2016年3月19日土曜日

NCAA 2016 #02 Denver @Notre Dame

今年2試合目の観戦。これも素晴らしい試合で存分に楽しめた。YouTubeに試合がアップロードされてるので転載。

1. Background(背景)

シーズン序盤の頂上対決。Ranking 1位のNotre Dameがホームで昨年王者でRanking 2位のDenverを迎え撃つ。今年のTournamentの決勝になってもおかしくない好カード。

この2チームは昨年はTournament準決勝で相見えており、激闘の末、延長サドンデスの劇的なゴールでDenverが決勝に進み、そのままMarylandに圧勝して優勝。

両者共にこの5年で急激にトップに躍り出てきた、西の雄2校。伝統的にラクロスの盛んな東海岸北部ではなく、Denverは西部のColorado州、Notre DameはMid West (中西部)はIndiana州。この10年でラクロスの裾野が全米に広がり、有望な高校生選手が西や南からも輩出されるようになった事で、リクルーティングで地の利を生かし一気に躍進。

ラクロス新時代を代表するライバル校2チームの対決。過去5年間、毎年のように接戦を演じ、ほとんど毎回Overtimeまでもつれ込んでいる。

まあしかし、本当にスポーツや産業の競争環境ってダイナミックに変わるものなんだなと改めて思わされる。2000年前後の、VirginiaやPrincetonやJohns Hopkins等の伝統的強豪校がラクロス界を牛耳っていた当時、「2016年の1位2位って、DenverとNotre Dameだよ」と言われて、信じられる人なんていただろうか?

2. Recap(試合の見所)

あ、熱すぎる…早朝から絶叫してしまった。マンガかと。

序盤Notre DameのOFが苦しみ、一方のDenverがいつもの手堅いStick skillからの得点を積み重ねる。が、後半Notre Dameが一気に追い上げ。ハラハラドキドキの展開に。やべえ。面白い試合が多い。今年。

これだよ。これこれ!この手に汗握るエキサイティングな試合。だんだん思い出してきましたよと。NCAAラクロスの面白さ。

3. Skill(技術)

数点に限定して、技術的に印象に残っている点、学びたい点をピックアップ。
  • 前回も紹介しましたが、MVP候補、Denver #40 AT Conor Cannizzaro (Junior/3年)のシュート。Q1終了間際のキャッチからシュートまでの早さ。ボールをもらう時点で完全にシュートの体勢を作り、クレードル無しでクイックに、正確に、速いシュートを突き刺している。反復してコピーしたい技術。あと引き続き、XでのStep work、姿勢と、視野。Change of Pace, Change of Direction、ジグザグの動きでDFをズラし、安定した上半身と広い視野からクリース前に精度の高いフィードを送る。素晴らしい。現時点でのNCAAのATとしては間違いなくトップクラスだろう。ATの選手は本当に参考にしたいお手本のような選手。
  • またしても、Denver #33 OFMF Zach Miller (Junior/3年)のスティックスキル。NY州北部のNative Americanの部族出身。Iroquois Nationals。Indoor/Box Lacrosse出身。相手を背負ってのプレッシャーを受けながらの狭い空間でのプレー。正確なシュート。2試合連続でのサドンデスゴール。何だ?この勝負強さ。恐ろしすぎるわ。そして、Iroquois伝統のなびく後ろ髪の三つ編みがマジカッコイイ。

4. Strategy(チーム戦術)

こちらもポイントを絞って。
  • Denverの弱点として明らかになりつつあるのが、やはりBack courtの弱さ。特に去年から代替わりで大きくメンバーが入れ替わっているDF/Gの経験の薄さと、特にクリアの弱さがちょっと気になる。例年優勝するチームはこう言った際立った弱さが無いチームがほとんど。今後トーナメントまでに修正していかないと、スカウティングに基づいた「傾向と対策」で相手チームにゴリゴリ突いて来られるはず。ここからどう修正して行くか。
  • 引き続き、DenverのExtraman Offenseが極めて効果的。解説者のQuint Kessenich氏も指摘しているが、Denverに対しては、「ファウルしたらほぼイコール失点」。正確で速いパス回しで、DFを確実にスライドさせ、1対0を作って、正確なシュートで確実に得点している。ここまで高い成功率で得点が保証されると、トーナメントで接戦になった際に極めて強い。決して煌びやかなスーパープレーで得点する訳でもなく、ただただ基本に忠実で正確な、セオリー通りのプレー。それが一番高価的な得点源になっているという事実。EMOのメンバーは是非参考にしたい。
  • Mandownで失点してはいるが、やはり、Notre Dame伝統の超堅牢ハーフコートDFは健在。ギューッと絞りに絞って、クリース前をパックし、基本に忠実なStick upと、首振りによる視野確保、コミュニケーションで、とにかく危険な位置にボールキャリアを入れない。リスクの高いOver the head check等はせずに、細かいフットワークでビタッと着いていき、確実に流し切る&GLEで押し出し切る。DFの選手たちがお手本にするならこういうDF。

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