2011年4月5日火曜日

NCAA 2011 Game Review vol.14 UMBC @Stony Brook

今年はこれまで放映の無かったStony Brook、待望のテレビ放映。相手はUMBC。

Stony Brookは、去年American East Conferenceを制し、プレーオフに出場、Denverを破り、Quarter FinaleではVirginia相手に1点差まで詰め寄って全米の注目を集めた。今年もプレシーズンでは8位、Bratton brothersを欠くVirginiaに一点差のゲームを演じるも、格下に負けたりして現時点で15位。(Stony Brookのシーズンプレビュー

4年生に強い個が塊で存在。MLLでも4人が指名。
  • 1位. Hamilton Nationals: Kevin Crowley, M, Stony Brook #21
  • 14位. Rochester Rattlers: Jordan McBride, A, Stony Brook #11
  • 28位. Boston Cannons: Tom Compitello, A, Stony Brook #23
  • 31位. Hamilton Nationals: Adam Rand, FO, Stony Brook #10
注目は何と言ってもCanadian 2人の大黒柱。特に#21 Kevin Crowleyは去年のWLCでTeam Canadaで活躍。John Grant Jr.の再来/MF versionとも言われる。オールラウンドに何でもこなせ、特にそのサイズとスティックスキルはNCAAの中では明らかに頭一つ抜けており、無敵状態になっている。

今回の試合でも#11 Jordan McBrideとCrowleyの二人によるCanadian Box Lacrosseショーが炸裂。見てて痛快。なるほど、インドアの名手を若いうちにフィールドにアジャストさせると、しかもそれがチームに複数人いるとこうなる訳ね、という好例。NLLの試合で見る、例の、全体の流動的な流れ/動きの中でピックを連続発生させてフリーを作る、というオフェンスがそのままフィールドに持ち込まれている。ああ、Princetonがやりたかったのはこれなのね...と。強力なCanadianが複数人入るとそれがバチッとハマる。UMBCのDFが未熟な事もあり、面白いようにバンバン点を取っている。スピード感と意外性があって、見ていて楽しく、ちょっとプロっぽい。

また、特にMcBrideのシュート力が頭抜けている。ロングシュートもclose rangeも、正にインドアの名手のそれ。特にロングシュートはコンパクトにスナップを最大限に効かせて、効率的に極めて精度の高いシュートを突き刺している。スナイパー。Goalieとの1 on 1も明らかにNCAAトップレベル。フェイクが速くて上手く、数が一つ多い。インドアの技術そのもの。

Crowleyは、とにかくでかくて機動力があって上手い。何か、持ってるスティックが小ちゃいfiddlestick/mini-stickに見えて来る...完全にオモチャみたいに扱っている。今週のQuintのPodcastで、活躍が足りないと言われていたが、今回見た限り、どちらかと言うと必要に迫られてないのでそこまでガツガツやってない、というだけかな?と感じた。実力は明らかにある。ただそれ以上に彼以外のメンツがちゃんとしてるので、彼がそこまで一人で全部やらなくていい感じになっている。また去年みたいにプレーオフで接戦になったらスーパーサイヤ人モードな彼が見られるのかも。

あと、実はFace offの#10 Adam Randがかなり強い。UNCのRG Keenanと並んで勝率ではトップクラス。65%?とかだったかな?今回は恐らく特にFOerチームの皆が見るべき試合かも。完成度という意味ではKeenanより上な気がする。Face offは素人ながら試合を見て感じたのは、
  • 反応が鬼速い
  • かき出しが超速い
  • かき出す場所が的確(近い位置にある空きスペースに丁度いい転がりで正確にかき出している)
  • 基本的にはほとんどwingを使わず、FOer同士の一対一でビートして、自分で直接拾ってしまっている
  • 技の引き出しが多い(で、全部上手い)
  • 且つ、拾ってそのままゴールに向かっている
てな感じ。

UMBCは今年は大分戦力ダウン。もともと小さな理系の大学。聴くところによると今年は4年生3人、3年生5人で、1-2年生が30人、みたいな感じ。フィールドにいる多くが下級生。まだまだこれからだなー、という感じ。相当発展途上。

一方で、以前なぜUMBCがPeet PoillonやBrendan Mundorfなど多くのMLL選手を輩出しているか、の記事で書いた通り、Don Zimmermanコーチの基本に忠実な教えは健在。常に両手でスティックを扱い、シュートもover handで力の乗ったいいシュートを打てている。選手たちも大差のゲームでも決して諦める事無く、最後まで一生懸命全力でプレーしている。清々しい。2年後あたりには結構タイトないいチームになってくる気がする。若い経験不足な選手たちに、辛抱強く基礎から、しっかり教えて行く姿が印象的だった。集められるタレントの質や数はさておき、team management/育成論として長い目で見れば、こういうのを本当にいいチームって言うんだろうな、と感じた。応援したいと素直に思わされるチームだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿