2010年6月14日月曜日

MLL 2010 Game Review vol.01 Boston Cannons-Denver Outlaws

今年のMLLのテレビ放映第二戦があったのでQuick and dirtyにいくつか見所を紹介。

練習時間に限界があるためチーム戦術はNCAAほど作りこまれてないし、クリアの時間制限の厳しさとShot clock(60秒)、そして2-point shot lineがあるためテンポが速く、シュートの選択やゲームの組み立ては大学ラクロスとは異なる。(保守的にボールを回して、崩して、崩して、少しでも高い確率のシュートを、というよりは、1つ目、2つ目、3つ目のシュートチャンスで容赦なくガンガン打って行く。特にBroken situationでは躊躇無くシュートまで行く。)一方で、個人技術などは文字通り世界最高峰。プレーを見てやる気を作るもよし、技術を見て憧れを作って教科書にするもよし、単純に肩の力抜いてミーハーにエンターテインメントとして楽しんでもよし。使い方は人それぞれってことで。

ちなみにMLLは公平なドラフト制度の徹底により6チームの力がむちゃくちゃ均衡している。1点~数点差の試合が多く、シーズン終盤まで結構プレーオフ進出チームが見えない。「接戦と戦力均衡こそが最高のExcitementとEntertainmentを生む」というNFL/ NBAの考え方に基づくと、非常によくやってると思う。今回の試合も第4Qの半ばまで勝敗の読めない非常にいい試合。良さがわかりやすいので、MLL初めて見る選手にはお勧めかも。

両チーム共に主力はほぼUS代表。BostonにはMF #99 Paul Rabil、AT #14 Ryan Boyle、そしてDには最強Stick skillの#77 Kyle Sweeney、そして#34 Ryan McClay。DenverはAT 2枚看板、#2 Brendan Mundorfと#14 Drew Westervelt、そしてMFには#42 Max Seibald。DにはEric Martin、Lee Zinkの大型Long stick 2枚、そしてGoalieでArmy出身のAdam Fullerton。World Championship前に注目選手を一度見ておきたい、という目的としては正に打って付けかも。

世界最高プレーヤー、Boston #99 MF Paul Rabilがまたしても大活躍。期待通りロングレンジで破壊力抜群のシュートを突き刺してくる。変幻自在。Swim dodgeとSplit dodgeでLSMを右に左と交わしまくり、ゴールの逆サイドにシュートを決める。加えて早めのスライドに対するフィードでサクッとアシストも。

Denver #14 AT Westerveltが引き続きロングシュートが上手い。正確な上、意図的にバウンドを使うなど、基本に忠実。

傑出したリーダーシップで知られるDenver #42 MF Max Seibald。Denverで2年目にしてキャプテンに就任。試合でもロングレンジの恐ろしく正確なシュートを決める。Cornell卒業直後の昨シーズンは、一段上のレベルのGoalieに対しシュートを決められず、シュート成功率は決して高くなかった。その後オフシーズンに一段上、プロで通用するレベルのシュートを目指して個人練習を重ねたらしく、今年は成功率が一気に跳ね上がっている。

Boston DF Kyle SweeneyのOffence参加っぷりがまたしても凄い。シュートも上手い上Short stickのAT並みの視野とフィードを見せる。

Denver #2 Mundorfが切れ味のあるダッジから目の覚めるシュートを何度も決める。

ちなみに今週から両チームのルーキーたちのデビュー戦。Duke優勝の立役者、AT 2枚看板の片割れ、地元Boston出身の#8 Max QuinzaniはBostonでスタメンで登場し、早速存在感を示す。3得点、1アシストの大活躍。しょっぱなからかなりハマッている。今後Bostonを率いる大エースに育つ予感。ATが弱点と言われていたCannonsはQuinzaniを補強したことで一気に安定感が増した。出だしにちょっと躓いたが、これで勢いに乗れれば優勝争いに絡んで来そう。

ちなみに、Max Quinzaniは先日のNCAA準決勝/決勝のインタビューでNYのモルスタ[Morgan Stanley]勤務だと言っていた。Duke時代もむちゃくちゃ勉強してた優等生らしい。ただ、IBD[投資銀行部門]か?もしそうだとしたら「奴隷」とも揶揄されるクソ忙しいAnalyst生活の中、練習やトレーニングの時間を割きコンディションの維持は出来るんだろうか…夏休みで就業前の今シーズンはいいとして、来年以降大丈夫なのか?その辺のラクロス以外の生活とのバランスが大きなポイントになりそうな気が。

一方のDenverはVirginia #27の走れるAggressive long stickのKen ClausenがLSMで参戦。GBやチェックで時折いいプレーを見せるが、まだMLLのスピードにアジャスト出来ていないように見える。Paul Rabilの爆発力に一瞬戸惑ってるか?もともと身体能力は高いのでシーズン後半から来年に掛けて主力に定着するんじゃないだろうか。ただ、NCAAでは大きく見えた彼が、MLLのコートではフツーに見える…やはりMLLは一回り上の次元。

第4Q頭のBoston #14 AT Ryan BoyleのDive shootが美しすぎ。ちなみにBoyleは02年、06年に続き三度目のWorld Lacrosse Championship。名実共にCaptain America。

試合Highlight@Lax United。

いたる@13期

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