2011年1月30日日曜日

NLLドキュメンタリー

先日記事で紹介したIMGによるNLLのプロモーション契約。早速一つの成果物が出て来た。昨シーズン1年間Buffalo Banditsにプロのカメラクルーとプロダクションを貼り付けさせて作った短めのドキュメンタリーフィルム。"The X"というタイトル(由来は書いてないが、恐らくexclusive[特別編/独占記事]からかな?)。5分×4本なのでサクッと見られる。出来は秀逸。かなりカッコいい。マジ必見。

ミニシアターでやってるハードコアなドキュメンタリーフィルムを思わせる出来。ヘタなドラマ見るより百倍面白く、熱い。先日のWings-Bandits戦の記事で紹介したベテラン、生ける伝説、42歳にして未だリーグトップに君臨するスコアラー、闘う数学教師#11 John Tavaresや、RBKのCMで活躍中のボンバーヘッド#9 Mark Steenhuisもフィーチャーされている。

先日NLLコミッショナーのGeorge DanielがInside Lacrosse Podcastに背景と意図を語っていた。
  • 今後NLLをスポンサーやTV局に売って行く中で、NLLのコンテンツとしての魅力をきちんと伝えて行く必要があった
  • もちろん既存の試合中継やウェブサイトも一つのチャネル/商品だが、それだけでは伝えきれない魅力をプロのプロダクションによって切り取ってきちっと見せたかった
  • また、特に表面的に見られる試合だけではなく、そこに向けての準備、ロッカールームの様子など、裏側(behind the scene)を見せる事でこそ真の魅力を伝えられると思った
とのこと。

確かに、僕自身もこれを見て初めて、NLLの選手や監督が裏でどういう気持ちでやっているのか、どういう言葉をやり取りしているのか、どうやって試合の準備をしているのかをかいま見る事が出来た。非っっっ常に興味深い。

そして、カメラワークや画質や曲など、今まで見て来たラクロス関連のコンテンツの中でももしかしたらこれが最高かも知れないというくらい高い完成度。テレビ放映に耐え得る出来。これを見てますますNLLの持つ魅力に取り憑かれつつある。興味有る方は是非チェックしてみて下さい。NLL DVDを見る上での感情移入や学びがenhanceされること間違い無しなので。

これまで再三述べて来た通り、僕自身は、ラクロスをより一般の視聴者/消費者に売り込んで行くには、アウトドアよりもインドアの方が向いていると考えている。スピード感が全く違う。一言で言うと、「解り易い」。一方で、アメリカでの知名度ではインドアは数段落ちる。下手をすると、YoutubeでNLLを動画検索をすると真っ先に乱闘シーンが出てくる等、マイナスの部分だけが先行して伝わってしまっていた感すらある。

価値訴求の要素を「コンテンツ(中身としての面白さ)」×「デリバリー(それをどれだけ上手く伝えるか)」に因数分解すると、要は後者の問題。せっかく前者でいい物を持ってるのに、それが上手く伝えられていない/知られてない/誤解されているという宝の持ち腐れパターン。その後者の要素にIMGが介入してこうやって賢く売り込んで行けば、必ずブレークスルーに繋がる気がする。

第一話
開幕戦に備えるチーム。ボンバーヘアーのSteenhuisのお調子者っぷりがウケる。また、鬼軍曹で有名なDarris Kilgourのpep talk(檄)が凄い。また、20年の経験を持つJohn Tavaresが如何にチームの技術的/精神的支柱になっているかが伺い知れる。Dの#15 Chris Corbeilがイケメン過ぎて引く。練習前のリラックスした雰囲気と練習中の張りつめた緊張感のギャップ。「チームビルディングが肝。家族の様に絆を作って行く」という選手の言葉、厳しく叱りながらもいいプレーはきちっと褒め、笑顔とユーモアも忘れないKilgourのコーチ力の高さが印象的。

第二話
開幕戦、アウェイのRochester Knighthawks戦。怪我と戦うJohn Tavaresの姿など、裏側の「人間」が見えて非常に面白い。アメリカ/カナダのプロチームのコーチがハーフタイムのロッカーでどういうことを言っているのかなどの舞台裏が見られる。Darris Kilgourに比べればどんな鬼コーチも仏に見える...「It's good to be hated!嫌われてなんぼだろ!?アウェイ上等じゃねえか!」という熱い言葉が飛ぶ。

第三話
敗戦後のロッカーで「『だってあいつがボールくれないから』とか言ってんじゃねえぞボケぇ!?てめえはチームの為に何かやったのかよ!?おお?!コラ」と。その後の練習で、「Rochesterの奴らはお前らの顔思い浮かべて笑ってんぞ!?あいつらならカモれるって喜んでんぞ!悔しくねえのかよ!?おお!?」。高いレベルで実力が拮抗し、シーズンが長く、同じチームとも複数回試合をし、勝ち点ベースで上位半分以上がプレーオフに行くプロリーグでは、負けを経験しないことは有り得ない。こうやって負けた後にしっかりフィードバックして如何に心技体を立て直せるかが肝になってくる。「変化を見る」心のマネジが非常に解っているチームに見える。

第四話(最終回)
引き続き怪我と付き合いながら一人黙々と別メニューをこなすTavares。今すぐに復帰してチームを助けたいTavaresと、下手に無理をさせて支柱の彼を長期的に失いたくないコーチのせめぎ合い。「I don't wanna lose you.」とエースへの信頼と愛情をきちんと言葉に出して伝えるKilgourのacknowledge力の高さが感じられる。雪辱を掛けてホームで宿敵Knighthawksとの再戦に挑むチーム。

これを見てNLLにますます惹き込まれつつある。IMGのマーケティングが着実に何かを変えつつある。今後がますます楽しみになって来た。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
個人的に、この手の、裏事情や、人や組織の普段人に見せないダメな部分や試行錯誤してる部分をリアルに見せる本や番組/映画にobsessiveな程の魅力を感じて見入ってしまう。決してハッピーエンディングでも無く、無駄なカッコ付けも無い素の素材。作りものを越えたドラマや感動があるのと、感情移入し易く、学ぶ事が多いからだろう。なぜかこれを見て思い出されたのは以前渋谷の(今や絶滅危惧種の)ミニシアターで見た、車椅子ラグビーのMurderball。大笑いして泣ける。

いたる@13期

2011年1月28日金曜日

スポーツとしてのラクロスの改善余地

大分前の号になるが、Inside Lacrosseの8月号に面白い記事が載っていたので紹介。(2010年8月号のリンク、記事のリンク)

"9 ways to improve lacrosse"、スポーツとしてのラクロスをより良くし、もっと人気を出して大きくしていくためにはどうすればいいか、という特集記事。有名なコーチや選手にアンケートを取り、またILの記者達の意見も入れて作ったアイデア。必ずしもファクトベースで戦略立案のプロが作った物でもないし、どちらかと言うとビール飲みながら飲み屋で、またはロッカールームでくっちゃべる話の延長で面白おかしく書いた面もある記事だろうから、全てがシリアスで正しいとも限らないが、いくつか非常に同意出来るものがあったのと、また今後のラクロスのルールや、競技やエンターテインメントとしての進化の方向性を暗示するものがあったのでピックアップして紹介。

ちなみに、9 waysとして実際に記事で紹介されてたのは、以下。
  1. Showcase the game(もっと大規模スタジアムでの集客試合[例: Championship WeekendやFace off classic, Big city classic]をやり、全国ネットのTVで流せ)
  2. Face-offを変えろ
  3. 試合をスピードアップしろ
  4. 統計/データをもっと上手く使え(野球みたいに)
  5. Overtime(延長戦)のやり方を変えろ("Brave heart": オールコート1 on 1、タイムアウト廃止など)
  6. NLL, MLL, NCAAがもっと足並みを揃えろ(シーズンの重なりなど)
  7. Box lacrosseをもっとアメリカでもプロモートしろ
  8. メッシュを廃止してトラッド(traditional leather strings)に戻せ(???なぜ...?これネタでしょ)
  9. プレーオフを整備せよ(NCAA Championshipがあるのに、カンファレンスごとのプレーオフがあるのは無駄)
一つ一つを一歩降りて考えてみる...

まあ、1. Showcase the gameに関してはマーケティングの一プロセスとしては当然やるべきで誰も反対しないだろう。イニシアチブを取っているNCAAとInside Lacrosseは完全にこの方向にコミットしているし、現に早速今年から南部のFlorida州JacksonvilleでDukeとNotre Dameと地元Jacksonville大学をフィーチャーした"Sunshine Classic (LAX IN JAX)"を開始する。

6. MLL/NLL/NCAAの整合性と9. Playoff整備はオペレーションレベルで淡々とやるべき事で、異論は無いだろう。6に関しては既に今年からMLLのドラフトをNCAA開幕前にずらす等、いい感じで連携が取れ始めている。が、まあ、共に試合そのもに対するインパクトは恐らくマイナー。

5. Overtime変更はまあ、一つの考え方だけど今の延長戦でも特に大きな問題は感じないので、必要性が薄いだろう。4. Statsはチームレベルで自ずとやるだろうし、スポーツ全体のstats情報強化の流れの中でリーグ/メディアレベルで自然と加速されて行くだろう。8. Trad復帰はどちらかと言うとネタとしてトリッキーなのを入れてるだけに見える。実際にはこれが起こることはまあ無いでしょ。

一方で、結構So what?/implicationがあるなと感じたのが、2. Faceoff変更, 3. 試合のスピードアップと7. Box Lacrosseの普及。なので、以下、ちょこっと広げて議論。
 
(ちなみに、一瞬脱線するが...20代に戦略コンサルティングの世界でロジックを骨の髄まで叩き込まれて来た自分としては、この9項目、軸の切り方、項目を切り出す際の「定義」が混乱してて相当気持ち悪いリストだ…「誰にとっての」(トッププレーヤー、一般プレーヤー、OB、観客/視聴者、リーグやチームのオーナー、etc.)×「何の目的」(競技人口の拡大/普及、ビジネスとしての成功、プレーヤーが競技する上での楽しさ、etc.)に基づいた議論かが定まっておらず、多くの軸がぐちゃぐちゃに混在しまくってて議論の鋭さと深さを削いでいる…リンゴやバナナの善し悪しとキリンやライオンの善し悪しをごちゃまぜに並べちゃっているという...ま、んな細かいこた気にせずに飲んだくれながらあーだこーだいろいろ議論して楽しみゃいいじゃんって話なんですが…)

まずは、今後のメインストリームのフィールドラクロスのルールの方向性を暗示する、2. Fix the face-offと3. Speed the game upをもうちょい分解。

2. Fix the face off

ここ数年face offについては相当な議論がなされている。もちろん、face offこそラクロスらしさ、という意見も多い。一方で、反対意見も結構ある。

簡単に言うと、問題意識としては、今の形式のface offがラクロスを面白くなくしている面がある、というもの。端的には、
  • ①純粋なスキルの戦いだけじゃなく、フライイングや相手のスティックを指で抑えたりと、cheating(ズル/インチキ)の要素が公然と入って来てしまっている
  • ②ボールや相手のスティックを地面に押し付けたまま長時間(時には30秒ぐらい)膠着することがあり、つまらない上時間の無駄
  • ③ラクロスを知らない観客からすると何が起こっているか解りにくく(バスケのジャンプボールなどに比べても)、ラクロスへの取っ付きにくさを助長してしまっている(よくMMA/総合格闘技の黎明期にグラウンドの攻防が同様の事を言われていたが、最近はほとんど議論されなくなった。アップやスローの映像を通し、技術解説の質が上がり、オーディエンスの観戦スキーマが出来る事で「よくわからん感」が無くなったためだろう。一方でface offが同様のレベルに至るとはちょっと考えにくい。)
  • ④先日のFOGOの記事でも述べたが、そもそも得点後に相手に優先的にポゼッションを与えない事自体が不公平/不均衡を助長して面白さを減らしている
といった辺りだろうか。どれもそれなりに当たっている面もあると思う。

提案されていたソリューションは、
  • バスケのジャンプボール形式(解り易いし早い)
  • そもそもface offを無くす(サッカーのように失点チームにポゼッションを与える)
  • 数メートル離れたところからビーチフラッグのようにボールを取りに行く
  • 現行の"set"-whistleから、昔の、"down"-"set"-whistleに戻す(インチキのフライイングが減る)
などなど。

face offそのものが無くなるというのはちょっとradical過ぎるし、ラクロスの良さや伝統そのものを失うことになるので余りrealisticとは思えない(し、個人的にも賛成じゃない)が、現行のルールに何らかの変更が加えられて行くのは必然の流れなのかも知れない。

より変化に対して柔軟なNLLは早速2011年からface offのルールを変更し、ボールから8インチ(20 cm)スティックを離した状態でセットする、というルールを導入した。(更にボールが観客から見やすくなるように既存の白からオレンジに色を変更することも検討していた。最終的には今シーズンでの導入は見送られたが。)

これまでのところNLLのface offを見るに、確かにスピードアップされた様に見える。ゴリゴリの相撲バトルや膠着状態は一度も見ていない気がする。(今年のNLLのDVDを見て頂ければ解ると思うが、face offのセンターポイントの両側に、8インチの位置に白いテープでラインが引いてある。)

ゲームをより面白くするためにはどんどんルールを変えることに躊躇の無いアメリカのカルチャーを考えると、NLLでの成功を見て、フィールドでも何らかの変更が生じるタイミングはそう遠くないかも知れない。

3. Speed the game up

これも散々っぱら議論されているトピック。shot clockの無いNCAA以下の試合では、フライの時間、ちんたらボールを回す時間、要は、観客にとって何も面白くない、試合の展開にとって完全に無駄な空白の時間が多過ぎる、というもの。ボールがアライブな状況で選手交代をさせることにより試合を止める事無くスピードを維持する、という当初の狙いが、皮肉にも「フライするために試合を実質的に止める」という逆の効果を生んでしまっているという話。

これは正直非常にアグリー。MLLを見ても、NLLを見ても、shot clockがあることにより、明らかにより展開が早く、エキサイティングになっている。顧客視点で考えれば間違い無く正しい方向だと思う。去年のNotre Dameが正にnon-shot clock ruleを最大限に逆手に取った申し子だと思うが、一部の玄人受けやDF/G出身の選手受けこそすれ、若い世代の一般の顧客にウケるとは全く思えない。これは明らかにこのスポーツのルール上/構造上の欠陥だと思う。

実際にNCAAの録画DVDを見る際に、フライの時間やただのボール回しの時間を早送りして、本当にプレーが起こっている時間だけを通常再生すると、半分以下の時間で見終わり、それでいて試合の内容の9割をキャプチャー出来る事に気付く。これはユーザー視点から言うと致命的にuser-UNfriendlyで、supplier logic。忙しい視聴者、特にインターネット/マルチタスクで育ったせっかちな若い世代の顧客からすると、「だったらそこ全部ぶった切って1時間で凝縮してやってくれや」となる。

中にはもちろん年配者を中心に、「いやいや、そのボールを回す時間がまたラクロスの趣深さなのだよ」なんて言う人もいそうだが、それに付き合っていたら年寄りと一緒に滅びる相撲/プロレスの二の舞になる。(ん?この話プロ野球のスピードアップの議論で聴いたな...)

審判が自分で数えて警告する、「ストーリング」も、(特に公正で正確なルールをこのむアメリカ人からすると)相当恣意的で気持ち悪い。

ソリューションとして関係者から出ていた意見は、
  • Qごとに2度目のストーリングが出た瞬間相手ボール(そのくらい厳しくしろってことだろうが、まあ、これだとストーリングの判断が恣意的になっちゃうから多少の気持ち悪さが残ってしまう)
  • そもそもボールがアライブな状況での交代(フライ)を辞めちまえ。交代したけりゃタイムアウト取れ(ミディーの心臓がいくつあっても足りんだろうけど...)
  • 90秒shot clock導入(MLLと同じ)
  • どうやらshot clock導入はNCAAが嫌がってるみたいなので、次善の策として、少なくともフライの時はoffensive box内にボールをキープしなくちゃいけないってルールは?(VirginiaのHC Dom Starsiaのコメント。さすが、現実的)
Paul Rabilもブログでショットクロック導入に強く賛成していた。曰く「NCAAはつまらん(バッサリ)。自分もMLLに来てショットクロックがある方が俄然面白いと体感した。NCAAが導入出来ない理由が理解出来ん。バスケだって30秒ルールが導入された今、それが無かった時代のバスケなんてつまらな過ぎて寝ちゃうだろ?」と。

個人的に、全く持って同意。導入するべきだと強く思う。

NCAAがなぜ反対してるのか、何が考え得るダウンサイド/ボトルネックなのかを僕自身理解していないが(ていうか、そんなもんあるのか?)、理屈で考えるに、今のスピード/テンポと展開の早さを重視するスポーツ全体の流行、そして今後増えてくるインターネット世代の観客のニーズとして、よりスピーディーなものを求める流れは強まりこそすれ弱まることはないことを考えると、ショットクロックの導入は時代の必然、そして時間の問題という気がする。下手にショットクロック導入を拒み「伝統」を守ることで、確実に自分たちの首を締めるという構図になってしまっている。

(僕個人の超個人的なガッツフィーリングでは、いろんな議論を経ながらも、恐らく今後数年でより具体的な議論から試験的導入、3-5年の時間軸でNCAAにもショットクロックが導入され、その後数年でIFLや日本を始めとした各国のルールに反映されていくんじゃないかと読んでいる。そうなってくると、VirginiaやSyracuseのようなRun-and-gunで爆発的に点を取るチームが一気に有利になり、Notre Dameのようなスローペースのチームは死滅することになる。もちろん、本当にそうなったらNDも大きく舵を切ってRun & Gunのチームにガラッと作り替えると思うが。)

7. Box lacrosseをもっとアメリカでプロモートせよ

この点も非常に同意。僕自身も強いインドアラクロス普及擁護派。一度NLLの試合をテレビや生で見ると一目瞭然だが、正直、field lacrosseよりも遥かにスピード感があり、エキサイティング(前回の記事での紹介)。且つ、一般のお客さんにとってシンプルで解り易い。ラクロス非経験者のaudienceを虜にする力は圧倒的にIndoorの方が高い。

特にChicagoやWisconsin, Michigan, Seattleと言った、北の広大な未開拓市場があることを考えると、間違い無くラクロスにとってプラスになると思う。

シーズンをずらせば、Boston, Philly, Denverの例を見ても、フィールドとインドアはお互いに観客をフィードし合うことで相乗効果を生み、互いを盛り上げることこそあれ、cannibalizeする(共食いする)ことは無い。

また、非常にいいことを言ってるなと感じた前Denver大学HCで現ESPN解説者のJamie Munroのコメント。「Indoor lacrosseのいいところは、選手が勝手に育つ点、コーチ要らずな点。より複雑で速いコートの上での駆け引き、体の動かし方、技術を、試合を通じて自然と身につける事が出来る。才能のある選手は仮にいいコーチがいなかったとしてもインドアを通して自ずと成長し、抜きん出て、大学コーチの目に止まるだろう。この事がラクロスの競技としての入り口を大きく広げ、東海岸優位の構造を変え、NCAAの勢力図に大きな変化をもたらすだろう」。

なるほど。非っっ常に面白い。ストリートサッカーやフットサル育ちのブラジルのサッカー選手たちが最もボールハンドリングや勝負の駆け引き/maliciaに長けている話に似ている。

映画Gingaでのフットサル出身のロビーニョの話。こういうの見てるとワクワクが抑えられなくなる。

という感じ。なかなか考えさせられる記事でした。

いたる@13期

2011年1月24日月曜日

NLL 2011 Game Review vol.02 Philadelphia Wings-Buffalo Bandits

(NLLのリーグ、チーム、歴史やルール等の基本情報はこちら。)

地元Philadelphia Wingsの第二戦。Buffalo Bandits。今回はホームスタジアムのWells Fargo Centerで観戦。DVD既に梅村亭に送付済みなので、部室/家で、皆で/一人で、気楽に楽しみながら見ちゃって下さいな。


背景

1試合目でBoston Blazersに負け、特にオフェンスの連携での修正を強いられるWings。Mundorf, Westervelt, Boyle, Seibald, Sweeneyが揃う'10 US代表軍団。前回の試合では2シーズンぶりに怪我から復帰した'08 MVP Athan Iannucciはまだ本領発揮出来ていなかった。どこまで感覚を取り戻せるか。複数回優勝を成し遂げた黄金時代を選手として支えたJohn TuckerがHCに就任。苦しむチームをどこまで立て直せるかも注目される。

対するBuffalo Bandits(山賊の意味)は20年目のシーズン。NY州北部、カナダとの国境近くにあるCanadian主体のチーム。共に最古参のWingsとは長年のライバル。エースで大ベテラン、All Time Scoring Leaderの#11 John Tavaresは何と42歳、20年目のシーズン。中学の数学の先生。同じくベテラン、10シーズン目の#9 Mark Steenhuisも老獪なプレーを見せる。(これだけベテランが存在しているということからも、フィジカルはもちろんのことながら、やはりスキルや判断/ラクロスIQ、経験値といった要素が重要な競技であることが解る。)


会場で見てみての感想

僕自身、NLLの試合を会場で見るのは2008年の(今は亡き)Chicago Shamrocksの試合以来。ラクロス新興地域のChicagoと違い、Wingsは25周年の古株チームだけあって筋金入りのダイハードファンが多い。楽しみにしていた。会場はNBAの76ers、NHLのFlyersが使っているWells Fargo Center。スタジアムが大きいこともあり、客先には空席もある。が、会場は熱気に包まれており大盛り上がり。一部の超ラクロス好きなハードコアファンの集いというイメージ。シカゴはラクロス新興地域だったこともあり、Kidsの比率が高かったが、こちらは中年男性のファンが多い。若いカップルや家族連れも。

今回はWingsのベンチの真裏、シーズンチケットホルダーの熱いファンの中に混じって観戦。野次や声援が凄い。これぞアメリカのライブスポーツ観戦文化。ビールを飲みながらホットドッグを頬張り、思いっきり楽しませて頂きました。

試合の見所

Buffaloは長年プレーして来たメンバーによる効率的なBox Lacrosseのオフェンスを出来ているように見える。Righty 2枚、Lefty 2枚を配置して、ピックとスクリーンを上手く使いながらポジショニングを変えながら、フリーで高い確率のシュートを打てている。特にオフボールでのフリーの作り方が上手い。しかも、決定率が極めて高い。

Wingsは...うーん、引き続きオフェンスが機能してない...不要なturn overが多いのと、fast break等での1 on 0のシュートを外し過ぎなのと、ちょっと単発のロングシュートが多過ぎる気がする。特に後半に入っていいシュートが打てず、30秒ギリギリで無理なシュートを打たされるケースが多い。BoyleやMundorfのフィールドラクロスQB型のアプローチだと、ボールを持って見る時間が長過ぎるような気がする。30回くらい溜め息出てしまった...あとは無駄なペナルティがクビを締めた。Dが時々ちょんぼをやりながらもそこそこ手堅く守ったのと、ベテラン守護神Goalie Millerが素晴らしいセーブを連発したため大差は免れたが、勝てる感じがしない...


個別の選手/プレーの注目点

Wings 1点目、#2 Mundorf to #26 WesterveltのUMBC/Team USA/Denver Outlawsで培われたホットラインの得点。Westerveltのダイブショット。ファーサイドに思いっきり飛びながらニアに瞬間的にスルッと入れる。ATの選手は砂場や芝生やマットを使って練習して確実に身に付けたい。Westervelt 2点目もフィールドでそのまま使える技術。リバウンド後、ゴールから離れながら小さいモーションでクイックにスクリーンを使って正確なシュート。ゴールが小さく、ゴーリーが大きいNLLではこういった騙し/ずらしの技術が洗練されており、本当に参考になる。

2Q Bandits 4点目、fastbreakでの#11 Tavaresのリバウンドへの寄りと反応。20年NLLで生き残るだけのことはある。こういうgarbage goalのチャンスを確実に作って行く。

3Q残り1分のMax Seibaldによる殺人ボディチェック。相手が壁に激突して失神KO。ファウルになっちゃったが、ファウルじゃない気がする。パワーがヤバ過ぎる...軽自動車に当たられた衝撃。ぶっちゃけこの日会場で最も盛り上がったプレー。

4Q残り7分のBandits 2 on 2でのフリーの作り方と、ダイブショットのニアサイドへのダブルフェイク。
あと、一点印象的だったのが、怪我による2年間のブランクから復帰したAthan Iannucciに関するコメント。正直08年にMVPを取った時の水準からすると、本調子からは程遠い。もう少し時間が掛かるだろうとのこと。ただ、そこで言及されていた、復帰に向け「少しでも早く同じ水準に戻れるよう、リハビリ中は文字通り一日中wall ballをやり続けていた」という点。ここでも登場。トッププレーヤーがwall ballを超重視している事例。
  
結果
 
悲しいかな、Wingsはホームゲームで致命的な2連敗…しかも2試合で12点て…Brian Shanahanのweekly rankingでも最下位の10位が定位置に…切なすぐる…
 
ハイライト


いたる@13期