(一瞬、私事で恐縮ですが、一瞬近況報告をさせて頂きます。ちいと仕事の方で動きがあり、今のボスの出世&転勤に引っ張られる形で今月いっぱいで同じく転勤に。同じ事業、同じボスの下で若干守備範囲を変え/広げつつ、西海岸のカリフォルニアから、東海岸のデラウェアにある本社に帰還することに。前回本社勤務だった際は近所のPhiladelphiaの街のど真ん中に住んでいたが、今回は通勤時間をセーブするべく、Delawareに住む予定。気候の素晴らしい南カリフォルニア、しかも「地上の楽園」とも称される風光明媚なSanta Barbaraを離れるのは正直悲しいが、一方で、ラクロスを含めたカレッジスポーツ/プロスポーツとの距離感がぐっと縮まることに加え、NY, DCにもサクッと行ける距離なので、楽しみではある。)
さて、今回は今までとはガラッと違う話題。ラクロス関連の新しい動き/面白い取り組みについての紹介。
LXM PRO
これまでアメリカでは、1987年に始まったインドアのNLL、2001年に始まったフィールドのMLLという二つのプロリーグが存在していた。ここに来て、LXM PROという、全く新しいコンセプトのプロラクロスのmovementが起こりつつある。個人的に、凄く共感する部分があり、その雰囲気やビジュアル、コンテンツとしての美しさが刺さったこともあり、是非もっと盛り上がって欲しいな/応援したいなと思ったこともあり、紹介させて頂こうと思う。
クイックに雰囲気を掴んで頂くためにはウェブサイトや動画を見て貰うと早いかな?と思うのでいくつか紹介。
● ウェブサイト
● 動画①(この空気。脳幹が痺れさせられる。子供達の笑顔!)
● 動画②(熱狂っぷりはこっちのが伝わるかな?)
● 動画③(ドラマThe HillsのLo Bosworth)
● ギア
所謂通常の「プロスポーツリーグ」とは全く異なるコンセプト。
●特定のホームは無く、各地を廻るツアー形式
●チーム、メンバーも固定ではなく、主要メンバー以外は毎回入れ替え
●シーズンも決まっておらず、年間に何回か行われるイベント形式。各都市での一発勝負
●Lacrosseの試合だけではなく、人気のバンド/ミュージシャンによるライブ、celebrityを呼んでのお披露目パーティー等のイベント盛りだくさん
●毎回ユニフォームやメットやギアのデザインが変わり、色使いやロゴがお洒落でカッコいい
●TwitterやFacebookといったSocial mediaをフルレバレッジして、流行やファッションに敏感なearly adopterたちを取り込み
と言うもの。動画を見てもらうと解ると思うが、毎回テレビで人気の若いCelebrityたちを呼んでプレスをやり、ギラギラした、チャラチャラした(悪い意味じゃなく)、なんかワクワクさせられるような、coolな/sickな/sweetな雰囲気を醸し出している。恐らくラクロスのことを全く知らないオーディエンスが見たとしても、「あれ?何かカッコよくて楽しそうなことしてるぞ?」と気になる/見てみたくなる空間を作り出すことに成功している。(もちろん、ラクロスを知っている僕が見ても、「ああ、このスポーツを知っててよかった…」と思わせられる。)
メンバー
現時点のメンバーを見ると、多くの元NCAAのスタープレーヤー、及び、つい最近までMLLの第一線で戦っていた選手たちの名前も見られる。何人か紹介すると:
● Casey Powell (Syracuse 98, MLL, NLL, Team USA)
● Kenny Nims (Syracuse 09, MLL)
● Kyle Harrison (Hopkins 05, MLL, USA)
● Joe Walters (Maryland 06, MLL, NLL, USA)
● Steven Brooks (Syracuse 08, MLL)
● Matt Ward (Virginia 06, MLL)
などなど。結構錚々たるメンバーが名を連ねつつある。個人的にはMikey Powellなんて凄くハマると思う。
設立の背景とコンセプト
元MarylandでLA在住のXander Ritzが、彼のコンセプトに賛同する仲のいいトッププレーヤー達と楽しみながら立ち上げたイニシアチブ。
立ち上げ時の記事を読む限り、裏には彼なりのいろんな想い、そしてそれに賛同したメンバー達のいろんな想いがあったことが読み取れる。
東海岸をベースにしてきたラクロスもここ10年で爆発的に全米に広がりつつあり、大学レベル、高校レベルでは西海岸にも多くのチームが生まれた。2008年の不況まで、西海岸にはLAとSan Franciscoという二つのMLLチーム、そして2つのNLLチームがあるという状況だった。が、そうは言ってもやはりまだスポーツとしてはマイナー。両リーグ共に安定した集客には苦しみ、結局不況後は解散してしまった。
それらの経験から彼らが感じたのは、
●ニーズは、ある
●見に来る奴も、プレーしてる奴も、いる
●そして、上手くやれば、lacrosseをプレーした事がない、見た事が無い一般のお客さんを取り込む事も出来る。
ラクロスはそれだけのポテンシャルを秘めたエンターテインメント/コンテンツだという事。
そして、
●1ヶ月に何回もある試合を毎回見に行くことはないが、仮に年に一度のお祭りイベントだったら?
●純粋なラクロスだけじゃなく、その前後のライブやパーティー、それらを全部ひっくるめた、一つのイベント/エンターテインメントとして売り出したら?
●もっともっとファッショナブルでsensationalな見せ方、作り込み方をしたら?
●そして、celebrityを巻き込んで、彼らから「お洒落でカッコ良くて新しいもの」というポジションを発信して行ったら?
というもの。
恐らく、ラクロスが成長し成熟する中で、競技としてどんどんレベルが上がり、コンペティティブになり、完成度が上がって行く現状への疑問、そして、より真剣に、そしてより敷居が高くなりつつ有るNCAAやMLLへのアンチテーゼもあるんじゃないかと想像する。
もちろんそれら本流の、最高峰の、競技としてのラクロスは絶対に必要だし、そこがベースだし、それはそれでrespectしながらも、「いやいや、待てよ、lacrosseってそれだけじゃないぜ?もっと肩の力抜いて、純粋に楽しめる、お洒落でカッコいい最高の遊びなんだよ!」という考え方。彼自身、記事の中で、「MLLやNLLとは競合するとは考えていない。自分たちはまた別の形でラクロスを広める使命がある。自分たちはNBAやNFLといったハードコアな競技スポーツではなく、(SkateboardやSnowboardのような、ストリートスポーツ、ファッションやストリートカルチャーと強く結びついた)X-Gameのようなコンテンツを目指したい」と語っている。
そこに丁度彼自身のお気楽でノリノリなpersonality、LAという立地やそこで彼が感じたWest coastならではのラクロスやスポーツや人生そのものの楽しみ方をミックスした形で始まったプロジェクト。
毎回各都市でのイベント毎に、LXM 949 Orange CountyやLXM 610 Philadelphiaのように、その都市のエリアコード(日本で言うところの市外局番。東京03や横浜045、名古屋052みたいな)を冠し、ロゴを作っている。んでまたそのロゴがかっけえ(リンク。下の方)。
丁度今週末の明日、Philadelphiaでのイベントが行われる。引っ越しが間に合えば是非見に行きたかったが、引っ越しは来週なので残念ながらニアミス。
気になる今後
まだ立ち上がったばかりで、果たして今後定期的/継続的に集客し続け、movementとして確立して行くのかはまだ未知数。ただ、個人的には、素晴らしいイベント、取り組みだと思うし、ラクロスの持つ競技としての素晴らしさだけでなくそれを取り巻く空気やファッションをも伝え、それをラクロス関係者だけではなく一般のaudienceに露出/浸透させて行くという意味に於いては最高のチャネルだと思う。是非応援したい。
もちろん、これ「だけ」じゃダメで、ハードコアな競技としての土台は必要。でも一方で、基本経験者の中で閉じてしまうNCAA/MLLだけでもだめで、この二つが両輪として機能する/相互にフィードする関係を築く事が必要なんだと思う。(頭の固い東海岸の古いファンの中には、「こんなチャラチャラしたのlacrosseじゃねえ!スポーツの品格を貶める!」なんて批判をしてる人たちもいるみたいだが、個人的な意見としては...、まあ、いいじゃん、もっと純粋にlaid-backで新しいこと楽しみながら試せばいいんじゃない?とも思う。そういう内向きに閉じたところが自らのクビを締めてる部分も多分にあったと思うし。)
Xander Ritzへのインタビューが今週のInside Lacrosse Podcastでフィーチャーされていた(リンク)。西海岸らしく、laid-backで、人生を楽しむ一環としてLXM PROをやっていることがよく解る。こういった形で、個人の利害やお金を越えたところで、純粋な、楽しみたい、いいものを伝えたい、新しい物を創りたい、伝えたい、そういう想いやvisionや情熱を持った一人の人が動きだし、それに共感した周りの人が巻き込まれ、どんどん人々を共振させ、それが大きな大きなmovementになって行くと言う一つのリーダーシップの形。見ていて凄く感動するし、ポジティブなエネルギー/勇気を貰える。
と、いうLXMの紹介でした。アメリカのラクロスを見る中で、ずっと感じていた、「本当の良さ、素晴らしさは、実は選手やプレーのレベルの高さじゃなくて、こういうカルチャーやファッション、そしてこういう『Enjoy Life!!』な空気の中にこそあるんじゃないかな?」という気持ち。そしてそれを現役の皆さんに少しでも伝えられたらいいな、そしたらきっと皆今よりも更にもっと楽しく強くなるだろうな、という想い。それらを解り易くそこだけ切り取って結晶にしてくれたような気がして、一ファンとして何だか嬉しかった。
いたる@13期
2010年8月23日月曜日
MLL 2010 Game Review vol. 05 Final Chesapeake-Long Island
さて、2010年のラクロスシーズンの集大成。今日行われた決勝、10年間リーグを引っぱり、終世のライバルであり続ける2チーム、Chesapeake Bayhawks vs Long Island Lizards。NY州Long Islandの北のラクロス対Marylandの南のラクロスという、ラクロスでもよく引き合いに出される対照的スタイルによる激突。(先日誰かが[Dinoだったかな?]インタビューでロン毛のジーパンのちょっと繊細で尖った都会っ子 対 短パン+ビーサン+ショートカットの無神経なスポーツ馬鹿、というファッションやキャラの対比を面白おかしく語っていた。ちなみに彼自身は生粋のLong Islandっ子)
以下、試合の見所を紹介。
前半
LI 2点目、Duke/Team CanadaのZack Greerのゴール前で貰っての電光石火のクイックミドルショットで得点。この人の2ポイントエリア内のシュート成功率は半端無い。外す絵が全く浮かばない。フリーで持たれたらほぼ終わり。ミドルシュートでクイックながら、置きに行く事無く、遠慮する事無く必ずかなり速い弾道で恐ろしく正確に空いたスポットに突き刺して来る。小さなゴールと大きいゴーリー相手に針の穴に糸を通すようなaccuracyが求められるCanadian indoor lacrosseの真骨頂。
Chesapeake 1点目、Huntの得点。左手でパスをはたいた直後に右に持ち替え、リターンパスをバックハンドでキャッチしながらすぐに左足のキックで切り返して右に鋭く方向転換、Dをかわしつつ表に角度を作りつつゴールに向かう動き。
LI 3点目、Peyserのrunning shot、classicで基本だが、上手い。LSMが本来ATだがOF MFで出ているBurgerに着く事で生まれるショートスティックD相手のミスマッチを確実に突いてくる。背中に背負ったスティックからオーバーハンドでのシュートでGoalieからリリースが見えずセーブしにくい。
CSPは、先日MarylandのHCをクビになったDave Cottleが”Consultant”なる肩書きでチームに帯同している。試合中もベンチの裏からかなり戦略的な指示を出している。シーズン途中でHCを解任したCSPにとって彼の存在は大きいはず。
しかしまあ改めて、クリアクロック、ショットクロックのあるMLLのスピード感はNCAAに比べて一段、WLCに比べて二段階ほど早い。かなり急いでクリアするし、休む間も無くガンガンゴールに向かって行くし、リスクを取ってシュートを打つ。結果としてめまぐるしくポゼッションが入れ替わりトランジッションが発生するため、見ていて飽きない。個人的にはこっちのルールの方がラクロス普及、経験者以外のAudienceの取り込みという意味に於いては向いている気がする。やはりラクロスのスポーツとしての構造的欠陥は、フライを待って攻めるまでに生じる無の時間、待ち時間なので。このスポーツをエンターテインメントの商品/コンテンツとして見た時に、ここはユーザーフレンドリーではないので。
2Q残り8分、パイプに当り得点にはならなかったが、クリースでのLI Zack Greerのシュート、リバウンド、behind the backが有り得ない動き。
創設者Jake Steinfeldの話とここ10年でのUSラクロスの進化
2Qの途中で挿入される、MLL創設者Jake Steinfieldの話が胸を打つ。ラクロスへの愛、起業家精神。10年でアメリカでどれだけ爆発的にラクロスが育ったか。MLLが子供達に夢と目標を与え続けてる話。「SyracuseやHopkinsでNCAA制覇すること」が多くの選手の夢だった時代から、「MLLの舞台に立ち、Steinfeld cupを掲げる事」が子供達の夢になりつつある。「上がり」「ラクロスキャリアの実質的終着駅」がNCAAではなく、そこから先のMLLになり、NCAAの選手たちがMLLでやることを目標にさらにhumbleに精進を続けるという絵が生まれつつある。
MLLが産声を上げた10年前1,000チームだった高校の男子ラクロスチーム数は、MLLの進化と歩調を合わせる形で10年間で3倍の3,300チームに。信じられない爆発だ。500年の歴史を持つアメリカのラクロスが、たったの25年前に始まった日本のラクロスよりも遥かに速い速度で大きくなっているという衝撃の事実。その大きな大きなプールの中から選りすぐられた上澄みのエリートがNCAA Div 1に進み、さらにその中のたった一握りだけがMLLという夢の舞台でプレーする事が許される。そしてその中のさらにトップ20人がUS代表のユニフォームを着る。それだけの競争を勝ち抜いて来た、精子の様な確率でサバイブしてきた選手たち。そりゃ上手いわな...
再び試合に戻って...
Chesapeake #51 MF、JHUから加入したルーキーMike KimmelがDFにトランジッションにと大活躍している。特にShort stick DFは角度のマネジの仕方をよーく解った素晴らしい教科書。
Chesapeake 4点目、PoillonのBehind the backでの得点を生むまでのOF 6人の動きが非常に参考になる。1 on 1からボールをシェアしてスペースを作り、そこでサクッと得点。Poillonは本当に今シーズンのたったの数ヶ月で2年目にして全くの無名選手からリーグ屈指の大スターになってしまった。
LI GoalieでPenn State出身のDrew Adamsが試合を通じて素晴らしいセーブを見せ続ける。特にロングシュートへの反応は秀逸。
LIのクリース前のオフボール状態でのプレッシャーが凄い。クリース前をタイトにパックし、フィードが出てなくてもガンガン相手のスティックをチェックしており、クリースの選手は相当やりにくそう。
後半
試合を通してFace offでのTeam USAのFace offer、ChesapeakeのAlex Smithの強さが光る。後半の初っ端。彼の必殺技"Pinch and pop"でパチッとボールを前に飛ばしそれを直接拾ってノーマークでゴール。
LI 5点目、EMOにてDuke '08デュオのDino-Greerのホットラインがまたしても炸裂。Dinoのトップからの愛の無い鬼パスを涼しげにキャッチしてサクッと決めるGreer。この人に取れない球はあるのか?QuintもそれがDinoにアグレッシブにリスクを取ってパスを出す余裕を与えていると指摘。
3Q残り9分、LI DF Spallinaがボールデッドの状態でのヒットでファウル。ガラが悪い事で有名なLI DF陣はマジでビジュアルからして怖い...トラッシュトーク(試合中の挑発トーク)も半端なさそう。FxxxやらShxxやらの言葉が乱れ飛んでるのが想像付く。
Chesapeake 6点目、EMOでの裏の2枚からのプレッシャー、クリースでのVirginia CaptainでルーキーのCarrollへのフィード&シュートが教科書。
新星Peet Piollonの凄さ
CSP8点目、またしても全く同じ形でPoillonが電光石火のカットからbehind the backで得点。本物のシンデレラストーリー。テレビで見たNCAAに感銘を受け、ラクロス不毛地帯のPittsburgで父親と一緒にラクロスチームを立ち上げて高校からプレーし始め、中堅校のOhio Stateにスカウトされてチームを躍進させた後、Div 1の名門校UMBCに転校。そこで名将Don Zimmermanの指導を受け土台を築く。
それでもMLLからは見向きもされず、MLL1年目の去年は手弁当で片道5時間掛けてBostonの練習生をボランティアで買って出る。が、結局Bostonでは出場機会が得られず解雇。今年拾われたBayhawksで燻っていた鬱憤を大爆発させるかのように大活躍を見せた。多くのラクロスファン/選手に夢を与える存在。小さいくせに元気があって、パワーとスピードがあって、見てて本当に楽しい。自分がちびっ子ファンだったら絶対大好きになってたと思う。個人的にこういう雑草魂溢れる話は本当に大好きで、勇気とエネルギーを貰える。(Poillonの躍進と、MLL選手を多数輩出するUMBCの記事)
再び試合
CSP 9点目、Carrollがクリースから鋭いジャンピングショットを突き刺す。この人の全身を使ったミドルレンジのシュートは本当にパワーがあり、正確。シューターは是非繰り返し見てパクりたい。
LI G Drew Adamsの、一度セーブした直後に再び立ち上がるまでのQuicknessがフィーチャーされていた。リバウンド、またはフェイクからの次のシュートへの反応に於いて非常に重要。恐らくGoalieの個人練習でも、ダイブしてすぐ立ち上がる、split saveで足を出して尻餅をついて一瞬で立ち上がる、という練習を繰り返しているはず。
4Q終盤、4点差を追いかけるLI EMOでのCromwellのLong standing shotの体の使い方。ヒップの使い方、体軸のトルク(捻り)の大きさ。
最後はBayhawksが4点差を守り切り、フランチャイズ3度目の優勝を飾る。
優勝カップのSteinfeld Cupを掲げる選手たち。いつみても優勝のシーンは胸がジーンと熱くなる。初期の栄光の後5年にわたる低迷と、Baltimore-Washington-Chesapeakeと、ホームタウンとオーナーを転々と変えながら苦しんでいた歴史を考えると尚更。
MVPは珍しくDefensive playerから、CSP LSMのKyle Hartzell。先日のRusty Gate Checkの記事でもフィーチャーされていた。準決勝でのPaul Rabilを完封したのに続き、この試合ではLIの得点源Stephen Burgerにほとんど仕事をさせていない。勝利への貢献度の高さを考えると納得の選出。必ずしもHighlightで最もフィーチャーされる訳でもないDの選手が実質的に勝敗を決める程のインパクトを持ち得るという例。
さて、これにて2010年のラクロスシーズンは終了。個人的には今後College Football, NFL, College Basketball, NBAと各種スポーツで順繰りに盛り上がりつつ、再び2月以降のラクロスシーズンに備える予定。Inside Lacrosse等で面白いラクロスネタがあれば都度紹介して行く予定。現役の皆も引き続き最高の夏を過ごして下さいな!応援してるので!
以下、試合の見所を紹介。
前半
LI 2点目、Duke/Team CanadaのZack Greerのゴール前で貰っての電光石火のクイックミドルショットで得点。この人の2ポイントエリア内のシュート成功率は半端無い。外す絵が全く浮かばない。フリーで持たれたらほぼ終わり。ミドルシュートでクイックながら、置きに行く事無く、遠慮する事無く必ずかなり速い弾道で恐ろしく正確に空いたスポットに突き刺して来る。小さなゴールと大きいゴーリー相手に針の穴に糸を通すようなaccuracyが求められるCanadian indoor lacrosseの真骨頂。
Chesapeake 1点目、Huntの得点。左手でパスをはたいた直後に右に持ち替え、リターンパスをバックハンドでキャッチしながらすぐに左足のキックで切り返して右に鋭く方向転換、Dをかわしつつ表に角度を作りつつゴールに向かう動き。
LI 3点目、Peyserのrunning shot、classicで基本だが、上手い。LSMが本来ATだがOF MFで出ているBurgerに着く事で生まれるショートスティックD相手のミスマッチを確実に突いてくる。背中に背負ったスティックからオーバーハンドでのシュートでGoalieからリリースが見えずセーブしにくい。
CSPは、先日MarylandのHCをクビになったDave Cottleが”Consultant”なる肩書きでチームに帯同している。試合中もベンチの裏からかなり戦略的な指示を出している。シーズン途中でHCを解任したCSPにとって彼の存在は大きいはず。
しかしまあ改めて、クリアクロック、ショットクロックのあるMLLのスピード感はNCAAに比べて一段、WLCに比べて二段階ほど早い。かなり急いでクリアするし、休む間も無くガンガンゴールに向かって行くし、リスクを取ってシュートを打つ。結果としてめまぐるしくポゼッションが入れ替わりトランジッションが発生するため、見ていて飽きない。個人的にはこっちのルールの方がラクロス普及、経験者以外のAudienceの取り込みという意味に於いては向いている気がする。やはりラクロスのスポーツとしての構造的欠陥は、フライを待って攻めるまでに生じる無の時間、待ち時間なので。このスポーツをエンターテインメントの商品/コンテンツとして見た時に、ここはユーザーフレンドリーではないので。
2Q残り8分、パイプに当り得点にはならなかったが、クリースでのLI Zack Greerのシュート、リバウンド、behind the backが有り得ない動き。
創設者Jake Steinfeldの話とここ10年でのUSラクロスの進化
2Qの途中で挿入される、MLL創設者Jake Steinfieldの話が胸を打つ。ラクロスへの愛、起業家精神。10年でアメリカでどれだけ爆発的にラクロスが育ったか。MLLが子供達に夢と目標を与え続けてる話。「SyracuseやHopkinsでNCAA制覇すること」が多くの選手の夢だった時代から、「MLLの舞台に立ち、Steinfeld cupを掲げる事」が子供達の夢になりつつある。「上がり」「ラクロスキャリアの実質的終着駅」がNCAAではなく、そこから先のMLLになり、NCAAの選手たちがMLLでやることを目標にさらにhumbleに精進を続けるという絵が生まれつつある。
MLLが産声を上げた10年前1,000チームだった高校の男子ラクロスチーム数は、MLLの進化と歩調を合わせる形で10年間で3倍の3,300チームに。信じられない爆発だ。500年の歴史を持つアメリカのラクロスが、たったの25年前に始まった日本のラクロスよりも遥かに速い速度で大きくなっているという衝撃の事実。その大きな大きなプールの中から選りすぐられた上澄みのエリートがNCAA Div 1に進み、さらにその中のたった一握りだけがMLLという夢の舞台でプレーする事が許される。そしてその中のさらにトップ20人がUS代表のユニフォームを着る。それだけの競争を勝ち抜いて来た、精子の様な確率でサバイブしてきた選手たち。そりゃ上手いわな...
再び試合に戻って...
Chesapeake #51 MF、JHUから加入したルーキーMike KimmelがDFにトランジッションにと大活躍している。特にShort stick DFは角度のマネジの仕方をよーく解った素晴らしい教科書。
Chesapeake 4点目、PoillonのBehind the backでの得点を生むまでのOF 6人の動きが非常に参考になる。1 on 1からボールをシェアしてスペースを作り、そこでサクッと得点。Poillonは本当に今シーズンのたったの数ヶ月で2年目にして全くの無名選手からリーグ屈指の大スターになってしまった。
LI GoalieでPenn State出身のDrew Adamsが試合を通じて素晴らしいセーブを見せ続ける。特にロングシュートへの反応は秀逸。
LIのクリース前のオフボール状態でのプレッシャーが凄い。クリース前をタイトにパックし、フィードが出てなくてもガンガン相手のスティックをチェックしており、クリースの選手は相当やりにくそう。
後半
試合を通してFace offでのTeam USAのFace offer、ChesapeakeのAlex Smithの強さが光る。後半の初っ端。彼の必殺技"Pinch and pop"でパチッとボールを前に飛ばしそれを直接拾ってノーマークでゴール。
LI 5点目、EMOにてDuke '08デュオのDino-Greerのホットラインがまたしても炸裂。Dinoのトップからの愛の無い鬼パスを涼しげにキャッチしてサクッと決めるGreer。この人に取れない球はあるのか?QuintもそれがDinoにアグレッシブにリスクを取ってパスを出す余裕を与えていると指摘。
3Q残り9分、LI DF Spallinaがボールデッドの状態でのヒットでファウル。ガラが悪い事で有名なLI DF陣はマジでビジュアルからして怖い...トラッシュトーク(試合中の挑発トーク)も半端なさそう。FxxxやらShxxやらの言葉が乱れ飛んでるのが想像付く。
Chesapeake 6点目、EMOでの裏の2枚からのプレッシャー、クリースでのVirginia CaptainでルーキーのCarrollへのフィード&シュートが教科書。
新星Peet Piollonの凄さ
CSP8点目、またしても全く同じ形でPoillonが電光石火のカットからbehind the backで得点。本物のシンデレラストーリー。テレビで見たNCAAに感銘を受け、ラクロス不毛地帯のPittsburgで父親と一緒にラクロスチームを立ち上げて高校からプレーし始め、中堅校のOhio Stateにスカウトされてチームを躍進させた後、Div 1の名門校UMBCに転校。そこで名将Don Zimmermanの指導を受け土台を築く。
それでもMLLからは見向きもされず、MLL1年目の去年は手弁当で片道5時間掛けてBostonの練習生をボランティアで買って出る。が、結局Bostonでは出場機会が得られず解雇。今年拾われたBayhawksで燻っていた鬱憤を大爆発させるかのように大活躍を見せた。多くのラクロスファン/選手に夢を与える存在。小さいくせに元気があって、パワーとスピードがあって、見てて本当に楽しい。自分がちびっ子ファンだったら絶対大好きになってたと思う。個人的にこういう雑草魂溢れる話は本当に大好きで、勇気とエネルギーを貰える。(Poillonの躍進と、MLL選手を多数輩出するUMBCの記事)
再び試合
CSP 9点目、Carrollがクリースから鋭いジャンピングショットを突き刺す。この人の全身を使ったミドルレンジのシュートは本当にパワーがあり、正確。シューターは是非繰り返し見てパクりたい。
LI G Drew Adamsの、一度セーブした直後に再び立ち上がるまでのQuicknessがフィーチャーされていた。リバウンド、またはフェイクからの次のシュートへの反応に於いて非常に重要。恐らくGoalieの個人練習でも、ダイブしてすぐ立ち上がる、split saveで足を出して尻餅をついて一瞬で立ち上がる、という練習を繰り返しているはず。
4Q終盤、4点差を追いかけるLI EMOでのCromwellのLong standing shotの体の使い方。ヒップの使い方、体軸のトルク(捻り)の大きさ。
最後はBayhawksが4点差を守り切り、フランチャイズ3度目の優勝を飾る。
優勝カップのSteinfeld Cupを掲げる選手たち。いつみても優勝のシーンは胸がジーンと熱くなる。初期の栄光の後5年にわたる低迷と、Baltimore-Washington-Chesapeakeと、ホームタウンとオーナーを転々と変えながら苦しんでいた歴史を考えると尚更。
MVPは珍しくDefensive playerから、CSP LSMのKyle Hartzell。先日のRusty Gate Checkの記事でもフィーチャーされていた。準決勝でのPaul Rabilを完封したのに続き、この試合ではLIの得点源Stephen Burgerにほとんど仕事をさせていない。勝利への貢献度の高さを考えると納得の選出。必ずしもHighlightで最もフィーチャーされる訳でもないDの選手が実質的に勝敗を決める程のインパクトを持ち得るという例。
さて、これにて2010年のラクロスシーズンは終了。個人的には今後College Football, NFL, College Basketball, NBAと各種スポーツで順繰りに盛り上がりつつ、再び2月以降のラクロスシーズンに備える予定。Inside Lacrosse等で面白いラクロスネタがあれば都度紹介して行く予定。現役の皆も引き続き最高の夏を過ごして下さいな!応援してるので!
Lax UnitedのHighlight
MLL 2010 Game Review vol. 04 準決勝
昨日の準決勝、双方予想外の結果に。
1試合目: Boston Cannons-Chesapeake Bayhawks
大方の予想を裏切り、13-9でBayhawksが勝利。GoalieのChris Garrityが神懸かったセーブを連発し、前半終了時で10対3のリード。結局後半もそれを守りきり手堅く勝ちきった。LSMのKyle HartzellとP.T. RicciがBostonのPaul Rabilを0点に抑える活躍。Bostonの良さを消し去った。Team USAの大黒柱を複数要したBoston。Paul Rabil, AT Ryan Boyle共に、いまいち本来のパフォーマンスを出し切れてないように見えた。こちらはTVのESPN2で放映されてたので、DVDで梅ちゃんに送ります。
Inside Lacrosseの試合の詳細。
2試合目: Denver Outlaws-Long Island Lizards
TVではカバーされず、Online放送のESPN3にて。これまたDenver有利の予想を裏切り、Long Island Lezardsが16-12で危なげなく勝ちきった。
無名大学Washington College出身でMLLに入ってからブレークしたベテランATのStephen Burgerが6得点の大活躍。Denverのリーグ最強ゴーリーの一人、Jesse Schwartzmanを攻略した。こちらも、Denver大黒柱のAT Brendan Mudorf, Drew Westervelt, MFのMax SeibaldなどTeam USA組がいまいち本来の活躍を見せられず。
詳細へのリンク
2試合を見ての感想
そんなに単純な話じゃないし、いろんなその他の要素も作用してるはずなので一概には言えないが、乱暴に言い切ってしまうと、WLC yearの今年、結局、Team USAのメンバーへの依存度が高かった1位と2位のBostonとDenverが準決勝でこけ、逆に代表入りを逃した選手が多かったChesapeakeとLIが決勝に。USAのメンバーは間違いなくWLCに向けてピーキングをしていたはずで、試合を見ても明らかに疲れており、本調子ではなかった。一方のWLC不参加組は順調にコンディションを整え、気持ち的にも戦術的にもこの準決勝に照準を合わせ、正に今週にどピークを持って来れている。何とも皮肉な結果に。
(あまり表立っては声を上げないが、現状のMLLのシーズンのど真ん中でWLCをやるというフォーマットに対しては文句を言いたい選手とファンはかなりいるはず。そもそもMLLが世界のラクロスの頂点であることは間違いなく、決勝のUS-Canadaのメンバーのほぼ全員がMLL。ラクロス全体の利益を考えたとしても今のスケジュールは明らかにタイミング的に無駄/機会損失が大きい。何でMLL終了後にやらないんだろか。)
まあ、そうは言っても、基本的には、実力のバラつきの大きいNCAA LacrosseやNBAなどとは違い、6チーム全ての実力が高いレベルで拮抗した接戦のリーグ。正直6チーム全てに優勝の可能性があり、どこが優勝しても驚きは無い、と言うのがボトムラインだが。今日の決勝はChesapeake-Long Islandという、2001年の第一回大会決勝、02、03、05と過去4回実績のある伝統のカード。10年間に渡りお互い犬猿の仲。これまでは2勝2敗。昨日の2試合を見た限り双方非常にコンディションはいい。好試合に期待。
いたる@13期
1試合目: Boston Cannons-Chesapeake Bayhawks
大方の予想を裏切り、13-9でBayhawksが勝利。GoalieのChris Garrityが神懸かったセーブを連発し、前半終了時で10対3のリード。結局後半もそれを守りきり手堅く勝ちきった。LSMのKyle HartzellとP.T. RicciがBostonのPaul Rabilを0点に抑える活躍。Bostonの良さを消し去った。Team USAの大黒柱を複数要したBoston。Paul Rabil, AT Ryan Boyle共に、いまいち本来のパフォーマンスを出し切れてないように見えた。こちらはTVのESPN2で放映されてたので、DVDで梅ちゃんに送ります。
Inside Lacrosseの試合の詳細。
2試合目: Denver Outlaws-Long Island Lizards
TVではカバーされず、Online放送のESPN3にて。これまたDenver有利の予想を裏切り、Long Island Lezardsが16-12で危なげなく勝ちきった。
無名大学Washington College出身でMLLに入ってからブレークしたベテランATのStephen Burgerが6得点の大活躍。Denverのリーグ最強ゴーリーの一人、Jesse Schwartzmanを攻略した。こちらも、Denver大黒柱のAT Brendan Mudorf, Drew Westervelt, MFのMax SeibaldなどTeam USA組がいまいち本来の活躍を見せられず。
詳細へのリンク
2試合を見ての感想
そんなに単純な話じゃないし、いろんなその他の要素も作用してるはずなので一概には言えないが、乱暴に言い切ってしまうと、WLC yearの今年、結局、Team USAのメンバーへの依存度が高かった1位と2位のBostonとDenverが準決勝でこけ、逆に代表入りを逃した選手が多かったChesapeakeとLIが決勝に。USAのメンバーは間違いなくWLCに向けてピーキングをしていたはずで、試合を見ても明らかに疲れており、本調子ではなかった。一方のWLC不参加組は順調にコンディションを整え、気持ち的にも戦術的にもこの準決勝に照準を合わせ、正に今週にどピークを持って来れている。何とも皮肉な結果に。
(あまり表立っては声を上げないが、現状のMLLのシーズンのど真ん中でWLCをやるというフォーマットに対しては文句を言いたい選手とファンはかなりいるはず。そもそもMLLが世界のラクロスの頂点であることは間違いなく、決勝のUS-Canadaのメンバーのほぼ全員がMLL。ラクロス全体の利益を考えたとしても今のスケジュールは明らかにタイミング的に無駄/機会損失が大きい。何でMLL終了後にやらないんだろか。)
まあ、そうは言っても、基本的には、実力のバラつきの大きいNCAA LacrosseやNBAなどとは違い、6チーム全ての実力が高いレベルで拮抗した接戦のリーグ。正直6チーム全てに優勝の可能性があり、どこが優勝しても驚きは無い、と言うのがボトムラインだが。今日の決勝はChesapeake-Long Islandという、2001年の第一回大会決勝、02、03、05と過去4回実績のある伝統のカード。10年間に渡りお互い犬猿の仲。これまでは2勝2敗。昨日の2試合を見た限り双方非常にコンディションはいい。好試合に期待。
いたる@13期
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