2017年6月7日水曜日

NCAA 2017 #14 Tournament Semi Final Ohio State vs Towson

いやー!ムチャクチャいい試合だった!痺れた!感動した!

1. Background

レギュラーシーズンでMarylandにも勝ち、シーズン中盤に一度Ranking 1位にもなっていたOhio State Buckeyes。設立及びDivision 1参戦自体は 1953年と早かったが、長らくラクロスがメジャーではなかった中西部のOhioにあった事もあり、下位/中堅校としての長い長い準備期間を経て、2000年代に現UNC HCのJoe Breschi氏がHCを勤めた辺りから少しずつ上位に顔を出すようになり、現Nick Myersコーチになってから8年目で遂に悲願のFinal 4へ。Ohioのでかくて頑丈なAthlete層に加え、ここ数年はStick skillの高いCanadianを相当数輸入し始めており、一気に強力なオフェンス力を手に入れつつある。Coach MyersがUSのU-19のHCを勤めており、その辺も若い有力選手の獲得に一役買っているとの事。

対してのTowson Tigersは、歴史的にLacrosseのメッカだったMaryland州Baltimoreの中期母校。歴史的には、地元の強豪校Maryland、Hopkins、Loyola、Georgetownの陰に隠れ、UMBCと共に、どちらかと言うと中堅校のイメージが強かった。2012年に、Johns Hopkins Class of 2001で、MLL、NLL、Team USAの中心DF選手だったCoach Shawn Nadelen氏が就任し、しっかりした規律と雑草精神により少しずつ強くなり、遂にFinal 4へと戻って来た。今年は特に4年生主力の、非常に成熟したいいチーム。

2. Result

ホント素晴らしい試合だった。

出だしにOhio Stateが緊張からか若干固い中、Towsonが1-on-1を中心に得点を重ね、一時8-3の5点差リード。

しかしそこからOhio Stateが徐々にエンジンが掛かり出し、EMOやBroken situationからの得点、更にCanadian 3枚のOFの主力が強力な火力で得点を重ね、最後は11-10で逆転。(Box Score

両チーム共に今年のD1の中では最もDFがしっかりしたチームで、穴も少ない。Turn overもほとんど無く、チームとしても完成度の高い、非常に緊迫したレベルの高い試合になった。日本の大学チーム/選手が見て学ぶ上では、チーム戦術や基本に忠実な個人技、Behindからの逆転を成し遂げたGame management/試合運び等、かなりいい教材になる試合だなと感じた。

3. Review

いくつもの特筆すべき見所のある試合だった。
  • 双方のDFが本当に素晴らしかった。今年見た試合の中では、最も両チーム共に高いレベルのDFを見せてくれた試合。特に前半のTowson、後半のOhio State」のDFは、DFで魅せられる、DFで感動させられるレベルの内容だった。個人としても、Shorty Dも、LSMも、Close DF 3枚も、穴無しでしっかり個人で止めきれ、チームとしてもしっかりスティックアップしパスを切り、首を振って視野を確保し、お互いにコミュニケーションを取って受け渡し、最小限のスライドでバチッと止めるDFを出来ていた。
  • 特に正直感動を覚えたのが、TowsonのShorty 2枚とLSMの上3枚のレベルの高さ。文字通り鉄壁。Ohio StateのMFは本当に攻めあぐねていた。でかくて、強くて、ムチャクチャ走れて、確実に足で着いていって、ポジショニングとプッシュが素晴らしい。特にShorty 2枚。#14 DFMF Zack Goodrich (So./2年)、#16 DFMF Jack Adams (Sr./4年)の2枚。今年のNCAAでは間違いなくNo. 1のShortyコンビだろう。二人ともOFにもそのまま攻撃参加しており、MLLで重宝される2-Way MFになりそう。
  • TowsonのAT 2枚のXからの1-on-1での得点。二人とも鋭く爆発力のあるダッジと、GLT (Goal Line Extended = ゴールライン)を越えてからの振り抜きざまのシュートの技術等、非常に参考になる動きが多かった。長い後ろ髪をなびかせるエース#22 AT Ryan Drenner (Sr./4年)、#26 AT Joe Seider (Sr./4年)の4年生コンビ。
  • Ohio StateはGoalieの#3 Tom Carey (Sr./4年)が、最上級生としての気合で、特に後半素晴らしいセーブを連発して、逆転に貢献した。
  • Ohio StateのCanadian軍団の得点力。チーム全員で崩して、全員で得点した準々決勝と違い、今回は個人技でこじ開けたゴールが多かった。利き手重視のスティックスキル、ロングレンジのシュート力には目を見張るものがあった。特に、ルーキーの#14 AT Tre Laclaire (ラクレア) の右のシュートは驚異的。ハーフタイムのインタビューでPaul Rabilも「間違いなくCanadaのフル代表に入ってくる」と認めていた。でかくてシュート上手い。今後卒業までの3年間、強力な戦力になって行くはず。引き続き#20 AT Eric Fannell (Sr./4年)も活躍。左利きをスカウティングで徹底して封じられたが、逆を突いて右手で得点。
いずれにせよ、全体的に、本当にDFで魅せる、ミスも少なく、本当にレベルの高い、エンターテインメントとしても質の高い、素晴らしい試合だった。

4. Highlight




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