2011年4月17日日曜日

NCAA 2011 Game Review vol.19 Cornell @Harvard

感想を一言で表すとすると、アメリカのラクロスって本当にレベル高いな...だ。そして、NCAA Div 1は本当にparity(戦力均衡)の時代に入っているということ。

Harvardは現時点で20位以上のランキングに入っていない、所謂unrankedチーム。皆さんもさすがに名前は聴いた事ぐらいあるであろう、所謂学問的な名門大学。Cornellと同じIvy Leagueで、恐らく学問的なハードルと負荷ではCornell、Princetonを凌いで最も重いと思われる。

にも関わらず、非常にいいラクロス選手がいるし、非常にいいラクロスをしている。6位のCornell相手に一進一退の展開、試合終了直前に同点に追いつき、最後の最後に突き放されるまで追いつめた。

Rob Pannell対策のDF、固いCornellのDFに対する攻めや個々人の技術等、非常にいい物を持っている。

今回の試合、東大の選手の皆が見て学べるという意味では恐らくいつものSyracuse、Virginia、Duke辺りのnatural-bornエリートアスリート集団のチームに比べると多いと感じる。

サイズも一回り現実的で、身体能力も決して低くないが、DNA的に異次元、というよりも、ウェイトトレーニングで作り込んで来ているという感じ。(Syracuseでよく見るような)口あんぐりなファンタスティックなスティックスキルを見せる訳では無いが、ミスも少なく、鋭いシュートも頻発させ、非常に手堅い技術を見せている。

今シーズンのTewaaraton Trophy Winner (MVP)候補筆頭のCornell #3 Rob Pannell (Jr.)は、Harvardのベタ付きシャットアウト等の対策でいまいち目立てず、この試合では惜しくも枠から外れてしまったシュートが多かったため、数字上いつものような活躍はしていないが、一方でやはり動きとして参考になるものが多かった。

特にトレードマークのcome aroundからトップスピードを維持しながらのfade away/または垂直に上に飛び上がる形でのjump shotは感動的。全く動きを止める事無く、超クイックモーションで流れるように瞬間的にかなり正確で速いシュートを打っている。トップスピードで走りながらなので、DFが全くプッシュやチェック出来ず、一切止めようが無い。加えて、ロールしたり中に切り込んで来たりという動きをしていないので、スライドで潰そうにも潰す暇が無い。仮にウルトラ早めスライドで潰しに行ったら視野とステップワークとスティックスキルを生かして危険なフィードを投げられる。

冬のオフシーズンに雪の舞う極寒のIthacaでこのシュートの動きを何度も何度も反復して練習しまくってきたであろうことが伺い知れる。ATの選手は是非見てみて下さいな。これが使えると相当怖い選手になれるはず。ゴールから離れる方向のベクトル/運動エネルギーを、何らかの形でそのままクイッと真逆の方向のシュートに乗せている。下半身や体幹が相当強いのと、柔軟性が高く、加えて身体の使い方を徹底して磨き込んでいる事が解る。

Quintは去年彼を14年US代表候補だと言い、その時僕はぶっちゃけ「はにゃ?まあ、いい選手だけど...そこまで凄かったっけ?」と思ったが、「ワタクシが間違っておりました...申し訳ございませんでしたっ!」と平謝りに謝らざるを得ない感じになって来た。このレベルにあって進化/成長が止まらない。恐ろしい選手だ。本当に。

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