2011年2月18日金曜日

NCAA 2011 Season Preview #6 Maryland

6位Maryland

やはりこの辺から一気に重量感というか迫力が出て来る。優勝の2文字を感じさせてくれる強豪という感じ。AT3枚を中心に、大量のタレントを抱える学年が遂に4年生に。昨年も優勝候補の一角と目されながら、Quarter FinalでNotre Dameに僅か5得点に抑えられ、ベスト8で敗退。直後に8年Marylandを率いて来たHCのDave Cottle解任が告げられた。(Dave Cottleはその後NCAA Div 1への新規参入が決定したMarquetteのconsultant/advisor、そしてMLL Chesapeake BayhawksのPresidentに就任した。)

新コーチはHarvardを率いていたJohn Tillman。コーチが新しくなると、戦術の違い等から上手く行かなくなることもあれば(去年Bill Tierneyが去った後のPrincetonもその気があった)、これまで培っていたものが新たなリーダーシップの下一年目から花開くこともある(逆にTierneyが新しく指揮を取った去年のDenverがいい例)。

毎年複数人のMLL選手を輩出し、代表クラスの選手もちらほら出している。特にDefenderは堅くてアグレッシブな大型athletic DFが多いイメージ。

期待されながらも3年間涙を飲んで来てきた4年生、今年こそは悲願の優勝を遂げられるか。

ちなみにチーム名はTerrapins(ダイヤモンドバックテラピン:亀)、略してTerps。

相当どうでもいいトリビアだが、2000年前後からラクロスでも流行り始め、今や完全に定着したUnder Armourは、元Maryland Footballの卒業生が作った会社。故にUAとの縁が深い。ユニフォームもUA。

MLLドラフト指名選手(リンク

MLLドラフトでは48人の枠のうち、Syracuseの7人に次いで多い5人が指名。
  • 12. Boston Cannons : #37 Brian Farrell, D, Maryland
  • 15. Denver Outlaws: #44 Brett Schmidt, D, Maryland
  • 19. Hamilton Nationals: #4 Dan Burns, M, Maryland
  • 21. Denver Outlaws: #1 Grant Catalino, A, Maryland
  • 23. Long Island Lizards: #27 Ryan Young, A, Maryland
ちなみに、NCAAではより話題に上る事の多いAT二人よりも、LSM, DF, DFMFが先に指名されている点がMLLドラフトの力学を表していて非常に面白い。ATは技術ヘビーで選手生命が長く、チームの軸として長くやる必要があるため、スポットが少なく、上位指名はごく一部の超有望株に限られる。一方でDやLSM、特にversatileでphysicalなMFはある程度消耗品としてガンガンいい選手のパイプラインを大量に持ち続けていないと苦しくなるという仕組み。

Quintの解説(リンク

  • Quintは個人的に6位よりは上だと見ている。去年のリーグ戦での実績、メンバーのほとんどが残っていることを考えると。
  • 特に#1 Grant Catalino, #27 Ryan Young, #2 Travis Reedの4年生ATトリオは何年前からいるんだってぐらいずっとMDの主力を張り続けて来た。
  • Catalinoは去年のDVD見た方は記憶に残っていると思うが、ウィングからのシュートの貰ってから撃つまでの早さ/速さと正確さが半端無し。ガキの頃から家のbackyardでボール100個バケツに入れて毎日延々シュートを打ち続けて来ただけある。でかい(196cm/100kg)割にかなり動ける。夏にはカナダでインドアリーグに参戦していたとインタビューで語っていた。更に一段上のスティックスキルとスピード感、ラクロスIQを身に付けて帰って来る。
  • Youngは司令塔。Quint曰く、もっと自分から抜けて点を取れると強いと。
  • ATの層が厚く、恐らく4枚目以降のATをガンガンOFMDで使ってくるはず。特に#19 OFMF 3年 Joe Cummingsが去年から効果的に点を取り目立っていた
  • DFはほとんどのメンバーが去年から残る
  • 注目はHamilton Nationalsに19位で指名されているDF MFの#4 Dan Burns。Team USAとの試合でPaul Rabilがそのスピードとカバーの速さにimpressされたと。
  • LSM #37 Brian Farrellは明らかに去年から目立っていた。でかくて機動力があり、オフェンス力高し。
ちなみに、去年OFMFで出て目立っていた超大型(198cm/120kg)MFの#23の4年Will Yeatmanは、年始に既に閉幕したfootballのタイトエンドとしても活躍。現時点でNFLのドラフトで指名されるか否かの瀬戸際と言われており、NFLのキャリアの可能性に懸けるため、残りの期間はラクロスをやらずにfootballのトレーニングに集中するらしい。(ILの記事のリンク)スティックスキル等がトップレベルだったとは言えなかったが、ボールを持って突っ込み/リーンして、鬼シュートを叩き込むという点で強力な戦力だった。

HC John Tillman Interview(リンク

  • 伝統の強豪校でコーチを出来るという栄誉に与れて嬉しい。
  • 経験と実力のある選手がたくさんいる状況なので助かる。
  • やはりある程度チームとして出来上がっているので、あまり変え過ぎず、これまであったものを如何に生かすかがコーチとしてのチャレンジ
  • Brian Farrellのリーダーとしての資質、賢さを挙げていた。
チームウェブサイトでのシーズンプレビュー(リンク)。相当来合い入ってる。20分と長いが相当がっつり選手達の声を聴ける。ダイハードMarylandファンの方は是非チェックしてみて下さいな。

個人的には、今年のMarylandは結構来るんじゃないかという気がする。去年NDに負けたことで、相当雪辱に燃えているはず。いくらコーチが変わるとは言え、主力選手達は過去に3年間一緒にやって来てる訳だし。Championship Weekend (Final 4)には出て来るような気がする。後は、Syracuse、Virginiaの双璧をどこまで攻略出来るか。このチームがMemorial Day Weekendの最後に優勝トロフィーを掲げる絵を想像しても正直そんなに違和感を感じない。

2 件のコメント:

  1. Marylandは確かに今年上にきそうですね。
    今みんなで今年のNCAAのbest4はどこになるか予想しようと勝負する流れになっていますが、その際、このブログの情報を全力活用させて頂く所存であります。
    あとUAのトリビアは以前の記事でも少し言及されてましたが、個人的にそういうトリビア&脱線は大好きなので、これからもガンガンお願いします。
    玄徳
    そしてDFにも意識配ってもらってるのを感じるのが非常にありがたいです。

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  2. 玄徳
    おーーいいねーー。
    ガンガン憧れて、なりたい姿に向かって突き進むべし、んでもってその変化のプロセス、挑戦の快、変化の快を存分に楽しむべしだね。

    自分がなりうるベストな自分、自分の限界を目指して、今目の前のこと、今一番燃えられることに全身全霊で打ち込んで、脳みそが擦り切れるほど頭を使って、正しく賢く努力することが結局一番の人生のトレーニングでしょ。結果、気づいたら強いビジネスパーソン/経営人材(または研究者でも、公務員でも、医者/弁護士等のプロフェッショナルでも、アントレプレナーでも)になれるよ。絶対。

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