2011年6月13日月曜日

MLL 2011 vol.04 Chesapeake Bayhawks @Boston Cannons (6/4 @ESPN3)

* MLL自体のサクッと解説の記事

これまたESPN3でのオンライン放送のみでTV放映無し。

17-13でBoston。前半一度Cannonsが突き放し、Bayhawksが食らい付くが、最後に突き放して終了。

スコアボード

Boston Cannons (Roster)
  • 先週はNLL明けで思いの外フィールドラクロスへの切り替えに手間取ったのか、若干ぎくしゃく感のあった現世界最強選手、#99 MF Paul Rabil (Johns Hopkins 08)。今回は完全に本領発揮。怒濤の5得点。Bayhawks #81 LSM Kyle Hartzellとの一騎打ちで完全に粉砕。スライド来ても全く間合いを詰めさせずそのままサクッと超安定した下半身体幹から、コンパクトなフォームで鋭いシュートを突き刺して来る。しかも両手で出来るから止めようが無い...これはやっかいだ...NLL Washington Stealthで3年を経て、技術的にも更に幅が広がっている。徹底したフィジカルトレーニングで更に一人異次元の身体能力を手にしつつある。ラクロスと言うスポーツのパイオニアを切り開き続けている。(NCAAの試合でずーっと放映されていた、Maverik LacrosseのCMでのRabilたちのトレーニング)
  • #88 AT Max Quinzani (Duke 10)も頼りになる柱に成長しつつある。NYの投資銀行で働きながら大したもんだ...
  • 最大の誤算は、ドラフト一巡目指名したMF Shamel Bratton (Virginia 11)が弟Rhamelと共に、少なくとも今年の夏はMLLでプレーしない事を表明したこと。余りその後の情報が伝わって来ない...余りブランクが空いてしまうと良く無い。きちんと見てくれるコーチやトレーナーがいない中、個人でちゃんと準備出来るんだろうか?来年以降復帰してくれることを願う。
  • 今回の試合は司令塔#14 AT Ryan Boyle (Princeton 04)は怪我?かな?で欠場。それに伴ってクリースの魔術師#7 Matt Poskay (Virginia 06)の存在が一気にほぼゼロになってしまっていたのが印象的。傑出したフィーダーがいて初めて生きる選手。
Chesapeake Bayhawks (Roster)
  • 前回の記事で紹介した通り、引き続きMFは強くていい。決して悪く無い。ATの#9 Danny Glading (Virginia 09)、#13 Ben Rubeor (Virginia 08)のVirginiaコンビも相変わらず強力。全体的に決して悪く無い。
  • DFが若干苦しんでいるか?単純にPaul Rabilを止められない。また、恐らくClose DF(日本で言う所の「ボトム」)の柱だった、伝説的Defender、Shawn Nadelen (Johns Hopkins 01/US代表)がTowsonのHead Coachに就任した事に伴いMLLから引退してしまい、それが結構チームDFに影響してしまっている気もする。精神的支柱であり、チームDF統制の土台だったので。
ここまで何試合か見た感じ、現時点で頭一つ抜けてるのは、Boston, Denver Outlaws, Chesapeakeの3チーム。次いでLong Island Lizardsが追い掛け、最下位はHamilton NationalsとRochester Rattlersが争う感じか。やはり上位3つが最も穴が少なく、MLLのエリートとしてのプレーを見せている。歴史も長く、チーム運営やPersonnel (人事)もタイト。

今後2ヶ月を通じてどう変化していくか。

IL Highlight

2011年6月11日土曜日

MLL 2011 vol.03 Denver Outlaws @Long Island Lizards (6/3 @ESPN3)

またしてもオンラインなのでTV録画無し。

前回Indoor World Lacrosse Championshipで抜けていたNLLメンバーが戻って来て、ほぼフルメンバーでの対決。

終盤までLIがリードしていたが、最後に#2 Brendan Mundorf (UMBC 06)、#14 Drew Westervelt (UMBC 07)のUMBC-NLL Wings-US代表10コンビと、ルーキー#10 Billy Bitter (North Carolina 11)のMLL最強ATトリオの活躍により終了直前に同点、そして逆転。11-10でDenver。

印象に残ってるのは、

Denver Outlaws(Rosterのリンク)
  • Chesapeake Bayhawksからトレードされた#57 MF Peet Poillon (Ohio State-UMBC 09)が、段々良くなって来てる。今回はMax Seibaldが出ておらずlong poleを引いてしまっている。Seibaldが復帰したらShorty相手に縦横無尽に掻き回してくれる筈。
  • 上記のAT 3枚強し。#2 Brendan Mundorf (UMBC 06/Team USA 10)はやはり引き続き現時点でのMLL最高、即ち世界最高ATじゃないだろうか。Xから抜く力、決める力、それを左右で出来、シュート力もあり、フィード力、OF全体の統制力も高い。それを支える高い身体能力も安定。Xからの1 on 1でやっかいなのは、スピードと切り返し力もあるが、ほんのちょっと間合いがある状態でGLE (Goal Line Extended: ゴールライン)を越えられたら、かなり高い確率で決められるという点。50センチくらいの間合いで追走された状態でのシュートの技術が突出して高い。そもそもNCAA程スライド行かず、一人一殺色が強いMLLではマークすることになったDFにとっては頭痛い...弛まぬフィジカル強化の努力の賜物。
  • Mundorf、WesterveltのATコンビに加え、#33 Bill McGlone (Maryland 06)というNLL Philadelphia Wings軍団の一人がNLLのシーズンを終えてトップギアのままMLLに入って来ており、いきなり高い精度のプレーを見せている。同じくWingsの主軸に成長しているMF Max Seibald (Cornell 09)は怪我で残念ながら一時離脱。この辺のNLLやNCAAのコンビネーションをそのまま揃える事が結構重要な鍵になっている。準備期間が短いので。HCのTom SlateがWingsのDF Coordinatorをやっており、WingsでのchemistryをそのままOutlawsに持ち込むという明確なラインが出来ている。
  • RookieのBitterが想像してた以上に効いている。他の2枚のATが強過ぎるため、マークが薄くなり(3枚目のDFが着く)、スライドも遅くなっている。今回もILのDF Parker McKee (Duke 10)とNCAA時代のライバル再燃で、カモりまくっていた。得点するか、最悪でもファウルを貰える、という状況が生まれている。動きが有り得ん。
  • Goalieの#19 Jesse Schwartzman (Johns Hopkins 07)のセーブのレベルがホント高くて引く。鉄壁。近距離も長距離も止めまくっている。現時点で64%。これだけ鬼シューターが揃ってるMLLでこの数字は異様。現時点での世界最高ゴーリーということになる。技術も凄いし、読みや駆け引きの部分に秘密があるように見える。
Long Island Lizards(Rosterのリンク)
  • ベテランAT軍団が引き続き鬼。#40 Matt Danowski (Dino)は全てが上手過ぎ、ベテラン#13 Stephen Bergerも有り得ない動きで魅せる。11年目のベテラン#9 Tim "Monster" Goettelmannは引き続き193cm/98kgの巨体に似合わぬ機動力でDFを粉砕
  • G #14 Drew Adams (Penn State 09)もかなりレベルの高いセーブを連発
  • AggressiveなItalian Defenseは健在。9年目のベテラン#41 Nicky Polanco (Hofstra 02)は引き続きハッスル、#91 Brian Spallina (Hofstra 00)も相変わらず柄ワリイ。審判に見えない所でWesterveltの腹にパンチ入れて復讐を誘い、ファウルを誘発。
  • 入ったばかりのルーキー#25 LSMF Brian Karalunas (Villanova 11)が、いきなり強烈な存在感を放っている。つか、ちとマジですげえ。やはり機動力が高く、スタミナがあり、チェックで奪えてGBが鬼。使い勝手が異様にいい。加えて怪我でFOGOを失った後半はFOで貢献。作戦は、Face Offerなのに、一切FOはせずに相手にそのままかき出させ、拾い際/拾った直後にチェックで奪う。成功しまくり。数秒のうちにスパパッと4-5発チェック入れてサクッとボールを奪っちゃってる。Villanova時代は凄い凄いと言われながらもTV放映が無く、ラクロス界最大の未確認生物(Sasquatch=雪男)と言われた。ここに来て一気に注目度が上がっている。ここまでMLLにバチッとハマるとは正直予想していなかった。
  • LIの最大の誤算は、上位指名したBratton弟、Rhamelが(兄のShamelと同様)今年はMLLでプレーしないことを表明したこと...せっかく上位指名権使ったのに涙目。Bratton兄弟は果たしてMLLに来てくれるんだろうか?そもそもラクロスに帰って来てくれるんだろうか?
  • Billy Bitterとは対照的に、同じく一巡目指名で加入したRookie #28 MF Zach Brenneman (Notre Dame 11)はまだちょっとMLLの感じが掴めてないのか、若干空回り気味。まあでも明らかに才能があるので、暫くしたら軌道に乗って、来年辺りには強力な戦力になってくるはず。
Denverは例年と同じく、非常にタイトで鍛えられたいいチームな印象。Gががっつりどっしりしてて、DFが固く、MF/AT共にフィジカルで、何と言ってもチーム全体の意思疎通/chemistryを感じる。UMBCの雑草軍団、NLL Philadelphia Wings軍団と、過去のチームワークを軸にチームを作り込んでおり、コンビネーションを確保するという賢いチーム作り。これで唯一の負け無し3連勝で一気に首位独走体勢に。いつものパターンか。が、毎年レギュラーシーズンでは勝ちながらも、プレーオフで敗れてしまう。今年こそは行っちゃって欲しい。

IL Highlight


2011年6月9日木曜日

MLL 2011 vol.02 Rochester Rattlers @Chesapeake Bayhawks (5/14 @ESPN3)

* MLLの基本をサラッと紹介した去年の記事。

5/14のシーズン初戦をESPN3 (ESPNのオンライン放送)でリプレー視聴。オンライン放送なのでDVD録画は無し。

Defending ChampionのBayhawksと、今年からChicago Machineから移転したRochester Rattlers。

14-10でBayhawks。手堅い。

Bayhawksは引き続き分厚い「MF王国」。60分ひたすら走れて、DFもOFもGBもTransitionも出来る、頑丈なMFがどっさりいる。
  • #11 Kyle Dixon (Virginia 06)
  • #3 Matt Abbott (Syracuse 09)
  • #44 Steven Brooks (Syracuse 08)
  • #51 Mike Kimmel (Johns Hopkins 10)
  • #22 Dan Hardy (Syracuse 09: 元ATだがMLLに入って以来完全にOFMF化。シーズン前のPeet Poillonとのトレードで加入)
  • #5 Alex Smith: FO (Delaware 07)
  • #8 Brian Carroll (Virginia 10、でも今回の試合では結構ATで出てる。Dan Hardyの逆パターンのコンバート。BostonのMatt Poskayと同じパターン。シュート力が高く、そこそこ器用なこと、ATの層が薄い事が原因か?NCAA→MLLに於けるこの手のコンバートの力学が非常に面白い。)
MFオールスター軍団。NCAAやWorld Lacrosse Championshipと言ったアマチュアラクロスとの比較で、MLLは兼ねてから「Middie's game」/「Middieを制する者が試合を制す」と言われており、強くて層の厚いMFを揃えているチームが有利になっている。何でそうなってるかをざっくり考えてみると...
  • 人数無制限のNCAAと違い、19人しかベンチ登録出来ない。台所事情は常に逼迫し、過度の専門化/専門家は許されず、MFは一人で全てこなせる事が条件(FOGOもNCAAと比べると圧倒的にOF/DF力が高く、そのままフィールドに残って高いレベルでプレーしている。)
  • 60秒ショットクロックがあるため、いちいちATに落として、「じゃ、行きまっか」と組み立てる余裕が相対的に少ない。完全にトランジッションのゲームになっている。DFからそのまま速攻、フライせずに波状攻撃。セットオフェンスでも、行ける所からバンバン1 on 1。打てる所からガンガンシュート。速攻を出されたらフライせずにDF。それらを滞り無くこなせるタフでversatile(マルチに何でもこなせる)なMFが必要不可欠に。
  • また、高いレベルで限界まで突き詰められたフィジカルと技術のぶつかり合いになった時に、単純にLong stick相手に攻めると分が悪い、Shortyから攻めた方が崩せる、という差が大きく出て来る
  • がっつり戦術練習を積めるNCAAと違い、基本的に全員平日は普通の仕事をしているMLLでは、個人でのトレーニング/練習がベースで、チームの戦術練習をする時間がほとんど無い。結果、込み入った戦術/フォーメーションを使うケースはほとんど無く、レギュラーシーズンを通して試合の中で何とか形作って行くという状況にならざるを得ない。従って、ATが司令塔としてがっつりOF全体をコントロール、という感じになりにくい。
  • また、2-point shotがあるため、ロングレンジのtime-and-room shot(日本のラクロス用語で言う所のスタンディングシュート)で高いレベルのGoalie相手にシュートを決められる、「キャノン砲を背負った」MFの価値が相対的に上がる
  • 従って、結果として、NCAAからのドラフトでも、毎年優秀なMFから順に片っ端に取られるため、相対的にATはNCAAでの活躍や評判に比べると違和感があるくらい下位で指名される/そもそも指名されないという状況が起こっている(今年のMD #27 Ryan Young→23位、#1 Grant Catalino→21位、Duke #21 Zack Howell→46位、Army Jeremy Boltus→43位、Hopkins #42 Kyle Wharton→48人の指名漏れ、などがいい例。)
そんな中、Chesapeakeはこの辺のMLLならではの独特の力学/競争のメカニズムをよーく理解した上で布陣を組んでいる。ATのスターが薄いが、MFが異様に分厚い。やり過ぎなぐらい豊富。非常に賢いチーム作りだと感じる。

Rochester Rattlersは#2 AT Ned Crotty (Duke 10)や#9 Matt Striebel (Princeton 01)らが頑張るが、まだイマイチ本領発揮しきれていない。今後どうなって来るか。

Lax United Highlight