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2012年5月19日土曜日

NCAAでの映像の利用の仕方

2011年3月27日

NCAAでの映像の利用

時々超面白い&役に立つ記事を書いてくれているILのInstructional Archiveの中で、丁度数日前、特に印象に残った記事があったのでピックアップして紹介。

"Watch Game Film Like a Seasoned Pro"。試合の映像をどうやって見るべきか、という話。(リンク

いろんなNCAAラクロスの記事やインタビューに触れる中で感じることの一つに、この映像利用の徹底がある。というか、ラクロスに限らず、あらゆるスポーツに於いて、アメリカはこの辺の映像利用では非常に進んでおり、徹底していると感じる。大学の施設の話をする中でも、スタジアム、ロッカールーム、ウェイトトレーニングルームと並び、このfilm roomが非常に重要な施設の一つになっている。そして、コーチングスタッフ/選手ともに、結構な時間をそこで過ごしているっぽい。特にコーチのコミットメントが凄い。フルタイムでやっていることもあり、相当何度も映像を繰り返して分解しきっている印象を受ける。

以下の記事、HopkinsのCoach Petroが実際にfilmを見て相手や自分たちを分析しているコメントが非常に面白い。なるほど、このレベルでやるのねと。

Face Off ClassicでのDave Pietramala。アメリカで人気だった、現代社会に生きるイタリアマフィアの末裔の日常を描くシュールでリアルなドラマ、Sopranosの主人公、ドンのTony Sopranoに超似てる...(と、思ってたら、正に今月号のILにそのネタがフィーチャーされてた...)

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“Now, bad job right here. The ball we know is moving clockwise, and we know it’s going here [to the left side]. This guy,” he says, circling the longpole, “is our support guy, our hot man. He should be starting to cheat over here, so the slide angle is inside out and a shorter slide. He’s starting to drift, and I’m going to say I guarantee that’s a freshman.”

It is. Matt Drenan, freshman defender from Rancho Bernardo, California.

“The tendency there is to want to stay with your man,” Pietramala continues. “Well, [senior d-middie Matt Feild) should be getting in and pushing Matt Drenan out a little bit. Matt should be bringing Feildy in and pulling him, and that way the slide is shorter, the second slide is shorter and we’re covered up.”

Unpause. From the left side, Syracuse senior attackman Brian Crockett snags the pass, makes a break for the cage and lets it rip. The defense doesn’t slide to him, and the shot misses the goal and ricochets behind the net for a Syracuse rebound.

“We decide not to go, because we don’t think it’s a great angled shot,” says Pietramala. “I’m not so sure I would have done that, I might have gone because that was a pretty good shot for Crockett.”

Pause.

“Funny how you know everybody after a while, isn’t it?” he says.

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この細やかさと徹底っぷり、そしてそれを裏付けるpassion(そしてobsession)。これなんだろう。Cornellを底辺からturn aroundし、JHUを復活させ、二度の優勝に導いたのは。

その他にもどういうレベルで相手や自分たちを分析、理解、仮説検証し、練習や上達や戦略立案に役立てているかが紹介されていて参考になる。

あと、最後に載っていたビデオを見る時の5つのtips。これも僕らにとって非常に参考になると思ったので紹介。NCAAのトップレベルで、どういう意図でどんなことをやっているのかを理解し、いいところをcherry pickするために。

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FIVE QUICK GAME FILM STUDY TIPS

1. Follow the Off-Ball Action
  • Just like in a game, you’re expected to follow your assignment, not the ball. It’s the same when watching game film. Study the players moving without the ball to better understand an opponent’s offensive cuts, slide packages and special teams play, as well as your own position in set plays.
  • これ、非常に同意出来る。ボール持ってる選手だけ見るのは素人の観客の見方、エンターテインメントコンテンツとしての見方だ。
2. Mind the Smallest Details
  • In poker, the slightest finger tap or head scratch can give away an opponent’s hand. Lacrosse has similar types of tells. Does the goalie hitch his stick every time you shoot stick-side high? Does the big defender always go for an aggressive check up close? Those small tendencies can break open a game.
3. Don’t Skirt the Lowlights (地味なプレーをおざなりにするな)
  • Watching yourself score that sweet behind-the-back shot is always fun, but don’t forget to study all the times you made a bone-headed play(愚直で地道なプレー) too. Film can help you zero in on(照準を定める/集中する) your own bad habits and help you correct them.
  • これも大事ですな。凄いプレーは凄いプレーで盛り上がればいいと。ただ大事なのは、こういう細かい地道な基礎の部分もきちんと見て、弱点を潰すこと、優れたプレーをアイデンティファイし、認め、褒められること。
4. Study the Classics
  • Don’t just get caught up in your opponent. Get a hold of some game film of the great players, whether you play offense or defense, and study the techniques that made them so awesome. Old championship weekend broadcasts are a good source. This type of study is an easy way to add a few new tricks to the arsenal.
  • なるほど、やはりNCAAのコーチでもそういう考え方してるのか。「これ古いし。だせえからいいや」は無いってことねと。別に新しくないと一気に価値が下がるVideo Gameや科学技術/インターネットテクノロジーやファッションでもない訳で。映画や音楽や文学作品のように、古くてもいいものはいい訳で。ましてや突出した選手やチームはそうそういる訳でもなく、それらから学べることは常に有るし。フィジカルや試合の組み立てやメンタルの部分は普遍だし。もっと言うと、昔で環境やルールが若干違うが故に尚際立って学べる点も多いことすら有り得るし。
5. Watch Practice Film
  • If your program films practice, watch it. If not, ask the coach to film practice. Like game film, practice film can help work out the kinks and bad habits. It can also tell the type of hustle and effort in your prep work. If you had a bad game day, studying the previous week’s practice film can help you
  • この徹底っぷり。僕らはHopkinsの試合でのパフォーマンスしか見ていないが、その裏で徹底してこういう細かく地道な学習/修正/改善の作業を積み重ねてる訳ねと。そりゃあ仮に高校時代で既に有名な選手だったとしても、4年間で更に飛躍的に上手くもなるよな、と思ったっていう。

2012年5月16日水曜日

George BreresのGoalie講座 vol.2 Goalie 1on1

2012年3月31日

MillonのThe Ultimate Guide to Youth LacrosseのGoalie講座 by George Breres (元Long Island Lizards)2発目。Goalie 1 on 1について。これも元ATの自分としては聴いていていくつかなるほどなーと思わされる物があった。

基本的にはキッズ/ジュニア向けの講座なので、基本をしっかり教える作りになっている。が、一方で、いくつか実戦的なコメントがあり、大学からラクロスを始めたGoalieの選手にとっても学ぶものがあるかな?と感じたので紹介。

そして、どちらかと言うとOFの選手が相手Gが何を意識してやっているのかを理解した上で、じゃあ更にそれをbeatするためにはどうすりゃいいんだ?を考える上で非常に参考になると思った。

リンク



揺らがない事
  • 時々DFが相手の強いATに1 on 1でビートされて、ATがleak(ペネトレート)してくる。
  • が、大事な事は、絶対にそれに対して焦ったり揺らいだりしない事。
  • 大事なのはPYP、Play your position、即ち、自分の仕事に集中する事。
ちゃんと相手の動きを見る事
  • ATがXの1 on 1でdefensemanをビートし(抜き)、come aroundして表側に抜いてくる際に、それを常時しっかり見続けておく事が大前提。
  • もしそれでヤベッと思ったりする必要は全く無い。Don't worry about it。別にフリーでシュート打たれたってゴーリーが止めりゃいいだけなので。
PYP: Play your position(自分のポジションを守れ)
  • 決して、絶対にやってはならないのは、(フットボールのDFのように)ゴール前の定位置から踏み出してATにチャレンジしに行く事。ちょっと上手いATになると、一発か二発フェイク入れて、しょぼいゴーリーをゴールから手前に引き出して、一歩かわして簡単に得点されてしまうので。またはcome aroundしてコーナーに突き刺されるので。
  • (→相手と近づいてゴールから離れることによって返って簡単に得点され易くなってしまうというメカニズムを理解する事が大事、初心者Goalieは心理的に、何とかしなきゃ、相手に近づかなきゃ、と考えてしまい勝ちということなんだろう。闘牛の牛のように突進してヒラリと交わされるのは相手の思うつぼだし、滑稽な絵だ...)
  • 基本的に、特に経験不足の相手の時は、外す時と言うのは大体相手がナーバスになって、何をすればいいか/どこに打てばいいか解らず、「あわわわわ、取りあえず打っちゃえ!」と打って外すかGoalieにぶつけちゃうケース。
Stay as big as you can(でかく見せろ)で、無駄に動かない
  • Goalieとして1 on 1で極めて大事なのは、"Stay as big as you can in the goal"(ゴール前で可能な限りでかく立つ/見せること)。特にパイプ際にいる時。トールネットを可能な限り身体で覆い隠すこと。
  • もしGoalieが動じて動かなければ、ATは動揺して/慌てて、何度もフェイクして、そうこうしてる間にスライドのDFが来て潰してくれる可能性が上がる。
  • ATがフェイクを繰り出す時に、大体彼らは経験的にそうやればダメゴーリーはゴールから自分に向かって突進して来て、簡単に交わせると知っている。何故なら非常に多くのしょぼいゴーリーがそうしがちなので。
  • もしGoalieがそこで乗せられずにその場を動かなければ、胸とかスティックにボールを当てちゃう可能性が増える。
焦る必要無し。止めること期待されてないし
  • もう一つ大事なのは...GoalieとOFとの1 on 1に於いて、ぶっちゃけ"You are not expected to make save there"(そもそもセーブすることなんて期待されてない)ってこと。決められて当然、ってのがボトムライン。もし10本中1本セーブすればヒーロー。ハイライトリールに載る。
  • なので、動じず、焦らず、ただひたすらポジションを維持し(下手にATに対して踏み出さずに)、Stay big(大きく立ち)、ATが勝手に自分の胸やスティックに当てちゃって自爆するのを待て。
相手のスティックのヘッドを自分のスティックでキャッチする
  • そして、最後に大事なのは、単純に相手のスティックのヘッドをキャッチしに行く事。近い距離ではロングシュートと違い、high to lowやhigh to lowみたいな、スティックとシュート軌道の高低差を気にする必要が無い。単純に相手のヘッドに自分のヘッドを合わせにいくだけ。
  • (→これ、ATの側から見たGoalie攻略論として凄く大事な点だ。ってことはスティックを長く持っちゃって遅いスピードでぐるんぐるん動かしてもキャッチされるということ。スティックをchoke upして短く持って、リストのスナップで素早く動かし、頭や肩のフェイクで如何にGoalieを大きく動かせるか。)
これらを守り、自信を持つ事。そうすりゃ偉大なGoalieになれるので


個人的に、この辺の期待値の話、それによって揺らがぬセルフイメージを維持するというメンタル、前にステップアウトしないで動かない、ヘッドを捕まえる、の考え方等、心理戦も含めた駆け引きが非常に面白いと感じる(MMA[総合格闘技]のカウンターパンチ/タックルの技術にちょっと似ている)し、ATとしては逆にこの辺を理解するとGoalie 1 on 1のシュートでもう一歩成長出来ると感じる。

    2012年5月14日月曜日

    George BreresのGoalie講座 vol.1 基本姿勢

    2011年3月22日

    MillonのThe Ultimate Guide to Youth Lacrosseからの抜粋動画。Goalieの基礎編。(リンク

    自分自身がAT出身だからだろうか、何故か卒業して時間が経ってラクロスに触れる中で、異様にGやDFの技術に知的好奇心を感じてしまう。知らなかった事がいろいろ解って相当面白い。「なるほどー!こういうこと考えてやるんだ!」と目から鱗な話が満載。

    G/DFの選手からすると「んなこた基本っすよ」って感じかも知れないけど...まあ、仮に基礎だとしても、こうやって元トッププレーヤーのコーチ達の口から彼らの言い回しで、HowやWhyの部分まで含めて聴くのは間違い無く無駄にはならないだろってことで。また、OFの選手からすると、この辺の相手がやろうとしてる意図やメカニズムの部分を理解する事は、相手を攻略する上で間違い無くプラスになる。NCAA/MLLの選手たちのこの手のインストラクションを見て毎回感じるのは、相手ポジションのセオリーや技術をよーく解った上で駆け引きしてるなということ。「DFは教科書としてこうすることを教えられてるので、敢えてその裏を突け」的なコメントをよく聴く。

    元MLL Long Island LizardsでMillonとチームメートだった、Mark Millon Campのゴーリーコーチ担当のGeorge Breres(ブアズ、かな?音的には)。今回のは基本姿勢。


    スタンス
    • まずは、肩幅のスタンスを取る事。狭過ぎるとボールに対して動けなくなる。所謂"Athletic Position"で、常にどちらの方向にも瞬間的に踏み出せるようにしておく。(動画で見ると実際には多少肩幅より広く構えてる感じだろうか。もちろん骨格的に実際に肩幅が広いというのもあるが、全体的に軽く肩幅を盛る傾向を感じる。)
    • そして大事なのは、膝がつま先の真上に来るように意識する事。それにより、膝に程よいたわみが生まれ、柔らかい下半身(bouncy legs:弾けるような下半身、みたいな)を維持出来、いつでも瞬間的に左右どちらにも、前にも動ける。(→テニスやバレーや卓球のレシーブでサーブに備える際の身体を連想させる。)
    体全体
    • Sitting down、つまり、座るようなイメージ。
    • ちょっとお尻を落として、つま先、膝、肩を結ぶ線が垂直の一直線上に結ばれるよう意識する。それにより膝が程よく曲げられ動き易くし、臀部が沈み込むことで安定し、上半身が少しだけ前傾されることで拇指球体重が維持出来、一方で背筋をある程度保って胸を張らせることで十分な視野を確保出来る。
    腕とスティックの位置
    • 一度腕を全部伸ばし、そこからスティックを身体に近づけて行き、丁度真ん中まで近づけた位置。この位置にスティックを置く理由は、とにかくリバウンドを防ぐため。リバウンドを出来るだけ防ぐ事がゴーリーにとって肝となる。
    • スティックを身体に近づけ過ぎてしまうと、off stick side highのシュートをセーブした際にバツン!とパンチしてしまい、ボールが跳ね返ってしまい、リバウンドでやられるリスクが生じる。
    • 腕を曲げておけば、キャッチし易くなり、リバウンドを防げる。
    繰り返すと、
    • つねに腕を曲げ、seated position(座ったポジション)を維持する事。
    • ゴールの枠のどの位置にも素早く簡単にスティックを持って行けるようにすること。

    2012年5月7日月曜日

    Kyle Harrisonのシューターに対する詰め方

    2011年4月15日

    これも「ど基礎」から一歩中に入った話。自分がDFをしていて、マークマンのTime and room(日本のラクロス用語で言う所の「スタンディングシュート」)に対して詰める/寄る際の技術。

    こういう、何となく経験則で各選手がいろんな考え方を持ってたりする技術に関し、「理屈で考えるとこれが正解」「実際にトップレベルでもそうやっている」とバチッと正解を提示してくれるのは有り難い。余計な議論の時間と労力を省ける。

    リンク


    • 自分がDFをしていて、シューターに向かうとき、スティックに向かってシュートを喰らうのか、シュートの軌道を避けるのか。
    • 人によっては(特に古い世代は)シュートをよけろと言う人もいる。
    • が、それはHopkinsのCoach Petroが教えるやり方じゃないし、今のMLLの選手たちがやっている事でもない。
    • 正しくは、相手がシュートを打つ時に、相手の身体ではなく、スティックに向かって走って行く。シュートコースに思いっきり入りながら詰めていく。
    • そうすれば、相手は自分越しにシュートを打たなくてはいけない。上手く行けば自分にボールがぶつかり、跳ね返され、失点のリスクを確実に防げる。
    • もし相手がそれを察知してフェイスダッジ/スプリットダッジで左に抜いても、Great。それこそ自分のやりたい事。ライン際に流して行く。Help(スライド)が来るサイドなので。
    • やってはいけないのは、直接相手の身体に向かってぶつかりに行く事。シュートフェイク/Hitchで自分をFreezeさせ(ビクッ!と固まらせて)、(スライドのいない)表にstep aroundして抜かれるリスクがあるし、自分をスクリーンに使って(シューターの身体を隠して)簡単にいいシュートを打ててしまうので。
    • Again、シュートコース、スティックに向かって行く。相手の身体にぶつかりにいかない。そうすれば、①自分に当たらないように打とうとして軌道が外にずれたり、②自分にシュートが当たって跳ね返ったり、③フェイスダッジ/スプリットしてライン際に流れてくれるので。

    てな感じ。身体に当たりに行っちゃダメなのねと。で、その裏にはきちんとロジックで説明可能な合理的な理由があるのねと。

    もし恐怖心があるなら、最初はテニスボールを使って相手に遠慮なく打ってもらい、自らシュートにぶつかりに行く/シュートコースを潰しに行く、というドリルを毎日繰り返すと慣れてくるかも知れない。まあ、Goalieなんて別に毎日ボールを身体に当ててセーブしてる訳だし。逆にこの練習をすればシューターも、DFが来ても遠慮なくコースを狙って打つ練習、スクリーンとして相手を利用して正確に打つ練習にもなるし。

    そして、恒例のflip side of the coin。OFの立場から見ると何が言えるか?DFが詰めて来る位置/角度によって取るべき選択肢を変えるべし、それを延髄反射で本能的に出来る所まで高めるべし、ということだろう。この映像で言えば、
    • 身体に向かって左側から当たって来たら、①そのままスクリーンに使って打つか、②ヒッチしてスライドのいない表に思いっきり抜いて行く
    • もし右側のシュート軌道で詰めて来たら、①フェイスダッジでライン際に抜く(でもSlideがいるので次の動き/判断が必要)、②もし打ち分ける技術があるなら、肩越し/腰横/足元の隙間から打つ、③諦めてステップバック/ロールバックして仕切り直し(再び間合いを取ってdodgeかパス)
    で、上記の練習に組み合わせて、相手に詰める角度/位置を毎回ランダムに変えて貰い、ゴールとの位置関係で本能的に次の動きを身体が勝手に選ぶレベルまで反復すると。

    2012年5月2日水曜日

    STX training vol.07 Kyle HarrisonとSteven BrooksによるLiftとJamへの対処法

    2011年4月13日

    これも細かいけど痒い所に手が届く感じ。特にFeederのATの選手、スライドを受ける事が多いMFの選手には非常に大事な事を教えてくれる動画だと感じたので。

    リンク

    (Kyle Harrisonが千鳥の大悟さんに似てきてないかって話はさておき)

    クレイドル時に、DFにLift checkされたり、Jam up(スティックと腕と身体の間の空間にスティックを突っ込むこと)して来たときの対処法。特にATに成り立ての下級生、OFの主軸になって毎回相手のLong poleを背負うことになるMFの選手にとっては特に使いこなせるようになっておきたい技術。やってる事自体は自然と身に付くことだが、トップレベルの選手たちがどう考えているのかを知る目的で。

    ちなみに、この相手のスティックと腕の間に自分のスティックを突っ込む"Jam-up"の技術。NLLやNCAAでも結構よく見る。特にShortyのDFで。日本でやっていた/見ていた時に比べるとより頻繁に。特にNLLのShorty Defenderたち、NCAAのDF MFの選手たちのスティック使いは極めて多彩で器用。DFの選手は(脚でしっかり着いて行くという大前提を見たした上で)いやらしい技のレパートリーの引き出しにストックしておいて損は無いかも。

    Kyle Harrison on Lift
    • Defenderの多くが、リフトをして支えておけば、相手はシュートやパス出来ないだろうと思ってリフトを狙って来る。
    • なので、リフトをされたら、スッとボトムを離して、相手のスティックをスルッと通過させて、ですぐに両手に戻す。そうすればすぐにまたシュート/パス出来るので。

    Steven Brooks on Jam
    • ダッジしてゴールに向かって抜こうとすると、Defensemanの多くがJamしてくる(スティックを相手のスティックと手と身体の間の空間に突っ込んで来る)。
    • なので、対処法としては、相手がスティックを入れようとしてきたら、ボトムの手を離して、スティックを身体から一回離し、で、そのスティックに対してボトムを持って行ってエンドを持ち直し、すぐにシュートを打つ。

    Kyle Harrison on Jam
    • まあ、人によってそれぞれ考え方はあるけど...
    • 個人的には、Jam対策で片手になったら、可能な限り早く両手に戻すべきだと考える。
    • 多分片手でそのままプレーでき、シュートを決められるのはGary Gaitなど一部の(身体が大きく、パワーが桁違いにあり、スティックスキルも異様に高い)限られた選手だけ。(ちなみにDenverの#22 AT Mark Matthewsもその限られた選手の一人だろう。でかくてパワーあるCanadian。)
    • だが、自分も含めた多くの選手は当然両手じゃないとプレー出来ない。
    • なので、Jamされたらサッとボトムを放して、相手のスティックをスルッとやり過ごして、出来るだけ早く両手に戻る。

    と、いう感じ。両者の実演映像を見て感じるのは、
    • 自由自在に両手-片手を切り替える柔軟さ
    • 片手になってJamをやり過ごす時に、結構大きくスティックを離している点
    • 当然、脚を動かしながら、スピードに乗って動きながらやっている(脚が止まってたら意味ないので)
    • 話したら速攻で両手に戻している点
    皆さんも左右の持ち替えや、両手から片手への移行は散々っぱら練習していると思うが、更に、意識的に/スペシフィックにこの「片手から両手への戻し」を敢えて個別の技術要素として切り出して、出来るだけいろんな形/体勢で、ある程度速いスピードで、走りながら、練習しまくるってのは有りかも知れない。で、戻してすぐシュート/パス、と言うところまでセットで繋げて練習すると尚良し

    今年のNCAAの試合を見ていて、出来るだけ片手にならない、または片手になってもすぐ両手になってフィード出来る状態を維持することを「明らかに意識してやってるなー」と感じる選手は、Cornell #3 Rob Pannell、Virginia #6 Steele Stanwick、Maryland #27 Ryan Young、Syracuse #22 JoJo Malasco、UNC #34 Nicky Galasso辺りだろうか。要は、上手い選手、特に得点数だけじゃなく、アシスト数でポイントを稼いでいるATの選手たちは見ているとことごとくそうですな。

    去年のDuke #22のNed Crottyもそうだったし、明確にPodcastのインタビューで、パスやフィードに上手くなりたいジュニアの選手たちへのアドバイスは?との質問に対し、①脚を動かし続ける事、②視野を取り続ける事、③出来るだけ両手でスティックを持ち、ready position(肩の横)にスティックを持っていつでもパスやシュート出来るようにしておく事、と言っていた記憶がある。(ATだった自分は、現役時代、抜く事に固執する余り片手で走り過ぎていた気がする...今考えると結果としてシュート/フィードの選択肢を自ら潰していて、返って守り易くなっちゃってた気がする...反省。)

    2012年5月1日火曜日

    STX training vol.06 Kyle Harrisonの"Throwback"(逆投げ)

    2011年4月7日

    一歩応用編に入った、痒い所に手が届く超実用的な技術解説をもう一つ。

    これも要領のいい選手は上級生/社会人となるに連れ自然発生的に似たようなことをやり始めているだろうが、一つの技術として明確に切り出し、名前を付ける/ラベルを貼る事で更に技術スキーマとして認知/確立し、伝達可能な形式知にすることで、より高い質で安定して出来るようになったり、まだ知らない/出来ない選手が学ぶ上での学習効率を飛躍的に高められる。

    Kyle Harrisonによる、"Throwback(スローバック)"と呼ばれる技術の解説。直訳すると、「逆投げ」とか「投げ返し」とか「後ろ投げ」という感じだろうか。これこそ細かいようで試合で実は瀬戸際の局面で大きな大きな差を生む技術の典型。1-2秒の差が大きな分かれ目になってくる局面で極めて効果的なテクニック。

    これを見た上でHopkins等の試合を見ると、実際に頻繁に使われている事が解る。多分チームとして意識的に練習して使っているはず。07年のRabil-Peyserの'10 US代表の黄金MFコンビが正にこれだけで簡単に点を取っていたのが思い出される。(そして2011-12年には#31 John Ranagan - #9 John GreeleyのコンビがRabil-Peyser時代の再来で全く同じ事をやっている。)

    リンク


    • HopkinsやSyracuse、Cornell等、上位チームがよく使っているプレー
    • ダッジ力のあるMFにとっては、身に付けておくと便利なプレー。特に早いタイミングでスライドを飛ばして来る相手と対戦する時に非常に効果的な技術。
    • まず、ダッジャーがダッジしてスライドを引きつける
    • 中学/高校で学ぶ基礎としては、ここで"Roll back"、即ちロールして、DFとの距離を確保した上で、逆の手に持ち替えて確実にパスをすることを習う(→裏を返せば、まずはこの"Roll back"を確実に身に付けている事が大前提ということだろう)
    • ところが、大学やプロ等、ある程度高いレベルでの戦いになると問題になるのが、roll backして数秒掛けているうちに、slideのdefenderが「あ、パスするな」と察知し、サッと元のマークマンに戻ってしまい、パスが出せなくなってしまう/出せても崩れてない状態に戻っちゃって意味が無いという点。
    • 自分がHopkinsで教わったのは...Roll backする代わりに、少し横/斜め後ろにステップバックしながら、DFとの距離を保ちつつ、走りながら、持ち替えずに、そのままの手で逆サイド/またはスライドによって空いたプレーヤーにパス。
    • これにより、Slideに来たDFに戻る隙を与えない上、更に離れた位置まで連れて行くことが出来るため、自分はまだ2人のdefenderを十分に引きつけたまま、トップのJoe Walterにパスを出せる。で、Walterはそのままフリーであればシュートに行く、マークがついていてもクリースにスペースがある状態でより有利な1 on 1が掛けられる
    • このThrowbackの技術を練習して身につければ、roll backに比べて遥かに効果的に/簡単に自分以外の選手をオープンに出来る事を実感出来るはず
    • いい練習方法は、トップで二人組になり(チームでやるなら二列作り)、ダッジして外に流れ、ステップバックしてスローバック、で、もう一人もパスを貰ってダッジしてスローバック、をドリルとして繰り返す。(ちなみに、これ、試合会場でアップ中のHopkinsが実際にガンガンやっていた。)
    これ、KyleはMFのトップからでやっているが、ATにも共通する、というかむしろATの方が使う頻度が高いかも知れない。現MVP候補筆頭のCornellのAT #3 Rob Pannellを見ていても同じ様に、roll backせずに、ステップバックしながら、または横に流れながら、場合によってはその場でステップを踏みながら、DFを引きつけた状態でフィード、というプレーをよくやっているように見える。

    ラインドリルやトライアングルパス(って今も呼んでるか解んないけど)みたいに通常のパスドリルの中に一時的に組み入れてもいいし。チーム全員がある程度試合でcomfortableに使える基本技のレベルにまでこの技術を身につければ、試合中の崩しからの攻撃の幅が圧倒的に広がって来るはず。

    Flip side of the coin(逆の視点)で考えると、DFとしては、確かに、roll backならシュートもダッジで抜いてくる事も無いので、スライド止めてとっとと戻っても全く怖くないし、場合によっては振り向きざまを狙ってダブったりも出来てしまう。が、もし正面を向きながらstep backされると、一気に面倒臭くなる…もし戻っちゃってリダッジされたら完全にフリーになっちゃうし、場合によってはそのままシュートも有り得る。かと言ってそのまま着いていくと思いっきり外まで引っ張られちゃって、別の場所に大きなスペース/フリーを作られちゃう。でも中途半端なのが一番最悪…って考えると如何にOFにとって心強い武器になるかが解る。

    2012年4月30日月曜日

    STX training vol.05 Brett HughesのLong PoleのStick Skill

    2011年4月5日

    痒い所に手が届く実戦的なSTX Training Seriesから引き続き抜粋。これも非常に生活の知恵として参考になるなと思ったやつ。

    VirginiaでAll American、現LXM PROコアメンバーのBrett Hughes(ブレット=ヒューズ)のLong pole(ロングスティック)のスティックスキル。相変わらずこの人ワイルドでカッコいい。STXのBio

    リンク


    以下抜粋。

    常時投げられる位置にスティックを持つ
    • クリア時のスティックスキル。如何にATのライドのプレッシャーを交わしてボールをバックコートからフロントコートに運ぶか。
    • とにかく一番大事な事は、出来るだけスティックを常にパスを投げられる状態/位置に持っておく事。
    • なぜなら、ボールを貰いに来るMFが空くのはほんの一瞬。常にスティックを肩の位置に掲げて、常時パスを投げられるようにしておく必要。

    Option 1: Roll back
    • クリップであるように、ATのBrendan Mundorfがプレッシャーをガッと掛けて来る。
    • 多くの若い選手がそのままfight through(気合いで抜く)しようと、左手の片手一本になってサイドライン際に走りきろうとして、ATの思うつぼにハマってザックリ落とされる/押し出される。
    • 一番簡単な対策は、大きくRoll Backして引き返し、自らスペースをクリエイトし、余裕のある状況で逆サイドでがら空きになっているゴーリーやLong poleに投げるというアプローチ。
    • 単純にちょこっとダッジしてすぐ片手になっちゃうということはやっちゃダメ。

    Option 2: Face Dodge Moving Up Field
    • 2つ目のオプションは、フェイスダッジで抜いて行くこと。が、注意点が。
    • Walking a dog(犬の散歩)状態と呼ばれる、片手でブラーンとスティックを長く持ってサイドライン際を走る状態は最も無防備でやられ易い状況。これは出来るだけ避けたい。
    • 問題は、片手でパスが一切出来なくなってしまう事。これだとATの思うつぼ。(ラクロスを始めた頃は何となく玄人っぽく見えるかな?なんて勘違いしてついついやっちゃいたくなる気持ちも理解出来なくも無いが...)
    • なので、(安心感のある)利き手でフェイスダッジのように、利き手のまま、両手のまま、フェイスを切って一回相手をちゃんと抜く。
    • で、一回抜いてスペースが生まれた状態で逆の手に持ち替えて、余裕のある状態で空いたMFに確実にパスを出す。
    • これだと走りながら、相手とのスペースがある状態で投げられるので、大分楽になるはず。
    • ポイントは、抜く時は無理していきなり左手にスプリットで持ち替えて抜くんじゃなく、安心感のある右のフェイスダッジで一回抜き、(でも当然そのままじゃ投げられないので、)余裕が出来てから左に持ち変えるという点。
    • (→まあ、もちろん、ハーフラインを越える間際で、完全に相手ATとの1対1の状況で最後のtrail checkを背中で受けて交わしたら終わり、みたいな状況だったらそのまま片手になって走りきった方がいい、等のシチュエーションはあるだろうから、究極的には状況次第って話なんだろうけど。要は無駄に片手になるなってことですな。)

    なるほど、Brett Hughesほどの上級者でもこういう安全策を取っているのか...勉強になる。クリア時にプレッシャーの強いライドと対峙した時にあわわわわドッカーン!となってしまうDFの選手には多少参考になるかも。

    あと、言及はしていないが、実演を見て気になったのが、スティックを結構短く持っている点。エンドを相当余らせ、Upper handも結構ヘッドに近いところを持っている。彼なら恐らくリーチは200cmはあるはずだし、スティックスキルも相当あるので、やろうと思えばエンドを持つ事も十分に出来るはず。でも敢えて短く持ってコントロールと安全性を重視している。エンドを叩かれるリスクよりもスティックコントロールアップを取っていると言う点。保守的に確実性を重視するクリア時ならではの選択。

    あと、またしてもいつものflip side of the coin(裏側の視点)。ATからすると、逆にこの辺の動きを身体で覚えてないDFを相手にした時はしめたもの。Walking a dogを作らせちまえばもうパスは出来ないので、こっちのもんって訳だ...また、最低限ロールする事ぐらいは知ってる相手でも、ある程度ロールを読んでロールした瞬間に更にねっちゃり脚で着いて行ってやらしくプレッシャーを掛け、ついでに投げる瞬間にボトムのグラブにこっそり小さいリフトとかサクッと入れちゃって、パスミスを誘発させるってのもありか。相手が「あわわわっ」とパスミスして「おいっ!何やってんだよ!」とかベンチから言わせちゃったり出来ると、Sっ気の強いATにとっては実はスティックチェックでシバくよりも深みのある快感が...

    2012年4月29日日曜日

    STX training vol.04 Steven BrooksとKyle HarrisonのShooting out of a dodge(ダッジからのランニングシュート)

    2011年3月18日


    Steven BrooksとKyle HarrisonのShooting out of a dodge(ダッジからのランニングシュート)

    これも、実戦的なことに加え、body-typeとplay-style、及び状況や相手に応じて使い分けられる種類の異なるランニングシュートの技術が紹介されていて面白い。



    Steven Brooks: Leanして気合いで打つ
    • ちなみにSteven BrooksはSyracuse '08の優勝メンバー。その後Chicago Machineで活躍し、現在はLXM Pro。2010年のUS代表入りも期待されていたが、怪我で断念。2014年を目指したいとのこと。
    • DFに並走された状態での自分の得意なシュートを紹介。
    • Splitでoff handの右手から、strong handの左手に持ち替えつつダッジ。
    • DFはセオリー通り走りながら外にpush outしてくる。
    • その時に、流されずに、相手に対してleanする(寄りかかる)。何故ならpush outされてシュートアングルを失いたくないので。
    • その時に大事なのは、腕を体から離すこと。体の前側にプラプラ出しちゃうとリフトされちゃうので。なので、ボトムハンドをpunch outする形で、可能な限り後ろに伸ばして、手を体から離して、で、そこから相手のスティックチェックを「オラァ!」と力で押し切る形でグイッと打ち切る。
    • (→これも非常に面白い。相手を抜ききらなくても、並走した状態でシュートを決める技術をここまでちゃんと切り出して解説してくれてるのは珍しい。より実戦的。それもやはり何も考えずに出来る訳ではなく、意思を込めて腕とスティックを後ろに背負い、離す事でチェックを防ぎ、その後は力で押し切るという考え方。特にBrooksの場合はサイズがあり、leanが有効に使えるパターン。相手とのサイズ/パワーの差がある時は使いたい。)

    Kyle Harrison: Step away and create separation
    • Kyle Harrisonの説明は不要だろう。Hopkins '05を優勝に導き、MLLで活躍。'06 US代表。
    • こちらはまた別のスタイルとやり方。
    • "Creating separation"(間合いを作る)の技術。
    • ダッジ後にDにタイトに付かれてる状態だと、そのまま無理して打つと当然チェックを受けてフォロースルー出来ず、上手くシュート/パス出来ない。
    • 従って、一つのアプローチは、ダッジ後の直線的な動きから、外側に数歩step awayしてDとのスペースを作り、手にチェックを受けない状態を作り、ベストなシュートを打つ。
    • (→Kyle Harrisonの場合Brooks程サイズが無く、一方でより器用でアジリティがある。相手にサイズ/パワーで負けていて、スピードで勝てる時はこっちの動きの方が効果的。)

    にしても、こうやって二人ともかなり状況に応じて相当考えながら、技術を意識化してやっているんだなということが良く解る。まあ、二つを相手と状況に応じて使い分けられるようになればベスト。まずは自分の特性に合ったパターンから極めるって感じだろうか。

    2012年4月28日土曜日

    STX training vol.03 Anthony KellyのPower Shooting

    Anthony KellyのPower Shooting

    Anthony Kellyは(先日[2011年3月]North Carolinaをアプセットして一気に名を上げた)Ohio State出身のFOGO/MF。NLL/MLLでも活躍。去年までChcago Machineで、現時点ではRochester Rattlersのrosterに名を連ねる。非Hot bed出身/非強豪大学チーム出身でMLLで成功するような選手は、往々にして、単に能力が高いだけでなく、頭が良く、自分自身で自分をコーチする能力に優れているケースが多い。地元Ohioの高校でコーチをしており、指導方法が非常に解り易い。


    ここではTime and room shooting(日本の和製ラクロス英語で言う所の「スタンディングシュート」。実はアメリカでは「Standing shot」という言い方はほとんど聞いた事が無い。)を解説。特に、どうやってpower & speedを生むか。
    • まず、一番大事なのは、野球のピッチング、footballのQBのthrowingと同じ。しっかりと全身を使って、体全体を連動(unison)させてパワーを生む事。
    • パスを投げるときと違い、敢えてスティックを長く持て。自分の場合トップハンドをかなりボトムハンドに近づけて持つ。(→この点、Millonのやり方と違う。)
    • 腕を出来るだけ体から離し、高く上げろ。よくジュニアの選手に言うイメージとしては、体とシャフトの間にいくつかのバスケットボールやバレーボールを入れるイメージ。
    • Butt endをターゲットに向けることで、更に大きくスティックと体の距離を取り、最大限のパワーの溜めを作る。
    • そして、野球のpitching/footballのpassingの要領で、後ろの軸足に乗った体重を一気に前脚へと乗せて行く。この時の感覚は、Steven Brooksの言葉を借りると、「Squash the bug」つまり、虫を前脚でズブシュッと踏みつぶす感覚。(→面白い。この身体感覚の表現。確かにこの感覚を持つと、前足にドンッ!と思い切り体重を乗せる感覚が良く解る。一年生を教える時等に有効かも。)
    • Torque(捻転)した体を一気に巻き戻し、リリース/フォロースルーに繋げる。
    • トップハンドはガイドハンドとして方向性を定める役割。ボトムハンドはpull throughしてパワーを生む役割。
    • バリエーションとして、over-hand, 3-quarter, side-arm, low-to-highなどを身につける。
    • ただ、その中でも特にover-handを最も練習する事。最もconsistent(一定/安定)なのと、最もパワーを伝えられるので。
    • 彼のお手本を見てよく解るが、非常に効果的に体の捻転を使い、スティックがムチの様にしなっている

    2012年4月23日月曜日

    STX training vol.02 Joe WaltersのInside Shooting

    2011年3月11日

    Joe WaltersのInside Shooting

    何故か軽くギャングスタ系ビジュアルのJoe Walters、今回はInside Shooting講座。以前紹介したMark MillonのThe Ultimate Guide to Youth Lacrosseでも同様にInside Shootingのインストラクションがあったが、非常に近いことを言っている。また、いくつかMark Millonのカバーしていなかった点をカバーしており、またしても基礎の基礎から一歩実戦に踏み込んでいて面白いネタがあった。

    (2012年4月:おりょ、動画が削除されてますな...Joe WaltersがSTXから移ったから?ま、内容は以下の通り。)


    1. ステップの向きと角度
    • 一番ありがちな間違いは、ゴール横で上からボールを貰った後に、クリース横でのDFからのプレッシャーを避けるために、クリースから離れて外側に流れながら(fade awayしながら)シュートを打ってしまうパターン。これだと角度が薄くなって成功率が一気に落ちる。
    • 正しくは、クリースの表側にグッとステップして、角度を大きくしてから打つこと。そっちの方が確実に成功率が上がるので。
    • ついついスライドが来たらプレッシャーに負けてゴールの後ろに逃げようとしてしまう。それだとゴーリーからすると簡単に防げてしまう。
    • →これ、非常に重要だ。角度を作るのは当たり前だと思い勝ちだが、確かにスライドのプレッシャーに負けて外に流れ勝ちだ。パッと試合でゴーリーの1 on 1を止められてるATの絵を浮かべると、確かに外に流れながら角度の無い中無理に打ってゴーリーにもろスティックを合わせられてたり、ドフッと体に当てちゃってる絵が浮かぶ。一方で、クリースの表側にグッと動いて来てる/踏み出して来てる絵だと、ガラ空きのゴールにパサッと入れてる絵が思い浮かび易い。この、「Dのプレッシャーが来るのは解る。だけど、それで楽な方に逃げちゃダメだ。結局シュートを外して損するから。」というメッセージが非常に重要だ。

    2. 狙うべき場所
    • ゴーリートの1 on 1では、「Shoot where goalie just was(ゴーリーが元々いた場所に打て)」の考え方が鉄則。
    • 例えば、ニアに構えたゴーリーに対し、ファーにフェイクして、ファーにゴーリーを踏み出させ、元々ゴーリーがいたニアに打つ。基本的に一回動いてしまうと、瞬間的に元いた場所に戻るのは物理的に不可能。極めて高い確率で決められる。「ゴーリーが来た元の場所に打て」。
    • もう一つは、ハイ→ロー、又は、逆に、Dip & dunk(ロー→ハイ)。でも、根底にあるのは、「Shoot where goalie just was」という鉄則。
    • →延髄反射のレベルで、「こうやりゃ大体決まる」というのを体に刷り込んでおくと強い。いちいち考える暇なんてないので。

    3. スティックの持ち方
    • もう一つ重要なのは、スティックを持つ位置(Stick placement)。
    • 通常のようにエンド近くを持たない。Choke upして短く持つ。ボトムハンドはエンドではなく、真ん中辺りを持つ。両手は近づける。
    • そして、スティックは体から離さずに、出来るだけ近くに持つ。
    • それにより、DFからのチェックを防げ、コントロールが圧倒的に上がる。
    • フェイクもシュートも、スティックを体から離さず、肘を使わず、リストのスナップでクイックに、ピッピッ!と素早くやる。
    • 彼のフェイクを見ると、本当に体からスティックを離しておらず、肘と腕をほとんど固定し、ヘッドそのものの場所はほとんど動いていない事に気付かされる。本当にリストと肩のラインの細かい回しだけでピピッ!と。
    • →エンドの方を持ち、ヘッドそのものを手で大きく動かそうとしてしまっている選手も結構いらっしゃるんじゃないだろうか。コントロールは落ちるは、チェックは受け易くなるは、フェイクのスピードは遅くなるわ...いい事無し...もっと早くこの動画に出会っていればもっと生産性の高いプレーを出来てたはず。
    • →Millonも全く同じ事を言っていた。ゴール前ではスティックを短く持つ。これがどうやらNCAA/MLLでの鉄則っぽい。
    別の動画で同じ事を言ってるのでそっちを追加。

    2012年4月22日日曜日

    STX training vol.01 Joe WaltersのStanding Shot Basics

    2011年3月9日

    ここの所、STXのYoutube channelで、非常に痒い所に手が届く、クオリティの高いインストラクション動画が多数アップされている。余りにも知的好奇心を刺激したので、いくつかピックアップして紹介。ど基礎を一歩越えた実戦的な内容のものも多く、特に入門編では扱われていない周辺部のスキルやティップスも扱っている点が有り難い。(あと、オープニングの曲が何かカッコ良くて好き。)

    ばっくり、以下の様なカテゴリーに分けて。
    • シュート系
    • ダッジ系
    • パス/フィード系
    • オフボール系
    • ディフェンス系

    まずは、シュート系からちょっとずつ紹介。

    Joe WaltersのShooting Basics

    先日のWall Ballの記事にも壁打ちのインストラクションを転載させて頂いたATのJoe Walters。Marylandで'03-'06に活躍し、'06 US代表、MLLではRochester/Torontoで活躍した後、現在はLXM Pro Tourに名を連ねる。軽くギャングスタ入ったオラオラ系のビジュアルと喋りだが、的確でシンプルな指導が印象的。実戦で培ったストリートスマートな考え方が感じられる。

    この指導でも、ど基礎を一歩越えた、痒い所に手が届くコメントがいくつかあった。
    • 最も重要なのは、quick release。それを簡単にやるための方法は、そもそもボールをキャッチする前の時点でゴールに対して半身になり、シュートのスタンスを作っておくこと。
    • 体の後ろ側でボールをキャッチし、両足で最初からシュートのスタンスを作り、plantさせた状態(土台としてしっかり根を張らせた状態)で受け取り、即打つ。体の正面でボールをキャッチするのではなく。
    • そして、次にシュートに於いて重要なことは、ゴーリーに対してスティックを隠す事。これは見逃されがちだが、実は極めて重要。前の肩をターゲット側に向け、両肩のラインをしっかり後ろまで回旋させて、スティックを体の後ろに背負い、ゴーリーから見えないように背中で覆い隠す事。
    • 多くの選手が犯しがちな典型的な間違いは、シュートを打つ前から肩をゴールとゴーリーに対して正対させた状態で打ってしまうというパターン。これだとゴーリーがスティックとボールの軌道を最初から見る事が出来てしまう。
    • なので、しっかり肩を回し、スティックを肩と背中でゴーリーの視線から隠す事。
    • そして、最後に重要なポイントは、打つスポットを毎回変える事。最初は上、次に下、次にoff hip(腰の横)、バウンド、と、一試合の中でも必ず毎回打つ場所を意識的に変え、ゴーリーが、「次はどこ打ってくるんだ!?」と予想せざるを得ないないようにしろ。(「はい、どうせいつもの左上ね。」で取られるのではなく。)

    いろんなTime & Room(日本語で言うところのスタンディングシュート)のインストラクションで、より早く/速く打つためのフォームの指導はよく見るが、ここまでexplicitにゴーリーとの駆け引き、特にスティックを隠す事の重要性を語っているものは珍しい。

    至近距離でのGoalieとの1 on 1では駆け引きの事を意識することは多いが、ことミドル/ロングレンジになると単純にどこを狙うか、いかに早く/速く打つかだけに集中してしまい、ついついGoalieの視点から如何に騙すか/セーブしにくくするかの工夫を疎かにしてしまうケースが多い気がする。

    特に、このシュートを打つべきスポットを意識的に打ち分けるという考え方はNCAAのトップ選手、MLLの選手のインストラクションの記事等でも何度か見かけたことがある。特に上位チームのポイントゲッターになればなるほど試合のビデオを見て相手ゴーリーに研究されるので意識的にやらざるを得ないんだろう。

    また、恐らくインドアのNLLの選手たちの「え?あれで入るの?」というミドルシュートが入るのにはこの辺の隠れた技術もあるように見受けられる。

    この辺もアメリカのラクロスの現場レベルでは上手い選手達は当然の知恵としてやっているし、技術として伝承しているんだろうが、こうやってインストラクションでパブリックに語ってくれるのはそう頻繁にある訳ではない。非常に有り難いし、勉強になる。

    2012年4月21日土曜日

    NCAA Div 1のアタック育成法

    2010年12月19日

    先日紹介した2010 Intercollegiate Men’s Lacrosse Coaches Association Convention(全米大学コーチ協会の集会)での、昨年までCornellで今年からPenn StateのHC、Jeff Tambroniによるアタック育成法のプレゼンが記事として紹介されていた。

    読んで、あーこれ自分が選手/コーチだったら無茶苦茶読みたかっただろうな!と感じたので転載。

    昨年までCornellにて才能や入学時の実力で数段劣る選手たちを育て上げ、Final 4常連チームを作っていた手腕から、彼の事を現在のNCAA Div 1で最高のコーチと呼ぶ人も少なくない。特にRob Pannelを中心としたアタック陣には高い評価が与えられている。その彼のアタック育成哲学。恐らくMichiganのJPも似たようなことを言ってる部分もあると思うが。

    読んでて何度も「なるほどー!」と唸るような内容が多く、ちょっと感動してしまった(old schoolで当たり前のことを真っ正面から語ってる部分も含めて)。こういう基本的で細やかな技術体系や練習方法の積み重ねがNCAAやUSのラクロスの土台としてがっつりと存在しており、それが大きな差を生んでいるんだと感じさせる。

    リンク

    いくつか読んで印象に残った点を紹介。

    アタック育成に於いて重要なのは、以下の6点
    • Stick-work
    • Pick Play (Perimeter Play)
    • Shooting
    • Dodging below the goal line extended (GLE)(ゴールライン下のダッジ)
    • Dodging above the GLE
    • Crease Play (Interior Play)
    ちなみに、このGLE (ジー・エル・イー:The Goal Line Extended)という言葉、アメリカのラクロスではしょっちゅう出てくる言葉。要は「ゴールラインの延長線」。ゴールポスト二本を結ぶ横の線を、そのまま真っすぐ伸ばした線上。Xから1-on-1を仕掛けた場合、この線を越えて来た当たりからシュートの可能性が出て来る、また逆にトップから掛けた場合はこの線を越えて押し出せば間違い無くシュートは打たれない。従って、ATでもDFでも、この「見えない線」の概念が極めて重要になっており、「GLE」という言葉がほぼ一般用語として非常に頻繁に使われる。僕が現役だった頃はこのラインをスペシフィックに指す言葉としてはこの言葉は使ってなかったと記憶しているが(ゴールラインって言ってたかな?)、今は日本でも(少なくともMichiganに教わって来た東大では)使ってるのかな?当時Michiganのコーチに初めてゴール裏を「X」と呼ぶと言われて目から鱗だった記憶がある。

    こうやって重要な概念に言葉を与え、ラベルを貼る事で、awarenessが強化され、それに関する思考と技術が強化されるということが起こる。「GLE」という言葉をより多くの選手がより頻繁に使ってる/考えてるチーム程AT/DFが強い、という相関関係があるんじゃないかと想像する。

    Stick-work
    • スティックプロテクションが最重要。何故なら今日のラクロスに於いてはポゼッションが最重要だから
    • Two-handed cradle(両手クレードル)、特に下の手はスティックのボトム/ボトム近くを持つ事が重要。Dからのチェックでボールを落とさないために
    • (これはコメント欄での補足だが)両手でクレードルする際のプロテクションの説明としては、ボトムハンドの手は、逆サイドのジーパンのポケットに入れるイメージで、しっかり逆サイドに持ってくる。そうすることでDとの間にがっつり上半身が入り、プロテクションが強化される(ちなみに僕は現役時代、下の手は股間、または逆の足の付け根/鼠蹊部に置く、と習った記憶があるのが、本当はそれじゃ足りなくて、もっと思いっきり逆サイドに持って行く必要があったということか...)
    ちなみに、中堅校ながら有名MLL選手を多数輩出しており「MLL選手製造工場」の異名を取るUMBCの名将Don Zimmermanも両手でスクープし、クレードルすることの重要さを再三強調している。

    Shooting
    • シュートそのものより遥かに大事な技術は、シュート前のボールを受け取り、シュートの体制を作る動き
    • ボールをキャッチする際に、必ず①Passer/ballの方向に脚を使って動き、②続いてゴールの方向に動くこと。この動きにより、Dからスティックを守り、シュートを打つためのスペースが生まれる。
    • このボールに向かって動きながらキャッチする、という基本中の基本の技術ほど大事な割に見落とされがちな技術は無い。徹底して習慣化するべき

    Dodging below GLE (the Goal Line Extended)(GLE下のダッジ技術)
    • Cone-dodgeやz-dodgingなどのドリルが絵付きで紹介されている。チームの練習、アタックユニットの練習に取り入れるのに最適
    • とにかく、(いつでも空いた選手にパス出来るように)スティックと頭を上げ、視野を取り続ける事が本当に大事
    • まずはこのz-dodgeの動きを、D無しでスムーズに出来るように体に叩き込み、完全に慣れたら今度はDを付けてやる
    どっちの練習も極めて実戦的な動きのみで構成されており、恐ろしくROI(投資時間/労力対効果)の高いドリルに見える。

    Dodging above GLE (the Goal Line Extended)(GLE上のダッジ技術)
    • これまた読んでて「なるほっどー!そういうこと考えてやるんだ!」と思ったくだり。
    • "Dodging through a Door”という考え方。相手Dのスティックのヘッド側をドアの蝶番(ちょうつがい)/付け根の金具に見立て、ボトムハンド側をドアノブ(取っ手)だと思って見る癖を付けろ。そして、出来るだけドアの取っ手側からドアを開ける(抜く)。そうすることにより相手のスティックチェックのしにくい方、プッシュしにくい方に抜くことになる。(記事に実際の写真にドアノブを付けた絵が載っている)
    • わざわざ相手DFのチェックや、プッシュに対して真っ向から向かって行くことは避け、相手の体重や力を自分のアドバンテージとして利用せよ(柔よく剛を制す的な)。相手が自分を押そうと手を伸ばし、ゴールから反対側に押そうとすればするほど、そしてそれをスルッと避ければ、簡単にDFを交わせるというのが大原則
    全体を通して
    • 全体を通して個人的に感じたのが、つくづくロジカルで合理的だなということ。表面的な形だけにとらわれず、試合での動きやメカニズムを科学的にロジカルに技術要素に分解し、それを鍛えるために最も合理的で効果的な練習方法や習慣を定義し、反復して学習/internalizeするというやり方。そりゃあ彼に4年間教われば上手くもなるわなと思った。
    • また、こういうLacrosse IQの高さが選手人生を通しての成長やパフォーマンスに大きく効くんだな、ということを改めて実感。そして、それは仕事でも学問でも芸術でも、全てに共通する普遍の原則。自分自身ももっともっと研ぎ澄まして行こう、と思わされた。

    2012年4月14日土曜日

    FOGO Camp 2012の日程

    先日の記事で紹介したFOGOのパイオニア、2010 US代表の正Face Offer Alex SmithによるFace Off Specialist養成合宿、FOGO Campの募集のお知らせがILに載っていた。(リンク

    興味があれば是非。

    去年NCAAの準決勝/決勝の時にBaltimoreでお会いした京都大学のコーチの皆さんが、京大の選手の何人かが去年のCampに参加されたと仰っていた。きっと素晴らしい体験と学びを得て京都に戻ったんじゃないだろうかと想像する。

    そうやって好奇心に任せてガンガン"Get out of your comfort zone"(自分が心地よいと感じる世界/領域を積極的に踏み越えて行く。それを通じて成長する。そしてそのプロセスを楽しむ)している若手を見ると、非常に嬉しい気持ちになると共に、自分も刺激を与えて貰える。

    コーチの皆さんの話から感じたのは、今の日本の大学ラクロスでは第一線とされて来た関東に無いが故の苦労と、そこから生まれて来るunder dog spirit(雑草魂)というか、工夫して何が何でも上を食ってやろう、恵まれてる奴らに負けないぜ、という姿勢。「環境とか歴史とかブランドとか関係ねえよ。スタートラインなんて元々同じじゃねえよ。単純に一番工夫して努力した奴が強くなって、一番強い奴が勝つんだろ?」的なしなやかな強さ。これが結局長い目で見れば一番強い。応援したいな、と素直に感じた。

    2012年4月13日金曜日

    暑い日のフェイスオフ

    昨日UNCの試合をTVで見ていたら面白いコメントがあったので紹介。

    気温が高くなって来た最近のNorth Carolina州Chapel Hill。既にゴルフをするにはパーフェクトな天気。今後はむしろ灼熱過ぎてきつい季節になってしまう。

    そんな中、日中の試合中にベンチでのFOGO (Face Off Specialist) #25 MF RG Keenan (So)を見ていたESPNのPaul Carcaterra (元Syracuse MF)のコメントと、それに対しての解説者Quint Kessenich (元Hopkins G)の解説。

    熱さ/暑さでヘッドが柔らかくなってしまい、思うようにFace Off出来なくなったため、Face Off直後にフライしてベンチに戻り、スティックを交換している、というコメントをしていた。恐らくヘッドで相手のヘッドを押したり抑えたり、ボールをしっかりトラップしたり、ピンチアンドポップや掻き出しで思った方向に飛ばしたり、という一連の動作がやりにくくなってしまっているんだろう。

    それに対しQuintが、「まあ、よくあることですね。特にシーズンがNCAA後の真夏にあるMLLではFace Offer達がこの問題に苦しんでおり、ベンチの氷や氷水を用意して、ヘッドを突っ込んで冷やして堅くしてますよ」とコメントしていた。

    ほうっ。なるほど...そこまでやってるのか...と思い、ちょっと感心したという話。日本の湿度も気温も高い夏場だと、恐らくそのまま当てはまるケースもあるんじゃないかと。

    もちろん濡れてしまって若干投げの感覚が変わる可能性もあるため、また堅さに関しても人によって/スタイルによって好き嫌い/合う合わないも有るだろうから一概にやった方がいいと言う訳じゃないだろうが、選手によってはバキバキに堅いヘッドでフェースオフをした方がやり易い人もいるだろうから、試してみる価値はあるかも知れない。

    (でも今の日本の大学ラクロスは結構知見が溜まってるからこんなの常套手段としてやってるだろうか...だとしたら付加価値ゼロだが。)

    誤解無きよう補足させて頂くと、どっちかと言うとこの話で感動した&伝えたかったのは、ヘッドを氷で冷やす技そのものではなくて、アメリカのラクロスというかスポーツ、いや全てに於いて散見される、「そこまでやるんかい!」感というか、「勝つ為に、より高いパフォーマンスを発揮する為に出来る事は全てやり尽くす」感。工夫に工夫を重ね、身体能力と技能を限界まで高めた上で、本当の最後の最後の「際(きわ)」の部分にまで妥協無く限界を突き詰めに行く姿勢、常識や他人の目に捕われず自由で大胆な発想で、リスクを取っていろんな事を試してみる揺らがぬ軸/冒険心。そしてそれを楽しみながらやっちゃう姿勢。それが結局一番強い。

    2012年4月11日水曜日

    Nicky PolancoのDefense講座 vol.02 Topからの1 on 1 DF

    2011年3月7日

    Nicky PlancoのDF講座。MillonのThe Ultimate Guide to Youth Lacrosseからの抜粋。

    これも、一年生が一番最初に習う基本技術だが、ともすると単純に「相手とゴールの間に常にいなさい」というバクッとしたレベルで終わってしまったり、場合によっては/チームによっては「常に相手とゴールを結んだ線上に立って相手に正対して立ちなさい」という誤った教え方をしてしまうケースもあるんじゃないかと想像する(今の日本のラクロスじゃもうそんなこと無いのかな?)。

    角度のマネジとポジショニング、表側に抜かれる事とライン際に抜かれる事の意味の違い、チームディフェンスというシステムの中での個人ディフェンスという関係/メカニズム等、本当に大事な「肝」の部分をきちんとこうやってPolancoが若い選手向けに語ってくれているのは貴重だ。更に、一歩降りて、なぜそうなのか、どういうmind-setでやるのかなど、ちょっとだけ痒い所に手が届くコメントをしてくれている。是非参考にしてみて下さい。

    • 基本は、"Take away the middle of the field(表を切れ)"が大原則。右利きだろうと左利きだろうと。基本的にはmiddle line、即ちゴールとゴールを結んだ縦の中心線を越えさせないよう(sweepさせないよう)、サイドライン側、そしてゴールの後ろへと相手を流すこと。
    • 原則、それは自分と相手がフィールドの右にいるか左にいるかによって決まる。相手が右利きか左利きかではなく。
    • このようにフィールドの右側にいる時は、オフェンスから見て右手側、即ちフィールドを横切る方向には行かせない。左手側に流して行く。
    • で、ゴールの横→後ろへと流して行き、シュートの角度を削ってゴーリーがセーブし易いようにしてやり、危ないフィードもされないようにする。
    • スタンスとしては、左足をアップフィールドに向け、腰のラインは思いっきり真横のサイドラインに向く。
    • 真上に正対したスタンスは絶対にやっちゃだめ。なぜならmiddle of the field(表)に向かってsweepもされるし、down the ally(ダウンジアリー:サイドライン側からXに向かうライン)にも行け、相手に両方に抜く選択肢を与えることになるので。
    • で、思いっきり横にスタンスとポジショニングを取り、表に抜こうとしたらチェックを投げて、down the ally(ライン際)に流す
    • で、流す時は、とにかく大事なのは、Patience(我慢) and Discipline(規律、ここで言うと自分自身のコントロールみたいな意味かな)。Patientに着いて行き、相手をtrailする(粘り強く/しつこく着いて行く)。ゴールの裏まで相手を流しきるまで、決して逸(はや)って/焦ってチェックを投げちゃダメ。とにかくPatientに。
    • 背中側にスティックを付けてしつこく追いかけて行く。多くの選手が犯し勝ちな間違いは、焦って/はやってスティックを相手の前に置いたり、相手のスティックにチェックしに行ってしまうこと。そうすると簡単にロールして表に抜かれてしまう。それをやられたら終わり。負け。
    • まとめると、とにかく、トップでは、まずはBe a dictatorで(つまり、ポジショニングにより表を切るという形で相手をコントロールして)、ライン際に流させ、絶対に表に行かせない。そこからはとにかくpatienceの一言。調子に乗ってアグレッシブにチェックに行かない。背中側から辛抱強く着いて行き、シュートやフィードの危険が無くなるゴールの裏まで流しきれ。ロールバックして表に抜かせないこと。
    もし、トップからのDFで悩んでる選手がいたら参考にしてみて下さいな。

    2012年4月10日火曜日

    Nicky PolancoのDefense講座 vol.01 StanceとWrap check

    2011年2月12日

    Mark MillonのThe Ultimate Guide to Youth Lacrosse DVDからの動画。今回はMillonの盟友、DFのNicky PolancoによるDF講座。

    Nicky Polanco (Wiki)
    • Hofstra-Long Island Lizardsで'06 US代表
    • でかくて(193cm)身体能力が高く、手堅く脚とポジションで守る一方、アグレッシブにボールを奪えるDefender
    • 長らくWarriorのadsの顔を勤め、怖え顔で相手をしばき倒す姿が印象的。こんなDと毎日練習してたら何一つ怖いものはなくなりそうだ...

    Stance

    • 最初のコメントが非常に面白い。「DFとしてフィールドに立つ上で、『そもそもビジュアル的に強いdefenderのように見えること』が全体の半分を占めるくらい重要」。もちろん、正しい姿勢/フォームを身につけることが大事、という意味もあるだろうが、オフェンスから見て「うっわこいつ抜けなそうだな」と見えることが大事、と言っているようにも取れる。ヤンキーの「喧嘩は8割ハッタリ」じゃないが、見た目、立ち姿も大事なのねと。
    • Athletic stance。肩幅よりちょい広め。膝を曲げて、ハム(ケツ)とQuad/大腿四頭筋(太ももの表側)にburn(焼ける感じの辛さ)を感じろ
    • 肩のラインを正対させる。背筋を伸ばして胸を張る。頭を上げる。丁度椅子に正しい姿勢で座っているイメージ。
    • そして自分の眼球が相手offenderのAdam's apple(のど仏)の前に来るイメージ
    • そして、スティックのボトムをホルスター、つまり警官が持っている、腰に付ける銃を入れるケースの位置に置く。
    • 膝は少し内側に入れるイメージ(テニスやバレーボールのレシーブに備えるathletic stance、バスケのセット/ジャンプシュートを打つ前の足に近いイメージか)。足の裏の内側、拇指球の部分でプッシュして移動する。従って、クリーツ/靴は、内側からすり減るはず。(この辺は日本でも散々っぱら言われる基本だから共通。)
    →にしても、この見た目。見るからに強そう。ビタッ!としてて、重心低くて、下からメットのvisor越しにグッと見上げてくる感じ。スティックも腰の部分からどしっと伸びてて、ヘッドの先端まで神経が通った感じでビシッビシッとプレッシャーが伝わってくる感じ。シュートストリングのホッケーレースが触角のようにピクンッ!ピクンッ!としてて緊張感がある。どこに動いてもビタビタビタッと付いて行って、ズンッと押して来る感じ。ATとして試合中に最初にボールを持って相手と正対して、相手を見た瞬間に「うわっ、これ今日きちー試合になんな...」と感じさせるプレッシャーがビンビンに漂う(逆に、重心が高くて、バタバタ走ってて、腕が伸びててスティックが力なくフラフラしてる相手だと、向かい合った瞬間「カモれる!」とATの誰もが感じる様に...)。超個人的な想い出で恐縮だが、10年前に全日本選手権でATとしてValentiaの引地選手と対峙した時に感じた嫌ーな感じを思い出させられた...

    2 hand wrap check

    • タイミングとフットワークが肝。必ず脚を使って動き続けながらチェックすること。
    • タイミングが特に重要。常時やみくもにチェックを入れ続ける事は当然出来ない。
    • チェックをするということは即ち必ずステップを失うことを意味する。常にリスク/コストを伴っているということ。それを忘れるな。
    • 相手の動きとスティックをよーく見て、タイミングを計り、チェックを投げろ。
    • スティックを持つ両手の幅はウェスト幅。
    • ボトムハンドをパワーハンド/力点、トップハンドをガイド/支点にし、チェックを投じる。
    • 上の手を腕をしっかり伸ばして、リストを使って相手に対してぐるっと裏側までラップ(巻き付け)させろ。
    • (→左手のボトムハンドの指とリストの使い方をよーく見ると参考になる。チェックを投げる際に、ボトムハンドは人差し指と親指だけになり、中指以降の三本を開いて離している。これによりグーでがっつり握ってやるよりも大きくヘッド側を回り込ませることが出来る。また、右手のトップハンドのextentionにも注目。左手をかなりぐいっと右の脇の下にくぐらせていることで、かなり巻いた角度までチェックを届かせている。この辺の職人の知恵が非常に面白い。)
    • その際に進行方向側の脚を前に出している事。チェックが決まらなかった時にもそのまま脚を使って着いて行くために。
    • (→もちろん、これを正確に早く安定してやるためには、最低限の下半身/体幹の強さに加え、上半身全体の強さも必要。要ウェイトトレーニング。)

    1 hand wrap check

    • 更にもう一歩アグレッシブなwrap check。
    • 但し、よりリスキー。慎重に使うこと。
    • ボトムハンドのパワーによる慣性を使い、文字通りチェックを「投げる」。
    • 必ずその後すぐにスティックを素早く戻すこと。出したままだとオフェンダーがスティックに向かって来て抜かれるので。

    いたる@13期

    2012年4月9日月曜日

    "FOGO"というポジション

    2011年1月3日

    引き続き、クリスマス休暇中にまとめて書いときたかったネタシリーズ。最近、NCAAやMLLをフォローする中で、日本にいた頃に聴いた事の無かった言葉をよく耳にする。"FOGO"。発音は「フォウゴウ」。日本語カタカナ発音だと「フォーゴー」。

    FOGOとは

    "Face-off, get-off"。Face offをやって終わったらとっととget-off(退場/交代)する、つまり、Face-off専門のMFFOMFということ。"face off specialist"とか"face-off middie"って5-6音節あって長ったらしいし...FOGOの方が確かに手っ取り早い。且つ、「get off」と言い切ることにより、本当にface-offのみにフォーカスする語感がより強い。

    進む専門化の流れ

    恐らく東大というか日本のラクロス全般でも同じ流れにあるんじゃないかと想像するが、ことベンチに入れる人数が多い(と言うか、ルール上制限が無い)NCAAでは、再三過去の記事でも述べて来た通り、分業化が激しく進んでいる。加えて、stickの進化により昔に比べてパスミス/キャッチミス、ボールダウンによるturn overが大幅に減り、ポゼッションの意味が加速度的に増す中で、face-offの持つ意味がかつて無く重くなりつつあり、face-offerはほぼ専門家として特化させるという考え方がどんどん強くなっている。

    人数制限の少ない(19人)MLLですら、純粋なFOGOを一人は入れている。また、NCAAのリクルーティングでも、既に純粋なFOGOとしてのリクルーティングが行われており、恐らくかなり若い年代からFace off専門家としての人生を歩み始めている選手が結構出て来ている。そして、集中することでよりプロ意識/職人意識/プライドが高まり、更に技術が磨かれるという流れが生まれつつ有る。高いレベルになるほど、「専業じゃないと勝てない」という状況が生まれつつ有る。

    Lacrosseの独特なルールが生む特殊な職業

    そもそも、サッカー、バスケ、アメフト、ラグビー、ほとんど全ての団体球技に於いて、得点後は相手にボールを与えることで均衡を促す作りになっている。バレーボール、テニス、卓球、野球では交互にサーブ権/攻撃権を交代することで公平に機会を与える。そんな中ラクロスのみ再度ニュートラルな状況から。極端な話、face-offを支配し続ければ、相手に攻撃の機会を文字通り「全く」与える事なく試合を終えられる、という極めて不均衡/不公平な結果を生める。強者がより富むという歪み。face-offの重要さはこのスポーツのユニークなルールが生んだ必然とも言える。

    (例えば、バスケのルールが「得点ごとにジャンプボールで再開」だったとすると、間違い無く"ジャンプボールスペシャリスト"というポジションが生まれてくる/センターのクライテリアでジャンプボール力が超重要になってくるだろう)

    Next generation FOGO代表R.G. Keenan

    今年UNC (North Carolina)に入学したR.G. Keenanなどは高校時代からかなり有名なFOGOで、今シーズンは1年生で先発すると目されており、人によっては開幕前の現時点で既にNCAA最強face offerと呼ぶ人もいる。早くも2014年のWLCでチームUSAのface-offの一枚目になるとも言われている。

    同じく2010年US代表FOGOで、Delaware大学を躍進させてFOGO新時代を築いたAlex Smithが後継者として認めると発言していた。(そして、1年目からDiv 1でボロ勝ちしないとぶっとばす、とプレッシャーを掛けていた...)

    (2012年4月に追記。その後2011年のシーズンは1年生としてStarting FOGOとして定着。6割の勝率でチームの勝敗を左右し続け、Third Team All Americanに選出。大きな期待を上回る活躍を見せた。2012年の今年も2年生として引き続きチームの勝敗に決定的な重要な要素になっており、ここまで4回ACC Defensive Player of the Weekに選ばれている。)

    フィールドプレーヤーと異なるrequired skill set

    純粋にFace-offだけを完全に切り取って見た場合、それ以外のラクロスのフィールドプレーヤーとは間違い無く違うスペック/クライテリアが求められる。もちろんボールを拾った後にfast breakで点を取りに行かなくてはいけないし、逆にそのままDをやらなくてはいけないので、最低限のプレーは要求されるが、極端な話、何でもこなせるがFace-offはまあまあの選手と、FOで10-20%多く勝てるが他はからっきしだめなFOGOを比べた場合、喜んで後者を取るという発想がかなり出始めているんだと思う。

    例えば、(数字は完全に作るが)スティックや戦術の変化によりポゼッションの重要性が15%増し、換算するとface off一本が得失点0.2点分の重さから、0.3点分の重さに変わる、みたいなことが起こっているはずで、それに伴いface offの勝率10%が持つ意味が得点換算で1.2点分増える、結果としてシーズンを通しての試合の勝率見合いで5%分得する、みたいな経済性が働いていることになる。(統計取って前提条件置いて試算すれば簡単に試算出来るはず。)

    選手個々人のキャリア戦略の変化

    そしてそれを選手個々人のcareer development戦略に落とし込んで行った時に、face-offの持つ勝利への貢献度シェアと、自分の能力の凸凹と、今年のチームの他の選手たちの強み弱み、及びそれぞれの伸びしろを考えると、フィールドプレーヤーとしての成長は捨てて、FOGOとしての人生に掛けた方が、試合に出られる可能性は40%高く、4年間トータルのラクロス選手としての幸せ度の期待収益は80%高い、みたいな計算が何人かの選手にとって成り立ち始めているんだと思う。これはhealthyなmicroeconomics/自由競争のメカニズムだし、選手にとってもチームにとっても最適化に繋がるケースが多い気がする。単純にお互いにニーズがあってやってる話なので。

    (もちろんFOGOの選手もフィールドプレーヤーとしてのスキルを磨く必要があるし、更にFOGOが重要になり、より多くの選手がFOGOに殺到し、face-offでの競争が完全に行き着くところまで行って飽和すれば、そこから先は更にface-offだけではなくMFとしてどれだけ上手いかの勝負になる、という競争のメカニズムの変化がいずれ起こると思われる。また、そもそも出場出来る椅子の数が多く、またATにもDFにもトランスファーし易い純粋なMFに比べて潰しが効きにくいので、キャリアとしてのリスクは高まる。まあ、そもそもface-offが好きかどうか、という好みの問題もあるし、多分に向き不向きのある技術なのでそんなextremeな状況にはならないとは思うが。)

    いずれにせよ、この辺の、技術やインフラの進化による経済性の変化と競争のルールの変化の話、非常に面白い。そういう環境変化を読み切って先手先手を打てるチームや個人が勝って行くんだろう。

    リクルーティング戦略にも影響

    また、どこの話だったか忘れたが(確かUNCかDukeだった気が)、以前Quintが、某チームがFOGOのためだけに、レスリングの重量級の選手だったか、Footballのラインの選手を勧誘しようとしている、という発言をしていたが、納得出来る。

    どうでしょ、東大の勧誘でも、例えばWarriorsがラインとして必死で採ろうとする素材をFOGOで一芸採用で一本釣りしにいくってのは。「ラインやって一日5食食わされてて120キロになるより俄然目立てるし合コンでモテるぜ」的な。

    ラグビーのフォワード出身者だけど東大のラグビー部ではやりたくない子とか、土佐のわんぱく相撲で横綱でした、とか、柔道部の重量級出身で、スタミナはゼロでしたが、速さと度胸は誰にも負けなかったっす、みたいな。後は陸上のハンマー投げ/砲丸投げ出身者で高い競技レベルにあった子とか。要は、敏捷性が高くて勝負強い巨漢な子、いないっすかね。

    ポイントは、持久力や脚の速さ、球技系の器用さ等は不要ってとこ。「自分脚遅いんでラクロスは向いてないと思うっす」みたいなでかくてパワーある子いたら「そんな君にお勧めのポジションが...」と一芸採用出来ちゃうっていう。

    FOGO関連のインストラクション

    ついでに、いくつかFOGO関連の練習/講座のリンク。独自の技術体系が深く深く広がっていて、めっさおもろい...最近この手のFOGO CampやFOGO clinicが増えてきている。

    ●実戦的なdrillとwarm-up。コーチも指摘している通り、日常生活ではもちろん、通常のラクロスの動きではないため、徹底して反復練習し、マッスルメモリーを刷り込むことが大事とのこと。


    ●Boston CannonsのFOGO, Chris Eckの講座

    ●同じくEck主催の塾、Eck's factorの講座
    - Drill
    ●何でもこなせる天才プレーヤー、元HopkinsのKyle Harrisonによるレッスン
    NCAA時代と違い、MLLはもはや専門職じゃないと勝てないので彼自身はMLLではやらなくなってしまったとのこと。NCAAでもそうなるのは時間の問題じゃないだろうか。

    この動画もなかなか衝撃的。Alex Smithによる"How to bake"すなわち、ヘッドをオーブンで熱し(焼き)、よりface offに有利な形に変形させる裏技。要はNCAAルールブックに適合するようスティックの上部の幅を保ちながら、下を限界まで絞る。350°F(Fahrenheit. 摂氏だと180℃くらい)で5分とのこと。もちろん日米でオーブンのスペックが違うだろうから、不要なヘッドで試しながらやった方がいいとは思うが。


    FOGO Camp

    US最強Face offerのAlex Smithが主催するFOGO Camp。全米のFOGO志願者を集めて彼の職人技を伝承している。前述のRG Keenanも出身者。(リンク)東大でもしFOGOを極めたい猛者がいたら、参加してみては。日本からの参加なんて絶対喜ばれるはず。今からフィールドプレーヤーとしての日本のラクロスのパイオニアになるのは難しいが(既に25年経ってるので)、FOGOに絞って突き抜ければ今からでも第一人者になれるはず。

    こちらはNational Lacrosse ConventionのAlex SmithのプレゼンとQ&A。この人マジでかなりハードコアなオタクだ(いい意味で)。かなり細かいテクをゴリッゴリに語っている。ホントFOGO極めたい人以外見る必要ゼロだと思うが...にしてもロジカルにむっちゃくちゃいろいろ考えて技術体系を蓄積させてる事が良く解る。詳しくない僕にとっては見てるだけで知的好奇心が刺激される。ほとんどこれ一つで独立したスポーツになっている。達成動機が強く、trial and errorを通じて頭を使いながら継続的に努力をする能力のある選手には向いてる領域な気がする。

    いたる@13期

    2012年4月8日日曜日

    Mark Millonのスキル講座 vol.08 パスの貰い際でのダッジ

    2011年3月2日

    貰い際のDodge(リンク)。


    ゴールに近い位置での、パスを貰った瞬間/貰い際のダッジ。パスを受け取りながら/受け取った瞬間の一種の動きで相手を交わし、シュートに繋げる技術。非常にシンプルで基本だが。(この辺は恐らく基本的な動きとしてJP始めコーチから散々叩き込まれてるので余り新たな学びは無いかなという気もするけど...)きちんと相手のDの位置や詰めて来る角度を見て動きを順応させる技術として。

    ここでは二つを紹介している。
    • ①Fake shot & pull under(シュートフェイクから裏に抜く)
    • ②Fake shot & sweep (シュートフェイクから表にsweepして抜く)
    自分の相手DFを見て、彼の位置/詰めて来る角度がup-field shoulder(トップ側の肩)の場合は、一回シュートフェイクを入れ、裏に抜いて行く。

    もしlow shoulder(低い方/ゴールに近い方の肩)から来る場合は、一回グッとシュートモーションを入れた後、表にsweepして抜いて行く。

    まあ、要は、(散々選手の皆さんもコーチや先輩から耳にタコが出来る程言われることだと思いますが...)ボール貰う前にフィールドの状況と相手の位置/動きを見て理解して、それに応じて引っ張り出す動きの引き出しを変えましょうね、動きながら貰ってズレを作り、それを貰う瞬間の一瞬の動きでかわすという形で上手くレバレッジすして、正対して持って「よっしゃ、抜きまっせ」とやるより簡単にかわしちゃいましょうってことですな。

    2012年4月4日水曜日

    Mark Millonのスキル講座 vol.07 Feeding and passing

    Feeding and passing(リンク


    以下、コメントとキャプションから。
    • パスの話を始める以前の問題として、スティックスキルが全ての基本。チーム全員が安定してパス/キャッチを出来ないと、何も始まらない。まずしっかり土台となるスティックスキルを固める事。(壁打ちで。)
    • 手とスティックを身体から離し、高く掲げておく。いつでも即座に投げられるように。
    • まず、大事なのは、attitude/mind-set(態度/考え方)。自分で点を取るだけではなく、チームメートを助け、チームメートが楽に点を取って活躍出来るよう支えるんだという気持ち、それによってチームとして勝つことが自分のためになるんだという気持ち/理解を持つ事が全ての出発点。
    • ボールを持ってダッジを掛ける時も、プロテクションをしながらも、「常に」頭を上げ、視野を確保し、フィイールド全体をscanして、空いている/空くであろう味方を探し続けろ。スティックアップしていつ何時でもパスを投げられるようにしておく事。
    • パスを投げる際に極めて大事なのは、「spot pass」の考え方相手に投げるんじゃなく、相手が走り込むべき「スポット」にパスを投げ、そこに相手に走り込ませて、捕らせる。つまり、相手をleadする(導く)パス。パスによって相手を動かす/操縦するというアメフトのQuarter Backのパスの技術に近い。
    • (→この考え方が極めて重要で、上手いフィーダー/パサーとそうじゃない選手とを分けていると個人的に感じる。漠と相手の前に投げる、では無く、ピンポイントに「ここのスポットに走ってこいよ!」という指示として投げ、相手を導くという考え方。)
    • 相手がどのくらいのスピードで来るのかもちゃんと理解して投げる。
    • そして、最後のピースとして大事なのは、フィードは多分に「art(日本語で言うとセンスという言い方がしっくりくるかな)」であるということ。センスを磨きなさい。受け手の考えてる事と次の動きを読む想像力(イマジネーション)と創造力(クリエイティビティ)を磨く事がgreat playerへの道。
    • 時としてパッと見空いてない相手でも、アイコンタクトを取り、相手の次の動きを読んで、「これは行けるな」という局面を見極めて投げる、という判断を出来るようになっていくこと。
    これもやはりリスクを取って実際に投げるという実践を繰り返し続けることでしか上達出来ないんだろう。先日別途紹介したクリースでのoff ballの練習とセットでやれば、丁度フィーダーの選手も練習出来ちゃうので、一粒で二度おいしい。

    これまた、①最初はその場で、②続いてD無しで脚を動かしながら/実戦的なZ-dodgeで動きつつスティックプロテクションしながら、③ダミーのDを付けて、④最後は実際にDにがっちり着いて貰いつつ、でステップバイステップで練習して行けばオッケー。

    2012年4月3日火曜日

    Mark Millonのスキル講座 vol.06 Off ball play

    当たり前の基本を言っているだけだが、それでも尚、世界最高峰の選手が敢えてその重要さを強調し、基礎をここまで徹底して頭と身体を使って行っているという事が重要な学びだ。

    Off ball play

    • ラクロスプレーヤーは、このオフボールプレーにこそ最も時間を使うべきだ。なぜなら、それが選手としての価値を将来に渡って決めるから。
    • 多くの若い選手が、ボールを持っている時に意識を集中し過ぎ、オフボールの重要さを軽視している。
    • だが、NCAAのトップレベルでプレーしている選手を見れば解るが、ほとんどのプレーは、ボールを持っていない時に起こっている/決着はボールの無いところで着いているケースが多い。
    • コンプリートラクロスプレーヤーになるためには、オフボールを完璧に理解し、使いこなす事が肝。
    • ティップスは、まず、常に脚を動かし続ける事。常に動いてポジションを変え続ける事
    • そして、味方がボールを持って、自分の方向にドライブして来た時は、必ず、毎回、スペースを空けろ。そして、ゴールに向かってカットし、ボールを見て要求しろ。それが最も簡単にオフボールで点を取る方法。

    Off ball 2

    • 次のティップスは、常に自分に着いているディフェンダーを見続けること
    • 全てのDefenderは、常にswivle(首振り)をし続けるように教育されている。ボールとマークマンを交互に首を振って見るように教育されている。
    • それをよく見て、隙を付いて相手が自分から視線を切る瞬間にバックドアを取りに行くこと。
    • ダメダメなオフェンス選手はそこで何もせずにボーッとしている。Great playerは、キャリアとアイコンタクトを取りつつ、Dが視線を切ってる瞬間にsneak in behind the defender(こっそりと裏を取る動き)を常にする。
    • 例えそれがATであっても、MFであっても、この辺を理解して常に相手を見て裏を掻く動きをし続ければ、格段に危険な選手になる事が出来、点を取る事が出来る。

    Off ball 3

    • クリース前のエリアでどう動くべきかを理解する事が非常に重要。
    • 基本的にはボールキャリアに対して対角線上/点対称な位置にいる事。クリースにいて、トップにボールがある時は、低い位置。Xにある時は高い位置に行ってカットのスペースを作る。
    • カットする時は必ずV-cutすること。一度Dを押し込み、そから数歩飛び出す。
    • Off ballの2 men gameをしっかり学び、極めること。Off ballでのピックを使ってお互いをフリーにし合うこと。
    • ピックでは、しっかり脚に根を張らせ、スティックを身体の近くにキープ。ピックしてもらう側はhip to hip(腰と腰がぶつかるかぶつからないかのギリギリのところ)でピッカーのスレスレを通ること。ビタッと間を埋めて、表から簡単にファイトオーバーさせない事。
    • ピッカーは必ずピックした直後にmove outしてパスを要求しろ。

    と、この辺のinstructionを見ていろいろ思う事

    バスケのポストでの2 on 2、ピックを使ってポイントゲッターがアウトサイドやミドルレンジでフリーを作る動きに極めて近い。原始的な駆け引き/騙し合い/裏を掻くゲーム。この辺は一度一通りのセオリーを学習したら、後はひたすら実践を繰り返す事で感覚を磨き続け、習得/習慣化する事が一番大事なんだろう。こんなもん突き詰めれば格ゲーと同じで、何通りかの「こうくればこう動く」の引き出しを揃え、それを瞬間的に引き出して組み合わせる順列組み合わせの世界、パターン認識の勝負なので。それを如何に無意識/subconsciouslyに延髄反射で出来るようになるかの勝負なので。ゲームとして楽しみながらひたすら繰り返して極めちゃったもん勝ちの世界。バスケの2 on 2のピックアップゲームのノリで気軽にバンバンやっちゃってもいいし。ボールを持ってのガチンコ1 on 1に比べると圧倒的に気軽に出来るのがいいとこだ。

    しかも、On ballと違い、多くの選手や相手から見ると得てして相対的に意識が薄くなる領域。ROI(Return on Investment:費用対効果・投下時間/労力当たりの見返り)が最も高い技術の一つだろう。試合中に相手のDFに「あっれー!?俺絶対こいつより脚速いし、ボール持って1 on 1やっても絶対負けないのに、何で気付いたら5点も盗られてんだ!?」と思わせられたら最高に面白い。ラクロスの事詳しく知らない観客が「ねえねえ、あの子小ちゃくて特に目立ってないし、そもそもほとんどボール持って走ってないのに何であんなに点取ってるの?」となったら痛快だ。

    何とかチームの中で抜きん出て試合に出たいと思ってる選手にとっても、判り易く、誰もが一生懸命練習するボールを持っての1 on 1、ロングシュートやランニングシュートと比べると、相対的に手薄になりがちなオフボールは狙いどころということだろう。結局最後は数字が印象を超えるレベルでパフォーマンスを証明するので。派手に抜いてロングシュートぶち込むのも、ひっそりオフボールでフリーになってヒョロッと点を取るのも結局同じ一点なので。「オフボールではうちのチームでは誰にも負けない。」という状況になれば、かなり高い確実で試合に出られるし、そこそこの確率でチームの得点王になれる可能性もで来る。

    こういう、要領の良さ/狡猾さで勝つ、素人には解りにくく、形式知化しにくい『art』の世界で相手を圧倒する、ってのも一つのカッコ良さ/美学だろう。何と言っても、先天的に与えられるDNA/身体能力の規定をほとんど受けず、知恵と工夫と努力次第でtop of topになれる(&相手をぐうの音もでない程こてんぱんに出来る)と言うtrainability/controlabilityの高さに底知れぬ魅力を感じる。

    そもそもこの領域の重要さやROIの高さに「心から」気付ける力、そこに注力して鍛えて自分の強みに出来るメタ認知力。Off ballのプレーが上手い選手は、高い確率で、仕事の出来る賢いビジネスパーソンになると感じる。「オフボールプレー十傑」みたいなのを選出したら、NCAAでも日本でも、結構どの企業も欲しがる頭脳派/ストリートスマートソルジャーが集まるんじゃないかと。

    教科書 となる選手

    これはやはりBoston Cannonsの#7 Matt Poskay程の選手はいないでしょ。文字通り世界最高のクリース職人。NCAAではダントツでVirginia #10 AT Chris Bocklet (Sr)。映像あるなら徹底して彼らだけを一試合だけ通してみる、と言うのを10試合もやれば一気にスキーマが出来るはず。

    いたる@13期