2011年2月28日月曜日

NCAA 2011 Game Review vol.02 Georgetown @Maryland

両チームのプレビュー: MarylandGeorgetown

感動した...Marylandの体現するラクロスに。大量得点祭り。Spectacularの一言。60分間ドキドキさせられっぱなし。強い。間違い無く。今年の優勝候補の一つと確信。20-8で強豪Georgetownを圧倒。

特筆すべきはその超エンターテイニングなラクロススタイル。超攻撃的でハイスピード。60分間休む事無くハイペースで攻め続ける。速攻でガンガン得点しに行き、セットオフェンスでも相手に全く休む間を与える事無く波状攻撃で攻め続ける。DFもガンガンプレッシャーを掛け、ダブルチームで相手を圧倒。ライドもフルコートでプレッシャーを掛ける。後半に掛けて相手が完全に息切れして対応しきれずパニックになり、自壊して行く。あとはもうやりたい放題。祭り。過去のNCAAでも、ここまでアグレッシブでスピードあるチームは正直余り見た事が無い。一瞬MLLかと錯覚させられた。土曜の夜に集まって皆でビール飲みながら見るならこの試合。Marylandの試合。また、同時にこのチームを見て学ぶべき点は非常に多い。この試合はシーズンの中でも特に必見の一試合になるかと。

Harvardから来た新コーチJohn Tillmanも堂々と指揮を取っていた。正にMarylandが持っていた爆発力、スキルの高さ、経験値の高さ、フィジカルの強さと層の厚さ、それらが彼の下で発揮され、鎖から解き放たれた猛獣のように縦横無尽に伸び伸びとプレーしている。Georgetownは決して悪いチームではない。相当高い技術と能力を持つチーム。それをここまで弄ぶ。やばい。今年のMD。

思い返してみると、3Qで既に勝敗は見えていた。それでも最後まで決して手を緩めなかった。10点差付いても尚、見ていてワクワクさせられ続けた。試合終了後も「まだ見たい!」という余韻が残った。"Finish strong(最後までやりきる)"を完璧に体現。実はこれ、日本のリーグ戦と違い、所謂「得失点差」が無く、勝敗がほとんど全てのNCAA Div 1に於いては簡単なことではない。それをやりきれるというのには特別な何かがある。選手全員が(いい意味で)何かに取り憑かれたように最後まで無我夢中で一つの目標に向かって全力で走る、勝利を越えた価値に導かれる一つの大きなエネルギーの塊を作り出していた。恐らくだが、新コーチ、John Tillmanがそれを生み出している面もあるのだろう。このコーチはもしかしたら凄い方なのかも。

以下、試合での見所

Marylandは今回は白ではなくゴールド(黄色)のホームコートユニフォームを着用。やっべカッコいい...グラブもSTX Assaultsの白×赤×黄を合わせている。痺れる。

Terpsは5人トップクラスのATがいるため、1st string MFでOF MF 2枚として出している。セットオフェンスの攻撃力が凄い。全体を通してMDのボール回しの速さ、脚の動かし度合いが明らかにNCAAの中でも突出して高い。

Maryland 6点目の#27 Young to #1 Catalinoのクリースでのフィードを受けての振り向きざまの得点。背中側でDをぐっと抑えて、その場でコンパクトに小さくスッと回るロールで向き直し、サクッとシュートまで。夏にインドアで経験を積んだCatalino。正にインドアの技術。

MD 7点目 #27 Young to #32 Sniderへの得点を生んだ、Ryan YoungのXからのダッジと視野、フィード。しっかり視野を確保して、スティックアップし、相手をリードするスポットパス、というfeedingの基礎をきちんと実戦している。

MDのライドが鬼過ぎる。フルコートでガンガンにプレッシャーを掛けて行っている。相当脚を動かし続けている。Cardio(スタミナ)のトレーニングを相当積んで来ている事が伺い知れる。

MD 8 & 9点目、全く同じ形でCatalinoのトップからのTime and room shot(アウトサイドのスタンディングシュート)。相変わらず。コンパクトなモーションで貰った瞬間リリース。ピンポイントでゴールの隅にシュパンと突き刺して来る。トップでちょっとでも離して持たせたら終わり。これがあるとfast breakが一気に楽になる。11点目はセットオフェンスのシチュエーションで。トップからのMFの1 on 1に対し、自分のマークマンがスライドに行き、フリーになった数秒の隙を見逃さず。

全体を通して、MD LSM #37 Brian Farrell (12位 Boston Cannons指名)のオフェンス参加の凄さ。基本スティックスキルと機動力がshorty以上なので、原則オフェンスになったらフライせずにそのまま残ってオフェンス参加した方が攻撃の流れを止めずに、圧倒的に得点機会を増やせる。ポイントは、ファーストブレーク、スローブレークはもちろん、その後のセットオフェンスもそのまま残ってクリースでオフボールのフリーを作ったり、ボールを普通に要求して1 on 1を掛けるところまでやっている点。Long stickであってもここは目指したい。

3Q MD13点目のパス回し。3本つないでクリースでどフリーで簡単に得点。Spectacular。つかもはやプロかと。(確かにプロ選手がオフェンスに3枚いるので、まあ、文字通りプロのプレーってことなんだけど...)

AT の4年3枚や3年のJoe Cummingsがこれまでフィーチャーされ勝ちだったが、ここに来て2年生の#13 MF Owen Blye辺りの伏兵の活躍が目立ち始めている。MFのCome aroundからのランニングシュートの技術が非常に高いので注目。ゴールから離れながら角度を作りつつ、下半身と体幹を上手く使ってバチッと体重を乗せてパワーのあるシュートを打てている。この辺のRole playerたちのstep up、層の厚さがトーナメントでは特に鍵になって来る。

16点目。Catalino本日5得点目。またトップでフリーになってTime and room。職人の領域。ちょっとこの人のアウトサイドショットは異次元だ。多分ゴーリーも解ってて警戒してるのに止められない。ガキの頃から裏庭でバケツにボール100個入れて毎日延々シュート打ち続けるという努力の成果か。

4Q残り8分でGoalieのRed-shirt FreshmanのNiko AmatoがRideで囲まれての落ち着いた処理とスティックワーク。ファウルを貰って尚落ち着いてパスを投げる。最近この手のshort stick並みのstick skillがあったり、走れたり、フェイスダッジやロールダッジで相手を交わせるGoalieの選手が増えてきている。もうゴーリーにとってもそれは必修科目の時代になってきているのだろう。ゴーリーの選手も壁打ちバシバシやりつつ、ダッジの練習もばっちり積んでおきたい。ショートスティック持ってstick skillの練習を積むのを日常的に取り入れてもよし。

19点目のRyan Youngの得点でのロングスティックのトレイルチェックを身体でばっちり隠すstick protectionの技術。片手で完全に身体の逆側に持って行き、背中で完全にスティックを覆っている。

いやー、マジでスカッとした...

(一方で、こういうチームが再び天敵Notre Dameと対戦したらどうなるんだ?というこれまた気になる疑問も残っている。NDは絶対に思うようにこのペースではやらせないはず。去年のDukeの様に付き合った上で力でねじ伏せるのか、気合いでこのペースを貫き通して勝つのか?レギュラーシーズンでは対戦が無いため、当たるとしたらプレーオフ。うおお...考えるだけでワクワクしてきた。)

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