2011年6月9日木曜日

MLL 2011 vol.02 Rochester Rattlers @Chesapeake Bayhawks (5/14 @ESPN3)

* MLLの基本をサラッと紹介した去年の記事

5/14のシーズン初戦をESPN3 (ESPNのオンライン放送)でリプレー視聴。オンライン放送なのでDVD録画は無し。

Defending ChampionのBayhawksと、今年からChicago Machineから移転したRochester Rattlers。

14-10でBayhawks。手堅い。

Bayhawksは引き続き分厚い「MF王国」。60分ひたすら走れて、DFもOFもGBもTransitionも出来る、頑丈なMFがどっさりいる。
  • #11 Kyle Dixon (Virginia 06)
  • #3 Matt Abbott (Syracuse 09)
  • #44 Steven Brooks (Syracuse 08)
  • #51 Mike Kimmel (Johns Hopkins 10)
  • #22 Dan Hardy (Syracuse 09: 元ATだがMLLに入って以来完全にOFMF化。シーズン前のPeet Poillonとのトレードで加入)
  • #5 Alex Smith: FO (Delaware 07)
  • #8 Brian Carroll (Virginia 10、でも今回の試合では結構ATで出てる。Dan Hardyの逆パターンのコンバート。BostonのMatt Poskayと同じパターン。シュート力が高く、そこそこ器用なこと、ATの層が薄い事が原因か?NCAA→MLLに於けるこの手のコンバートの力学が非常に面白い。)
MFオールスター軍団。NCAAやWorld Lacrosse Championshipと言ったアマチュアラクロスとの比較で、MLLは兼ねてから「Middie's game」/「Middieを制する者が試合を制す」と言われており、強くて層の厚いMFを揃えているチームが有利になっている。何でそうなってるかをざっくり考えてみると...
  • 人数無制限のNCAAと違い、19人しかベンチ登録出来ない。台所事情は常に逼迫し、過度の専門化/専門家は許されず、MFは一人で全てこなせる事が条件(FOGOもNCAAと比べると圧倒的にOF/DF力が高く、そのままフィールドに残って高いレベルでプレーしている。)
  • 60秒ショットクロックがあるため、いちいちATに落として、「じゃ、行きまっか」と組み立てる余裕が相対的に少ない。完全にトランジッションのゲームになっている。DFからそのまま速攻、フライせずに波状攻撃。セットオフェンスでも、行ける所からバンバン1 on 1。打てる所からガンガンシュート。速攻を出されたらフライせずにDF。それらを滞り無くこなせるタフでversatile(マルチに何でもこなせる)なMFが必要不可欠に。
  • また、高いレベルで限界まで突き詰められたフィジカルと技術のぶつかり合いになった時に、単純にLong stick相手に攻めると分が悪い、Shortyから攻めた方が崩せる、という差が大きく出て来る
  • がっつり戦術練習を積めるNCAAと違い、基本的に全員平日は普通の仕事をしているMLLでは、個人でのトレーニング/練習がベースで、チームの戦術練習をする時間がほとんど無い。結果、込み入った戦術/フォーメーションを使うケースはほとんど無く、レギュラーシーズンを通して試合の中で何とか形作って行くという状況にならざるを得ない。従って、ATが司令塔としてがっつりOF全体をコントロール、という感じになりにくい。
  • また、2-point shotがあるため、ロングレンジのtime-and-room shot(日本のラクロス用語で言う所のスタンディングシュート)で高いレベルのGoalie相手にシュートを決められる、「キャノン砲を背負った」MFの価値が相対的に上がる
  • 従って、結果として、NCAAからのドラフトでも、毎年優秀なMFから順に片っ端に取られるため、相対的にATはNCAAでの活躍や評判に比べると違和感があるくらい下位で指名される/そもそも指名されないという状況が起こっている(今年のMD #27 Ryan Young→23位、#1 Grant Catalino→21位、Duke #21 Zack Howell→46位、Army Jeremy Boltus→43位、Hopkins #42 Kyle Wharton→48人の指名漏れ、などがいい例。)
そんな中、Chesapeakeはこの辺のMLLならではの独特の力学/競争のメカニズムをよーく理解した上で布陣を組んでいる。ATのスターが薄いが、MFが異様に分厚い。やり過ぎなぐらい豊富。非常に賢いチーム作りだと感じる。

Rochester Rattlersは#2 AT Ned Crotty (Duke 10)や#9 Matt Striebel (Princeton 01)らが頑張るが、まだイマイチ本領発揮しきれていない。今後どうなって来るか。

Lax United Highlight

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