2012年10月11日木曜日

UNCのAT Nicky Galassoが転校へ

軽くショッキングなニュースが。

移籍の報

3年前の高校ベストプレーヤーで2年前のベストルーキーの一人、North Carolinaの#42 AT Nicky Galasso (Jr = 3年生)がTransfer(転校)を希望し、コーチのJoe Breschiから許可されたとの事。(ILの記事

今後数ヶ月で転校先の学校を決め、年明けに転校のスケジュール。

うーん、元地元UNCファンとして彼の事を応援して来た自分としては結構ショック。

NCAAでは珍しくない選手の移籍

過去にも何度か紹介したが、毎年この時期のNCAAでは何人かの選手たちが新しい環境や出場機会を求めてTransferをしている。2年前のTommy Palasek (Johns HopkinsからSyracuse)など、一線級の選手が転校してラクロス界にショックを与える事も。

多くの場合、理由は、①チームの戦術が自分のやりたいラクロスと合わない、②監督と合わない、③人間関係、④今の学校が実家から遠い/実家の近くの学校に行きたい、⑤このままだと3-4年生になっても試合に出られない(特に強い下級生が入って来た場合)等々。

背景と理由を想像

Nickyのケースに関してはどうだろう?まだ現時点では特に理由に関しては書かれていない。

想像してみる。

2年前の1年生のシーズンは文字通り「鮮烈デビュー」だった。ILの選ぶ全米ルーキーランキングで堂々の1位。当時のエース#4 Billy Bitter (AT)の横で堂々の主力ATとして活躍。チームをグイグイ牽引していき、「このまま行ったらあと3年やばいな」と感じさせた。

ところが、不幸にも、去年の2年生のシーズンの開幕前に膝の靭帯を断裂してしまう。結果としてシーズン前半は試合に出られず。シーズンの最後に少しずつ出始めたが、1年生のシーズンに比べると全く本調子では無かった。そこに来てATはMFからコンバートした3年生の#3 Marcus HolmanがNCAAトップクラスの大エースATへと急成長、加えて2人のちびっ子スーパー1年生、#4 Jimmy Bitter, #11 Joey Sankeyがいきなり爆発的な活躍を見せ、「あれ?Galassoいなくてもこんなにやれちゃうの?」となってしまった。

上記の3人がそのまま今年残る以上、Galassoにとっては今年もスターターとしての出場すらも怪しくなっていた可能性もある。(しかもUNCは今年も強力なOFの選手たちが多数入学して来ている)

UNCのダイナミックでスピード感溢れるOFスタイル的に、機動力があってガンガン走って抜けてライド出来る上記の3人は極めてフィットが高い(あとぶっちゃけファンとしても見てて超楽しい)。それに対し、王道の司令塔スタイルでどっしりとセットオフェンスを作るタイプのGalassoは、ちょっとスタイル的にも必ずしもベストフィットとは言えない感じもある。

高校まで突出した全米No. 1選手だった彼が、そしてUNCで下級生からグイグイチームのエースとして引っ張って行く事を想像していたであろう彼が、ベンチから忸怩たる思いで活躍する下級生達を見て、結構ストレスや焦りを感じていたんじゃないかと想像する。そんな中3年生になり、このまま上級生としても試合に出られなかった場合、引き続き脇役に回って「何でNCAA来たんだ?」「試合に十分に出ないで成長出来るのか?」となるリスクも正直否定出来なかった。

しかも記事によると、どうやら今年もまた去年の靭帯の怪我程ではないが、小さな怪我をしてしまい、秋学期の練習が満足に出来ていなかったらしい。年明けのシーズン開幕に向けて、今の時期の練習に参加出来ていない事は、スターティングメンバーを固めて行く中で致命的。最悪このまま行ったら3年生のシーズンを去年同様ベンチスタートで、というシナリオが現実的に見え始めていたと言う事だろうか。

「だったら確実に必要としてくれるチームに行って仕切り直そう」となるのは自然な流れ。

移籍先は?

現時点での移籍先候補は明かされていないが、Syracuse, Penn State, Notre Dame, Loyolaと、トップクラスのATである彼を今すぐ必要とする強豪チームはいくらでもある筈。

元々の出身はNY州Long Island。近いのはStony BrookやHofstra。恐らくガキの頃から見ていたのはSyracuse。どこに行くことになるんだろうか。既にATの層が薄くなっているSyracuseがコンタクトを開始しているらしい。

間違い無く、極めて実力の高い選手。それは1年生時代のプレーを見れば誰の目にも明らか。チームの力を何倍にも高められる貴重な司令塔。加えて左のシュート力は秀逸。どこに行っても通用するのは間違い無い。UNCファンとしては悲しいが、選手個人としては移籍先での活躍を心から願う。

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