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2012年1月31日火曜日

NCAA 2012 Season Preview #16 Princeton

92年から01年までの10年間、偉大なコーチBill Tierneyの下で実に6回の優勝を果たし、文字通り帝国を築いたPrincetonも、時代の変化によりリクルーティング等で苦しみ始め、ここ10年は凋落の一途。一昨年にBill TierneyがDenverに移籍してからは明らかに戦術も混乱し、苦しんでいる。

去年もPre-Seasonで上位にランクされながらも、まさかの4勝8敗、プレーオフにすら出られず終わってしまった。

DF陣とGには強力な上級生メンバーがいるが、如何せんOFが薄い。加えて、柱だった選手が怪我に倒れるという不運にも見舞われた。泣きっ面に蜂な事に去年エースだったAT Jack McBrideは去年は怪我でシーズンを棒に振り、今年は卒業して大学院生(ビジネススクール)としてUNCでOF MFとしてプレー...

鉄壁DFで得点を許さず、でも得点出来ず、のロースコアな試合連発しまくりそう...

現役選手のMFの皆さんに是非注目して頂きたいのは、#22 MF Tom Schreiber(トム=シュライバー) (2年)。去年一年生ながら突出した活躍。特に、ラクロスIQの高さ、ボールを貰う前の視野と判断、両方に抜けて両手で鬼シュートを少ないステップ/クレードル数で打てる技術等、DF等、参考にすべき点が多い。


  • やはり注目はDF。#9 Chad Weidmiaer (4年)は鉄壁。MLLドラフトでは7位でHamilton Nationalsに指名。
  • G #6 Tyler Fiorito (4年)は鳴り物入りで加入したBill Tierney時代の申し子ゴーリー。MLLでは10位でChesapeake Bayhawksに。SyracuseのJohn Gallowayが卒業した今年は大学最強ゴーリーか。
  • オフェンスが大苦戦。
  • #22 MF Tom Schreiber (2年)は去年一年生で明らかに一人突出してハイレベルなプレーを見せた。
  • 今年も怪我無く実力を発揮出来れば、上位が狙える可能性も無くはない。

2012年1月30日月曜日

NCAA 2012 Season Preview #19 Harvard

日本人の皆さんも馴染みのあるザ名門校、Harvard。現Maryland HC John Tillmanの下、規律ある手堅いチームを作って来た。

Cornellと同じく、Ivy Leagueの一段厳しい学問面でのハードル(入学時の成績、リーグ戦に出場する為の成績、卒業するための成績)を課されながら、一段落ちる素材(サイズ、身体能力)をベースに、賢く、効率的チームを作り、加えて強くて揺らがぬメンタルで、個の力だけでなくチーム全体/組織として勝つ、というスタイルで善戦を納めて来ている。

限られたリソースを如何に鍛えて戦力を最大化し、ポテンシャルを限界まで使い切り、入学時の素材で勝るチームに勝つか。観戦に当たっては、戦術的にも非常に見所/学びどころが多い。コーチや玄人好みのチームか。

(ちなみに、先日のラクロス観戦視点からのMBA留学の記事でも紹介した通り、Business Schoolとしてのレベルもトップクラスな上、HarvardとMLL Boston Cannonsの試合が見られるのでベスト。)


  • 去年躍進。Ivy League準優勝。
  • 上級生と下級生のバランス良し。
  • 4年生MF #10 Kevn VaughanはMLL 14位指名のオールラウンドMF
HCで、John TillmanがMarylandに移籍した後の後釜、Chris Wojcik
  • エースは不動の4年連続スターターで得点源#23 Jeff Cohen。

2012年1月29日日曜日

NCAA 2012 Season Preview #20 Penn State

今年もILで2月中旬の開幕に向け、元Hopkins MFのMark Dixonと同じくGのQuint Kessenichが各チームを分析/解説してくれている。いくつか注目したいチームに絞って紹介。

一発目はPre Seasonで20位のPenn State。アメリカを代表する州立マンモス校の一つ。アメフトの名門、と言うか古豪。が、2011年の暮れにアシスタントコーチによる少年虐待(しかも長期間に渡って相当数の子供を、アメフトキャンプを利用してレイプ)が発覚し、全米のメディアの注目を浴びる大学スポーツの歴史に残る大きな汚点となるスキャンダルに発展。次いで伝説的ヘッドコーチでもあるJoe Patternoが辞任し、数ヶ月後の先週、ショックも有ってか、肺癌で息を引き取ってしまった。85歳。何とPenn Stateでコーチをしていたのは1950年からの62年間...

一方のラクロスは、去年NCAA Men's Lacrosse若手筆頭コーチJeff Tambroni氏がCornellから電撃移籍。グイグイと力を付けつつ有り、今後注目のチームに。今後Tambroni氏のリクルーティングによる選手が入学してくる。Penn Stateは知名度もあり、学校としての規模も圧倒的に大きく、Cornell始めIvy Leagueの学校と比べると、学問的ハードルが低く、より多くの選手に奨学金の間口が開かれることになる。加えて大学が全面バックアップを表明しており、非常に期待出来る(現にレスリング部も数年前に大学最高と言われたコーチをIowa Stateからヘッドハントで引き抜き、一気に全米トップに躍進)。今後7-8年の時間軸で、どこかのタイミングでFinal 4に絡んでくる日が来るのかも知れない。

ユニフォームが濃紺と白のみで、シンプルで綺麗で渋カッコいい。

今年の見所は...

  • 一昨年たった2勝だったチームは去年一気に7勝に。
  • Under Armor All America出身の1-2年生もちらほらおり、徐々に強豪校へと成長を遂げつつある
  • 特に、2年生Gに注目
  • でも、多分リーグ戦はTV放映なし。
  • 今年はプレーオフを狙える位置に付けている。
HC Jeff Tembroni氏のインタビュー。
  • やはり去年は一年目で選手もコーチ陣もお互いにになれる為の年だった
  • 上級生から下級生まで程よいミックス

2011年2月26日土曜日

NCAA 2011 Season Preview #1 Syracuse

いよいよ最後の1チーム。優勝候補大本命、Syracuse Orange。NY州北部、Canada国境近くに位置する。ラクロスではJohns Hopkinsと並ぶ10回の優勝回数を誇る。古くはGait brothers、Powell brothersなどラクロスの歴史に名を残した偉大な選手達を多数輩出。大学としては他に男子バスケが有名。毎年ちらほらNBA選手を出している。最近では現DenverのCarmelo Anthony(先週NY Knicksに移籍)。

2008年は#22 AT Mike Leveille、#44 MF Steven Brooksに率いられ、準決勝でVirginiaを劇的逆転勝利で破り、決勝では#9 Paul Rabil、#24 Kevin HuntleyのHopkinsを破って優勝。2009年は#22 AT Dan Hardy、#3 Matt Abottら4年生が決勝でCornellをこれまた終了間際の同点、延長でのCody JamiesonによるSudden deathゴールで劇的優勝。高い期待値の下、新たに#22を継いだJamiesonと共に三連覇を掛けて挑んだ昨年は、まさかのArmyによるupsetで一回戦敗退。全スポーツを含めたNCAAトーナメント史上最大のupsetとも言われ、ラクロスファン以外にもそのニュースは伝えられた。91年以来のホームCarrier DomeでのPlay offに於ける敗戦。試合終了後の無言で顔面蒼白のSyracuseの面々が未だに忘れられない。

雪辱を掛けた今年、昨年の主力メンバーがほぼ全員残留。栄光の#22を継ぐのは昨年#1を背負い1年生らしからぬ活躍を見せていたJoJo Marasco。HopkinsからはTom Palasekが加わり攻撃陣に厚みを与えている。


MLLドラフト(リンク)

48人の枠中、最大の7人が指名。AT, OFMF, DFMF, LSM, Close DF, Gと、全てのポジションに4年生のAll American級の選手が揃う。
  • 2. Rochester Rattlers: Joel White, LSMF
  • 6. Hamilton Nationals: Jeremy Thompson, M
  • 8. Rochester Rattlers: Jovan Miller, M
  • 10. Boston Cannons: Josh Amidon, M
  • 16. Boston Cannons: John Lade, D
  • 20. Rochester Rattlers: John Galloway, G
  • 25. Hamilton Nationals: Stephen Keogh, A

チームロースター(リンク)

Mark Dixonの解説(リンク)

  • 7人のAll Americanクラスの4年生がいる。もし今年優勝すれば、98年のPrinceton以来の、4年間のうち3回優勝を経験した代ということになる。
  • 既に2回優勝しているが、去年Armyに一回戦でまさかの敗北を喫し、尚ハングリーなはず。
DF
  • 全米No.1。G #15 John Gallowayは去年のNo. 1 Goalie。セーブ力はもとより、ATまでレーザービームでパスを通して来るスティックスキルを持つ。司令塔として最強DFを統制するリーダーシップも。
  • #40 John Ladeは3年に上がる際にVillanovaから転校して来た。基本に忠実で超粘り強い。若干身体が小さいが、ハートでカバー。
  • 2年 #10 Brian McGillが脇を固める。Ladeのカバーがあるので安心してボールを奪いに行ける。
  • 全米最高LSMの#11 Joel Whiteはドラフト2位指名。身体能力とスティックスキルが高い。
MF
  • Jeremy Thompson、Jovan Miller、Josh Amidonの4年生MF軍団。
  • #4 ThompsonはFO, DF, OFとフルに使われ若干後半消耗した感あり。FO支配率58%。
  • #9 Josh Amidonは去年14点だが、もっと点取れるはず。
  • #23 Jovan Millerは元々DF Shorty MFだったが、オフェンスも急速に成長している。
  • MFは層が厚く、その他も強力な選手が控える。
AT
  • 昨シーズン若干課題だったのは、オフェンスを統制し、ボールをdistribute出来るQuarter Back(司令塔/バスケで例えるならポイントガード)の不在。
  • 今年のSyracuseは、昨年怪我で余り試合に出ていなかったJoJo Marascoという適役を見つけるに至った。(JoJoはそれに伴い去年までの#1を脱ぎ、栄光の#22を2年生で早くも背負うことに。)Mark Dixon曰く、彼が今年のSyracuse浮沈の鍵を握ると。
  • 次はHopkinsからの転校生、3年生#14 Tom Palasek。ダッジ力は即戦力。
  • #28 4年生Stephen Keoghはスナイパーのフィニッシャー。
  • Coach Deskoの息子3年Tim Deskoも去年要所要所で得点してチームをピリッと締めていた。
4年生の強さでは間違い無く一位。2007年に期待されながらPlayoff進出を逃した後、その悔しさをバネに2連覇を成し遂げた。それを今回も繰り返せるか。

HC John Deskoインタビュー(リンク)

  • 基本去年と一緒のチームだねと。DF/OF共に去年のメンバーがほとんど戻ってくるので。
  • 2010年のチームは非常に良くやったと思う。レギュラーシーズンでは結局一回しか負けてないし。

2011年2月24日木曜日

NCAA 2011 Season Preview #2 Virginia

いよいよ大本命。昨年の試合のDVDを見ている選手の皆さんはよくご存知の通り、今年はSyracuseとVirginiaが頭一つ抜けている。今回はVirginia。

3年前に、NCAA最高のリクルーティングクラス(学年)と騒がれた、今年の4年生。その中でもShamel/Rhamel Bratton兄弟は入学前から全米の注目を集めて来た。1年目からチームを優勝に導き、4連覇も夢じゃないとも言われながら、ここまで優勝を果たせず。今年こそはと言われた去年も、プレーオフ直前に起きたMFの選手による女子ラクロス部の選手の殺人事件という衝撃の影響もあってか、結局準決勝で姿を消した。

今年優勝すれば、過去数年の苦労、特に去年の苦悩と準決勝でのDukeとの大接戦の末の惜敗もドラマの筋書きの一つということになる。Syracuse、Virginia、どちらが優勝したとしてもStory endingとしては出来過ぎなものになるだろう。

チーム名はCavaliers(騎士)。Quintの解説でもよく出て来るが、(昔の応援のかけ声から取った)Wahoosというニックネームも。(Wiki)

MLLドラフト指名選手(リンク)

意外にも、実は指名は3人のみ。既に去年のDFの大黒柱Kevin KlausenやMFでキャプテンのBrian Carrolが卒業してMLLにドラフトされてしまったこと、及び主力の多く(特にAT)が3年生以下というのもあり。NCAAトーナメントの最後の競った局面では、やはり精神的支柱となる4年生が厚く強いチームが強いという印象が強い。その辺がどう働くか。(まあ、でもSteele Stanwichの異様な落ち着きを考えると心配無いか。)
  • 4. Boston Cannons: Shamel Bratton, M
  • 17. Long Island Lizards: Rhamel Bratton, M
  • 45. Denver Outlaws: Adam Ghitelman, G
今月に入って、ESPNのBlack History MonthのCMでBratton brothersがフィーチャーされている。Shamelは特に、既に、プロフェッショナルアスリートとしての太々しさというか、風格というか、オーラが漂う。

チームのロースター(リンク)

Quintによる分析(リンク)

Quintによる解説も非常に深くて詳しい。この解説自体がある意味ラクロスを学ぶ素晴らしい教材になっている。是非聴いてみて下さい。

  • 去年は16勝。負けはDukeとの2敗のみ。
  • Shamel/Rhamel Bratton兄弟を擁する4年生はNCAA高い期待値と共に入学したが、未だチャンピオンリング無し。
  • 何と言ってもその爆発的オフェンス力はVirginiaの代名詞。去年の平均得点は13点。今年は15点は行くと予測。理由は3つ。①AT/MFのタレントのレベルの高さ、②加えて層の厚さ、③スタイル。身体能力を生かした速いラクロス。
  • Question markがあるとしたら、short stick DFMFとDF。結構失点を許すはず。ただまあ、死ぬ程点取るだろうから大丈夫だろうし、見てて単純に楽しいよね。
  • 昨年のシーズンが始まる時点ではいくつか不安要素があったが、全て昨シーズンを通して解決されている。一つはATの若さ。Steele Stanwickは点も取れてfacilitater/QBとしてオフェンスをコントロール。リスタートで常に他よりも一歩早い(逆に、DVDを見ると解る通り、身体能力は決して高くなく、爆発的なスピードがある訳でもない)。29 goal/32 assist。
  • Chris Bockletも53 goalsと去年2年生として爆発。GBでの本能的強さ、オフボールの巧さ。
  • Matt WhiteとConor Englishも全然点取れる。
  • MFはひたすらスピード。Bratton兄弟と、2年 #44 Chris LaPierre。Rhamelはちょっとnorth-southで直線的に抜くのではなく、east-westでちょこちょこ動いて抜けないという悪い癖があったが修正されてきた。Bratton兄弟は常に相手DFにとっては頭痛の種。いくつかのチームはLong pole 2枚をBratton兄弟に付け、AT 1枚を捨ててShortyに着かせるという作戦を取ったが、Shamelはpole相手でも問題無く抜いて来るし、Shorty ATからも抜かれて止められなかった。
  • 脇役MFも強いくて層が厚い。
  • 昨年2枚卒業したShorty DFMDをどうするか。下級生を使うか、Bratton兄弟とLaPierreをDでも使って、Transition goalも狙わせるか。
  • Close defenseはそこそこの選手達が残っている。
  • Gの#8 Ghitelman(ギトルマン...ってカタカナ表記すると相当発音とギャップが出ちゃうが...ギにstressでtの音はほとんどlとくっ付いてて控えめでマに繋げるイメージ。ギルマンって感じ)はセーブも強く、クリアパスはSyracuseのGallowayと並んで鬼。
  • シーズンの大事な試合が比較的前半に来る。3/4のSyracuse、3/12のFace Off ClasicでのCornell。そこでのパフォーマンスである程度見えて来るだろう。

HC Dom Starsiaインタビュー(リンク)


(オマケとしての)個人的な予想

僕自身は今年は3/12のFace Off Classic(BaltimoreでのIL主催の集客イベント)で会場にて観戦予定。非常に楽しみ。

個人的な予想では、間違い無く、レギュラーシーズンもプレーオフも勝ちまくるはず。オフェンスがどう考えても神過ぎる。層も厚く、主力が一人くらい怪我で倒れても大勢に影響は無い。若干Dがどうなのか読みきれてない部分があるが、まあ、15点20点取るからあんまし関係無いって言う。順等に行けば決勝でSyracuseというのが一番筋書きとしてしっくり来る。

が、Syracuseとの3/4の勝敗次第で、トーナメントでどっちの山に入るかがある程度見えて来ると思うが、直感的にMarylandと準決勝で当たる山になる気がする。そうすると、ちょっと準決勝で「きな臭い」感じがしなくもない。

仮に決勝でCuseとになった場合、どうだ?すげえ点の取り合いになる気もするが、穴の無さ、4年生のリーダーシップや気合いという意味ではCuseの方が上な気がする。Syracuseの4年生は既に1、2年生の時に2回優勝を経験してる上、去年1回戦でNavyにupsetを喰らった反省から、謙虚に優勝に向かって準備してくるはず。決勝の舞台で相見えた時に、メンタルの「揺らぎ」の度合いで比べたらどうだろ?「本来持っている実力」×「どれだけそれを発揮出来るか(セルフイメージ)」に因数分解すると、想像するに、やはりSyracuseの方が後者に分がある気がする。

2011年2月23日水曜日

NCAA 2011 Season Preview #3 North Carolina

#3 North Carolina

North Carolina州Chapel Hillにある州立大学。私立のDukeとは眼と鼻の先にあるライバル校。バスケも名門で最近では2005年、2009年にNCAAを制覇しており、82年には後に史上最高のバスケットボール選手になるMichael Jordanを擁し、優勝を果たしている。チーム名はTar Heels(直訳するとタールの付いた踵。昔のNorth Carolinaの人々の呼び方だったらしい。Wiki)。

ラクロスでも80年代の全盛期に三度& 91年と4回優勝を経験している。が、その後暫く低迷。09年にOhio Stateから連れて来たOBのHC Joe Breschiにより復権を果たす。Joe Breschiはいろんな選手のインタビューを聴く限り、人間力/人格に優れ、選手から全幅の信頼と尊敬を勝ち取っている。今年彼がUNCに来てリクルーティングした1年生は全米最強と言われており、リクルーティング力の高さにも定評がある。現NCAAを代表する名コーチの一人と言えるだろう。

昨年前半は10連勝無敗と爆勝街道を突っ走り、優勝候補筆頭だったが、4月以降の後半戦で失速し、最後の5試合では平均16失点とDFが崩壊し、準々決勝ではDukeに17失点しベスト8で敗退。今年の鍵はDFがシーズンを通して頑張れるか。後のILでのMark Dixonの解説や記事でも出て来るが、秋から冬に掛けて、シーズン開幕までに怪我でMFのメンバーをごっそり失っており、MFが相当薄くなっているとのこと。ILのPre-season reviewは秋の練習の時点で作られているため、既にこの3位という順位は現実の実力と離れてしまっているとも指摘される。(Quintは開幕前の次点でUNCを10位圏外にランクしている。)

ちなみに、UNC出身の最大の有名人、Michael Jordan。僕の好きなGatoradeのCM。引退間際のMJが、まだ若かった頃のMJと1 on 1をする。力で圧倒しようとする若いMJを、老練なMJが技でいなし、教え諭す。すると、UNC時代のMJが...

MLL Draftでの指名選手(リンク)

A/M/Dからそれぞれ1人ずつで3人。
  • 3. Denver Outlaws: Billy Bitter, A
  • 7. Hamilton Nationals: Ryan Flanagan, D
  • 36. Chesapeake Bayhawks: Michael Burns, M
チームロースター(リンク)

Mark Dixonによる分析(リンク)

  • DFの柱は何と言っても#24 Ryan Flanagan。でかくてAthletic。去年VirginiaのKen ClausenとBest DF賞を分け合った。
  • LSM 1枚目の#29 4年 Milton Lylesは秋のLoyolaとの練習試合でのACL(前十字靭帯)損傷で今シーズンは終了。
  • Gは誰が出るかが固まっておらず不安。
  • ATの#4 Billy Bitterは現NCAAで最も爆発力とスピードのある選手(COP: Change of pace, COD: Change of directionだけでトップクラスのDFを簡単にかわすそのダッジ力はMark Millonの後継者とも言われる)。2年前に2年生で既にNCAA最高のATだった。が、去年は怪我に苦しむ。スポーツヘルニア、脳震盪でボロボロに。シーズンを通して本調子ではなかった(相手チームのDFは早いスライドを飛ばしまくり、時として悪意を感じるlate hit/cross-checking to the headを当てて負傷退場を狙って来る)。もしシーズンを通して健康を維持出来れば、MVPも有り得る。
  • AT #1 2年のMarcus Holmenは去年1年生で活躍。
  • また、注目は全米No. 1ルーキーの#34 Nicky Galasso。ここまで1年生らしからぬプレーで早くもチームの主力になっている。
  • MFは#20 3年のJimmy DunsterがAll American候補。結構1年生の層が厚く、1年生を使って来ると思われる。
  • FOは1年生2枚回し。#25 RG Keenanは高校全米No. 1 FOGOで相当才能あり。また同じく1年生の#14 Frankie Kellyも。

ILのPreview記事(リンク)

いくつか怪我やその他の出場停止の状況について触れている。
  • Mark Dixonが触れていたLSMのLyleに加え、
  • Sean Burke (MF/Sr.) and Tyler Morton (MF/Jr.) retired from lacrosse for medical reasons
  • Cam Wood (MF/So.) suffered a knee injury that will cause him to redshirt after playing in every game his freshman year
  • UNC is also short a backup goalie with redshirt sophomore Steven Rastivo dealing with what Breschi described as “NCAA issues.”
ミディーの土台を固める選手達が結構怪我でやられている。試合に出ているメンバーのうち約半分の10人が1年生...いくらNCAA最高のリクルーティングクラスとは言え、さすがに上位校との試合は荷が重い。これで昨年同様Bitterが怪我でやられたら、結構しんどい事になりそう。

チームのwebsiteでのシーイズンプレビュー動画(リンク)

如何に去年の結果がdiappointingだったかが解る。また、チームでラダートレーニングやウェイトトレーニングをがっつりやっている姿が印象的。選手や主力選手の素顔と肉声に触れられる。今シーズンに懸ける想いには相当なものがある。であるが故に2戦目の敗戦は極めて悔しいはず。切り替えて体制を立て直せるよう応援したい。これでturn aroundしたら結構ドラマだ。

2戦目でOhio StateにUpset

と、ここ所まで書いた後に、この記事をアップする前のタイミングで、3月19日の土曜に早速Ohio Stateに13-8でUpset(番狂わせ)をくらった。一気に黄信号点灯。週明けのPole/Rankingで一気に10位圏外まで転落。大きなturn aroundが必要な感じだ。去年のDukeやNotre Dameの例もあるし、一敗が致命的な日本の学生リーグ戦と違い、結局プレーオフという本番で勝ちゃいいので、初期にちょっと躓いたからと言って即ゲームオーバーという訳でもない。が、去年のDukeの様に、明らかに個々は強いのに何かしっくり来てない、という感じではなく、駒が根源的に足りてないという印象。1年生の急成長と奮起に相当期待せざるを得ないか。

2月19日(土)のOhio State戦のハイライト
にしても、このブログでも再三述べて来ているが、本当にNCAA Div 1は(というか、Div 2/3、MCLAも含めて)この5年で間違い無く中堅校/下位校のレベルがぐんぐん上がり、どんどんcompetitiveになって来ている。ジュニア/高校レベルでの爆発的普及は間違い無く多くの大学に恩恵を与えている。10年前にはOhio Stateなんて「中西部のラクロス僻地の弱小チームだろ?」という感じだったのが、今やハードコアなcontenderになり、UNCを食ってしまう。上位校のコーチがよく「昔と違い、今のNCAA Div 1に消化試合/楽勝試合なんてもう存在しない。15試合全てがシーズンを変え得る。毎週全力でスカウティングし、準備しないとマジでやられる。厳しい時代になったよ」という話をしているが、正にそれを如実に表す結果だ。アメリカのラクロスは益々面白くなってきている。

2011年2月21日月曜日

NCAA 2011 Season Preview #4 Cornell

今週末はビール飲みながら奥さんと犬とまったりNBA All Starをテレビで観戦。Slam Dunk Contestでは先日の記事でもちょっと触れたLA Clippersの次世代ヒーローBlake Griffinがその身体能力を遺憾なく発揮し堂々の優勝。個人的には一発目の360が一番カッコいいと思う。最後の車を飛び越えてはファン投票のルールとファンの心理をよーく理解した上でのプレゼンテーションとして非常に賢く、クリエイティブな選択。にしても、でかい(高いだけじゃなく分厚い)上に、飛べるし走れるし、超ボディコントロール/ボディバランスいいし、器用。これは多分これから彼が10年掛けて築いていく伝説の1ページ目という感じなんだろう。

ちなみに、その前に行われたLive eventは、開催地LAらしく、地元Korean Town出身のFar East MovementによるRocketeer。Far East Movementは日系/中国系/韓国系American達の混成チーム。去年のLike A G6辺りからよく耳にするようになった。この曲自体は所謂(別に悪い意味じゃなく)チャラいelectroどポップだが、何故か物凄い耳に残った。LyricsにはTokyoとかスーマリとか出て来るし、見た目は日本人/韓国人/中国人だし、 非常に印象に残った。

America's Best Dance Crewなどで一気に知名度を高めたJabbawockeezなどもそうだが、アメリカでガチの実力でこうやって評価/尊敬されるアジア人を目にする機会が時々あり、自分も頑張ろっと。と思わされる。



#4 Cornell

去年まで、現NCAAベストコーチとも言われるJeff Tambroniの下、4年間で3度のFinal 4進出を果たして来たCornell。特に去年は大黒柱でキャプテンでTewaaraton (MVP)のMax Seibaldが抜け、下級生中心で経験不足が不安視される中、レギュラーシーズンでも中位校に星を取りこぼしながらも、シーズン後半に掛けピーキングし、準々決勝では組み合わせにも恵まれ(ArmyがSyracuseを食ってくれた)、準決勝まで進出。特にDFとGはほぼ全員一年生という状況でそれを成し遂げている。(Tambroniのコーチとしての凄さについての去年の記事)

今年も去年の主力メンバーの多くが残り、結構期待出来るようにも見えるが、最大の変更は、コーチTambroniのPenn Stateへの移籍。アシスタントコーチから昇格した新コーチBen DeLucaの下、Tambroniの突出した指導力と戦術眼抜きでどこまで行けるか。DeLucaはcoach Petro, Tambroniと、二人の偉大なコーチの元でアシスタントを勤めて来た。選手のインタビューを聴く限り、リーダーシップ/指導力にも優れている方らしい。今後のCornellが彼の下でどうなっていくか興味深い。

(Tambroniの移籍の背景、彼が抱えていたであろうリクルーティングでの、Ivy League校という学問名門校ならではのチャレンジに関しては去年の記事をご参照。体育推薦枠/体育学部や一芸入試が使えず、入学試験がセレクティブで、加えて入学後の学業面での負担も重いというハンデを抱えながら、限られたタレントで努力/工夫しながら勝とうとする点に於いては、東大に似ている部分もあり、PrincetonやCornellには何となく共感を感じてしまう。そして、であるが故にSyracuseやVirginia以上にチームとして見て学ぶ点が多いとも感じる。)

チーム名はBig Red。マスコットは熊(Wiki)。

チームRosterのページ(リンク)

ちなみに今年1月のMLLドラフトで48人の枠に指名された4年生はゼロ。主力のほとんどが3年生以下というのもあるが、Princetonの一人と合わせ、やはりIvy Leagueの素材の限界を表している。

Quint Kessenichの分析(リンク)

  • 自分たちの強み弱みを冷静に理解した上で、確固たる戦術/システムを持ってプレーし、且つ全力を出し切るという点では最強。
  • 加えて、与えられた選手の素材を4年間で最大限に育成し、最大限に使い尽くす。入学時点ではさして注目されていなかった1年生が4年生でAll Americanになるような育成力を持つ。
  • SOS(Strength of schedule)がきつい。強豪校とアウェイで多く対戦。
  • 個人的に生で彼らを見る機会があったが、去年一年を通しての成長に驚かされた。
  • OFは引き続き強く、DFも去年より改善しているはず。ただ、主力以外の脇役選手(role player)に不安がある。
  • エースは何と言っても去年 2年生でBest AT賞を受賞している#3 Rob Pannell。シーズン29得点もさることながら、51アシストというのが突出した数字。スピードがある上、DFにとっては嫌ーな、ジグザグのダッジ、Re-dodge(一回止められてもステップバックして隙を見てまたダッジしてくる)でゴリゴリ抜いて来る。He's got eyes on the back of his head(後頭部に目がある)のようにいつでもどこでもオープンな見方を見つけて正確なフィードを入れて来る。周りの選手、特にカット出来る選手にとっては最高の味方。(ちなみに、そんなPannellも、高校では遅咲きで、Cornell入学前に一年浪人を経験している苦労人。)
  • 2年のAT #6 Steve Mockは去年一年生で活躍。今年も相当点を取ってくるはず。
  • MFは、まあ、オッケー。
  • DFは去年と同じかちょいいいはず。組織で守るチームDFの教科書。スライドのタイミング、スライドに行くべき局面と行くべきじゃない局面の判断、2枚目3枚目のスライド、相互のカバー、全てに於いて完成度が極めて高い。
  • 去年1年生でケイジを守ったGの#47 AJ Fioreは去年素晴らしいセーブをいくつも見せたが、同時にしょぼいシュートを許すという不安定さがあった。今年はある程度修正されてsave %も上がって来るはず。
さて、コーチTambroni不在の穴をどこまで埋められるか。先日のESPN Expertsでの議論では、基本的にシステムや戦術そのものはチームに残っているので、大きな影響は無いという意見が多かった。Rob Pannellは更にリーダーとして成長し、オフェンスではほぼ選手兼OFコーチのようにリーダーシップを発揮していると言う。

個人的には、与えられた素材に比した伸び率と達成度では、NCAA最強だと思うチーム。ただ、これだけ高校までのジュニアレベルのラクロスが成熟し、優秀な選手を争奪するリクルーティングが勝負の最大のドライバーになってしまった今となっては、恐らく今後Cornell/Princetonが優勝候補筆頭としてトップレベルに再浮上するのは相当難しいんじゃないかと見ている。正にMax SeibaldとJohn Glynnの09年が最後のチャンスだったんじゃないだろうか。(なので、その貴重な優勝のチャンスをあと一歩の所まで迫りながら最後に逆転で失ったTambroniの悔しさは想像に難くない。そして、であるが故に、TierneyはPrincetonを去りDenverに行き、TambroniはCornellからPenn Stateに行き、TillmanもHarvardからMarylandに行ったという面もあるんだろうし。)

今年は3月12日にBaltimoreで行われるInside Lacrosse主催の集客イベントその2、Konica Minolta Face Off ClassicでVirginiaとの対戦を会場で観戦予定。楽しみ。

2011年2月20日日曜日

NCAA 2011 Season Preview #5 Duke

Quick update

開幕2週目。OnlineでJHUの試合とUNCの試合を観戦。早速、恐れいていたupset(番狂わせ)が。Pre seasonで3位にランクされながらも相次ぐMF/LSMFの怪我で1年生依存度が高くなり、初戦もRobert Morrisに辛勝と、かなり雲行きが怪しくなっていたNorth Carolinaが、中西部の新興校Ohio Stateに13-8でUpsetをくらった。試合を見ていた感じ、①Ohio Stateがそこそこ強い。特に去年のUnder Armour All America(高校オールスター)で目立っていた1年生軍団と、Canadian達が結構やる。②UNCが、かなり、しんどい。ぶっちゃけ。思った以上に厳しい。Billy Bitterに相手のエースDFが付いて早めスライドされると、MFが薄過ぎて一気に攻め手が無くなる。Bitterも頑張っているが、やはり怪我をする前の09年シーズン程の爆発力を感じない(MLLでやっていけるのか?)...Gも弱い上、致命的な事にクリアの成功率が低く、turn overが多過ぎる...結構UNCはきついシーズンになるかも、という気がして来た。やっぱり強い上級生が一握りしかいないと、どうしても苦しくなる。大事です、穴の無い強さと層の厚さ。

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#5 Duke

さて、去年の優勝校。Defending Champion。Duke Blue Devils。僕は個人的にこの5位という順位は間違い無くoverratedだと思う。本来は10位前後じゃないかと。(Quintも同様の指摘をしている)

Rape scandal(冤罪)による出場停止の1年を経験した最後の代、Ned CrottyやMax Quinzaniら率いる5年生と4年生合わせて16人もが卒業。得点源の6割、Close DF 3枚に加え、多くの主力選手をごっそり失う。ほぼ全員が新人/去年までの脇役という布陣で挑む。例え才能ある選手を多く抱え、現NCAA Div 1最高のコーチの一人であるJohn Danowskiと言えども、さすがに大きな後退は避けられないと見ている。但し、身体能力の高い、才能ある下級生が多く、彼らが今年経験を積む。来年、再来年再び優勝争いの舞台に戻って来る可能性は十分にある。

MLLドラフト指名選手(リンク)

MLLで指名を受けた4年生は2人。しかも結構下位。やはりCuse, UVA, Marylandに比べると4年生の厚さが圧倒的に落ちる。
  • 26位 Rochester Rattlers: #11 Tom Montelli LSM
  • 46位 Boston Cannons: #21 Zack Howell A
Rosterのリンク。

Mark Dixonの解説(リンク)

  • 今年のOFを率いるのはAT #21 Zack Howell。去年まではQuinzani/Crottyがガンガンに崩してパスしてくれたので、フィニッシャーとして機能していた。見た感じやろうと思えば自分でもガンガン抜ける力はある。オフェンス全体をクリエイト出来るか。
  • 1年生では、去年DVDを送った高校All Star、Under Armour All Americanでも最も目立っていた#31 Jordan WolfがMax Quinzaniの後を継ぐと言われている。すばしっこさで勝負するスタイルは正に。
  • MFでは去年play offで結構点を取っていた3年#12 Justin Turri。
  • DFは3人入れ替え。LSMでFinalの延長で決勝点を決めた CJ Costabile。
  • Gは1年生で優勝を経験した#4 G Dan Wigrizerが恐らくシーズンを通して先発するはず。
以上。なるほど、ここまで聴きながらメモって、確信したが...明らかに、スター不在。

John Danowskiインタビュー(リンク)

先日US Lacrosse MagazineのPodcastでDanowski(父)のインタビューがあったので紹介。これまでいろんなインタビューや記事で彼の言葉に触れる中で、本当に傑出した人物、素晴らしいコーチであることを強く感じさせる。
  • 心の存在と、その心が持つ重要さを心底理解し、それをしっかり強く、しなやかに、ポジティブに育てて行くことを重んじている。
  • 選手一人一人に個別に誠実に接し、一人一人の個性と人格を尊重し、acknowledgeし、respect/appreciateし、支援することで、個々人の才能を最大限に伸ばし、後の人生にもポジティブな影響を与える。
  • 練習でも、選手たちの自主性を重んじ、彼らと相談しながら、一緒になって考えながら作って行く。
  • あくまで大学4年間は教育と人格形成の場。勝てば/優勝すれば終わり・ラクロスだけしてればいいという訳ではない。しっかり学問も、スポーツ以外もしっかりやるのが本道という考え方。
  • 多くの選手や卒業生が彼に心からの感謝と尊敬の言葉を惜しみ無く捧げ、多くの選手の父兄が「彼の下になら息子を送って4年間を送らせたいと心底思う」と言うのにも頷ける。
今回のインタビューを聴く中でいくつか印象に残ったのは以下の点。
  • 06年のレイプスキャンダル(冤罪)を経験した最後の世代が卒業し、やっとそのネガティブな見られ方から解放される年。
  • 明確に、スター不在。突出した個はいない。言うなれば、全員一丸で、Committeeとしてプレーするスタイル。
  • でも、逆にいい点は、皆それを解っている点。1日目から、「去年の優勝チームはもう過去の話。俺たちは完全に別のチームで、これはまたゼロからの挑戦」と、Hang over(二日酔い)ゼロで奢り無く、躊躇無く切り替えられた。(ポジティブだ。)
  • 今年のチームは、athleticism(身体能力)は過去最も高い。また、最も均質。レベルのバラつきが小さい。「そこそこ」の選手が無数にいる。ただ明確に弱みは経験値。
  • また、インタビューの中で、秋の間のウェイトトレーニングの実績やそこでの取り組み、成長を事細かに選手ごとに覚えており、それを名指しで数字を上げて褒めているシーンが非常に印象的だった。一つはそこまでウェイトトレーニング/フィジカルを重視しているという点、もう一つはそこまで個別に選手のことを良く見て、成長を褒めて上げている点。ここで名前を挙げられた選手は間違い無く大きなセルフイメージとセルフコンセプトを手にし、より大きく成長しようと頑張るはず。ちなみに、小柄な(175cm/77kg)Jordan Wolfのベンチプレスは、入学したての1年生で既に250lbs(115kg)と言っていた。なかなかインプレッシブ。
  • DukeはアカデミックのチャレンジがACCの中でも高く、高校時代にいい成績をより長い期間取り続ける必要があり、リクルーティングの難しさが若干ある。
  • 今年もHarvardから一人来ているように、毎年1-2人Ivy Leagueからのトランスファーがいる。Ivy Leagueから来る選手達に共通するのは、当然学問的に賢い事、そして、わざわざIvy Leagueの名門校からラクロスのためにDukeに来るという選択をするだけあって、ラクロスに懸ける熱さが尋常じゃない。(こうやって他校から志願して彼の下でやりたいからと転校してくる選手が多いのもDukeの特徴。これもJohn Danowskiのコーチとしての実力と人徳の為せる業だろう。)
「学年の波」のマネジ

さて、タレントが密集した上級生がごそっと抜けた後のリバウンドの年。どうマネジするのか。そこだけを見れば、ある意味今年の東大に状況が似ていると感じる。

学年の波をどうマネジするのかはラクロスに限らず全ての大学スポーツに共通するチャレンジだろう。サステイナブルに毎年勝ち続けるのは簡単ではない。強い塊の世代があれば強いが、その下が経験不足になる。逆にタレント不足で低迷を続ければ、強くて数の多い下級生が入れば経験を積め、数年後にブレークするきっかけにもなる。強くて太い人材のパイプラインを毎年維持し続け、下級生時代に確実にモチベートし、育成し、試合経験を積ませる仕組みを組織として如何に作り込むかの勝負になる。ここを環境や運に預けてしまっては、「たまたま優秀な素材が集まったら勝てるけど、そうじゃない年はパッとしない」という、典型的な中堅校のトラックレコードに陥ってしまう。如何に意思を込めて人為的に「常勝」を作り込むかのゲーム。

(その好循環に乗れているのは、やはりSyracuseだろうか。毎年確実に有能な選手を塊で抑え、加えて上級生でのトランスファー(転校)も集まって来る。築き上げたブランドと立地(CanadaとUpper state NY、Long Islandへのアクセス。若干昔の石油等の天然資源争奪戦のGeopolitics/地政学を連想させる...)も影響している。今年の1年生レベルのパイプラインを維持出来ればNorth Carolinaもそうなって来るかも知れない。TambroniのPenn Stateも近くそうなるだろう。逆にその常勝サイクルが回らなくなっているのがHopkinsとIvy League。)

去年、同じく全米制覇を成し遂げたDukeのバスケ部は、今年何人かの主力が抜けたにも関わらず、残った下級生と強い新人のパイプラインにより、今年も再び優勝を狙えるポジションにいる。現NCAAバスケ最高のコーチ、US代表も率いるCoach KことMike Krzyzewski [マイク=シャシェフスキー]の名コーチたる所以だろう。Coach Danowskiには、この劣勢と、「今年はダメっしょ」と言う世間の見方を跳ね返せるだけの「何か」を感じる。去年だってプレーオフであれだけ無敵だったDukeも、シーズン前半はボロボロだったが、シーズンを通して成長し、ビタッとプレーオフにピークを持って来た(逆にUNCは前半独走、後半消耗して一気に失速)。個人的にシーズンを通して見守りつつ、応援させて頂きたい。今年は4月3日にNYで行われる集客試合イベント、Konica Minolta Big City ClassicでDuke-Syracuse戦を会場で観戦予定。今から楽しみだ。

個人的な見立て

個人的な予想は...まず、大前提として、ぶっちゃけ一番読めない。今年のDukeは。余りにも去年試合に出てたメンバーが少な過ぎて。Ned CrottyもDanowskiコーチも、「素材は物凄い揃ってる」と言う。ある程度本当なんだろう。でも自分のチームだし、当然バイアス掛かってるはず。

シーズン当初は多少ぎくしゃくしながらも何とか乗り切りつつ、後半に能力は高いが経験不足の若いメンバーが経験を積んでグッと強くなる。一方で、やはりCuse, UVA, MDの壁は崩せず、プレーオフは進出するも、2回戦で上記3チーム辺りと当たり、Best 8で消え、今年はMemorial Day Weekend (Final 4)には進出出来ない、というパターンじゃないかと。但し、来年再来年はまたSerious contenderになってくると。

今年の一発目、明日20日に行われる去年の決勝の再戦、Notre Dame戦が大きな試金石になってくる。もし本当に凄い選手達が、たまたま去年偉大な4, 5年生の陰に隠れて見えてなかっただけで、実はまるまるもう一チーム分の優勝候補校の選手が隠れてました、なんて事が判明したら、一気に勢力図が変わって来る。

2011年2月18日金曜日

NCAA 2011 Season Preview #6 Maryland

6位Maryland

やはりこの辺から一気に重量感というか迫力が出て来る。優勝の2文字を感じさせてくれる強豪という感じ。AT3枚を中心に、大量のタレントを抱える学年が遂に4年生に。昨年も優勝候補の一角と目されながら、Quarter FinalでNotre Dameに僅か5得点に抑えられ、ベスト8で敗退。直後に8年Marylandを率いて来たHCのDave Cottleの解任が告げられた。(Dave Cottleはその後NCAA Div 1への新規参入が決定したMarquetteのconsultant/advisor、そしてMLL Chesapeake BayhawksのPresidentに就任した。)

新コーチはHarvardを率いていたJohn Tillman。コーチが新しくなると、戦術の違い等から上手く行かなくなることもあれば(去年Bill Tierneyが去った後のPrincetonもその気があった)、これまで培っていたものが新たなリーダーシップの下一年目から花開くこともある(逆にTierneyが新しく指揮を取った去年のDenverがいい例)。

毎年複数人のMLL選手を輩出し、代表クラスの選手もちらほら出している。特にDefenderは堅くてアグレッシブな大型athletic DFが多いイメージ。

期待されながらも3年間涙を飲んで来てきた4年生、今年こそは悲願の優勝を遂げられるか。

ちなみにチーム名はTerrapins(ダイヤモンドバックテラピン:亀)、略してTerps。

相当どうでもいいトリビアだが、2000年前後からラクロスでも流行り始め、今や完全に定着したUnder Armourは、元Maryland Footballの卒業生が作った会社。故にUAとの縁が深い。ユニフォームもUA。

MLLドラフト指名選手(リンク)

MLLドラフトでは48人の枠のうち、Syracuseの7人に次いで多い5人が指名。
  • 12. Boston Cannons : #37 Brian Farrell, D, Maryland
  • 15. Denver Outlaws: #44 Brett Schmidt, D, Maryland
  • 19. Hamilton Nationals: #4 Dan Burns, M, Maryland
  • 21. Denver Outlaws: #1 Grant Catalino, A, Maryland
  • 23. Long Island Lizards: #27 Ryan Young, A, Maryland
ちなみに、NCAAではより話題に上る事の多いAT二人よりも、LSM, DF, DFMFが先に指名されている点がMLLドラフトの力学を表していて非常に面白い。ATは技術ヘビーで選手生命が長く、チームの軸として長くやる必要があるため、スポットが少なく、上位指名はごく一部の超有望株に限られる。一方でDやLSM、特にversatileでphysicalなMFはある程度消耗品としてガンガンいい選手のパイプラインを大量に持ち続けていないと苦しくなるという仕組み。

Quintの解説(リンク)

  • Quintは個人的に6位よりは上だと見ている。去年のリーグ戦での実績、メンバーのほとんどが残っていることを考えると。
  • 特に#1 Grant Catalino, #27 Ryan Young, #2 Travis Reedの4年生ATトリオは何年前からいるんだってぐらいずっとMDの主力を張り続けて来た。
  • Catalinoは去年のDVD見た方は記憶に残っていると思うが、ウィングからのシュートの貰ってから撃つまでの早さ/速さと正確さが半端無し。ガキの頃から家のbackyardでボール100個バケツに入れて毎日延々シュートを打ち続けて来ただけある。でかい(196cm/100kg)割にかなり動ける。夏にはカナダでインドアリーグに参戦していたとインタビューで語っていた。更に一段上のスティックスキルとスピード感、ラクロスIQを身に付けて帰って来る。
  • Youngは司令塔。Quint曰く、もっと自分から抜けて点を取れると強いと。
  • ATの層が厚く、恐らく4枚目以降のATをガンガンOFMDで使ってくるはず。特に#19 OFMF 3年 Joe Cummingsが去年から効果的に点を取り目立っていた
  • DFはほとんどのメンバーが去年から残る
  • 注目はHamilton Nationalsに19位で指名されているDF MFの#4 Dan Burns。Team USAとの試合でPaul Rabilがそのスピードとカバーの速さにimpressされたと。
  • LSM #37 Brian Farrellは明らかに去年から目立っていた。でかくて機動力があり、オフェンス力高し。
ちなみに、去年OFMFで出て目立っていた超大型(198cm/120kg)MFの#23の4年Will Yeatmanは、年始に既に閉幕したfootballのタイトエンドとしても活躍。現時点でNFLのドラフトで指名されるか否かの瀬戸際と言われており、NFLのキャリアの可能性に懸けるため、残りの期間はラクロスをやらずにfootballのトレーニングに集中するらしい。(ILの記事のリンク)スティックスキル等がトップレベルだったとは言えなかったが、ボールを持って突っ込み/リーンして、鬼シュートを叩き込むという点で強力な戦力だった。

HC John Tillman Interview(リンク)

  • 伝統の強豪校でコーチを出来るという栄誉に与れて嬉しい。
  • 経験と実力のある選手がたくさんいる状況なので助かる。
  • やはりある程度チームとして出来上がっているので、あまり変え過ぎず、これまであったものを如何に生かすかがコーチとしてのチャレンジ
  • Brian Farrellのリーダーとしての資質、賢さを挙げていた。
チームウェブサイトでのシーズンプレビュー(リンク)。相当来合い入ってる。20分と長いが相当がっつり選手達の声を聴ける。ダイハードMarylandファンの方は是非チェックしてみて下さいな。

個人的には、今年のMarylandは結構来るんじゃないかという気がする。去年NDに負けたことで、相当雪辱に燃えているはず。いくらコーチが変わるとは言え、主力選手達は過去に3年間一緒にやって来てる訳だし。Championship Weekend (Final 4)には出て来るような気がする。後は、Syracuse、Virginiaの双璧をどこまで攻略出来るか。このチームがMemorial Day Weekendの最後に優勝トロフィーを掲げる絵を想像しても正直そんなに違和感を感じない。

2011年2月16日水曜日

NCAA 2011 Season Preview #7 Notre Dame

さて、先週末からついにシーズンが少しずつ開幕。Delawareを皮切りに、DukeやUNCなどいくつかの上位チームが先行して開幕した。今週末から本格的に全チームがリーグ戦に入っていく。怪我により多くのメンバーを失い早くもQuintから10位圏外の評価を受けているUNCは、全米No.1 Rookie AT Nicky Galassoが4得点と活躍するも、中堅校のRobert Morrisに14-11で辛勝。先が思いやられる船出となった。頼れるMF不在なのがきつい。もしBitter始め他の主力が怪我で倒れたら本格的にやばくなりそう(ILの記事)。

また一方で、記事やファンからの書き込みで指摘があるように、対戦相手のRMUが意外と強いという話もある。HofstraやStony Brook、Lafayetteなども正にそうだが、高校レベルでのラクロスの裾野がこの10年で約3倍と爆発的に広がったことにより、これまで有望な選手を独占していた上位校から溢れたかなり高いクオリティの選手が中堅レベルの学校やDiv 2/3の学校にカスケードしていくという現象が顕著になり、ここ数年で10~20位前後にいる学校のレベルがグッと上がってきている。特にここ10年で10倍に増えているCanadian NCAA選手の影響が非常に大きい。RMUにも複数の有力Canuck選手が在籍している。たった数人のCanuckが入るだけで30位のチームが5-10位のチームを食い得る爆発力を身に付けてしまう。その辺もまた競争の力学の変化として興味深く、NCAA lacrosseの一つの見所でもある。

シーズンを通して随時アップデートされるInside LacrosseのNCAA Div 1の試合日程と結果はこちら、Media/coach poll/rankingはこちら。

#7 Notre Dame Fighting Irish

さて、昨年の最大の台風の目。去年国際親善で来日しているのと、梅ちゃんを始め家に選手をステイさせていた選手/スタッフも多いと聞いているので、特に親近感があるんじゃないかと想像する。中西部Indianaに位置するアメフト/バスケ等スポーツの伝統的名門校。「闘うアイルランド人」。(去年の夏までいたSanta Barbaraで教えて貰っていたゴルフのコーチの弟さんが丁度NDの体育会Golf部に入部した。Californiaのジュニアではそこそこ有名な選手だったらしく、今後の活躍を祈りつつ応援したい。)

超保守的で手堅いDFと守護神Scott Rodgersの活躍により、プレーオフ出場ギリギリの所から一気に決勝まで駆け上がり、決勝も延長一点差というギリギリの所まで迫った。Rodgersが卒業し、大きなダウングレードが生じるが、それ以外はほとんどのメンバーが残り、特にMFの二枚目以降、ATは去年のプレーオフから秋の練習に掛けての成長が著しいと言われている。普通に行けばトーナメント進出くらいは行けるはず。Gが機能すれば、また今年も結構いい線行く可能性。

DFの堅さは間違い無い。去年のプレーオフを通して、AT出身の僕ですら感動を覚えた。DF/Gの選手が見て学ぶものが多いチームのはず。クリース前を鬼パックし、統制の取れたチームディフェンスで、危険な場所からのシュートをほとんど打たせない。で、外から/薄い角度から無理矢理打たせて、鉄壁ゴーリーのRodgersが確実に仕留める、というスタイルで並みいる強豪を次々と沈黙させた。(去年のPlayoff 4試合の失点を見ると、Princeton 5点、Maryland 5点、Cornell 7点、Duke 6点と、トップクラスの攻撃力を持つ上位校をことごとく衝撃的なレベルの失点に抑え続けている。ここまで抑えられれば、よっぽどの事が無けりゃそりゃ負けないわ...)

一方で、スローペースで保守的な試合運びに対し、多くのファンが不満/批判を口にし、ショットクロック導入の議論に油を注いだ(スポーツとしてのラクロスの今後の方向性に関する前回の記事)。ちなみに個人的には、ショットクロック導入はもはや時間の問題だと見ている。今後数年で試験的導入が始まり、5-6年のスパンで導入されてくるんじゃないかと。NLL/MLLの試合の展開の速さと面白さを体感すると、どう理屈で考えても導入するべきとしか思えない。

MLLドラフトでは正に今年のNDの可能性を示すべく、何とSyracuseの7人に次ぎ、Marylandと並ぶ5人が選出。去年のプレーオフ、特に全国ネットで放映されたDukeとの決勝でのインパクトが強く、若干評価がインフレしている感は否めないが、それでも尚、DF/MにMLL級の選手が複数人ずついるということ。プレシーズン7位という評価も頷ける。2週間前のUS代表との試合では、比較的しっかりした試合を見せていた。

これまで中西部のパッとしないチームという事で、いまいち実力に見合った評価を得ていなかった面もあるが、去年の躍進で一気にリスペクトを受けることになった。(ちなみにその辺の「正当な評価を得てこなかった」歴史と理由については去年の記事を参照。スーパーどうでもいいが、懸案のメットもCascade Pro 7に修正され、ビジュアル的にも洗練された。)

(当たるかどうかは一切無視して、個人的な予想を言うと、この7位という順位はちょっとoverratedな気がする。恐らく今年も勝ったり負けたりで場合によっては10位前後に落ち着き、プレーオフにはギリギリ進出、1-2回戦で結構早めに負けると見ている。確かにDは強いし、MLL MFも2枚いる。でも、一歩ステップバックして冷静に考えると、やはりGはRodgersじゃない。彼の抜けた大きな大きな穴を埋めるのはほとんど不可能だ。そして、ATと他のMFが強豪校からは明らかに一段落ちる。去年だってRodgersがいなければそもそもプレーオフに出られてなかったし、プレーオフでのupset三連発も起こらなかった訳で。最悪リーグ戦敗退という結果になっても正直驚かない。)

Mark Dixonの解説(リンク)

  • 冒頭のMark Dixonのコメント、"Cliche goes offense wins games and defense wins championships"(Cliche [クリーシェイ] /格言曰く「オフェンスで試合に勝つ事は出来る、でもディフェンスが無ければ優勝は出来ない」)が非常に印象的。正に真理を表している。多くのNCAAのHCがDefenseからチームをビルドアップする事の必要性を口にしている。
  • Dは相当鬼固い。Syracuseに次いで、全米No.2のDFを誇る。
  • GでRodgersの後がまの2年生John Kempがどこまでやれるか。(数週間前のTeam USAでの試合では、前半こそ得点を許したが、全体を通し、最高峰の選手達のシュートを比較的落ち着いて止めていた。)
  • #50 4年 LSM Andrew Irving (33位: Denver Outlaws)は小さい(175cm)が機動力があり走れる。(Team USAとの試合では強いMFを抑え、GBも着実に拾い、ブレイクも発生させ、最も高い評価を受けていた)
  • Close defenseは2枚の強力DF。去年はNo.1 DFと言われながら怪我で試合に出ていない#32 Sam Barnes (190cm, 29位: Long Island Lizards)、去年Cornell Rob PannellやDuke Ned Crottyを封殺してその名を轟かせた#35 Kevin Ridgeway (198cm: 18位: Hamilton Nationals)。でかくて、DFの基本姿勢がしっかりしてる立ち姿が二人ともえれえカッコいい。というか、見るからにDFが超堅そう。こんなん2枚いたら相当泣きそうになる。(しかし、去年は大黒柱のBarnes抜きであの堅いDFだったということ...いかに強力なdefenderのパイプラインを確保出来ているかを物語る)
  • 二人ともチェックでボールを奪えるだけじゃなく、ポジショニングも素晴らしい。
  • OFは何と言ってもMFの2枚。#28 Zack Brenneman (190cm/100kg, 5位: Long Island Lizards)。決勝でのNorth-south dodgeでぶち抜いて、ゴールを吹き飛ばさんばかりの鬼シュートをぶち込んでいたのが記憶に新しい。本ハイライトでもクリアで相手をペシャッと潰すダッジ(?)を見せている。相手Dとしては相当厄介。
  • #33 David Earl (13位: Hamilton Nationals)も何でもやりつつ得点源。

HC Kevin Corriganインタビュー(リンク)
  • 毎年恐ろしく堅実なDFを作って来る事で有名。Gとタフで手堅いDFの選手を毎年確実にリクルートする能力にも定評あり。
  • 彼も言っているが、多くのコーチが「チーム作りはDFからbuildする」という言い方をする。
  • 「DFはほとんどのメンバーが残っているので頼もしい。」
  • 「プレッシャーは無くはないが、まあ、これは大学スポーツなので、去年上手く行ったって事は何も意味しない。NBAのように去年のメンバーがほとんど残るゲームじゃない。基本的には主力は卒業し、若い奴らが入って来て、雰囲気も含めて毎年全く新しいチームとして振り出しからスタートするというゲーム。なので、去年準優勝したからってプレッシャーを感じるってのは無い。全く新しいチームによる全く新しい挑戦なので。」
Brennemanインタビュー

また、今月号のInside Lacrosseのインタビュー記事でのBrennemanのコメントが印象的だった。「去年のDukeとの決勝に関して、ロースコアな展開を指して『NCAA史上最もつまらない決勝だった』と言う人がいるけど、俺から言わせるとそれはラクロスの事を本当に解ってない人のコメントだ。」と。これは己の強みと弱みを解った上で、本当に強い意思と自信、そして実力が伴っていないと言えない言葉だ。正直痺れた。Defensiveで保守的な試合を否定するなら、アグレッシブで攻撃的なラクロスでそれをねじ伏せてからにしろ、という強い覚悟と断固たる決意。

エンターテインメントとしてのラクロスの振興、好き嫌いや、興行/ビジネスとしての成功を無視して、勝敗のみを見れば、はっきり言って正論だ。去年に関して言えば、Notre Dameのラクロスを批判することを許されるのは、唯一、決勝で勝ったDukeだけという事だろう。「文句があるなら勝ってからにしろや」と。個人的に、その揺らがなさは大好きだ。

2005年前後に(まだ日本の格闘技が元気だった頃の)PRIDE武士道時代のウェルター級で超玄人受けする闘い方(所謂「弱者の戦略」)で確実に判定勝ちを重ねて行った、全盛期の郷野聡寛選手の言葉を思い出した。当時毎回欠かさずobsessiveに有明コロシアムや名古屋レインボーホールのリングサイドで武士道を見ていた僕は、素人ながら、彼の試合は無茶苦茶スタイルが出てて美しいと感じた。才能や腕力で勝てないなら、頭を使って、勝てる戦い方をすればいい。それも一つの真っ向勝負の形だと思う。

(激しく脱線するが…)にしてもしかし、未だにこのPRIDE武士道の煽りVの和太鼓の音を聴くとアドレナリンがドクンッと溢れて来るのが解る...「総合格闘技は万人受けはしない。地上波には向かない。数十万人のコアなファンに深く鋭く刺さるコンテンツを作ればいい」という榊原社長の哲学に基づく、計算され尽くされた、音、空間、匂い、間、振動。ドラマと、キャラ。エンターテインメントのイベントとしての完成度は極めて高かった。競技としての格闘技を純粋に突き詰めたUFCには無い、また違った形のMMAの一つの理想型があったんだと感じる。こと煽りVに関しては、このPRIDEのVが生む最大瞬間風速の興奮は、UFCの会場では決して感じることは出来なかった(どっちがいいい悪いじゃなく、種類が違うという意味で)。この時代に生まれ、PRIDEの盛衰と、UFCの隆盛、そして昇華という歴史に立ち会えた事に感謝。

2011年2月14日月曜日

NCAA 2011 Season Preview #8 Stony Brook

Face Off Year Book Pre-Season Ranking第8位、Stony Brook。チーム名はSeawolves(海の狼/海賊)。

昨年、Notre Dameと並ぶ台風の目となったStony Brook。Hofstraと同じくNYの東、第二のラクロスホットベッド、Long Islandに位置する。去年のプレーオフはQuarter FinalでVirginiaを一点差まで追いつめ、一気に全国区にのし上がった。


現NCAA No.1プレーヤー、Kevin Crowley

何と言っても目玉はCanada代表で主力として活躍し、先月のMLLドラフトで全体1位指名された、Gary Gaitの跡を継ぐ大型Versatile Canadian MFと言われる、Kevin Crowley。Virginia戦での獅子奮迅の活躍、そして脅威のリーンからのロングレンジのBTB (Behind the back)に、全米のラクロスファンが度肝を抜かれた。

VirginiaのHC Dom Starsiaもインタビューで彼の30年のラクロス人生の中でGary/Paul Gaitの次に印象的な選手として彼の名前を挙げていた。ほとんどフライせずにフィールドに残ってプレーし続けるという魂とスタミナに感銘を受けたと。他のコーチのコメントで、「John Grant Jr.がもしMFをやっていたらこんな感じになっただろう」というものも。193cm/90kgと大型。身体能力も高くて技術的にもCanadianならではのstick skillを持ち、Canadianには珍しくDFやトランジッションも含めてマルチに何でもこなせる。恐らく今後5年10年、MLL、Canada代表の顔として活躍するかも知れない。今年のTewaaraton(MVP)候補の最有力候補。


PodcastでのKevin Crowleyのインタビュー(リンク)

Inside Lacrosse PodcastとInside Lacrosse MagazineでCrowleyのインタビューが載っていた。いくつか面白いと思った点をピックアップして紹介。
  • (ATとしてフィニッシャーを任される事が多いCanadianの中で珍しく)なぜそんなにwell-rounded(全部何でもこなせる)なのか?という質問に対し、バスケットボール選手だった父親の方針で、子供の頃から敢えていろんなスポーツをやらせられた。バスケ、ゴルフ、サッカー、バレーボール、そしてラクロス。特にサッカーやバスケでは、徹底してDFと走る事の重要さを叩き込まれたとの事。今でもオフェンスだけでなく、Face-off, Transition, DFと全てをやる事が大事だと思っていると。ラクロスでも始めた当初は下級生としてDやTransitionの選手として試合に出して貰い、その後シュートが入るようになってからオフェンスもやるようになる、という育ち方をしたから、とのこと。
  • 大学入学時はNCAAのコーチの目に留まらず、scholarship(スポーツ推薦)を貰えなかったため、NCAAではなく、MCLA(非体育会の大学ラクロスリーグ)に属するSimon Fraserに一度入学し、そこで活躍して名を上げ、やっとSBのSowellの目に留まったという。それでもSowell自身もここまで傑出した選手になるとは思っていなかったと言う。
  • (→Billy Bitterのラクロス浪人の話じゃないが、彼も結構最近まで日の当たらない道を歩きつつ地道にブレークを夢見て準備し、やっと花開いたパターン。アメリカのラクロス界では意外と多い。この手の雑草話。)
  • Ricky Sowellという、人間的にも尊敬出来、選手の自主性を重んじてくれるコーチの下でプレー出来て、こういうチャンスを与えられた事に感謝しているとのこと。
'10 WLCでアメリカとの大事な試合でトップレベルのDFと対戦し、プレーでもメンタルでも多くのことを学んだと言う。今年はもう一皮剥けた彼が見られるのかも知れない。インタビュー等から伝わる印象では、down-to-earthで奢る事無く、感謝の気持ちを忘れない、高い社会力/人間力の持ち主だと感じた(まあ、だから今のレベルまで成長して来た訳だろうし)。今後もそのメンタリティを持ち続ければ、間違い無く変化を続け、素晴らしい選手に育って行くだろう。個人的に応援したい選手だ。


MLLドラフト指名は4人(リンク)

また、MLLのドラフトでは、 4人の4年生が指名。
  • 1位 MF #21 Kevin Crowley: Hamilton Nationals
  • 14位 AT #11 Jordan McBride: Rochester Rattlers
  • 28位 AT #23 Tom Compitello: Boston Cannons
  • 31位 FOGO #10 Adam Rand: Hamilton Nationals

ここ数年でHC Ricky Sowellの努力により、Canadianを始めいい選手が徐々に集まり始め、去年一気に花開いた。学校としても男子ラクロスへの注力を強めている。今年は去年の主力がほぼ残る。予想通りに行けば、またプレーオフに進出し、場合によってはもう一歩上、Championship weekend (Best 4)も照準に入って来る。


Quintによる解説(リンク)

  • DFとGoalieが大きく入れ替わるのが不安。
  • オフェンスはほとんど残る。
  • 特に期待されてなかった中躍進した去年と違い、今年はプレーオフでのインパクトが残り、注目度も高い。プレッシャーをどうハンドルするのか、相手からの徹底したスカウティングにあった時にどう対応出来るか。
  • Kevin Crowleyは去年からDouble/Tripleされても窮地を切り開いて来た。
  • Quintの見立てでは、Kevin CrowleyとJordan McBrideのCanadian 2枚看板はもちろんなのだが、それ以外のcomplementary players(脇役選手)が意外とレベルが高く、点を取れると評価。
  • 後はDとGが失点をどれだけ抑えられるかが肝。
  • この動画では触れていないが、今日のESPNU Expertsというシーズンプレビュー番組で、Quintが、Stony Brookは去年Virginiaを追い詰めて話題になったが、よくよく考えると実際に上位チームを倒したのはその前のDenverだけ。それ以外は何一つ強豪に勝っていない。それだけでこれだけ評価するのはちょっとインフレし過ぎじゃないか?と指摘していた。(うーん...確かにそれも当たっている気がする。)

HC Ricky Sowell(リンク)

  • Dartmouthをturn aroundした後SBに来て5年、CrowleyやMcBrideを発掘し、過去最高の成績を達成。ここに来てコーチとしての評価を上げている。去年のUS代表ではPresslerの下Assistant coachを勤めている。恐らく選手の意思や個性を尊重するスタイル。
  • 去年出ていた(そして2年生くらいから塊で主力でプレーして来た)4年生ががっつり残っているので基本的には去年よりも上だと。

悲しいかな、長年続く伝統的強豪校ではないため、ESPNの放映でレギュラーシーズンの試合はカバーされていない...(この辺がアンチHopkinsファンが、「大して強くねえHopkinsの試合放映が多過ぎだろ!つか贔屓だろ!」とムカついてる理由の一つだったりもする)去年同様Kevin Crowleyをテレビで見られるのはPlay offまでお預けか...Strength of Scheduleが緩く、強豪との試合が少ないため、tournamentに出るためにはほとんど負けが許されない。レギュラーシーズン中に格下に足下を掬われない事を強く祈る。

(最後に、僕個人の予想。一切当てにならないけど。個人的には、応援したい。CrowleyもMcBrideも素晴らしい選手。が、8位は明らかにoverratedに見える。何となく、DelawareやTowsonやUMBC辺りの中堅校のどこかにひょろっと負けちゃって、あれ?気が付いたら20位前後をうろちょろして、Tournament出られませんでした...なんてオチになっちゃう気が何となくする...例えどんなにOFにスター選手がいても、DF/Gが変わる事のインパクトはやはりでかい。チーム力に凸凹があり過ぎるのと、主力の誰かが怪我した時のインパクトがreplace不能なレベルででか過ぎる。やはり10位以内に確実に入るチームという感じはしない。)

2011年2月12日土曜日

NCAA 2011 Season Preview #9 Hofstra


NBAもAll Starが近づき、シーズンの折り返し。いよいよプレーオフの出場枠争いも佳境に入って行く。ここ数ヶ月、ある新しい世代の選手が毎朝のESPN Sports CenterのNBA Highlightを席巻しつつある。LA ClippersのBlake Griffin。Oklahoma大学で爆発的な得点力を見せつけ、昨シーズン全体1位指名で大物ルーキーとして入団するも、怪我で一年目のシーズンはお預け。実質デビューの年となる2年目で、その才能を遺憾なく発揮しつつある。でかくて、走れて、ボディコントロールも抜群で、跳躍力が物凄い。柔らかくて上手さもある。明らかに頭(basketball IQ)もいい。滞空時間と最高到達点が異次元。トップアスリート軍団のNBAの中にあって、「雑魚を蹴散らす感」満載。基本、跳びさえすれば、他が先に地面に着くので、勝手にフリーが作られるパターン。特に、この「跳んだら勝ち」、という点に於いてはMichael Jordanを彷彿させる。ダンクの派手さではLeBron並み。



ちなみにClippersは元々同じくLAのLakersの陰に隠れ、ひっそりとマイペースでやって来た球団。毎年下位の成績のため、ドラフト上位指名権を手にし、Griffinを獲得し、ここに来て急激に注目を浴びつつある。敢えて金の掛かるFAのスターを取らずに、コストを限界まで抑えることで、弱小/人気もいまいちながらもビジネスとしては黒字というスポーツ経営学的には面白いチームだった。が、今後数年でGriffinを軸に全うに闘えるチームになっていく可能性を感じる。勝敗に関係無く、彼のプレーを生で見たいという観客を会場に呼び込める希有な選手。




Chi
cagoのDerrick Roseといい、Oklahoma City ThunderのKevin Durantといい、ここ数年でLeBronやCarmeloやDwight Howardのもう一歩次の世代のスーパースター達が台頭して来つつある。NBAも目が離せない。

#9 Hofstra Pride(リンク)


NYの東側、第二のラクロスホットベッド(苗床)、ロングアイランドにあるHofstra Pride。Prideは誇と共に、「獅子の群れ」の意味。'02 & '06 US代表のMF Doug Shanahan ('01卒)やDenver Outlaws/Colorado MammothのBrian Langtry ('98卒)といった高い攻撃力を持ったOffense選手に加え、Nicky Polanco ('01卒)やBrian Spallina ('00卒)と言ったアグレッシブDFなど、強力な「個」を輩出している。鼻っ柱の強い、時にちと意地悪な、生粋の東海岸っ子というイメージだろうか。(ロングアイランドは伝統的にイタリア系移民の子孫が多く、イタリア系の苗字が多い。カテナチオディフェンダーを多数輩出しているのも文化由来か。)特に地元Long Island Lizardsとのパイプが強い。現Duke HCのJohn Danowski (Mattの父)も'06年にDuke HCに就任するまではHofstraで指揮を取っていた。

去年もNCAA Tournament一回戦でMarylandに一回戦負けするも、可能性を見せてくれた。今年も、オフェンスを中心に主力が残留し、例年に無く強いっぽい。Pre-seasonではPrincetonやHopkinsよりも上の順位。特にオフェンスがスティックスキルが高く、華があり、去年の試合も非常に見ていて楽しかったと共に、top of top校以外にもこんなにレベルの高いチームがゴロゴロしてるとは、やはりNCAAは懐が深いなーと思わされた記憶がある。オフェンスの見た目のカッコ良さ、という意味ではVirginia、Syracuse、Marylandに並ぶと個人的には思う。

ちなみに、年明け前のILのランキングでは9位だが、開幕直前の2月10日現在、Quintは自身のランキングで6位にランクしている。Quintの場合は主力のほとんどが卒業したDuke、未だ光の見えないHopkinsを10位以下に置き、早くも怪我に苦しんでいるUNCやコーチ体制の変わったCornellをHofstraよりも下と見ている。冷静にHype(噂や過剰な盛り上がり)を排除して客観的に見る彼のランキングは往々にして露出度/スターバイアスに引っ張られ勝ちなメディア/コーチポールよりも正確。先週の練習試合でSyracuseに勝っている点も勘案している。実際にどうなっていくかに注目。

  • オフェンスが相当選手層厚く、強い。3枚の4年生ATがガンガンに引っ張る。2枚のスナイパーAT、MLL上位指名のCanuck #20 Jay Card (11位指名: Long Island Wizards), #8 Jamie Lincoln。加えてQBの#14 Stephen Bentz。
  • MFにはLafayetteからのトランスファー、大学院生の#5 Steve Serling (9位指名: Denver Outlaws)、DFMFの#27 Steve DeNapoli (30位指名: Chesapeake Bayhawks)のMLL指名選手も。
  • MFは層が分厚く、3セットで回して来る可能性がある。
  • Dは、まあ、悪くない
  • 問題があるとしたらGか。去年はそこそこのG 2枚でどっちがスタートするかを探りながらだったため、どうしても安定しなかった
如何せん超名門ではないため、試合のTV放映数は相当限られる。残念...多分トーナメントまでお預けか。

HCでHopkins出身のSeth Tierneyのインタビュー(リンク)


(最後に、当たる保証ゼロの僕個人の予想。このチームは結構ガチで行く気がする。レギュラーシーズンの順位で5-8位に入って来て、場合によってはFinal 4が視野に入って来ても驚かない気がする。経験値がある。オフェンスが間違い無くトップレベルに強い。Strength of schedule [SOS]的には、実は強豪との試合がレギュラーシーズンでは入っていない。CornellとDelawareぐらい。全勝シナリオも全っ然有り得る気がする。)

いたる@13期

2011年2月9日水曜日

NCAA 2011 Season Preview #10 Princeton

恒例の一瞬脱線。先週末の日曜は家で飲んだくれながら毎年恒例のイベント、NFL Super Bowl観戦。Green Bay Packersが悲願の優勝。QBのAaron Rodgersは3年間スーパースターBrett Favreの控えを経て、その才能を存分に開花させ、NFL最高のQBの一人としての地位を不動のものにした。08年にFavreの後がまとしてスポットライトが当てられたとき、多くのファンが「あんなパッとしねえ奴で大丈夫か?」と心配したが、彼は極めてdown to earthで「批判があるのは解ってる。でも僕は自分のやるべきことをやるだけだから」と、極めて淡々と自分、今、自分がコントロール出来る事に集中し、揺らがぬセルフイメージを維持し、徐々にパフォーマンスを開花させて行った。

さて、試合とは別に毎年話題になるのが、CM。アメリカでは年に一度のお祭り。1億人が生で放送を見る。各企業はここぞとばかりに金を突っ込み、一発勝負の一回限定のCMを力を込めて作り込んで来る。僕が行っていたKellogg Business Schoolはマーケティングを強みとしている学校である事もあり、当時取っていたAdvertisement Managementの授業で、Super BowlのCMを一つ一つ、どのオーディエンスに向けた、どういう意図の、どういうメッセージの広告かを分解/分析するという事をやっていたりした。その時の記憶もあり、今回も試合よりもむしろCMに注目してしまった...いくつか特に印象に残ってるのが、以下。

全体を通して、やはり車と映画と消費材のCMが多く、特に車ではHyundaiとKiaという二大韓国メーカーの隆盛が強く印象に残った。

EminemとDetroit (Michigan大学の近所)をフィーチャーした、ChryslerのCM。ボロボロに落ちぶれたアメリカ自動車産業だが、アメリカ人の心の底に眠る誇り、琴線に触れるものがあったんだろう。


個人的にはこれが一番好きだったかも。思わず笑ってもうた。ちゃらい二人が想像でCamaroのCMを作ってるっていう。超Americanなノリのサラッとしたショートコメディ。


あと、Cokeのこれ。たった一回のCMのためにここまで作り込むんかい...っていう。映像のクオリティと世界観の作り込み具合。


ラストこれ。二度目も爆笑してしまった...


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名門Princeton(記事のリンク)。名将Bill Tierneyの下、92年から01年までに6回の優勝をとげ、一時代を築いた。その後、リクルーティング競争の激化の中、academicのハードルが高く、コミットのタイミングが遅い等のハンデにより徐々に後退。優勝から遠ざかっている。その後昨年TierneyがDenverに移籍し、アシスタントコーチだったChris Batesが昇格。昨年は新しい体制に若干の戸惑いを感じながらも何とか11勝5敗でシーズンを乗り切り、Ivy Leagueを制し、NCAAトーナメントに進出も、一回戦でNotre Dameにやられる。

どうやら今年もDとGの強さは健在だが、懸案のOは引き続き苦しいようで、ファンからも「ま、ぶっちゃけいまいちじゃね?」と言われているっぽい。Princetonの栄光の時代は残念ながらもう去っちゃったんだろう。

名門で知名度も高く、今年もESPNUのカバレッジでは結構放送されるっぽい。DF/Gが教材として見て学ぶ/楽しむには持ってこいのチーム。

ちなみに1月のMLLドラフトで42人の枠に指名された4年生は、27位でDenver Outlawsに指名されたATのJack McBrideのみ。やはり4年生が薄い。

Quintの分析(リンク)

  • Quint自身は10位より上にランク。
  • 強みは、明らかにDefense。全米トップレベル。層も厚い。3年#9 Chad Wiedmaier(ウィードマイヤー)、3年#28 Jonathan Meyers、3年#3 John Cunningham、4年#41 Long Ellisと、All American級の選手が揃う。(なので、DFの選手はDVDを見て参考になることが多いはず。)
  • Goalieの3年 #6 Fioritoは1年生から守護神。
  • ちなみに、Wiedmaierが怪我でいなかった試合はFioritoのsave %は43%、彼が復帰したら一気に63%に上がったという。一人のDFの能力によってgoalieのセーブ率に大きな差が生まれる例とのこと。
  • 弱みは、ShortyのD。Long stickの強さもあり、相手からスカウティングされ、相対的に弱いshortyからガンガンisolation 1 on 1/invertを掛けられまくった。(激しいcompetitionの中にあるNCAAでは相手をスカウティングしきって、データに基づき弱い所を徹底的に攻める合理的なアプローチを取って来る。弱みがあるとこうやってえげつなくやられる訳だ。大事です、穴の無いチーム力と層の厚さ...)
  • Chris Batesのピックを多用する、2 on 2重視のユニークなオフェンスシステムが、昨年前半はワークしたが、後半強い相手と対峙した時に機能しなくなった。恐らく今年は2年目で、そのオフェンスシステムはより効率的に機能することを期待したい。
  • ATはオッケーだが、「Great」になれるか?唯一MLLにドラフトされた#14 4年Jack McBrideは高いシュート力はあるが、自らもっと抜いてチャンスを演出出来るかがチャレンジ。
  • スケジュールがえぐい。初っ端@Hofstra-@JHU-UNCと三連発。そこを乗り切れるかが鍵。

Coach Chris Batesのインタビュー(リンク)

しかし、Chris Batesに限らず、NCAAのコーチというか、アメリカのスポーツのコーチ/指導者のインタビューや記事を見るたびに本当に感じるが、自分の選手達を本当によく見ているし、褒めるし、信頼している事をきちんと名指しで口に出して伝えている。Chicago Bulls-LA Lakers HCのPhill Jacksonの「ゴミ溜めの中から一輪のバラを見つけ出す能力」じゃないが、どんなにダメなチーム/選手の中でも必ずポジティブな要素を見つけ出し、そこを見ている。

「○○は本当に素晴らしい選手で、努力をしている」と、メディアに対して喋る。これを聴いた選手達は間違い無く、セルフイメージを大きくし、質のいいセルフコンセプトを作り、その期待に応えようと頑張るはず。所謂、北風と太陽で言うと完全に太陽アプローチ(もちろん、毎日のフィールドでの練習では叱って怒鳴ることもあるんだろうけど...)。ただ、闇雲に手放しで褒めるのではなく、個々人をよく見て、ピンポイントで心からAcknowledgeし、Appreciateし、Cheer upする。コーチ力/社会力/人間力の高さを感じさせるコメント。職業としてのプロコーチの存在、深く長いアメリカのスポーツの歴史、スポーツ心理学とリーダーシップマネジメントの成熟によるものなんだろう。

いたる@13期

2011年2月6日日曜日

NCAA 2011 Season Preview #11 Johns Hopkins

(これまで意識的に隔日更新のペースで来ましたが、ちと、ここから数週間、書きたい内容の特性上、ネタを短めに小分けにして更新頻度を上げて日刊のペースでガシガシ上げて行きます。一回吐き出しきったらもう一回頻度落とす予定。)


ここ数週間、IL Videosで、あと数週間で開幕するNCAAの2011年シーズンのプレビュービデオが多数ポストされている。基本的には上位20チームの①ESPNアナリスト(Quint Kessenich or Mark Dixon)による分析/解説、②ヘッドコーチのインタビューという構成。

以下のIL videosのリンクで"season preview"と入力して検索して頂くと、全ての動画が表示される。(リンク)


これまで1日1チームのペースで更新されており、この記事を書いた2月5日現在、11位のJHUまでがアップされている。今後開幕までに2位のVirginia, 1位のSyracuseまで全てのチームがアップされるはず。


シーズン開幕前にがっつり予習して、仲間と「やっぱSyracuseの総合力だろ」「いやいやVirginiaの爆発力だ」「意外とMaryland来るかもよ」と盛り上がるもよし、今後数ヶ月で毎週送って行く予定の試合DVDを見る際に、該当チームの注目ポイントや選手を確認するのに使うもよし。


現時点で特に面白いなと思った動画をいくつかピックアップ。

Quintによる分析/解説(リンク)
開幕前順位で11位と低く位置づけられたHopkins。2007年のRabil-Peyser時代に優勝し、08年のRabil-Huntley時代にFinal 4で破れて以来低迷が続く。去年も負け越し。加えて、去年そこそこ強かった上級生スターKimmelとBoyleは卒業してMLLへ。不安視される中、10年入学組の中では最強と言われながらも昨年はぱっとしなかった新2年生の強力MF軍団がそろそろ真価を発揮して来ると言われている。JHU出身のQuintとしても内心は早く名門復活を成し遂げて欲しいという気持ちで応援しているんだろう。(スゲー余談だが...99年シーズン前に、先代の東大のユニフォームをデザイン、導入した際に、当時主流だったブロック体の文字、縞模様の袖のライン、目の粗いメッシュ生地等を排し、(当時の)cutting-edgeなデザイン、シンプルでゆったり目のデザインを目指すべくNCAAやアメリカのクラブチームのユニフォームをリサーチした。その際に、当時導入されたHopkinsの色遣いと番号のMac的な丸い字体が新しく、個人的に気に入ったので、それを思いっきり参考にさせて頂いたのを、この動画のHopkinsのユニフォームを見て10年ぶりに思い出した...)



Coach Petro (Dave Pietramala)のインタビュー(リンク)。いくつか記憶に残ったコメントは、
  • 4年間の中で最も大きな成長が起こるのは一般的に1年生から2年生へのジャンプと、3年生から4年生へのジャンプ。
  • 高校から入った1年目はスピードやパワーの違い、学校生活やチーム/戦術への慣れに戸惑い、多くの場合活躍出来ず、2年目にブレークスルーするケースが多い(Quintも、加えて、特にMFでその傾向が強いとコメントしている。相手となるMFの身体能力/技術がグンと上がること、Goalieのレベルが高校から数段上がる事で、これまで入っていたロングシュートが入らなくなり、unlearningが必要になること、加えて、O/D/FOといろんなことを学ばねばならない分、時間が掛かる点を挙げていた)
  • 3年から4年での成長はもっと精神的なもの。最高学年、リーダーとしての自覚と責任が、一段上のレベルへのステップアップを生む
  • 4年生エースAT Kyle Whartonはいいcatch & shotのロングシューターとして知られているが、彼が本当にチームを勝たせたいなら、選手/リーダーとして一皮剥けたいなら、その得意分野から勇気を出して一歩踏み出してもっと(抜いたり、フィードしたり、オフェンスをコントロールしたり)いろんなことを出来るようにならなくちゃだめだ。相手も得意技を潰して来るし。(最初に試合に出るためには一芸に秀でる必要があるし、強みを伸ばし続けることは必要だが、長期的に成功し、選手/リーダーとしてもう一歩抜きん出るためには、やはり居心地の良い得意技に安住する「だけ」ではダメで、それを敢えて一歩踏み越えて、"get out of your comfort zone"しなくちゃいけないという話として非常に印象的だった。世界の舞台で闘える経営人材/経営リーダーを目指す上で、一日本人、一プロフェッショナルから、敢えて踏み出して、Global general manager/Value-based leaderへと脱皮/成長することが求められる、という自分自身のビジネスパーソン/経営人材としてのキャリアやチャレンジにも非常に重なる部分があり、心に刺さるコメントだった。)


ちなみに、1月のMLLドラフトでの指名は何と42人の枠中ゼロ...上級生タレントの不足を物語っている。


いたる@13期