2011年8月30日火曜日

MLL 2011 vol.22 Semi Final Boston Cannons - Chesapeake Bayhawks (8/27)

素晴らしい準決勝だった。11年目を迎え、6チームに絞り込まれた選手たち、そして過去に例のない程の質と量を伴ったルーキー達を加えた、史上最もレベルが高いと言われる今シーズンのMLL。そのシーズンの準決勝として相応しい、素晴らしいエンターテイメントを見せてくれた。

何十年か振りにハリケーンがNYを直撃、という大型ハリケーンIrene。丁度MLLのPlay off semi final & finalのタイミングにヒットしてしまった。試合が行われるMaryland州Annapolisは思いっきりハリケーンの進路上。週の後半に掛けて、リーグとファン、そしてチームは気象予報に釘付け。

Annapolisの市街地は封鎖宣言。そんな中リーグは強気の決行。インターネット上でファンは「正気か!?責任取れんのか!?」と叫ぶ。本当に試合なんて出来るのか?と思われた中での開戦。

幸い第一試合は、ハリケーン直撃の少し前のタイミングだったため、どしゃぶり「程度で済んだ」。観客席はがら空き。それでも選手たちは全く気にする気配を見せず、全身全霊をぶつける素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。

試合は出だしにBayhawksが連続3得点。一方、優勝候補と目され、レギュラーシーズンを一位通過のCannonsは、プレッシャーからか、明らかに動きが固い。MVP #99 MF Paul Rabil (JHU 08)もいまいち本領発揮出来ていない。

そのまま暫くBayhawksリードで試合が進む。シーズン後半に失速し、ギリギリでplay offに出場。最終戦はボロボロだったチームには見えない。全員が明らかに数段高い集中力でミッションを成し遂げるモードになっている。MF軍団も明らかに切れが増し、シュートも正確に。

が、後半になって調子を取り戻したBostonが、いつも通りの力強さを発揮し、最後に同点、そしてover timeにきっちり決めて逆転勝利。感動的なドラマを見せてくれた。

印象的だったのは、
  • BayhawksのPaul Rabil対策。鬼シャット。ボール入れさせない。
  • Boston #37 LSM Brian Farrell (Maryland 11)の活躍っぷり。オフェンス時の落ち着き、視野、状況判断、スティックスキルがマジでshorty以上。しかもルーキーでここまで出来てると言う点。サイズも申し分無し。本当に凄い学年だ。
  • Boston #14 AT Ryan Boyle (Princeton 04)が、ベテランの風格で最後に締めた。
MLL Highlight

2011年8月28日日曜日

NCAA 2012 Freshmen Ranking

前回に引き続き、9月に入学予定の新入生ランキング、個人編。(ILの記事

去年のNorth CarolinaのAT Nicky GalassoやFOGO RG Keenanが1年生でチームの柱になり、All Americanにも選ばれている事からも解るように、日本のラクロスや、(フィジカルの差がどうしても大きく出てしまう)NCAA Footballとの大きな違いは、高校生までにある程度フィジカル面/技術面/メンタル面/ラクロスIQ面で完成/成熟している一部の選手は、1年生の頃から大きなインパクトを与え得るという点。

恐らく来年2月のシーズン開幕時にはこの中の何人かはフィールドに立ち、シーズンが終わる頃には更に多くの選手たちが足跡を残し始め、この中の一人か二人はシンデレラボーイになってくる可能性がある。

以下、Best 10。

見てパッと思うのは、既に過去に活躍している選手たちの弟、息子がゴロゴロいると言う事。

1. Lyle Thompson, Midfield, LaFayette (N.Y.), Albany
  • Syracuse 11で現Hamilton NationalsのJeremyの弟。Iroquois(ラクロスを継承するNative Americanの末裔)の期待の星。ムチャクチャ似ている。この兄弟のレベルが突き抜けている事は既に証明済み。(昨年末に紹介したILでのThompson兄弟に関する記事
  • 去年のもう一人の兄Milesと同様、敢えてSyracuseを蹴って、Albanyに行くという意思決定をした。NCAA Div 1では中堅。その判断が今後どう作用してくるのか。個人的にはJeremyの様に真の一線で厳しい環境に身を置くのが一番だと思っていた。が、彼らなりに、敢えて中堅校に行って一波乱起こしてやろうという意図があるらしい。どうなるのか。



2. Jimmy Bitter, Attack, Deerfield (Mass.), North Carolina
  • こちらはUNC 11で現Denver OutlawsのAT Billy Bitterの弟。
  • 兄と同じ、そしてCornell AT Rob Pannellと同じく、名門Prep SchoolのDeerfield Academyで一浪しての大学デビュー。
  • 一回りサイズが小さく、180無いくらい?
  • 兄同様天性のバネ、ダッジ力/スピードがあるのは間違い無い。Under Armour All Americaを見た感じ、ミドルシュート力は明らかに兄よりも高い。
  • インタビューを聴いた感じ、兄よりも賢くて強い意志を感じる。(印象だけど。)
  • UNCで今後3年間Nicky Galassoと黄金コンビを築くことに。



3. Conor Doyle, Attack, Gilman (Md.), Notre Dame

4. Wells Stanwick, Attack, Boys' Latin (Md.), Johns Hopkins
  • でもって彼は昨シーズンMVP (Tewaaraton Trophy Winner)でVirginiaを優勝み導いたAT #7 Steele Stanwickの弟。ちなみに妹もトップクラスの選手。Baltimoreの有名なラクロス一家。



5. Carl Walrath, Attack/Midfield, Haverford School (Pa.), Virginia


6. David Solomon, Attack, Salisbury School (Conn.), Maryland


7. Joey Sankey, Attack, Penn Charter (Pa.), North Carolina
  • UNCがもう一人top 10 ATを抑えている。恐るべし。UNCのリクルーティング力。



8. Stephen Jahelka, Defense, Garden City (N.Y.), Harvard


9. Ryan Kilpatrick, Defense/LSM, Salesianum (Del.), North Carolina
  • UNCがtop 10選手を3人確保...2年後、3年後に確実に強力なチームになってくるはず。



10. Ryan Tucker, Midfield, Gilman (Md.), Virginia
  • んでもって彼はこれまたHopkins & US代表のlegendary playerで、元NLL Philadelphia Wings Head CoachのJohn Tucker氏の息子。

2011年8月26日金曜日

NCAA 2012 Top Recruiting Classes

ILの今月号は毎年恒例の、9月に入学して来る新一年生の戦力分析。

IL Onlineの方にも記事が載っていたので紹介。今回は学校別のランキング。(記事のリンク

ざっと見ると...

1. Maryland
  • 今年入って来るのはまだ10年に解任されたHead Coach Dave Cottleがリクルーティングした年のはず。
  • 昨年Harvardからの移籍で就任したHead Coach John Tillman。Harvard時代からリクルーティング力に定評があったが、入っていきなり準優勝、そして次の年には最強リクルーティング学年が入学...相対的にHCとしては若い上、既にMarylandとは長期契約を結んでおり、長期的には盤石。
2. North Carolina
  • 去年1位だったNorth Carolina。数年前に就任したHC Joe Breschi & AC Pat Myersのコンビによる強力リクルーティング力が奏功し始めている。恐らく人間力をフルに発揮して、個々の選手の自主性や個性を尊重するアプローチが今どきのKidsに刺さっていると思われる。
  • 僕自身地元Chapel Hillに住んでみてよーく解って来たが、街、学校、天候と言った環境要因がラクロス名門校の中では群を抜いて魅力的。学校としても学問的にも十分。特にラクロスとフィットの高いundergrad(学士)のbusiness schoolは全米最強クラス。今年2位のJimmy Bitter(去年卒業した#4 AT現Denver OutlawsのBilly Bitterの弟)含め多くの選手が「キャンパスを訪れて、一発で恋に落ち、入学を即決した」と言うのも頷ける。
3. Harvard
  • やはり学校そのももの強さ。学問/キャリア的にも最強クラス。ちなみにこのクラスはMarylandに行ってしまったJohn Tillmanによるリクルーティングのはずなので、選手の中には「はしご外された」感のある選手も多いだろう。
  • やはり注目したいのは、2000年代前半等との比較で、Princetonと完全に順位が入れ替わってしまった点。PrincetonはBill TierneyがDenverに移籍して依頼、没落の一途。
4. Virginia
5. Johns Hopkins
6. Syracuse
  • おりょ?ちょっと低いな。どうした?でもまあ、傾向としてSyracuseはCanadianやUpstate NYなど、インドア中心だったり、アウトドアのスッポトライとを浴びていない選手も入っているので、ちょっと評価が不当に低い可能性も。あと、どうせ後から何人かTransfer(転校)で入って来て補充されるし。
7. Duke
  • お。意外と低い。去年強かったけど。
8. Notre Dame
  • NDはもう完全にラクロス名門化してきている。場所が切ない(中西部で寒い)が、学校はいい。特にこちらもundergrad(学士)のbusiness schoolは全米最高クラス。
9. Cornell
10. UMass
11. Penn
12. Princeton
13. Navy
14. Army
15. Towson
16. Hofstra
17. Villanova
18. Albany
19. Georgetown
20. Denver
  • Bill Tierney就任前の最後のリクルーティング年。来年以降一気にトップクラスに躍り出て来るはず。
しかしリクルーティングは本当にコーチとしての極めて需要な資質の一つになりつつある。入ってどう育てるかも大事だが、入り口の時点で最高レベルの素材を取らないと、そもそも土俵に乗れない/バッターボックスに立てない。

どういう要素が大事になって来るか一瞬想像。

コントローラブルな変数として:
  • そもそものチームの強さ/ブランド
  • コーチ自身の実力/人間力
  • チームの設備(コート、トレーニング施設、ビデオルーム、寮、等)
  • 選手選びのクライテリア(選択基準)。身体能力、技術、メンタル、チームワークや規律、その他をどう組み合わせるか。
  • 情報収集力
  • 分析力/目利きの力(本人や関係者と話して、ビデオゴリゴリ見てどこまで深い部分を読み切るか)
  • 高校ラクロス関係者とのパイプ/ネットワーク
  • チームのカルチャーや方針
  • チーム内でのポジションの空き具合/競合の激しさ(これはチームの強さとトレードオフ)
  • 誠意/コミットメント。実際に家に行って、時間使って、家族と話して、学校に連れて来てもてなして。
  • 奨学金のパッケージの魅力度
  • それら全部をひっくるめて、全体を効率的且つ戦略的にプロセスとして組織的に上手く回すコーディネーション力。多分UNCのJoe BreschiやMarylandのJohn Tillman辺りの若手コーチ達はこの辺が上手いはず。「漫画家とは如何に組織的/システマティックにアシスタントチームをプロジェクトとして回せるかである」的な江川達也氏のコメントを思い出す。
  • (ちなみに、特にプロになると億単位で金が動くfootballやbasketballでは、更にここにプロのエージェントを通じての裏金のやり取りが絡んで来ており、scandal/問題になっている...ラクロスでそれが起こってるとは考えにくいが。)
アンコントローラブルな要素:
  • 学校そのもののブランド/魅力度
  • 立地
  • 気候