2011年2月21日月曜日

NCAA 2011 Season Preview #4 Cornell

今週末はビール飲みながら奥さんと犬とまったりNBA All Starをテレビで観戦。Slam Dunk Contestでは先日の記事でもちょっと触れたLA Clippersの次世代ヒーローBlake Griffinがその身体能力を遺憾なく発揮し堂々の優勝。個人的には一発目の360が一番カッコいいと思う。最後の車を飛び越えてはファン投票のルールとファンの心理をよーく理解した上でのプレゼンテーションとして非常に賢く、クリエイティブな選択。にしても、でかい(高いだけじゃなく分厚い)上に、飛べるし走れるし、超ボディコントロール/ボディバランスいいし、器用。これは多分これから彼が10年掛けて築いていく伝説の1ページ目という感じなんだろう。

ちなみに、その前に行われたLive eventは、開催地LAらしく、地元Korean Town出身のFar East MovementによるRocketeer。Far East Movementは日系/中国系/韓国系American達の混成チーム。去年のLike A G6辺りからよく耳にするようになった。この曲自体は所謂(別に悪い意味じゃなく)チャラいelectroどポップだが、何故か物凄い耳に残った。LyricsにはTokyoとかスーマリとか出て来るし、見た目は日本人/韓国人/中国人だし、 非常に印象に残った。

America's Best Dance Crewなどで一気に知名度を高めたJabbawockeezなどもそうだが、アメリカでガチの実力でこうやって評価/尊敬されるアジア人を目にする機会が時々あり、自分も頑張ろっと。と思わされる。



#4 Cornell

去年まで、現NCAAベストコーチとも言われるJeff Tambroniの下、4年間で3度のFinal 4進出を果たして来たCornell。特に去年は大黒柱でキャプテンでTewaaraton (MVP)のMax Seibaldが抜け、下級生中心で経験不足が不安視される中、レギュラーシーズンでも中位校に星を取りこぼしながらも、シーズン後半に掛けピーキングし、準々決勝では組み合わせにも恵まれ(ArmyがSyracuseを食ってくれた)、準決勝まで進出。特にDFとGはほぼ全員一年生という状況でそれを成し遂げている。(Tambroniのコーチとしての凄さについての去年の記事

今年も去年の主力メンバーの多くが残り、結構期待出来るようにも見えるが、最大の変更は、コーチTambroniのPenn Stateへの移籍。アシスタントコーチから昇格した新コーチBen DeLucaの下、Tambroniの突出した指導力と戦術眼抜きでどこまで行けるか。DeLucaはcoach Petro, Tambroniと、二人の偉大なコーチの元でアシスタントを勤めて来た。選手のインタビューを聴く限り、リーダーシップ/指導力にも優れている方らしい。今後のCornellが彼の下でどうなっていくか興味深い。

(Tambroniの移籍の背景、彼が抱えていたであろうリクルーティングでの、Ivy League校という学問名門校ならではのチャレンジに関しては去年の記事をご参照。体育推薦枠/体育学部や一芸入試が使えず、入学試験がセレクティブで、加えて入学後の学業面での負担も重いというハンデを抱えながら、限られたタレントで努力/工夫しながら勝とうとする点に於いては、東大に似ている部分もあり、PrincetonやCornellには何となく共感を感じてしまう。そして、であるが故にSyracuseやVirginia以上にチームとして見て学ぶ点が多いとも感じる。)

チーム名はBig Red。マスコットは熊(Wiki)。

チームRosterのページ(リンク

ちなみに今年1月のMLLドラフトで48人の枠に指名された4年生はゼロ。主力のほとんどが3年生以下というのもあるが、Princetonの一人と合わせ、やはりIvy Leagueの素材の限界を表している。

Quint Kessenichの分析(リンク

  • 自分たちの強み弱みを冷静に理解した上で、確固たる戦術/システムを持ってプレーし、且つ全力を出し切るという点では最強。
  • 加えて、与えられた選手の素材を4年間で最大限に育成し、最大限に使い尽くす。入学時点ではさして注目されていなかった1年生が4年生でAll Americanになるような育成力を持つ。
  • SOS(Strength of schedule)がきつい。強豪校とアウェイで多く対戦。
  • 個人的に生で彼らを見る機会があったが、去年一年を通しての成長に驚かされた。
  • OFは引き続き強く、DFも去年より改善しているはず。ただ、主力以外の脇役選手(role player)に不安がある。
  • エースは何と言っても去年 2年生でBest AT賞を受賞している#3 Rob Pannell。シーズン29得点もさることながら、51アシストというのが突出した数字。スピードがある上、DFにとっては嫌ーな、ジグザグのダッジ、Re-dodge(一回止められてもステップバックして隙を見てまたダッジしてくる)でゴリゴリ抜いて来る。He's got eyes on the back of his head(後頭部に目がある)のようにいつでもどこでもオープンな見方を見つけて正確なフィードを入れて来る。周りの選手、特にカット出来る選手にとっては最高の味方。(ちなみに、そんなPannellも、高校では遅咲きで、Cornell入学前に一年浪人を経験している苦労人。)
  • 2年のAT #6 Steve Mockは去年一年生で活躍。今年も相当点を取ってくるはず。
  • MFは、まあ、オッケー。
  • DFは去年と同じかちょいいいはず。組織で守るチームDFの教科書。スライドのタイミング、スライドに行くべき局面と行くべきじゃない局面の判断、2枚目3枚目のスライド、相互のカバー、全てに於いて完成度が極めて高い。
  • 去年1年生でケイジを守ったGの#47 AJ Fioreは去年素晴らしいセーブをいくつも見せたが、同時にしょぼいシュートを許すという不安定さがあった。今年はある程度修正されてsave %も上がって来るはず。
さて、コーチTambroni不在の穴をどこまで埋められるか。先日のESPN Expertsでの議論では、基本的にシステムや戦術そのものはチームに残っているので、大きな影響は無いという意見が多かった。Rob Pannellは更にリーダーとして成長し、オフェンスではほぼ選手兼OFコーチのようにリーダーシップを発揮していると言う。

個人的には、与えられた素材に比した伸び率と達成度では、NCAA最強だと思うチーム。ただ、これだけ高校までのジュニアレベルのラクロスが成熟し、優秀な選手を争奪するリクルーティングが勝負の最大のドライバーになってしまった今となっては、恐らく今後Cornell/Princetonが優勝候補筆頭としてトップレベルに再浮上するのは相当難しいんじゃないかと見ている。正にMax SeibaldとJohn Glynnの09年が最後のチャンスだったんじゃないだろうか。(なので、その貴重な優勝のチャンスをあと一歩の所まで迫りながら最後に逆転で失ったTambroniの悔しさは想像に難くない。そして、であるが故に、TierneyはPrincetonを去りDenverに行き、TambroniはCornellからPenn Stateに行き、TillmanもHarvardからMarylandに行ったという面もあるんだろうし。)

今年は3月12日にBaltimoreで行われるInside Lacrosse主催の集客イベントその2、Konica Minolta Face Off ClassicでVirginiaとの対戦を会場で観戦予定。楽しみ。

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