2011年2月23日水曜日

NCAA 2011 Season Preview #3 North Carolina

#3 North Carolina

North Carolina州Chapel Hillにある州立大学。私立のDukeとは眼と鼻の先にあるライバル校。バスケも名門で最近では2005年、2009年にNCAAを制覇しており、82年には後に史上最高のバスケットボール選手になるMichael Jordanを擁し、優勝を果たしている。チーム名はTar Heels(直訳するとタールの付いた踵。昔のNorth Carolinaの人々の呼び方だったらしい。Wiki)。

ラクロスでも80年代の全盛期に三度& 91年と4回優勝を経験している。が、その後暫く低迷。09年にOhio Stateから連れて来たOBのHC Joe Breschiにより復権を果たす。Joe Breschiはいろんな選手のインタビューを聴く限り、人間力/人格に優れ、選手から全幅の信頼と尊敬を勝ち取っている。今年彼がUNCに来てリクルーティングした1年生は全米最強と言われており、リクルーティング力の高さにも定評がある。現NCAAを代表する名コーチの一人と言えるだろう。

昨年前半は10連勝無敗と爆勝街道を突っ走り、優勝候補筆頭だったが、4月以降の後半戦で失速し、最後の5試合では平均16失点とDFが崩壊し、準々決勝ではDukeに17失点しベスト8で敗退。今年の鍵はDFがシーズンを通して頑張れるか。後のILでのMark Dixonの解説や記事でも出て来るが、秋から冬に掛けて、シーズン開幕までに怪我でMFのメンバーをごっそり失っており、MFが相当薄くなっているとのこと。ILのPre-season reviewは秋の練習の時点で作られているため、既にこの3位という順位は現実の実力と離れてしまっているとも指摘される。(Quintは開幕前の次点でUNCを10位圏外にランクしている。)

ちなみに、UNC出身の最大の有名人、Michael Jordan。僕の好きなGatoradeのCM。引退間際のMJが、まだ若かった頃のMJと1 on 1をする。力で圧倒しようとする若いMJを、老練なMJが技でいなし、教え諭す。すると、UNC時代のMJが...

MLL Draftでの指名選手(リンク

A/M/Dからそれぞれ1人ずつで3人。
  • 3. Denver Outlaws: Billy Bitter, A
  • 7. Hamilton Nationals: Ryan Flanagan, D
  • 36. Chesapeake Bayhawks: Michael Burns, M
チームロースター(リンク

Mark Dixonによる分析(リンク

  • DFの柱は何と言っても#24 Ryan Flanagan。でかくてAthletic。去年VirginiaのKen ClausenとBest DF賞を分け合った。
  • LSM 1枚目の#29 4年 Milton Lylesは秋のLoyolaとの練習試合でのACL(前十字靭帯)損傷で今シーズンは終了。
  • Gは誰が出るかが固まっておらず不安。
  • ATの#4 Billy Bitterは現NCAAで最も爆発力とスピードのある選手(COP: Change of pace, COD: Change of directionだけでトップクラスのDFを簡単にかわすそのダッジ力はMark Millonの後継者とも言われる)。2年前に2年生で既にNCAA最高のATだった。が、去年は怪我に苦しむ。スポーツヘルニア、脳震盪でボロボロに。シーズンを通して本調子ではなかった(相手チームのDFは早いスライドを飛ばしまくり、時として悪意を感じるlate hit/cross-checking to the headを当てて負傷退場を狙って来る)。もしシーズンを通して健康を維持出来れば、MVPも有り得る。
  • AT #1 2年のMarcus Holmenは去年1年生で活躍。
  • また、注目は全米No. 1ルーキーの#34 Nicky Galasso。ここまで1年生らしからぬプレーで早くもチームの主力になっている。
  • MFは#20 3年のJimmy DunsterがAll American候補。結構1年生の層が厚く、1年生を使って来ると思われる。
  • FOは1年生2枚回し。#25 RG Keenanは高校全米No. 1 FOGOで相当才能あり。また同じく1年生の#14 Frankie Kellyも。

ILのPreview記事(リンク

いくつか怪我やその他の出場停止の状況について触れている。
  • Mark Dixonが触れていたLSMのLyleに加え、
  • Sean Burke (MF/Sr.) and Tyler Morton (MF/Jr.) retired from lacrosse for medical reasons
  • Cam Wood (MF/So.) suffered a knee injury that will cause him to redshirt after playing in every game his freshman year
  • UNC is also short a backup goalie with redshirt sophomore Steven Rastivo dealing with what Breschi described as “NCAA issues.”
ミディーの土台を固める選手達が結構怪我でやられている。試合に出ているメンバーのうち約半分の10人が1年生...いくらNCAA最高のリクルーティングクラスとは言え、さすがに上位校との試合は荷が重い。これで昨年同様Bitterが怪我でやられたら、結構しんどい事になりそう。

チームのwebsiteでのシーイズンプレビュー動画(リンク

如何に去年の結果がdiappointingだったかが解る。また、チームでラダートレーニングやウェイトトレーニングをがっつりやっている姿が印象的。選手や主力選手の素顔と肉声に触れられる。今シーズンに懸ける想いには相当なものがある。であるが故に2戦目の敗戦は極めて悔しいはず。切り替えて体制を立て直せるよう応援したい。これでturn aroundしたら結構ドラマだ。

2戦目でOhio StateにUpset

と、ここ所まで書いた後に、この記事をアップする前のタイミングで、3月19日の土曜に早速Ohio Stateに13-8でUpset(番狂わせ)をくらった。一気に黄信号点灯。週明けのPole/Rankingで一気に10位圏外まで転落。大きなturn aroundが必要な感じだ。去年のDukeやNotre Dameの例もあるし、一敗が致命的な日本の学生リーグ戦と違い、結局プレーオフという本番で勝ちゃいいので、初期にちょっと躓いたからと言って即ゲームオーバーという訳でもない。が、去年のDukeの様に、明らかに個々は強いのに何かしっくり来てない、という感じではなく、駒が根源的に足りてないという印象。1年生の急成長と奮起に相当期待せざるを得ないか。

2月19日(土)のOhio State戦のハイライト
にしても、このブログでも再三述べて来ているが、本当にNCAA Div 1は(というか、Div 2/3、MCLAも含めて)この5年で間違い無く中堅校/下位校のレベルがぐんぐん上がり、どんどんcompetitiveになって来ている。ジュニア/高校レベルでの爆発的普及は間違い無く多くの大学に恩恵を与えている。10年前にはOhio Stateなんて「中西部のラクロス僻地の弱小チームだろ?」という感じだったのが、今やハードコアなcontenderになり、UNCを食ってしまう。上位校のコーチがよく「昔と違い、今のNCAA Div 1に消化試合/楽勝試合なんてもう存在しない。15試合全てがシーズンを変え得る。毎週全力でスカウティングし、準備しないとマジでやられる。厳しい時代になったよ」という話をしているが、正にそれを如実に表す結果だ。アメリカのラクロスは益々面白くなってきている。

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