2010年8月3日火曜日

Team USA 2014 in Denver

Inside Lacrosseに2014年にDenverで行われる次回のWorld Lacrosse ChampionshipのTeam USAのメンバー予想が出てたので紹介。

アメリカの分析&Debate文化

もちろん基本的にはどの国でもそうだと思うが、特にアメリカで強い傾向として、どのスポーツでも、この手の予想や議論がメディアやファンの間でかなり熱く、盛大に交わされる。Debate文化、stats文化の国民性がもろに出る部分。Vegasを通じてのカレッジスポーツやプロスポーツの勝敗に関するギャンブルや、"Fantasy football"と呼ばれる、シーズンを通して自分が最も活躍すると予測する(または応援する)選手を選んで、そのパフォーマンスで友達とバトるという遊びが異様な盛り上がりを見せる。

ESPNでも、筋金入りのスポーツ馬鹿(でも賢い)のアナリストがゴリゴリに熱い議論を繰り広げる。「このチームにはこの要素とこの要素がある、絶対こっちの方が上だ」「いやまて、でもそのチームにはこういう弱点がある。逆に相手チームにはこういう好条件がある。こういうシナリオになったらわからんぞ」「いやでもXX年のあのチームを覚えてるか?ああいう例もあるからわからんぞ?」などなど。で、またそれがクソ熱くて面白い。一つのシーズンや大会や試合がある度に、何ヶ月も前からガンガン議論を重ねて盛り上がり、試合で盛り上がり、終わったらさらにそれを肴に感想を言い合ったり、分析してあーだこーだと議論して盛り上がる、という、preview-game-reviewの三度味わうスタイル。で、普通のオッサンや兄ちゃんたちはビール飲みながらそれで大盛り上がりするっていう。

(MMA[総合格闘技]では、更にここにPRIDE/Dream煽りV的な、伏線としてのtrash talkや背景/思い/ドラマがflavorとして注入されることで、ファンの感情移入を促し、更に舞台を盛り上げる)

記事のリンク

予測

以下、元JHUのAll American GoalieでMLL経験者、現ESPNの解説者、燃える頭脳派イケメン、Quint Kessenichの予測。

ATTACK
Ned Crotty (Chicago, Duke '10)
Mike Leveille (Chicago, Syracuse '08)
Brendan Mundorf (Denver, UMBC '06)
Steele Stanwick (Virginia '12)
Rob Pannell (Cornell '12)

MIDFIELD
Paul Rabil (Boston, Hopkins '08)
Max Seibald (Denver, Cornell '09)
Kevin Buchanan (Boston, Ohio State '08)
Shamel Bratton (Virginia '11)
Mike Kimmel (Chesapeake, Hopkins '10)
Peet Poillon (CHesapeake, UMBC '09)
Zach Brenneman (Notre Dame '11)
Jovan Miller - def mid (Syracuse '11)
Chris Lapierre - def mid (Virginia '12)
F/O - RG Keenan (North Carolina '14)

DEFENSE
Ryan Flanagan (North Carolina '11)
Kevin Ridgeway (Notre Dame '11)
Chad Weidmaier (Princeton '11)
Joe Cinosky (Chesapeake, Maryland '08)
DJ Driscoll (Chicago, Notre Dame '05)
Joel White - LSM (Syracuse '11)

GOALIE
Scott Rodgers (Toronto, Notre Dame '10)
John Galloway (Syracuse '11)

見て思う事

さすが長年第一線でプレーし、プロとして冷徹にラクロスを見て来た彼だけあり、極めてdown to earthで筋のいい予測をしているように見える。Crotty, Mundorf, Rabil, M Leveille, Seibaldなど、ここ数年のNCAAのMVP級のメンバーで今年のTeam USAの若手だった選手たちが4年後にベテラン大黒柱としてバチッと土台を固める。

そこに、Stanwick, Bratton, Kimmel, Scott Rodgersなど、今年来年のNCAAの柱の選手たちが加わる形。Poillon, Kevin Buchananなど、Up and comingで既にMLLを引っ張る活躍を見せているが、「長年掛けて積み上げられてきた経験、証明された実績」という意味での実績不足で今回のWLCの選考を漏れた選手も入っている。

Syracuseの新4年、Jovan MillerをDFMD、同じくチームメートのJoel WhiteをLSMとして手堅く入れているところなど、さすがによく見てらっしゃるなー!と唸ってしまう。

また面白いのが、MFのBrenneman, DFのRidgeway, GのRodgersと、今年のNotre Dameの準優勝メンバーが3人も入っている点。そしてそれがさほど違和感無く見える点。3人とも確かに個としてサイズがあり、身体能力も高く、技術も手堅い。正にTeam USA向け。それだけ今年のNDは何だかんだ言っていいチームだったとも言える。

全体的にかなり大きく若返りを図ってくるという予測。しかし、さすがに長年プロの解説者として多くの選手たちの成長と変遷を見て来た彼だけあって、かなりしっかり4年後に各選手がどうなっているかというポテンシャル織り込みで見ている(単純に今凄い選手じゃなくて)。

実際今後4年で誰がどうなって、最終的にどんなチームが選ばれるんだろうか。実際には恐らくこのうちの何人かはMLLでパッとせずに散って行ったり、全く予想もしていなかった選手が急成長して食い込んでくるなど、いろんなX factor(想定外の要素)が入ってくるはず。個人的にはATのStanwick (Virginia)やPannell (Cornell)は、確かに素晴らしい選手だが、サイズや爆発的なスピード/パワーという「素材」よりも、むしろ技術や賢さや老獪さで戦っている選手なので、果たしてtop of topの競り合いになった時に本当に残ってくるかね?という気もする。ちょっとNCAAの活躍に引っ張られてbias掛かってないか?評価インフレしてないか?と。

結局MLLで最後に抜きん出てくる/Team USAに食い込んでくるのは、(素材次第の要素の強い)前者が元々備わっていて、(trainableな)後者を限界まで磨き上げてきた連中なので。例えばNCAA時代の注目度以上にMLLに入ってから大きく花開いた今大会でのTeam USAのWesterbeltなんかが典型。Ryan Powellもスキルが際立つが、実は前者が圧倒的に凄い(あのでかさであのspeed/agilityで動けるATって実はほとんどいない)という前提がある人なので。

やっべ、なんか、考えただけでワクワクして鳥肌立って来た...ね?おもしろいでしょ?こういうの議論したり考えたりするの。特に一度NCAAやMLLのことを少し知ったり、実際に今回のWLCを見たりすると、手触り感が出て来て尚。でまたそれに乗っかってファン達が、「ちょっと待てーーーい!何でXXが入ってないんじゃい!」とか「いやーXXは無いでしょ」と熱い議論を繰り広げている。(建設的で鋭いものから、ただの野次馬コメント、批判的なものまで様々)いやー、こういうのがホントたまらんですよね...といってどんどんハマって行く訳ですな。

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後日追記

ただ名前だけ並べてもよくわからんかってことで、出身校と卒業年、MLL選手の場合は所属チームを併記してみました。僕自身もよく理解してない選手が何人かいたこともあり。しかし、こうやって見ると、10年に一度の豊作年と言われる来年の4年生(Class of 2011)が如何に選手層が厚いかが解る。来シーズンのNCAAは必見のシーズンということが改めて感じられる。また、必ずしもVirginiaやSyracuseなどの超名門校だけでもなく、UMBCやNotre DameのDF/Gなど、「上位5校ではないが毎年そこそこ強い」学校でもいい選手をポツポツと輩出してるということも見て取れる。

いたる@13期

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