2011年2月14日月曜日

NCAA 2011 Season Preview #8 Stony Brook

Face Off Year Book Pre-Season Ranking第8位、Stony Brook。チーム名はSeawolves(海の狼/海賊)。

昨年、Notre Dameと並ぶ台風の目となったStony Brook。Hofstraと同じくNYの東、第二のラクロスホットベッド、Long Islandに位置する。去年のプレーオフはQuarter FinalでVirginiaを一点差まで追いつめ、一気に全国区にのし上がった。


現NCAA No.1プレーヤー、Kevin Crowley

何と言っても目玉はCanada代表で主力として活躍し、先月のMLLドラフトで全体1位指名された、Gary Gaitの跡を継ぐ大型Versatile Canadian MFと言われる、Kevin Crowley。Virginia戦での獅子奮迅の活躍、そして脅威のリーンからのロングレンジのBTB (Behind the back)に、全米のラクロスファンが度肝を抜かれた。

VirginiaのHC Dom Starsiaもインタビューで彼の30年のラクロス人生の中でGary/Paul Gaitの次に印象的な選手として彼の名前を挙げていた。ほとんどフライせずにフィールドに残ってプレーし続けるという魂とスタミナに感銘を受けたと。他のコーチのコメントで、「John Grant Jr.がもしMFをやっていたらこんな感じになっただろう」というものも。193cm/90kgと大型。身体能力も高くて技術的にもCanadianならではのstick skillを持ち、Canadianには珍しくDFやトランジッションも含めてマルチに何でもこなせる。恐らく今後5年10年、MLL、Canada代表の顔として活躍するかも知れない。今年のTewaaraton(MVP)候補の最有力候補。


PodcastでのKevin Crowleyのインタビュー(リンク

Inside Lacrosse PodcastとInside Lacrosse MagazineでCrowleyのインタビューが載っていた。いくつか面白いと思った点をピックアップして紹介。
  • (ATとしてフィニッシャーを任される事が多いCanadianの中で珍しく)なぜそんなにwell-rounded(全部何でもこなせる)なのか?という質問に対し、バスケットボール選手だった父親の方針で、子供の頃から敢えていろんなスポーツをやらせられた。バスケ、ゴルフ、サッカー、バレーボール、そしてラクロス。特にサッカーやバスケでは、徹底してDFと走る事の重要さを叩き込まれたとの事。今でもオフェンスだけでなく、Face-off, Transition, DFと全てをやる事が大事だと思っていると。ラクロスでも始めた当初は下級生としてDやTransitionの選手として試合に出して貰い、その後シュートが入るようになってからオフェンスもやるようになる、という育ち方をしたから、とのこと。
  • 大学入学時はNCAAのコーチの目に留まらず、scholarship(スポーツ推薦)を貰えなかったため、NCAAではなく、MCLA(非体育会の大学ラクロスリーグ)に属するSimon Fraserに一度入学し、そこで活躍して名を上げ、やっとSBのSowellの目に留まったという。それでもSowell自身もここまで傑出した選手になるとは思っていなかったと言う。
  • (→Billy Bitterのラクロス浪人の話じゃないが、彼も結構最近まで日の当たらない道を歩きつつ地道にブレークを夢見て準備し、やっと花開いたパターン。アメリカのラクロス界では意外と多い。この手の雑草話。)
  • Ricky Sowellという、人間的にも尊敬出来、選手の自主性を重んじてくれるコーチの下でプレー出来て、こういうチャンスを与えられた事に感謝しているとのこと。
'10 WLCでアメリカとの大事な試合でトップレベルのDFと対戦し、プレーでもメンタルでも多くのことを学んだと言う。今年はもう一皮剥けた彼が見られるのかも知れない。インタビュー等から伝わる印象では、down-to-earthで奢る事無く、感謝の気持ちを忘れない、高い社会力/人間力の持ち主だと感じた(まあ、だから今のレベルまで成長して来た訳だろうし)。今後もそのメンタリティを持ち続ければ、間違い無く変化を続け、素晴らしい選手に育って行くだろう。個人的に応援したい選手だ。


MLLドラフト指名は4人(リンク

また、MLLのドラフトでは、 4人の4年生が指名。
  • 1位 MF #21 Kevin Crowley: Hamilton Nationals
  • 14位 AT #11 Jordan McBride: Rochester Rattlers
  • 28位 AT #23 Tom Compitello: Boston Cannons
  • 31位 FOGO #10 Adam Rand: Hamilton Nationals

ここ数年でHC Ricky Sowellの努力により、Canadianを始めいい選手が徐々に集まり始め、去年一気に花開いた。学校としても男子ラクロスへの注力を強めている。今年は去年の主力がほぼ残る。予想通りに行けば、またプレーオフに進出し、場合によってはもう一歩上、Championship weekend (Best 4)も照準に入って来る。


Quintによる解説(リンク

  • DFとGoalieが大きく入れ替わるのが不安。
  • オフェンスはほとんど残る。
  • 特に期待されてなかった中躍進した去年と違い、今年はプレーオフでのインパクトが残り、注目度も高い。プレッシャーをどうハンドルするのか、相手からの徹底したスカウティングにあった時にどう対応出来るか。
  • Kevin Crowleyは去年からDouble/Tripleされても窮地を切り開いて来た。
  • Quintの見立てでは、Kevin CrowleyとJordan McBrideのCanadian 2枚看板はもちろんなのだが、それ以外のcomplementary players(脇役選手)が意外とレベルが高く、点を取れると評価。
  • 後はDとGが失点をどれだけ抑えられるかが肝。
  • この動画では触れていないが、今日のESPNU Expertsというシーズンプレビュー番組で、Quintが、Stony Brookは去年Virginiaを追い詰めて話題になったが、よくよく考えると実際に上位チームを倒したのはその前のDenverだけ。それ以外は何一つ強豪に勝っていない。それだけでこれだけ評価するのはちょっとインフレし過ぎじゃないか?と指摘していた。(うーん...確かにそれも当たっている気がする。)

HC Ricky Sowell(リンク

  • Dartmouthをturn aroundした後SBに来て5年、CrowleyやMcBrideを発掘し、過去最高の成績を達成。ここに来てコーチとしての評価を上げている。去年のUS代表ではPresslerの下Assistant coachを勤めている。恐らく選手の意思や個性を尊重するスタイル。
  • 去年出ていた(そして2年生くらいから塊で主力でプレーして来た)4年生ががっつり残っているので基本的には去年よりも上だと。

悲しいかな、長年続く伝統的強豪校ではないため、ESPNの放映でレギュラーシーズンの試合はカバーされていない...(この辺がアンチHopkinsファンが、「大して強くねえHopkinsの試合放映が多過ぎだろ!つか贔屓だろ!」とムカついてる理由の一つだったりもする)去年同様Kevin Crowleyをテレビで見られるのはPlay offまでお預けか...Strength of Scheduleが緩く、強豪との試合が少ないため、tournamentに出るためにはほとんど負けが許されない。レギュラーシーズン中に格下に足下を掬われない事を強く祈る。

(最後に、僕個人の予想。一切当てにならないけど。個人的には、応援したい。CrowleyもMcBrideも素晴らしい選手。が、8位は明らかにoverratedに見える。何となく、DelawareやTowsonやUMBC辺りの中堅校のどこかにひょろっと負けちゃって、あれ?気が付いたら20位前後をうろちょろして、Tournament出られませんでした...なんてオチになっちゃう気が何となくする...例えどんなにOFにスター選手がいても、DF/Gが変わる事のインパクトはやはりでかい。チーム力に凸凹があり過ぎるのと、主力の誰かが怪我した時のインパクトがreplace不能なレベルででか過ぎる。やはり10位以内に確実に入るチームという感じはしない。)

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