃない。Kevin Cassese Head Coach (Duke 03, MLL/NLL, US 06/10, US HC 11)のあのMarylandに一回戦負けした直後の悔しそうな顔見たか?って話だ。目の奥の青白く燃える復讐の炎が画面を通じて見えたぜっていう。文字通り臥薪嘗胆でこのチームを叩き上げてくる筈。GもえぐいしDFも堅いしFire Powerも重い。Final 4行っても全然驚かない。来年大旋風を起こして掻き回すとしたらこのチームな気がする。
4. North Carolina (11-6)
  • じわりじわりと上げて来てますな。そう。今年いなくなった主力はほとんどいない。今年の主力のほとんどが1-2年生。Coach Breschiのリクルーティングの最初の代(全体1位)が来年3年生。新2年生は全体2位、また今年入って来る新入生は相当レベル高いし分厚い(多分全体1-3位?)。
  • ただDFとGがなー...悪くないけど、正直優勝チームってレベルじゃないんだよな...いまいちトップDFの高校生が目指すべき名門DF輩出の歴史を誇るチームじゃねえんだよな...
  • まあただ、強さや結果如何に関わらず一つ自信を持って言えるのは、「このチームは見ててクソ楽しい」って事だ。一生懸命だし、ポジティブだし、必死だし、めまぐるしく人とボールが動いてダイナミックだし。「Rug rat AT(ちびっ子アタック軍団)」の異名を取るHolman, Bitter, Sankeyの爆走っぷりは見る者を一発で虜にする。一番MLL的なラクロスを標榜してるチームかも。引き続き来年以降も最も思い入れあるチームとしてCarolina Blueの水色を着て応援して行きたい。
3. Notre Dame (13-3)
  • 毎年「えーっ」って思うんだが、実際結局なんだかんだいってFinal 4来るからね。この人達。結局そういう事なんだよね...もう、認めましょうや。いい加減。ラクロス強豪校ですよとNDは。中西部にあるからとかもう関係無い時代。DFとGは鬼。MFやATの主軸も結構残る。違和感ないな。5位以内。
2. Maryland (12-6)
  • うん。Marylandは強いでしょ。DFとGがまだ若い。OFは、まあ、Marylandなので放っておいても強力なメンツが涌いて来るでしょ。このチームも見てて面白いし勉強になる。自然発生で感情移入してしまうチームの一つ。
1. Loyola (18-1)
  • ハイ来たー。申し分無し。準決勝決勝で証明された通り、レベル高いです。才能も、層の厚さも、技術の高さも、メンタルの強さも。そして優勝メンバーのほとんどが残る。主力は新4年生。
  • 唯一不安があるとすると、「優勝してしまった事」だろうか。同じテンションと緊張感/集中力/執着心を維持して連覇に向かえるか?ほとんど全てのチームが優勝校食いを狙って必死でスカウティングして潰しに来る。今年は無縁だった注目と重圧に耐えられるか?近年のNCAA Division 1 Lacrosseで連覇するのはほぼ不可能に近い程難しい。それだけ拮抗した戦いになってしまっている。でも、応援したい。
  • ...いや待て、今皆が皆優勝後のフィーバーでちょっとバイアス掛かってるよねと。敢えて、一回頭から冷水ぶっかけて、クソ冷徹に、客観的に見たらどうだ?
  • まず、トーナメント4試合で17点とっている#12 AT Eric Lusbyは卒業する。もし彼がいなかったら、彼の得点がまるまるゼロだと仮定すると、準々決勝のDenverに負け、準決勝のNotre Dameにも負け、決勝のMarylandにも接戦、と言う事になる。もちろん彼の穴を埋めるべく他のメンバーがステップアップするだろうが、単純にあそこまでキテる状況の選手が、あの大事なタイミングで発生する事自体極めて珍しい。
  • 加えて、アシスタントコート達の誰かが他校のヘッドコーチにヘッドハントされたら?実はヘッドコーチ以上にアシスタントコーチこそが強さの源泉だったりする事も多い。
  • 実は思った以上に苦戦して、期待はずれの結果に終わるかも知れない。Las Vegasのギャンブルで皆を出し抜いて勝ちに行くならLoyolaは結構Under(下げる方)にベットするのが賢い戦略かもなと思う。

2012年6月17日日曜日

MLL 2012 vol.03 Long Island Lizards @Boston Cannons

NLLで抜けていた選手、NCAAで戦っていたルーキー達が合流を完了し、いよいよ本格化して来たMLL。やはり毎年NCAAが終わった後にMLLの試合を見る度に感じるが、NCAAのトップレベルと比べても圧倒的にレベルが高い。サイズ、スピード、パワー、技術、全てに於いてNCAAのトップクラスの選手のみが参加する事が許されたスーパーエリートリーグである事が如実に感じられる。これが文字通り世界最高峰のレベルと言う事だろう。(ここから更にバキバキに選ばれて来るTeam USAがどれだけ「化け物」クラスかが伺い知れる。)

ここまで4勝1敗のBoston Cannonsと2勝2敗のLong Island Lizards。

Bostonは今年のチーム拡張に伴う再配分でのダメージが最も少ないチーム。ほとんど去年の優勝メンバーのまま、# 99 MF Paul Rabil (Johns Hopkins 08)を軸に安定したパフォーマンスを発揮している。

一方のLong Islandはコーチも含め大幅にメンバーが入れ替え。特にDFでは長年二本柱だったNicky Polanko (Hofstra 02)とBrian Spallina (Hofstra 00)ののHofstra出身Italianカテナチオディフェンスの2枚をChesapeakeに放出。OFでもJohn Grant Jrと#40 AT Matt Danowskiと#13 OF MF Stephen Bergerの3本柱をCharlotteに放出し、かなり顔ぶれの違うチームになっている。

前半Bostonがリードし、やはりこの安定感には勝てないか?と思ったが、後半になってLong Islandが逆転。13-10でLIが勝利。これで3連勝。一気に優勝戦線に絡める強さを見せた。

Long Island Lizards
  • まず何と言っても現世界最高Gとの意見もある、昨年ベストゴーリー、#14 Drew Adams (Penn State 09)が実力を遺憾なく発揮。Cannonsのシュートの嵐をことごとく止めまくった。やっぱMLLのGのレベルは明らかにNCAAより2-3段上。
  • OFでは一新された顔ぶれのAT、#27 Ryan Young (Maryland 11), #22 Tommy Plasek (Syracuse 12), #66 Matt Gibson (Yale 12)の1-2年目の若手軍団が思いの外善戦。
  • Denverから移籍した#42 MF Max Seibald (Cornell 09 / USA 10)の2 point shotが鬼。
  • あとはDenverからトレードされた燃えるロン毛高校教師#6 MF/AT Brian Langtry (Hofstra 98, 36歳)が引き続き異様な玄人臭さを見せまくり。
  • 全体として、ボールをチーム全体として共有し、バランスよく全員から点が取れている点が素晴らしい。明らかに去年までのBerger/Danowski/Grant Jr.がボールをがっちり握って、彼らの調子が良ければ勝つし、彼らがダメならダメ、という鎖から解き放たれている。今後よくなって行く予感。
Boston Cannons
  • 引き続き#99 MF Paul Rabil (Johns Hopkins 08)が突き抜けて怖いが、彼が今回もフィーダーに徹し続けている。一歩抜くだけでスライドが発生するので簡単に空いた選手からフリーで得点。ただ、それを察してか、LIが途中からかなり遅めのスライドに切り替え、結果誰も空かずにパスも出せない/変なパスになって自爆、というパターンがいくつか見られた。やはり原則行けたら一人でゴールまで行く、ってのが鉄則なんだろう。
  • #37 LSMF Brian Farrell (Maryland 11)が更に成長を遂げている。OFでの攻撃力Shorty以上。
  • が、後半なぜか噛み合なくなった。爆発力が失われてしまった。ベテラン中心の布陣故のターボの効かなさか?まあ、長いシーズン。プレーオフで勝たなけりゃ意味が無い事をよーく解ったチーム。心配は無用だろう。

2012年6月15日金曜日

Loyola優勝の余波 vol.03 選手インタビュー(3)

優勝後のインタビュー追加。いつかこのフィールドでこの笑顔になれるように毎日全力で楽しく成長したい。

彼らの言葉からほとばしるのは、シーズンの最初から周囲に全く期待されず、ランキング20位にも入っていなかったにも関わらず、それを引っくり返し、プレッシャーをはね除けたそのチームの土台にある、「情熱」と「信じる力」。こうやって全身で喜びを感じる姿は素直に心を打つ。

優勝の立て役者の一人。怒濤のフィジカル、ダッジ力とシュート力で貢献した#7 MF David Butts (Jr)

  • Eric Lusbyやべえ。17点ってありえねえだろ。MFも凄い良かった
  • 自分の地元Bostonで優勝出来て本当に良かった。家族や仲間が見に来てくれてた
  • この喜び、祝杯を何ヶ月も待ち続けてた。心から嬉しい
最高学年、縁の下の力持ちとしてチームを支えた#45 MF & FO JP Dalton (Sr)
  • トロフィーを抱えて...自分にとって、こうやってNCAAに優勝してトロフィーを掲げる事は一生の夢だった。それが叶ったのは信じられない。
  • 自分たちがシーズンの始めに誓ったのは、「必ずMemorial Day Weekend (Final 4)に行こう。そしてそこで優勝しよう」と言う事。
  • 自分にとって最高学年、最後の年でそれが叶った。もう言う事は何も無い。
  • 「怪我と戦ったシーズンだったが、仲間についてどう思うか?」に対して、試合が始まる前、迷いや不安は文字通り微塵も無かった。
  • ロッカールームで、チームの仲間の顔を見渡して、「ああ、これで安心して戦える」と素直に思え、自然と落ち着いた。
  • 「何でLoyolaは成功したの?」別に今年始まった訳じゃない。自分が来る何年も前からLoyolaが学校として、組織として努力してきた賜物

2012年6月13日水曜日

MLL 2012 vol.02 Hamilton Nationals @Charlottes Hounds

2発目は去年準優勝のNats対今年から参戦のCharlottes Hounds。大体今までのMLLの歴史では、新規参入のチームは最初の数年ボコられ、本格的にパフォームしてくるのは数年後。中にはChicago Machineの様に立ち上がらぬまま消えて行くパターンも多い。

そんな中今回見たHoundsは明らかに期待値越え。一年目からトレードやexpansion draftであらゆる手段を駆使して強力なRosterを揃えて来ており、メンツに関しては既に強豪以上。。これまでイマイチ噛み合っていなかったが、今回の試合の2Qから一気に歯車が回り出し、あと一歩という所までNatsを追いつめた。

が、最後に経験の差が出て18-17で逃げ切られる。

1Qに8-1まで離されるが、そこから一気に噛み合いだし、後半リードを保つ展開。ここまでTV放映2試合とも接戦で申し分無いエンターテイメントコンテンツを提供してくれている。

見所は、

Hamilton Nationals
  • NLLメンバーが戻って来てここからが本番。Canadian軍団と生ける伝説#22 OFMF Casey Powell (Syracuse 98)は健在。
  • 今回はGは#42 Scott Rodgers (Notre Dame 10)ではなく、#23 Brett Queener。素晴らしいセーブを連発し、異様な機動力でロールダッジにスプリットダッジに相手を抜きまくり、シュートまで持ち込んでいた。
  • 未来のエースCanadian #21 MF Kevin Crowley (Stony Brook 11)が明らかに一段成長しており、MLLにアジャストして来ている。段々Gary Gait化、又はJohn Grant Jr化してきている。今後が怖い。
  • あとはやはり#1 AT Joe Walters (Maryland 06)。この人のシュート/OFの巧さには毎回溜め息が出る。同じパワーや技術があったとしても、この人の場合はそれを如何に巧く/賢く/効率的に使うかという点でMLLの中でも抜きん出ている。学ぶ事が多い選手。

Charlotte Hounds (Roster)
  • メンツ分厚い。特にOF。#40 AT Matt Danowski (Duke 08), #2 AT Jeremy Boltus (Army 11), #4 AT Billy Bitter (UNC 11)のスターAT 3枚に加え、#13 OF MF Stephen Bergerや#7 MF Jovan Miller (Syracuse 11), #36 Brian Carroll (Virginia 10), #12 Justin Turri (こないだ卒業したばっかのDuke 12)らversatileなMFも多くいる。
  • 特に今回はStephen Bergerのベテランならではの匠の技をたくさん見せてくれた。もちろん速いし上手いんだが、それ以上にラクロスを本当によく解った、高いラクロスIQに基づいたプレーを複数見せてくれている。敢えてダッジで抜けなくてもリダッジして決める、ちょっとのずれを見逃さずに交わす、Long rangeでも上手く相手をスクリーンに使って、微妙なコースに打って決めるなど。
  • これでHoundsは1勝4敗。まだ成績に結びついていないが、一方で今回の試合で確実にリズムを掴んだはず。段々Chemistryも生まれつつある。今後の盛り返しに期待。

Highlight

2012年6月11日月曜日

MLL 2012 vol.01 Boston Cannons @Rochester Rattlers

NCAAのシーズンが終わると早速MLLのシーズンが本格化。正確には5月から既に数週間先行してシーズンは開幕しているが、NCAAトーナメントを戦っていたルーキー達が卒業直後に合流し、加えてNLLプレーオフを戦っていた一部のCanadianを中心とした選手たちも加わり、いよいよ6月からが本格的なシーズンという感じ。

今年からCBS Sports Networkが放映権を獲得し、レギュラーシーズンの試合を毎週放映。ESPNが毎週放映していた2008年のシーズンに近い感じになって来た。

今回は昨年優勝のBoston Cannons対、移転2年目のRochester Rattlers。

試合は雨の中始まり、終了前には土砂降りに。

結果は16対16の同点でOver time。最後はRattlersルーキーの# MF Roy Lang (Cornell 12)が決勝点を叩き込んで決着。これでCannonsは初黒星で4勝1敗、Rattlersは2勝2敗。

印象に残ったのは、

Rochester Rattlers
  • やはり今年もOFの柱はMLL 3年目で去年MVP次点だった#22 AT Ned Crotty (Duke 10)。Xから左右両方にスピードで抜いてぶち決めて来る。現時点ではPaul Rabilに次いで2番目のOF選手。
  • DFとGが良くなっている。明らかに。去年は#16 G John Gallaway (Syracuse 11)が一年目でアジャストに若干苦しんでいたが、明らかに今年は適応しつつある。加えて#40 DF John Lade (Syracuse 11)、#11 LSM Joel White (Syracuse 11)とのトリオが揃い、チームとしてもより手堅くなっている。
  • OFではMFの柱、12年目のリーグ最年長ベテラン、#9 MF Matt Striebel (Princeton 01)が未だにトップクラのパフォーマンス。シュートが上手い。速いとかじゃなくて上手い。スクリーン、タイミングや軌道のズラし、騙し、バウンドの変化球、その辺の玄人臭さ満載の上手さを見せている。
  • 一方で、試合には勝ったものの、あらゆる要素がたまたまハマったが故に、という面も否めない。特に「ぶっちゃけCrottyがハマったら勝つし、ダメだったら負ける」と言う状況はそんなに大きくは変わってないか...?イマイチ優勝に絡んで来る絵は思い浮かばない。

Boston Cannons
  • 言うまでもなく昨年MVP #99 MF Paul Rabil (Johns Hopkins 08)が引き続き鬼。今年明確に進化しているのは、余りにもLSMに着かれてスライド超早めに来るので、明らかにアシストに軸足を移している点。去年は無理して2-3人に囲まれても気合いで抜きに行き、時々決めるが結構潰される/外すというパターンが多かったが、今年は明らかにちょっと抜いてスライド発生させて空いた選手にパスをさばいて、簡単に得点させる、というパターンがかなり増えている。今シーズンはアシスト数が相当行く筈。
  • 他のメンバー、DF, MF, AT, Gいずれも主力が残っている。今年もなんだかんだ言って優勝候補か。ATは#14 Ryan Boyle (Princeton 04)、#7 Matt Poskay (Virginia 06)、そしてMFには#27 Kevin Buchanan (Ohio State 08), #10 Brad Ross (Duke 09)ら強力な打線が控える。層が厚いし経験値が明らかに一番高い。

Highlight

2012年6月9日土曜日

Loyola優勝の余波 vol.02 選手インタビュー(2)


同じくノーマークから準決勝/決勝での突き抜けた活躍と異様な落ち着きで一気に有名になった#24 G Jack Rankel (So)
  • マジでありえん。これ夢見てんじゃね?
  • 「何でそんなにぶっちぎったパフォーマンス発揮出来たの?」うーん、基本的にDFが自分が一番受けたいシュートに全部してくれた。だから簡単にセーブ出来た。ぶっちゃけいいシュート打たれてないと思う。
トーナメント17得点の新記録樹立でトーナメントMVP。準々決勝、準決勝で5得点ずつ、決勝で4得点と伝説を越えて神になったレフティー#12 AT Eric Lusby (院生)。ちなみに彼は1月のMLLドラフトでは膝の怪我からの復帰後でドラフトされていなかった。今週の追加指名でCharlotte Houndsへの入団が決定。
  • 単純に自分がたまたま「最高のタイミングでシュートが来だした(Got hot)」って事に尽きると思う。
  • トーナメント前の何試合かで不調になりシュートが枠に行かなくなった。なので、トーナメントでは「どコーナー」を狙うんじゃなく、ある程度「ちゃんとネットに行く様に」という意識で、全力で打つんじゃなくある程度丁寧に打ったのがハマった。
  • 自分が5年前Loyolaに入学した時は決して強豪じゃなかった。それが一年ずつ着実に強くなり、今ここに立っている。我ながら信じられん。
国内最強LSM三人衆の一人、OF力ではトップの#2 LSM Scott Ratliff (Jr)
  • ホント言葉に出来ない。人生で最高の経験。マジやばい。
  • ホントに今週はハマった。GのRankelは来まくったし、チーム全体が最高のパフォーマンスを発揮した
  • とにかくシーズン中は優勝を譲れない目標にして一つ一つ目の前の試合に集中して、一個一個確実に絶対に勝つ事にだけ集中した。だからこそ19勝1敗のシーズンが送れたんだと思う。
そして最後はHCのCharley Toomey。自身も90年に母校Loyolaを初のNCAA Finalに導いたGoalie。悲願の初優勝を決めた。
  • 選手たち、大学、卒業生、全ての関係者にとって最高の瞬間だ。
  • 私に言わせれば優勝は本当にこの選手たちにとって相応しい結果だと思う。本当に血の滲むような努力を積み上げて来た。
  • 本当に今回の優勝は個人ではなくチームによって成し遂げられた偉業だと思う。本当に彼らは個を殺してチームの勝利のためのプレーに徹した。
  • 3人のアシスタントコーチ達に心から感謝

2012年6月7日木曜日

Loyola優勝の余波 vol.01 選手インタビュー(1)

Pre Season 21位という平凡な評価から、1敗のみの「ほぼ」完全制覇のシーズンを遂げたLoyola。その衝撃は計り知れない。

その後のいろんなメディアや関係者からのコメントが印象的だったのでいくつか紹介。

まずはスタッフ/選手たちの言葉を紹介。

Underdog(低い期待値/下馬評)からの堂々の優勝。最後の最後まで正直最も揺らいでいない唯一のチームだった。完全に王者の風格。「今に生きる」「変化を見る」「他人でも環境でもなく他人の見る目でも無く、唯一コントロール出来る自分に集中する」「仲間を信じる」「感謝する」「ポジティブな感情を周囲に投げかける事で自らのセルフイメージとパフォーマンスを最大化する」正にスポーツ心理学の教科書のような、「フロー」を維持し続けたチームだったと言えるだろう。

彼らの言葉の端々からそれが感じられる。余りにもメンタルの教科書として使えると感じたので紹介させて頂こうと思う。話を聞いていて、彼らの笑顔と、漏れ伝わって来る喜びを見ていると、胸が熱くなり、脳が痺れ、目頭が熱くなる。下馬評を覆して優勝するってこういう事なんだなと。

現役選手/スタッフの皆さんは是非彼らの姿と心と目を焼き付けて、同じ場所に立って欲しいな...と願ってやまない。(そして、自分自身も、今戦うフィールドで、こういった形で何かを成し遂げられるよう、感動を手に出来るよう、引き続き毎日全力で頑張ろ&楽しも、っと思った次第。)

#31 DF Dylan Grimm (Sr)

  • とにかく今回の準決勝決勝も、徹底して「特別な事はしない。いつも通り、目の前の試合を一つ一つこなして行く事に徹する」というメンタリティで挑んだ
  • ぶっちゃけ優勝の実感は無し。試合前にスタジアムをジョグッた時も、「ん?なんか、これホントにNational Championshipなの?何かピンとこねえな。ま、いつも通りっしょ」という感じだった。
#27 DF Reid Acton (Canadian, Jr)
  • Goalieの#24 Jack Rankelが2年生にも関わらずステップアップしてDFを統制してくれた。
  • 来年は6人のAll Americanを含めたほとんどの主力メンバーが残り、若手も台頭してくる。来年も楽しみ。
エースでTewaaraton Trophy Finalistの5人に残っていた#4 AT Mike Sawyer (Jr)
  • 信じられん。ガキの頃からそもそもこのFinal 4のフィールドに立つ事が夢だった。それがまさか優勝出来るとは。
今回のトーナメントで一気に全国区のスターDF MFに上り詰めた、#5 DF MF Josh Hawkins (Jr)
  • 長い長い1年のシーズンだった。本当に全てを注いで死ぬ気で努力して来たので、勝ててマジで嬉しい
  • 今年経験した一年間の軌跡、一瞬一瞬を心に刻み付けて来年以降に生かしたい
  • 今まで自分たちは「優勝だけが最後の目的地」と割り切って、レギュラーシーズン中やトーナメントの予選では例え試合に勝っても決して心から勝利を祝う事は無かった。今、それを成し遂げたので、やっと心から祝える。

2012年6月5日火曜日

NCAA Tournament 2012 Final Loyola vs Maryland

2月に始まったNCAA Division 1 Men's Lacrosse。4ヶ月のシーズンを経て、遂に決勝戦。シーズン開幕前全く注目されておらず、ランキング20位にすら入っていなかったLoyolaと、昨年準優勝で涙を飲み、そこから20人以上の4-5年生を失い、生まれ変わったチームとして決勝にまで辿り着いたMarylandによる、Maryland州の2チームによる決勝。再びコート横最前列の席に陣取ってがっつり観戦。
準決勝を見る限り、Loyolaは引き続き最も完璧で穴の無いチームとしてNotre Dameを7-5で文句無く捩じ伏せ、Marylandはトーナメントを通じて急激に成長しており、優勝候補だったDukeを衝撃の16-10で粉砕。

準決勝を見終わってからこの試合の日の朝までどっちが勝つか何度も考えたが、ぶっちゃけ「余りにも両方良過ぎて全く解らん」が答えだった。

試合

何と、衝撃の9-3でのLoyola圧勝。圧巻。素晴らしかった。衝撃を受けた。そして、その裏にあるドラマとストーリー、それを踏まえてのLoyolaの素晴らしいパフォーマンスに感動し、胸が熱くなり、鳥肌が立った。

スコアボード

立ち上がりは一進一退。2Qの途中までは3-2でMarylandがリード。やはり手強いな、と感じさせられた。

が、そこからLoyolaのDFがMarylandをシャットアウト。何と2Q途中から試合終了まで40分以上完全無失点に抑え、逆に怒濤の7連続得点で完全にMarylandをなぎ倒した。

Loyolaの観客席は完全にお祭り騒ぎ。今年こそはと駆けつけたMaryland陣営は完全に沈黙。

感想

Loyolaが本当に素晴らし過ぎ。ぶっちゃけここ数年で最も「Completeな」「穴の無い」「完成された」「Well-roundedな(バランスの取れた)」チームじゃないかと感じた。ガチで、圧倒的に強かった。
  • 何と言ってもDF。Close DFは1対1でほとんど全く相手ATに抜かれていない。特にXからの1-on-1に対して全くGLEから内側に入り込ませてない。やばいシュートをほとんど全く打たれてない。打たれたシュートはGの#24 Rankel (So)が「ごっつぁんっす」でサクッとセーブ。で、そこからのクリアの落ち着きっぷり。正確さと安定感。Long stickのスティックスキルの安定感半端無し。
  • MF DFも相変わらず素晴らしい。ドレッドヘアがトレードマークのShorty DF MF #5 Josh Hawkins (Jr)とLSM #2 Scott Ratliff (Jr)を中心として、脚で徹底して付いて行き、「ゴツッ!!」というプッシュで絶対に流しきる。途中Marylandが徹底してやらしくShortyのHawkinsから攻め続けて疲弊させるという戦術を取って来たが、一点取られたもののその後気合いで凌ぎきった。
  • スライドも完璧。しかも異様にスティックアップ出来ており、かなりの数のパスカットが発生していた。Marylandの伝統の速いパス回しによる崩しが全く通用しなくなっていた。
  • 後は、相手OFがパスミスをした際、ちょっとチェックが当たってボールがこぼれた後のバックコートでのGBの際立った強さが印象に残る。DF陣のGB力が異様に高い。拾う技術も高いが、拾えるスペースに転がす力も高い。結果、基本ボール落としたらターンオーバーになるという状況になり、Marylandが得意のポゼッション重視の攻め続けるOFを維持出来なかった。
  • OFは相変わらずMFが強力。1st Lineの3人はもちろんこれまで見て来たとおりNCAA D-1トップクラスのサイズと身体能力と技術。#7 Buttsは相変わらず獣級。加えて今回は不安視されていた2nd Lineの選手が活躍し、点を取った。思ったより層厚いじゃねえか、ぶっちゃけRoster上穴ゼロじゃねえか、と感じさせられた。
  • そしてやはり最後は今回のトーナメントの主人公#12 AT Eric Lusby (Grad Student = 院生)。一昨年プレーオフで靭帯をやり、去年一年は棄権。帰って来た5年目の最後に爆発。トーナメント4試合で17得点。歴代記録を塗り替えた。今回も肝となるポイントで4得点。Time & room(スタンディングシュート)はもはや神の域。
Maryland...残念だ。
  • Duke戦の完璧すぎたパフォーマンスと打って変わって、今回は良さが出なかった。中一日で十分に準備出来なかったからか?戦術が決まってなかったのか?何がやりたいのかが若干不明確だったように見えた。
  • 集中力が切れたのか、Turnoverが目立った。
  • ここまで復調しつつあった#2 G Niko Amato (So)が、ちょっとセーブの精度が落ちちゃってるか?
  • DFも何かがおかしい。Duke戦では相手の強み弱みを把握しきり、集中して1 on 1でも抑えきり、スライド、カバーもばっちりだった。完全に「傾向と対策」に基づいた予習が出来ていた。が、今回はなんか1 on 1も中途半端。完全に抜かれてなくても結構最後の一押し、一歩が足りてなくてにゅるっと決められたり、全体の連動と空いた相手への詰め、コミュニケーション等が明らかに一段落ちている...2本目のパスを繋がれたら結構がら空きでシュートを打たれるというケースも目立った。
  • やはり準備が出来ないと脆さが出てしまうと言う事か。これが中一日のトーナメントの難しさだ。若いMD DFにとってはスカウティングと徹底した反復練習が肝だったはず。逆に上級生中心のLoyolaは単純にいつも通り質の高いチームDFを再現しただけ、という感じだったので対照的。やはりFinal 4に進出する事と、優勝しきる事との間には大きな断絶があると言う事だろう。
  • John Tillman HCが就任してから2年連続で決勝進出は文句無くOver achievementだろう。一方で、2年連続で準決勝で派手にDukeに勝ちながら、決勝で負けている。悔しさも倍増だろう。
試合後、喜びを爆発させるLoyola。シーズン開始前の21位という評価を見て、「ざっけんな!!!優勝してぜってー全員黙らす」となったらしい。敬服。

Highlight

2012年6月3日日曜日

NCAA Tournament 2012 Semi Final Duke vs Maryland

今シーズン3度目の戦い。レギュラーシーズン、ACCトーナメント準決勝はそれぞれDukeが勝利。
 Dukeは全体3位シード。Marylandはシード無し。経験の面でも、タレントの面でもDukeが上と見られており、Dukeは優勝候補の筆頭としてここに勝って確実に決勝に駒を進めたい所。

共にDFの堅いチームで、特にMarylandは去年から準決勝決勝では明確にポゼッション重視/セットオフェンス主体のスローペースラクロスを標榜しており、今回も6-5等のロースコアな試合になると見られていた。

が、これが本当にNCAAラクロスの解らない所。まさかのMarylandによるアプセット。しかも16-10という大量得点での勝利。(スコアボード

試合は序盤からMarylandがリードし、試合をコントロールするも、Dukeも負けじと食らい付き2-3点差のリードで追い掛け続ける。4Qの途中まで2点差だったが、最後の10分でMarylandが突き放し、最後の5分でDukeがリスクを取ってプレスに出るが更にMDが追加で得点して完全決着。

会場で見ていたが、Marylandの圧巻のパフォーマンスに感銘を受けざるを得なかった。

何が起こったか。

1. Marylandのペースの使い分け

非常に面白い。ここまで完全にポゼッション重視、毎回ストーリングを受けるのが前提で、ゆーっくりゆーっくりPatientに回して相手DFを疲れさせて、最後に確実なシュートを決める、というのが定石だった。

が、今回は試合開始前にHC John Tillman氏が明確に「Dukeに勝つにはこれまでのスローペースではダメ。アップテンポでハイスコアで行かないと。自分たちは別にスローペースしか出来ない訳じゃなく、敢えてハイペースでやってなかっただけ。やろうと思ったら出来る」と言っており、Quintが「えーホントすかー?」となっていた。

が、実際にそれを体現して見せた。試合中もTillman氏が「とにかく積極的にガンガン打って行け!」との指示を繰り返し。チャンスがあればリスクを取ってガンガン抜きに行き、崩してシュートまで行く。で、実際にシュートが決まりまくって完全に流れを先に作ってしまった。

こういう、「全く違った二つのペースでプレー出来る。それを相手と状況に応じて使い分けられる」と言うのが強い。

2. Marylandのシュートが来まくってた

Statsを見ると解るが、実は得点以外の数字はほぼ互角。シュート数では29-32でDukeの方が上回っている。GB/FOでもDukeが勝っている。確実に勝敗を分けたのは、Marylandの16/29 = 55%という異様な決定率の高さ。

確かに決定率の高い状況を作れていたと言うのもあるが、それ以上にシュートの上手さが際立っていた。ぶっちゃけ運の要素も含めて異様にシュートが入っていた。

(試合後、元LoyolaとMarylandのHCでもあるDave Cottle氏が、「MarylandはDuke戦で異様にシュートが入っていた。普通はどんな強豪でも大体3割前後が平均。もし、Duke戦で3割の決定率だったらぶっちゃけ接戦だった。と言う事は、実際の実力以上のパフォーマンスが発揮されたと言う事。Loyolaとの対戦では油断出来ない」と発言している。)

特にトーナメントに入って驚異的に来ている#23 MF Drew Sniderが4得点の活躍。一歩抜いて鋭く振り抜いて決める。明らかにスイッチが入った状態。

3. MarylandのOF上手過ぎ

Maryland 2年目のHC John Tillman氏の手腕が再び発揮された。完璧過ぎる戦術。完璧過ぎる遂行力。

明らかにDukeのスライドが通常と違っていた。戦術的に意図的にやっていたのか、単純に気持ちが入っていなかったのか?スライドのカバーがイマイチ出来ていなかった。一歩崩して、スキップパス、または2-3本パスを繋いでフリーでバシッと決める局面が何回起こったか。

特にクリースでの2枚の上下左右へのスプリットが極めて上手い。OFコーチ/OFリーダーの選手は見て学べる点が極めて多い。

4. その土台にあるのはスティックスキルの正確さ

あとはもう一個土台になっているのは、やはりMaryland伝統の卓越したスティックスキル(日本で言う所のクロスワーク)。パスキャッチで絶対にミスをしないのは当然だが、常に相手の「どボックス」に正確な弾道でパスを投げて来る。従って、同じSet OFで崩すシチュエーションでも、2本、3本とパスを繋ぐ中でチームOFが加速して行き、確実にパスでDFを置き去りに出来ている点。

そしてフィニッシュではシューターが貰って即最高のフォームでシュートが打てる位置に投げられているため、高い成功率を生んでいる。

やはりこれも徹底したWall ball(壁打ち)の積み重ねの結果か。

5. MarylandのDFが個で勝った

今年のDukeの攻撃の要はやはり強力MF軍団。これに対してMDの強力DF MF & LSMが相当いい仕事をした。それなりに被弾したが、それでも尚最小限に留めた。

加えて、Close DF 3枚も非常にいい仕事をした。特に、今シーズン一気にスターダムに駆け上がった1年生DF #44 Goran Murray (Fr)が凄い。機動力、敏捷性、フットワークで付いて行く力、無駄なチェックを投げずに落ち着いて角度とポジショニングで守る力、落とした後に拾って爆発的にクリアする力。全ての面で1年生にしてNCAAトップクラス。今回も相手エースAT #31 Jordan Wolf (So)にほとんど何もさせなかった。1 on 1で抜ける感じが全くしない。加えて、見ていて感じるのは明らかに頭がいい/ラクロスIQが高い点。クリアやGBでも非常に落ち着いている。

OFならともかく、1年生でここまで活躍するClose DFは余り見た事が無い。9th grade(中3)からラクロスを始め、一気に上手くなってMaryland入り。今後まだ3年ある。今後数年間MDのDFは最強クラスで有り続けるだろう。MLLに入る頃にはどこまで完成されたプレーヤーになるのか想像も付かない。

6. チーム全体でのセルフイメージ最大化

またしてもベンチでの"Mosh pit"(狂乱の祭り)が炸裂。激アツパンクバンドのライブ最前列かと。会場で見て解ったが、ガチでボディにコンビネーションのパンチ入れにいったりしている。頭オカしい。が、クソ楽しい。そしてチームの勢いを一気に増幅させる。ベンチの雰囲気に関してはぶっちぎりで国内最強なのがMaryland。これ、真似したら絶対に楽しいし、強くなると感じる。
と言う感じ。

一方のDuke

Dukeは残念。2010年の優勝以来これで2年連続でACCを制しながら準決勝でMarylandに破れている。特に今年はプレシーズンで1位と評価するメディアも多く、シーズンが深まるに連れ優勝の期待が高まっていただけに残念。会場にいたDuke関係者も茫然自失。Marylandには2回勝ってたのに...

これほど隙の無いチームを作り、これほどレギュラーシーズン後半、トーナメント1-2回戦でぶっちぎった強さを発揮しても、それでも尚優勝出来ないという事実。如何にNCAAで優勝する事が難しいかを改めて実感させられた。

明らかにあったメンタルの差

もう一つ別の視点で考えてみる。

試合を通して、何となくDuke全体が元気が無いと言うか、覇気が無いようにも感じた。スライドも行けてないのか?シュートも結構外してしまったし、無駄なターンオーバーも目立った。Final 4への緊張、はたまた2度勝っているMarylandへの油断?何らかのメンタルが作用した事は間違い無い。

辻先生のスポーツ心理学のフレームワークで言う所の、「下意識(または本来の実力)とセルフイメージのうち、より小さい方がパフォーマンスを決する」または「心技体のうち、『技』と『体』が持つ実力に対し、『心』(メンタル/セルフイメージ)は『足し算』ではなく『掛け算』として働くので、本来の実力を0にも120にもし得る」という考え方に基づくと、明確に今回は下意識では互角かDukeの方が上だったはず。が、後者のセルフイメージで明らかにMarylandに分が有った。Dukeは「なんか上手くいかねーなー」のまま試合を終え、逆にMDはフルッフルにセルフイメージを最大化して、本来の実力を十二分に発揮出来ていた。

やはり準決勝決勝の拮抗した試合、大舞台での大事な試合、強豪同士の競った状況になって来ると、この辺のスキルやフィジカルや戦術を越えた、根元の部分のメンタル/「心」の強さとしなやかさ、正しい「揺らがない」精神状態の作り方/方法論をチームの習慣として持っているかどうかが大きな勝負の分かれ目になってくると感じる。
決勝はMaryland-Loyola

これで決勝はMaryland-Loyolaのご近所対決。現MLLのChesapeake BayhawksのDave Cottleヘッドコーチが立ち上げたLoyola、そしてそこでの成功を買われて赴任したMarylandでも彼が今のチームの土台を作り上げた。試合前のインタビューで、「ここまで来た2チームに言うことはない。黙って見るだけだ。」と発言していた。同時に「ここまでシーズンを見て来た中で、最初から最後まで、Loyolaがベストチームだった」と言っている。一方でMarylandには勢いがある。去年決勝で戦った経験と悔しさもある。実はレギュラーシーズンでは長らく対戦していないが、毎年開幕前に近所なので練習試合をやっている。そこではLoyolaが勝ちTillman氏が「開幕前時点で全く気付かれていないが、もしLoyolaが、本当に今日自分たちが感じたほど強いなら、間違い無くFinal 4に絡んで来る」と感じたと言う。そしてそれは当たっていたと言う事。今回はどっちが勝つか。

Highlight

2012年6月2日土曜日

NCAA Tournament 2012 Semi Final Loyola vs Notre Dame

準決勝の一試合目。全体1位のLoyolaとNotre Dame。会場最前列に陣取って観戦。
先週の準々決勝でそれぞれDenverとVirginiaを接戦の末破り、実力を証明した両チーム。

一昨年決勝を戦っており、DFが安定している上ここ数試合でチームでのオフェンスが上手く行っているNDが若干有利かと見られていた。

結果は7-5で手堅くLoyolaが勝利。(スコアボード

結論から言うと、Loyolaのレベルの高さに正直ビビった&感動した。リーグ戦全体で1敗しかしておらず、全体一位シードも納得。生で見てその凄さに気付かされた。全てのポジションで、from top to bottomで強い。明らかにレベル高い。

Loyolaを立ち上げた後にMarylandで一昨年までヘッドコーチをしていたDave Cottle氏が「これまでシーズンを通して見て来た中で、最初から最後までLoyolaがベストなチームだった」とコメントしていた。また、DukeのDanowskiコーチもレギュラーシーズンで負けた後に「Loyolaは気付かれてないが身体能力高いしクソ強いぞ。特にDFがヤバイ」と言っていて、当時は「またまたー。どうせ負けた言い訳っしょ?」と思っていたが、やっと今頃になってそれらは本当だったと言う事が理解出来た...
  • まず、パッと会場で見て感じたが、明らかにサイズと身体能力でトップクラス。イメージDukeやMarylandやVirginiaなどのACCのチーム並みのでかさとゴツさが一目見て感じられる。かなりいい選手を集められたと言う事。
  • DFが相当レベル高い。3枚のClose DFがでかくて動けてチェックも巧くて、1 on 1でよっぽどの事が無ければbeatされない(抜かれない)。加えて連携やスライド/カバーが上手く行っている。正直3枚のセットとして、穴の無さでは全体トップDFのNDに引けを取らないと感じた。
  • Gの#24 Jack Rankel (Jr)が相変わらずでかい上に巧い。つか上手いマジで。あと多分この人メンタルが太い(動じない/揺らがない)。完璧なポジションングと角度でゴール、特にニアをビタッとふさいで、ファーに打たせたシュートを「はい、ありがとね♪」と聞こえそうなくらい「サクッ」と涼しげな顔でキャッチする。HC Toomey氏はG出身で、かなりしつこく角度とポジショニングを徹底されたとの事。納得。
  • やはり特筆に値するのはMF DF 3枚のレベルの高さ。#2 LSM  Scott Ratliff (Jr)の器用さっつったら無いわ。GBでの混戦での視野とかき出し&拾い。トランジッションでのShorty以上のOF力。普通にカットして貰ってロールしてシュートとか、エックスまで行ってクリースにフィードなど。伊達に高校時代DFやってOFになったらフライしてShortyに持ち替えて点取ってただけある。
  • Shorty DF MFの2枚。特にドレッドヘアがトレードマークの#5 Josh Hawkins (Jr)が半端無し。今まで見て来た中で最もカッコいいDF MFかも。生で見て一発で惚れてしまった。高校までアメフトでRunning Backだったという身体能力とガタイと頑丈さ。そしてスタミナ。一人で何往復すんねんと。で、相手のエースOF MF相手に「ガツンッ!!!」とか「ゴバッ!!」と音の聞こえるヘビー級のパンチのようなプッシュを腰に打って来る。相手が一発で吹き飛ばされてよろけるか倒れる。でもってクリアでは持たれたらオシマイ。爆走強行突破で確実にフロントコートに持って行く。DFとクリアとGB出来て、頑丈で走れてOFも出来る。何でも出来て超使い勝手いい。しかもスタミナぶっちぎってるのでずーっとフィールドに出てられる。ここまで揃った時点で確実に頭に浮かぶのは、「超MLL向きじゃねえか!」と言う点。実際に今回のトーナメントを見ているMLLのコーチ達の間で彼の評価が鰻登りらしい。来年1月のドラフトで上位指名される可能性を感じる。
  • OFも相変わらず人材豊富。準々決勝5得点の得点源レフティー#12 AT Eric Lusby (Gr=院生)がまたしても怒濤の5得点。一発目の下からくぐらせるフェイスダッジとか美し過ぎて吹いた。スナッピーで弾道が速い。#7 MF David Butts (Jr)の爆走ダッジが健在。
  • とまあ、引き続き「キャラが揃っている」または「役者が揃っている」。そして個々が全てレベルが高く個性がある。まるで梁山泊。
  • あともう一点だけ。目立たない所だが試合が終わって印象に残っているのは、異様なクリア力の高さ。こっそりとクリア率NCAA No. 1。相手のターンオーバー後/セーブ後のGとClose DF 3枚の落ち着きっぷり、フィールドを広く使えてるっぷり、スティックスキルが明らかに他チームと違う。加えてHawkinsの一人爆走クリアも、Ratliffの拾ってダッシュでFast breakもある。この辺がボディブローのように効いている印象を受ける。

対するNDは今回らしくなさが出てしまった。
  • DFがイマイチNDらしくない。凡ミスや不要なファウルがいくつかあった。
  • All American First Team GoalieになったNCAA最高G、#1 G John Kemp (Jr)が意外とシュートを決められていた。結構スクリーンにやられてたか?
  • ここまで「Great offense doesn't need great players」を標榜してチームOFでやってきたOFがここに来て消沈...
  • Statsを見ると、ほぼ互角だが、FOは13/14でNDが勝っている...それで普通負けるかね...それだけいいシュートを打てなかった/シュートを決められなかったと言う事。
敗戦後のインタビューでND HCのCoach Kevin Corrigan氏が、「過去7年間で5回Playoffに進出し、しかも2回もFinal 4に進出しておきながら、一度も優勝出来てない。今日もたったの5得点しか出来なかった事を見ても解る通り。結局OFである程度、2桁近く取れないとやはり優勝は厳しいと言う事」と素直に足りない点を認めていたのが印象的。
いやー、感想としては、Loyola強し。Pre-season rankingの21位ってどんだけやっちゃった評価ミスだよって話だ。

Highlight

2012年6月1日金曜日

Stick Dr. Tips 3

2010年12月

あーなるほどー、というtips、from Stick Dr.

凄い調子のいいスティックを編めて、数ヶ月後に同じ感触のものを作るべく挑戦してみたものの、なんか感じが違う...ちと引っかかるな...、ちとクレイドルしたときの安定感が違うな、という経験があった。少しでもポケットのvolatirityを減らし、再生率を上げて安定させるための工夫。

作るたびに毎回重要な箇所(サイドウォールやボトム、シュートストリング等)や全体のシェイプのアップの写真を取って保存するべし、というもの。確かに、今ならケータイでもiPhoneでもデジカメでも、いくらでも簡単に保存できるので、利用しない手は無い。なんとも簡単だし当たり前の話だが、言われてみると、ああ確かに!

長い目で見て、ビジュアルフィードバックはスキーマ形成/上達への近道だし、チームの中で上手い編み師の写真を共有する事で暗黙値の共有化/apprenticeship(徒弟制)的な技術伝承にも繋がるし。組織としての幅広い意味での強さを上げる意味で。

ま、そもそも個人としても毎回「あーなんか違うんだよなー」とイライラする必要なくなるし。現役の頃は、数ヶ月とか間を開けると上手く行かないので、一度に二つ編んだりしていた。(でも結局一つがだめになった時点で片方だけ編むので、2回目以降は意味無かった...)

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