2010年5月24日月曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 33 Tournament Quarter Final(準々決勝)第四試合: Virginia-Stony Brook

3週間前にチームメートが殺人容疑で逮捕され拘置所に拘留中、しかもその相手が家族の様に仲の良かった女子選手。警察の聞き込み調査は今も続く。一体どれだけの精神的な影響があるか計り知れない。そんな中Virginiaは本当に良くやっていると思う。一回戦ではその影響を感じさせなかったが、果たしてある程度実力のあるチームに対してどういう対応を見せるのか。

一方のStony Brookは1回戦ではDenver相手に3年生、21番、Canadaは西海岸のBritish Columbia出身のMVP候補Kevin Crowleyが天才的なAll rounderっぷりを見せた。(ちなみに今回の試合もよくよく見るとほとんどFlyしないで出っ放し!あ、新しいMFの使い方…つかどんな体力してんだっ!?)層の厚さと走力に劣るが安定したSet offenseをやれるだけのスキルを持つStony BrookはTransition gameを避け、Settledな展開にしたい。

試合では序盤VirginiaがBratton兄弟らの「らしい」プレーで先行。それにしても、Virginiaと試合していてつくづく怖いのは、しょぼいシュートを打ってがっつりセーブされちゃうと、高い確率でFast breakで得点されちゃうこと。GからのBreak passも早いし、ボールを運ぶ中盤のLong stick、MFの機動力がめちゃくちゃ高く、FinisherのAT達が超決定力高い。にしてもまあDとしてはBratton兄弟は本当に頭が痛い。Long stick2枚を兄弟に付けても、ガンガン抜いてくるのでスライドが生じる。その後の崩れた局面で6人が6人とも高いシュート能力を持つ。オフェンスがキマッてる時のUVAを見ると、このチームが優勝しなくてどこがするんだ?とすら思う。

一方で、SBのDも本当に良くやってる。Bratton兄弟にLongをつけ、さらに鬼早スライド、スライドのスライドも頑張ってカバー。

UVA7番AT、1年生のEnglishが今回はもう一人の1年生Whiteに代わって出場。Long2枚をMFのBratton兄弟に付け、AT1枚を捨てる(Shortで守る)ことで生じるShort stickのミスマッチ相手にATならではのDodgeで抜きまくる。

でもStony Brookも巧いね。3, 4年生中心のラクロスをよーく理解した落ち着いたオフェンスでゆっくりじっくり確実に得点を重ねる。3点目なんか非常に巧いチームオフェンス。

2Qから、およよ?あんなに勇ましかったVirginiaが一気にSlow downし始める。Stony Brookのスローペースにつられて、信じられないような凡ミスを見せ始める。メンタルにNervousになってるのか?殺人事件以降の2週間ちゃんと練習できなかったのか?Cardioが衰えて疲れてるのか?地元Stony Brookの観客に圧倒されてるのか?形勢は一気に逆転し、同点に追いつかれては突き放すという一進一退の展開に。まさかこんなところでVirginiaが消えてしまうのか?Brattonsのシュートもズレ、有り得んパスミスも。要らないファウルも頻発。おいおいどうした?完全に浮き足立ってる。大丈夫か?

そんな中、後半に掛け3年GのGhitelmanが気迫のこもったセーブを見せ、チームを窮地から救う。OではBratton兄弟でも、Steele Stanwickでもなく、入学時は同級生Stanwickの影に隠れて目立たなかった2年生#10 Chris BockletがStep upして大活躍。正確なシュートとフィードでチームを奮い立たせる。2年生とは思えぬ魂のこもったプレーでボロボロのチームオフェンスを何とかもち直させる。こういうメンタルの強い頼れる選手がいることが如何に大事か。

しぶといStony Brookの追い上げを受けながらも、最後はギリギリで何とか逃げ切り。皆心底ほっとしたことだろう。こんなに揺らいだVirginiaは初めて見たが、一方で、事件の影響を考えると仕方ないのか。このままのコンディションで挑んだらDukeにボコられるんじゃないかと心配。一方で、今シーズンのこの苦しい修羅場を乗り越え精神的に成熟/成長したBrattonsやStanwick、White、Englishら今年の1-3年生たちが上級生となって率いる来年のチームは、想像するだけでも恐ろしい…

Warriorスキル講座のWing dodge by Matt Danowski(Duke 08、コーチDanowskiの息子、現Lizards)が超ぬるっとしててカッコいい。Step backして相手を引き付けて、パチッと切り替えて潜る形でCross overし、背中でStickを守るっていう。このツルンとした感じね。これ試合で決められるようになったらマジカッコいいと思う。

ちなみに試合を通してのFace offの戦いが無茶苦茶Dog fightで面白い。これレスリングか?と錯覚するほどの真っ向勝負。

いたる@13期

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