2011年6月7日火曜日

2011 TewaaratonはVirginia AT Steele Stanwickに

先週行われたTewaaraton(テワラトン) Trophy授賞式で、今年の受賞者が選ばれた。(ILの記事Tewaaratonについての解説を書いた記事。下の方にちょこっとだけど。Wikipedia。)

男子はVirginiaを優勝に導いた原動力、3年生AT #6 のSteele  Stanwick。プレーオフ一回戦のBucknell戦では最後の同点、逆転を生み、二回戦Cornell戦でも司令塔/得点源として活躍。準決勝Denver戦でも同じくOFの起点となり、決勝のMaryland戦では若干影が薄かったが、それでもやはりDFのエースを引き付け、スライドを遅らせ、肝となる局面できっちり仕事をした。プレーオフに限った活躍だけを見れば、納得の選出。

本件、かなりの議論を醸している。レギュラーシーズンの活躍、statsを見た限り、StanwickよりもCornell #3 AT 3年 Rob Pannellが明らかに上。レギュラーシーズン中はずーっとPannellが取るだろうと言われていた。シーズン89ポイント、一試合平均5.24ポイント。そしてその半分がアシスト。チーム全員の力を数段上げる力を持っている(Stats)。周りのキャストの強さを考えると、Virginiaの方が明らかに恵まれており、個人としての本当の貢献度で言えばPannellの方が上というのはほとんどの人が認める所じゃないだろうか。

今回までの10年近いTewaaratonの選考(Wiki)、特に今年の結果を見た限り言えるのは...
  • Tewaaratonは、所謂純粋な「ベストプレーヤー賞」ではない、という事。個人として凄いだけでは候補者に選ばれる事こそあれ、最終受賞者に選ばれることは難しい。結局最終的に決勝まで残り、優勝/準優勝したチームを率いた選手が選ばれる(可能性が高い)。(決勝進出校以外から選ばれたのは[恐らく選考基準がいまいち固まっていなかったであろう]第一回のHofstraのDoug Shanahanのみ...)「優秀な選手であればチームを決勝まで導くはず」/「どんなに優れた選手でも、チームを決勝に導けなければ真に成功したとは言えない」という哲学が背後にあるようにも感じるし、単純にシーズンの最後まで全国ネットでTV放映され、高い注目を浴びる事によるバイアスや納得感の得られ易さもあるのかも知れない。
  • ATかMFしか選ばれない(過去11回中4回がMF、7回がAT)。DF、Gは悲しいかな、最終候補者5人にまでは残るが、選ばれた試しが無い...別に選考委員もATかMFしか選ばない、と意思を込めてる訳じゃないだろうが、まあ、チームを引っぱり、優勝/準優勝に導いた、代替不能な選手、という見方をしていくとどうしてもAT/MFになるケースがほとんど、という事なんだろう。
  • 4年生がほとんど、時々3年生。(初期に2年生で取ったMikey Powellだけが例外。)これはどちらかと言うと、活躍した選手、リーダーシップを発揮した選手を選ぶと、結果として上級生にならざるを得ない、という部分も大きいとは思うが。そう考えると2年生でSyracuseを優勝に導いたMikeyが如何に傑出した選手かが解る。
  • いずれにせよ、この辺の、「純粋な数字には現れないリーダーシップやチームを成功に導く力」、「レギュラーシーズンじゃなくプレーオフ、特に決勝で活躍しないと意味が無い」、という考え方がTewaaratonの裏には流れている気がする。個人的には、それはそれでいいと思う。
逆に、USLIA(United States Intercollegiate Lacrosse Association:所謂「学連」)の選ぶ、Outstanding Player of the Year賞、及びOutstanding AT賞は、Pannellが取っている。こちらはレギュラーシーズンの結果を基に選んでおり、純粋な個人としてのMVPの意味合いが強い。コメント欄を読む感じ、多くのファンが納得しており、こっちこそがリアルMVPだろ、という見方をしている。(IL記事)実際こっちが裏でTewaaratonが表みたいになってるが。この賞では恐らく今後も15位でプレーオフに出なかったチームで100ポイント取った奴、みたいな選手がMVPになる事はちょくちょくある気がする。つまり、ガチの、純粋なベストプレーヤー賞。

コメントを見る限り、ファン的には上記のTewaaratonとMVPの定義のズレに気付いている人は納得しており、そうじゃない人は納得行かず不満/キレる、という状況になっている。(そこの定義のズレがあるので議論が噛み合ってない。その定義そのものを議論するか、今の定義を是としてStanwickが取るべきかPannellが取るべきかを議論するなら噛み合うが。)

Stanwickのインタビュー。本人も「え?俺?マジで?(Pannellじゃないの?)」と言っている。

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