2011年8月30日火曜日

MLL 2011 vol.22 Semi Final Boston Cannons - Chesapeake Bayhawks (8/27)

素晴らしい準決勝だった。11年目を迎え、6チームに絞り込まれた選手たち、そして過去に例のない程の質と量を伴ったルーキー達を加えた、史上最もレベルが高いと言われる今シーズンのMLL。そのシーズンの準決勝として相応しい、素晴らしいエンターテイメントを見せてくれた。

何十年か振りにハリケーンがNYを直撃、という大型ハリケーンIrene。丁度MLLのPlay off semi final & finalのタイミングにヒットしてしまった。試合が行われるMaryland州Annapolisは思いっきりハリケーンの進路上。週の後半に掛けて、リーグとファン、そしてチームは気象予報に釘付け。

Annapolisの市街地は封鎖宣言。そんな中リーグは強気の決行。インターネット上でファンは「正気か!?責任取れんのか!?」と叫ぶ。本当に試合なんて出来るのか?と思われた中での開戦。

幸い第一試合は、ハリケーン直撃の少し前のタイミングだったため、どしゃぶり「程度で済んだ」。観客席はがら空き。それでも選手たちは全く気にする気配を見せず、全身全霊をぶつける素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。

試合は出だしにBayhawksが連続3得点。一方、優勝候補と目され、レギュラーシーズンを一位通過のCannonsは、プレッシャーからか、明らかに動きが固い。MVP #99 MF Paul Rabil (JHU 08)もいまいち本領発揮出来ていない。

そのまま暫くBayhawksリードで試合が進む。シーズン後半に失速し、ギリギリでplay offに出場。最終戦はボロボロだったチームには見えない。全員が明らかに数段高い集中力でミッションを成し遂げるモードになっている。MF軍団も明らかに切れが増し、シュートも正確に。

が、後半になって調子を取り戻したBostonが、いつも通りの力強さを発揮し、最後に同点、そしてover timeにきっちり決めて逆転勝利。感動的なドラマを見せてくれた。

印象的だったのは、
  • BayhawksのPaul Rabil対策。鬼シャット。ボール入れさせない。
  • Boston #37 LSM Brian Farrell (Maryland 11)の活躍っぷり。オフェンス時の落ち着き、視野、状況判断、スティックスキルがマジでshorty以上。しかもルーキーでここまで出来てると言う点。サイズも申し分無し。本当に凄い学年だ。
  • Boston #14 AT Ryan Boyle (Princeton 04)が、ベテランの風格で最後に締めた。
MLL Highlight

2011年8月28日日曜日

NCAA 2012 Freshmen Ranking

前回に引き続き、9月に入学予定の新入生ランキング、個人編。(ILの記事

去年のNorth CarolinaのAT Nicky GalassoやFOGO RG Keenanが1年生でチームの柱になり、All Americanにも選ばれている事からも解るように、日本のラクロスや、(フィジカルの差がどうしても大きく出てしまう)NCAA Footballとの大きな違いは、高校生までにある程度フィジカル面/技術面/メンタル面/ラクロスIQ面で完成/成熟している一部の選手は、1年生の頃から大きなインパクトを与え得るという点。

恐らく来年2月のシーズン開幕時にはこの中の何人かはフィールドに立ち、シーズンが終わる頃には更に多くの選手たちが足跡を残し始め、この中の一人か二人はシンデレラボーイになってくる可能性がある。

以下、Best 10。

見てパッと思うのは、既に過去に活躍している選手たちの弟、息子がゴロゴロいると言う事。

1. Lyle Thompson, Midfield, LaFayette (N.Y.), Albany
  • Syracuse 11で現Hamilton NationalsのJeremyの弟。Iroquois(ラクロスを継承するNative Americanの末裔)の期待の星。ムチャクチャ似ている。この兄弟のレベルが突き抜けている事は既に証明済み。(昨年末に紹介したILでのThompson兄弟に関する記事
  • 去年のもう一人の兄Milesと同様、敢えてSyracuseを蹴って、Albanyに行くという意思決定をした。NCAA Div 1では中堅。その判断が今後どう作用してくるのか。個人的にはJeremyの様に真の一線で厳しい環境に身を置くのが一番だと思っていた。が、彼らなりに、敢えて中堅校に行って一波乱起こしてやろうという意図があるらしい。どうなるのか。



2. Jimmy Bitter, Attack, Deerfield (Mass.), North Carolina
  • こちらはUNC 11で現Denver OutlawsのAT Billy Bitterの弟。
  • 兄と同じ、そしてCornell AT Rob Pannellと同じく、名門Prep SchoolのDeerfield Academyで一浪しての大学デビュー。
  • 一回りサイズが小さく、180無いくらい?
  • 兄同様天性のバネ、ダッジ力/スピードがあるのは間違い無い。Under Armour All Americaを見た感じ、ミドルシュート力は明らかに兄よりも高い。
  • インタビューを聴いた感じ、兄よりも賢くて強い意志を感じる。(印象だけど。)
  • UNCで今後3年間Nicky Galassoと黄金コンビを築くことに。



3. Conor Doyle, Attack, Gilman (Md.), Notre Dame

4. Wells Stanwick, Attack, Boys' Latin (Md.), Johns Hopkins
  • でもって彼は昨シーズンMVP (Tewaaraton Trophy Winner)でVirginiaを優勝み導いたAT #7 Steele Stanwickの弟。ちなみに妹もトップクラスの選手。Baltimoreの有名なラクロス一家。



5. Carl Walrath, Attack/Midfield, Haverford School (Pa.), Virginia


6. David Solomon, Attack, Salisbury School (Conn.), Maryland


7. Joey Sankey, Attack, Penn Charter (Pa.), North Carolina
  • UNCがもう一人top 10 ATを抑えている。恐るべし。UNCのリクルーティング力。



8. Stephen Jahelka, Defense, Garden City (N.Y.), Harvard


9. Ryan Kilpatrick, Defense/LSM, Salesianum (Del.), North Carolina
  • UNCがtop 10選手を3人確保...2年後、3年後に確実に強力なチームになってくるはず。



10. Ryan Tucker, Midfield, Gilman (Md.), Virginia
  • んでもって彼はこれまたHopkins & US代表のlegendary playerで、元NLL Philadelphia Wings Head CoachのJohn Tucker氏の息子。

2011年8月26日金曜日

NCAA 2012 Top Recruiting Classes

ILの今月号は毎年恒例の、9月に入学して来る新一年生の戦力分析。

IL Onlineの方にも記事が載っていたので紹介。今回は学校別のランキング。(記事のリンク

ざっと見ると...

1. Maryland
  • 今年入って来るのはまだ10年に解任されたHead Coach Dave Cottleがリクルーティングした年のはず。
  • 昨年Harvardからの移籍で就任したHead Coach John Tillman。Harvard時代からリクルーティング力に定評があったが、入っていきなり準優勝、そして次の年には最強リクルーティング学年が入学...相対的にHCとしては若い上、既にMarylandとは長期契約を結んでおり、長期的には盤石。
2. North Carolina
  • 去年1位だったNorth Carolina。数年前に就任したHC Joe Breschi & AC Pat Myersのコンビによる強力リクルーティング力が奏功し始めている。恐らく人間力をフルに発揮して、個々の選手の自主性や個性を尊重するアプローチが今どきのKidsに刺さっていると思われる。
  • 僕自身地元Chapel Hillに住んでみてよーく解って来たが、街、学校、天候と言った環境要因がラクロス名門校の中では群を抜いて魅力的。学校としても学問的にも十分。特にラクロスとフィットの高いundergrad(学士)のbusiness schoolは全米最強クラス。今年2位のJimmy Bitter(去年卒業した#4 AT現Denver OutlawsのBilly Bitterの弟)含め多くの選手が「キャンパスを訪れて、一発で恋に落ち、入学を即決した」と言うのも頷ける。
3. Harvard
  • やはり学校そのももの強さ。学問/キャリア的にも最強クラス。ちなみにこのクラスはMarylandに行ってしまったJohn Tillmanによるリクルーティングのはずなので、選手の中には「はしご外された」感のある選手も多いだろう。
  • やはり注目したいのは、2000年代前半等との比較で、Princetonと完全に順位が入れ替わってしまった点。PrincetonはBill TierneyがDenverに移籍して依頼、没落の一途。
4. Virginia
5. Johns Hopkins
6. Syracuse
  • おりょ?ちょっと低いな。どうした?でもまあ、傾向としてSyracuseはCanadianやUpstate NYなど、インドア中心だったり、アウトドアのスッポトライとを浴びていない選手も入っているので、ちょっと評価が不当に低い可能性も。あと、どうせ後から何人かTransfer(転校)で入って来て補充されるし。
7. Duke
  • お。意外と低い。去年強かったけど。
8. Notre Dame
  • NDはもう完全にラクロス名門化してきている。場所が切ない(中西部で寒い)が、学校はいい。特にこちらもundergrad(学士)のbusiness schoolは全米最高クラス。
9. Cornell
10. UMass
11. Penn
12. Princeton
13. Navy
14. Army
15. Towson
16. Hofstra
17. Villanova
18. Albany
19. Georgetown
20. Denver
  • Bill Tierney就任前の最後のリクルーティング年。来年以降一気にトップクラスに躍り出て来るはず。
しかしリクルーティングは本当にコーチとしての極めて需要な資質の一つになりつつある。入ってどう育てるかも大事だが、入り口の時点で最高レベルの素材を取らないと、そもそも土俵に乗れない/バッターボックスに立てない。

どういう要素が大事になって来るか一瞬想像。

コントローラブルな変数として:
  • そもそものチームの強さ/ブランド
  • コーチ自身の実力/人間力
  • チームの設備(コート、トレーニング施設、ビデオルーム、寮、等)
  • 選手選びのクライテリア(選択基準)。身体能力、技術、メンタル、チームワークや規律、その他をどう組み合わせるか。
  • 情報収集力
  • 分析力/目利きの力(本人や関係者と話して、ビデオゴリゴリ見てどこまで深い部分を読み切るか)
  • 高校ラクロス関係者とのパイプ/ネットワーク
  • チームのカルチャーや方針
  • チーム内でのポジションの空き具合/競合の激しさ(これはチームの強さとトレードオフ)
  • 誠意/コミットメント。実際に家に行って、時間使って、家族と話して、学校に連れて来てもてなして。
  • 奨学金のパッケージの魅力度
  • それら全部をひっくるめて、全体を効率的且つ戦略的にプロセスとして組織的に上手く回すコーディネーション力。多分UNCのJoe BreschiやMarylandのJohn Tillman辺りの若手コーチ達はこの辺が上手いはず。「漫画家とは如何に組織的/システマティックにアシスタントチームをプロジェクトとして回せるかである」的な江川達也氏のコメントを思い出す。
  • (ちなみに、特にプロになると億単位で金が動くfootballやbasketballでは、更にここにプロのエージェントを通じての裏金のやり取りが絡んで来ており、scandal/問題になっている...ラクロスでそれが起こってるとは考えにくいが。)
アンコントローラブルな要素:
  • 学校そのもののブランド/魅力度
  • 立地
  • 気候

2011年8月24日水曜日

Virginiaの新3年生AT Connor EnglishがTransfer

今日のILの記事でまたNCAAの大物選手のトランスファー(他校への転校)が。(リンク

Virginiaの新3年生AT #7 Connor English。Virginiaに移籍したい旨既に伝えており、許可が下りたとの事。移籍先はまだ決まっていない。

一昨年の入学時点では全米7位の評価。実は2010年シーズンは#6 Steele Stanwick、#11 Chris Bockletとのトリオでそこそこ活躍しており、一年生なのに結構すごいな、と思っていた。

ダッジ力もシュート力も高く、間違いなく実力のあるAT。若干サイズは落ちるが、十分にNCAAの強豪で活躍できる選手。

が、今年になってMFからのATへコンバートされた選手や1年生の新しいATの選手たちの台頭により、出場機会が減り、あまり画面で見かけなくなってしまった。

印象的だったのは、決勝のMaryland戦で試合終了間際で出てきて、ボールキープ要員になり、それまでベンチで休めていたスタミナを生かしてただひたすらボールを持って走り回るという役回りを請け負っていた。

Virginiaでエースとして活躍することを夢見て入学したエリート選手。恐らくプライドも高かっただろうし、それなりの犠牲や努力を払ってでもスポットライトを浴びることを目指していたはず。シーズン後半からプレーオフに掛けてベンチで燻っていたんじゃないだろうか。優勝にがっつり貢献したかったはずで、最後にボールキープして、監督に「良くやった」と言われても「本当は点を取って貢献したかった」と複雑な気持ちだったんじゃないだろうか。

現時点で上記の新4年生2枚が磐石で、下級生ATが試合に出てしまっている以上、彼の居場所が非常に薄くなってしまった。ATとして優秀だが、必ずしもOFMFとしてバキバキに抜いて点を取れるというタイプでも無いため、チームとして多少宝の持ち腐れ感が出始めていた気もする。

このままVirginiaで脇役のまま大事な3年生のシーズン(特にMLLドラフトが4年のシーズン前に行われることになった今の仕組みでは、選手個人の選手生命としては正にMake-or-break)を過ごすのか、確実に必要としてくれるチームで大黒柱のスターターとして活躍しまくるか。戦略的な判断を強いられたことと想像する。

既にNorth Carolinaは二人の強力ATが移籍を決めており厳しい。あるとしたらエースATが抜けたSyracuse, Duke, Maryland辺り?HopkinsもKyle Whartonが抜けたから一枚席が空いてるか。コメント欄では彼の地元、Long IslandのHofstraを推す声も。

この手の移籍話、去年もフィーチャーしたが、NCAAならではの見所でもある。
と、ここまで書いて気づいたのは、全部ATじゃねえか!!!

一歩理由を考えてみる。
  • 座席数の多いMF等と違い、がっつり出られるか、ほとんど全く出られないか、のゼロサム/デジタルな結果になりがち。3枚たまたまいい選手がいたらほぼ出られなくなる/怪我待ちになる。
  • 特に、これだけ競技として成熟して来て、高校生としてある程度完成した選手が登場し始めると、全米トップクラスのATの新入生が入った時点で確実にスタメンを奪われる、という事が結構な頻度で起こり得る。
  • また、同じATでありながら、主にウィングから攻めるdodger、XでOFを組み立てる司令塔、クリースで狡猾に得点を狙うカット専門家など、実はその中でも細かく役割分担が別れてくるため、更に席が空いている/埋まっているの要素が強く出る。
  • また、ポジションの特性上、「何が何でも試合に出たい、スポットライトを浴びたい」という、(いい意味で)エゴイスティックで我の強い、自分の可能性に自信があり、プライドの高い選手が多い(いいことじゃないですか。ストライカーはそうあるべきとも思うし)
  • 同様の理由で、「何が何でも勝ちたい、優勝したい、強いチームでラクロスをしたい。しょぼいチームでプレーするのは嫌だ」、と強く考える選手が多い。従って、3-4年生でチームが明らかに優勝に絡めない事が見えた場合、移籍を考えるケースがより多い。EmalaやMcBrideのケースはそのケースじゃないだろうか。GeorgetownもPrincetonも沈み行く船感満載で、最後のシーズンで夢だったNCAA制覇を成し遂げないと人生を後悔する、少なくともその可能性を感じられる環境じゃないと、もう自分をこれ以上騙して頑張れない/心から燃えられない、みたいな気持ちになっちゃうのも想像が付く。
  • 他のポジションと比べて相対的に、チーム戦術/スタイルと、自分のやりたい事/得意技の相性という要素が出易い。AT中心で攻めるのか、ATにどういう役割を求めるのか、ATがどういう形で点を取るのか、等の考え方にチーム間で結構大きなバラつきがある。従って、あるチームでは活躍できないが、別のチームではエースとして大爆発、という事が他のポジションに比べて相対的に起こり易い
  • 他ポジションと比べ、専門性が高く、技術依存度が高いため、代替/育成が容易ではなく、一時的にATが不足しているチームからすると、喉から手が出るほど欲しいという、受け手側の事情も。特にこれだけcompetitiveなNCAA上位校の中にあっては、且つ、OFMFも含めて実質AT 5枚使いなんて事も日常化しつつある今となっては、3枚目のATが弱いということが結構大きな穴になってくる。特に数年間エースを張って来た4年生がゴソッと抜けた場合、トランスファーにより手っ取り早くその穴を生められるのはHead Coachとしては非常に助かる。
みたいな話でしょか。Goalieでも考えられなくもない気もする。

フェアで透明なルールの下、柔軟に選手やチームにとって一番最適な仕組みをどんどん取り入れていこうという姿勢が明確なNCAA。ファンや関係者、選手たちの間でもトランスファーに対する免疫/慣れが生まれつつある。特にFootball(アメフト)等を見る限り、才能ある選手が活躍の場を求めて移籍することで皆がハッピーになる、逆に移籍しないと才能が無駄遣いされてFootball全体にとって損だ、みたいな考え方も感じなくもない。Footballはもはや完全にセミプロ化してきており、選手やマスコミが、大学フットボール選手たちに奨学金だけじゃなく、給料も支払うべきか、という議論が公然となされ始めている。

多分今後この傾向は加速することこそあれ、戻る事は無い。今後どういう動きが出てくるか非常に楽しみでもある。

2011年8月22日月曜日

IL MLL Podcast

FloridaのOrlandoにある技術開発のパートナーのスタートアップ企業への出張の帰り、金曜の夕方で直行のフライトが取れず、Philadelphia経由にしたところ、悪天候でフライトが遅れ、North Carolinaへのフライトは4時間待たされた挙句深夜にキャンセル。

空港付近のホテルがすべて満室のため空港で毛布一枚羽織って一泊し、土曜のフライトの空席待ち。だけど多分ほとんど空きが無いので恐らく夕方までPhiladelphia空港で時間を潰さざるを得ない雰囲気。。。アメリカで出張すると何回かに一度この手の末期的に泣きそうな状況に陥る。何十もの空港と十数社のエアラインが複雑に蜘蛛の巣のように路線を作っており、どこかが悪天候で遅れると、全体が破綻する...

Santa Barbara時代もそうだったが、Raleigh/Durham空港など、小さい空港で乗り継ぎを咬まさざるをえないケースだと、結構な確率でこうなる。

さすがに何度かこういう目にあうと、暫く涙目だが、「ま、そういうもんなのね」と開き直らざるを得なくなる。揺らがず、コントロールできない事にイライラしても仕方ないので、flowを維持の方向で…

にしても、日本にいたころ東京名古屋間の新幹線移動、東京と福岡の飛行機移動くらいで面倒くさがったり、作業の時間が失われるとイライラしていた自分が笑えて来る。んなもん可愛いもんだったんだなと。

また、アメリカのビジネススクールの卒業後の進路として、日本ほど戦略コンサルティングが必ずしも祭り上げられてない理由の一つにこのファクターがある。クライアントのほとんどが東京にいるため毎日帰宅出来る日本と違い、アメリカではクライアントに常駐して働くスタイルで、且つクライアントが全米に点在しているため、基本weekdayは出張続きの生活。出張自体は別に何とかなるけど、この手のフライトの乱れ、週末への食い込み、ちゃんとした所で寝られない/飯食えない、ってのが恐らくボディーブローのようにストレスとてのしかかって来る。こと家族との時間、ワークライフバランスを大事にするアメリカでは悲壮感が倍増してしまう。

まー、これはアメリカで経験を積む上での租税負担として、むしろプロセスの一部として受け入れつつ楽しむしかねえなと...思った次第。

と、愚痴はさて置き、時間つぶしに聞いていたIL podcastでいくつか面白い話題があったので紹介。

リンク

MLL Rookie of the yearを獲得したHamilton Nationals #2 AT Ryan Boltus (Army 11) 
  • 子供のころから地元SyracuseでPowell brothersを見て育ち、将来は絶対にNCAAでSyracuseでプレーしたいと思っていた。が、夢かなわず高校卒業時にはSyracuseを始めトップクラスの強豪校からは声を掛けてもらえなかった。
  • 悔しい思いを胸に、声を掛けてくれたArmyでプレー。絶対に見返してやる、自分が最高の選手だってことを思い知らせてやりたい、という気持ち(chip on the shoulder: 雑草魂/下克上魂)でプレーし、Armyでも傑出した選手になる。(10年の一回戦でのSyracuseに対する劇的勝利は記憶に新しい)
  • その後もMLLで下位指名ながらも努力し続け、実力を遺憾なく発揮し、Natsの主力に成長。超強力なRookieがひしめくClass of 2011の中に在りながら堂々のRookie of the year獲得。ドラマだ。
  • ちなみに、本人の元々の実力が高いことも大前提だが、Armyがプレーオフに進出出来ず、MLLのシーズン開始からチーム練習に加われた事も実は大きな要因の一つな気がする。CuseやMarylandの面々が結構最後まで全力で戦い、ぼろぼろに疲弊しており、本調子になるまで多少時間が掛かる上、チームに合流する頃には既にMLLが数試合始まってしまっている、という難しさもあり。


今年のDF Player of the yearを取ると言われているHamilton Nationals #17 LSM Brodie Merrill
  • 伝説をさらに確固たるものにしつつある。相手のエースMFを封じるDF、群を抜いたGB数。トランジッション誘発率、攻撃参加の強力さ。
  • 何と言うか、存在感が凄すぎる。MVPを取ってもさほど違和感が無い。(DF選手が取ることはほとんど無いので可能性は低いが)
  • また、そのすぐ後ろに迫ってくる勢いを感じさせるのがRookie, Rochester #11 LSMのJoel White (Syracuse 11)。Brodie Merrill 2世(or American Version)になりそう。
 来週のMLL Playoff、本命はBoston Cannons
  • 優勝争いは、やはり現時点ではBoston Cannonsとの見方が圧倒的に強い。単純な戦力、特にPaul Rabilの初優勝に掛ける強い思い。Goalie Jordan Burkが突如として今シーズンベストゴーリーに上り詰め、鉄壁の守りを見せている。
  • が、どうしても引っかかるのが、去年間でのジンクス。ここ数年、特にPaul Rabilが入って以来、Cannonsはレギュラーシーズンは爆発的な強さを見せ、プレーオフでコロッとやられるというパターンが続いてきた。同じ失敗が繰り返されるのか、今年こそ長年の忘れ物である完全制覇を成し遂げるのか。
  • Nationalsは可能性を感じさせる怖い存在になってきているが、やはりBostonほどの隙の無さはない。
  • Denverもいいチームだし、特にAT 2枚は強力だが、DFを怪我で欠いており不安定。

2011年8月20日土曜日

MLL 2012 Mock Draft

MLLもいよいよ再来週に準決勝決勝で、2月のNCAA開幕以来約半年間続いた今年のラクロスシーズンももうすぐ終わりを告げる。

ILにESPNの解説者で元HopkinsのAll American Goalie Quint Kessenich氏(あのシュッとしたビジュアルの声の高い人)が、ちと早いが、来年一月のNCAA開幕前に行われるMLLドラフトの予想を書いていた。

記事のリンク

個人的にも非常に興味があったこともあり紹介。

特に今年卒業した4年生、現在のMLLのルーキー達は明らかなタレント密集学年。その次の代ということで、多少影に隠れていた面も否めない。6巡目指名まで活躍する選手がいる今年と違い、明らかに層は薄い。

が、何人かキラリと光る人材がいるのは確か。

そして、今年の例年との大きな違いは、新規参入する2チーム、Charlotte HoundsとColumbus Machineが優先的にドラフト指名権を持っているという点。一番いい2選手がそれらのチームに行くというのは大きい。

The 2012 MLL Draft will take place on Jan. 13 in Philadelphia.

1. Rob Pannell, Cornell attack - The Big Red's field general becomes the foundation of the Columbus Machine franchise...or the native Long Islander gets dealt to the Lizards in a blockbuster trade. Pannell projects to be a perennial All-Star as a pro.
  • 去年はやれサイズが足りんなどと申し上げてしまったが、今シーズンが終わって、平謝りに謝りたい。この人は間違いなくMLLの歴史に残るATになる。
2. Steele Stanwick, Virginia attack - The Tewaraton winning quarterback will become the offensive leader in Charlotte...or the native Baltimorean gets dealt to Chesapeake in a mammoth deal for multiple players. The Cavalier projects to be a perennial All-Star.
  • ただ、こちらはまだ僕も完全に納得してない。
  • NCAAでは間違いなく2番目の選手。すばらしい大学ラクロスの選手。が、MLLで本当に行けるか?身体能力が一歩落ちる。もちろんバランスが取れてる。思ったよりは抜ける。そして下半身が安定してるので、意外とシュートまで行く。そして何と言ってもラクロス頭が最高。
  • が、MLLで通用するかね?今ATでMLLで出てる選手でStanwickより小さくて身体能力低い選手いないでしょ?あ、NatsのKeoghとJamiesonか。でもあの二人はニッチセグメントだからな…
  • でも、新チームの核としてチームを作っていくとすると話は別。キャプテンシーを発揮してQBとして活躍するはず。
3. Mike Manley, Duke defense - Manley redshirted the 2011 season after ACL surgery. ACC defenders fair well in MLL...if you can cover the ACC's best, you can play in the pro league. Manley should be a starter from day one.

4. Tyler Fiorito, Princeton goalie - The lefty will be an attractive pick for either of the expansion teams in Round 2, if he is still on the board. Fiorito put up excellent stats in 2011 behind a team that was held together with duct tape. I believe that he is one of the top eight goalies on the planet right now.
  • この人はうまい。大成するでしょ。
5. Mark Matthews, Denver attack - The lefty winger's stock soared with national attention and Final Four appearance. The Canadian is a no-brainer target for the expansion franchises. The question is who else needs a lefty attackman?
  • この人がねー。あなどれんですよね。ゲロうまだからな…Canadian。
6. Chad Weidmaier, Princeton defense - Weidmaier may be the top cover defender in the nation. This Tiger should be an immediate starter in the MLL and has the proper combination of speed/power in his holds and a nastiness that's necessary to be successful against the big boys.
  • もうちょっとこの辺から格落ちしてくる感じが否めない。去年に比べると。WeidmaierはすばらしいDFだが、インパクト感が一歩落ちるんだよなー。
7. CJ Costabile, Duke LSM - This LSM offers versatility with his ability to faceoff, push the tempo in transition and garner loose balls. He will have to work on his one-on-one defense to matchup with the games elite midfield dodgers like Paul Rabil, Ben Hunt, Max Seibald and Stephen Peyser.

8. Justin Turri, Duke midfield - The prototypical ACC midfielder can dodge a shorty and score left handed. A mid-season ankle injury had him playing less than 100% in the playoffs, and he lacked the ability to explode and separate. Turri has an excellent mid-range shot off of step-down looks. Turri will step into a MLL team's five-or-six-man midfield rotation immediately.
  • うん。Turriはタイトないい選手。MLLでもそこそこ活躍する気がする。同じくDukeの先輩Rossが今Bostonでブレークってるように。
9. Roy Lang, Cornell midfield - The lanky lefty's offensive production skyrocketed in 2011. The California product is lethal when running in transition from defense to offense, but he tends to force the action a bit too much sometimes and must cut down his turnovers. Lang is an attractive draft pick because he is an accomplished defender.
  • Langが楽しみだなー。凄い勢いで成長してるCalifornia kid。なんかどうなるかわからんぶっ飛び感というか、ちょっとChapman - DenverのConor Martin感がある。
10. Colin Briggs, Virginia Midfield - His 2011 production was superb, but he rarely drew the pole. Briggs has to work on his left hand. The UVA speedster is sudden, can penetrate against shorties and is poised for an All-American senior season.
11. Jimmy Dunster, North Carolina midfield
12. Tim Henderson, Army LSM
13. Chris Boland, Johns Hopkins attack
  • そんなMLLで上位指名されるほど凄いっすかね?彼。やはり去年に比べると一段落ちるなー。
14. Kevin Drew, Syracuse defensive midfielder
  • 19番の体力無尽蔵の彼。彼とかもDFMFだからそこまで目立ってないけど、明らかにサイズと身体能力はMLLクラス。バスケ出身のDFフットワークと足腰。定着するだろうなー。
15. Kevin Cunningham, Villanova attack
16. Chris Bocklet, Virginia attack
  • 意外とクリース専門のエキスパートとして居場所見つけちゃったりして、しかももしいいフィーダー(Ned Crottyとか)と組めちゃった場合、結構バシバシ点取っちゃったりして。ありえる。
17. Joe Cummings, Maryland midfield/attack
18. Matthew Mackrides, Penn State attack
19. Carter Bender, Hartford attack
20. Mark Manos, Drexel goalie
  • 去年のKaralunas状態というか、凄いらしいって話はちょくちょく見るが、いかんせんDrexelなんぞにいるので、とんと見かけない。Sasquatch(雪男/未確認生物)状態。

2011年8月18日木曜日

MLL 2011 vol.21 Hamilton Nationals @Long Island Lizards (8/13 @ESPN3)

レギュラーシーズン最終週。第12週。

既にBoston, Denver, Chesapeakeが4つのプレーオフ進出枠の3つを獲得。最後の椅子を巡っての直接対決。Nationalsが勝てば進出、Long Islandは、6点差以上で勝ち、更にChesapeakeが勝つ必要があり。

結果は、14-8、逆に6点差でNationalsが勝利。

これで残念ながらLIはシーズン終了。

Playoff準決勝は、Boston (1位)-Chesapeake (4位)、Hamilton (3位)-Denver (2位)の組み合わせ。

Hamilton
  • いや、ぶっちゃけシーズン終了時点で今最も勢いがあるチームになってしまった。ルーキー+2年目の若手軍団が引き続き縦横無尽に活躍。特に#27 MF David Earl (Notre Dame 11)の活躍ぶりには目を見張る物がある。守って、拾って、走って、更にトランジッション、セットオフェンスでの抜く力とシュート力が極めて高い。解説のPaul Carcaterraが遂に、「2014年のUS代表チームに入って来ても驚かない」とまで発言した。
  • Canadian & Norther American Lacrosseが炸裂。ボールがぐるんぐるんに廻りまくって、ファンタスティック。
  • 相変わらず#1 Joe Walters (Maryland 06)がOFMFとしてむちゃくちゃ怖い存在。ダッジの爆発力等ではLIのStephen Bergerには劣るが、抜く上手さ、シュートのタイミングの上手さ、シュートの技術自体の異様な高さから、確実に複数得点を重ねて来る。
  • 更に、#7 OFMF Casey Powellが加わって、相手DFにとっては何とも頭が痛い状況になっている。WaltersとPowellという、実質最強クラスのATが2枚同時にMFで出て来るので、どちらかを必ずShortyで止めなくてはいけなくなる。必ずどこかでフリーが生まれるという。
  • そして、何と言っても、凄いのは#17 LSMF Brodie Merrill。いろんな議論でMVP候補上位3人に入っている。が、納得。シーズン16得点。マジですかと。12試合で16得点て。その辺のMFより全然点取ってる。しかもかなりアシストもしてる。Paul RabilやStephen Peyserをがっちり抑えて仕事をさせず、パスカットして、拾って、落として、turn over誘発して、一切ミスせずに中盤を組み立てて、確実に得点を生む。フィニッシュ時のスティックスキル、シュートの上手さは格別。
と、ここまで全体を眺めて感じるのは、
  • ①Nationals、今年のPlayoff、かなり怖い存在。特に、一戦目のDenverを乗り越えた2日目の決勝では、若さ故に恐らく体力では勝てるはず。優勝の二文字が見えなくもない。これまで、「来年以降強そうだね」と思っていたが、既に今年のプレーオフで十分に結果を出しに行ける存在になってきた。
  • ②で、来年以降更に怖い。今後連携強化され、若手がMLLにアジャストしてレベルアップし、強くなる事こそあれ、弱くなる事は考えにくい。特にJeremy ThomsponやKevin CrowleyやStephen KeoghはNLLでもやると思われるので、一年かけて確実にもう一段上のレベルに登って行くはず。
  • ③多分、コーチ陣が相当いい仕事してる。HCのRegy Thorpe、Assistant CoachのGary GaitのSyracuse & NLL Rochester Knighthawks & MLL 旧Rochester Rattlersコンビが相当効果的にチャンピオンチームを作って来ている。
  • ④思い切ってシーズン途中に過去の功労者John Grant Jr.をLIに放出したのは大正解。若手がボールを持てるようになりブレークし、ボールが膠着する事無くグルグル廻るようになった。放出を決意した両コーチにとってはNLL/MLL/Canada代表の戦友だった訳で、苦しい決断だっただろう。逆にJr.を取ったLIは彼のturn overでボロボロに...「せっかくだから貰っとくか」で取ったLI。今となっては「何で取った?」と言われても已む無し。

2011年8月16日火曜日

MLL 2011 vol.20 Boston Cannons @Hamilton Nationals (8/6 @ESPN3)

既に一番乗りでPlayoff進出を決めた盤石のBoston。Hamiltonはシーズン後半に入り、Syracuse-Canadaの伝説的プレーヤーGary Gaitアシスタントコーチの指導の下、若手の活躍で一気に盛り返し、Playoffの台風の目候補に躍り出て来た。これで勝てば進出決定。が惜しくも勝利を逃し、13-8でBoston。

Hamiltonは来週の最終決戦で、Long Islandとの直接対決でPlayoff進出を賭けて激突。

Hamiltonは今週から#7 Casey PowellがOFMFとして出場。早速相手を翻弄し、2得点。今後の大事な局面で、優勝を何度も経験しているベテランの彼が入った事は間違い無くプラスになるはず。

にしてもHamiltonは1-2年目の選手がほとんど。今後間違い無く直線的に強くなるはず。

MLL Highlight

2011年8月14日日曜日

MLL 2011 vol.19 Denver Outlaws @Long Island Lizards (8/6 @ESPN3)

14-11でOutlaws勝利。これによりBostonに続いてPlayoff進出が決定。創立以来6年連続毎年Playoff進出。これだけタイトでcompetitiveなMLLにあって、結構凄い事だ。

Denver
  • #2 AT Brendan Mundorfと#14 AT Drew WesterveltのUS代表ATコンビが本来の攻撃力を発揮。
  • ルーキー#4 AT Billy Bitter (UNC 11)がいつもの、一人抜いた後に、スライドをよーく見てもう一人スルッとズラして抜くというパターンで得点。いつ見ても芸術的だ。
  • #42 MF Max Seibald (Cornell 09)が膝の怪我から回復しつつあり、攻撃力に厚みが戻って来た。
  • 大黒柱 Erick Martinが抜けて苦しんでたDF陣が、段々固まって来た。
  • ここ数試合ちょっと苦しんでいたが、ここに来て戻って来た。優勝の可能性は十分にある。完全にピークにあるBostonをどう制するか。

Long Island
  • #24 AT John Grant Jr.は、もう辞めた方がいいんじゃないだろうか...1点凄いの出るけど、確実に5-6回turn overする...もう十分活躍したっしょ。迷惑の方が貢献を上回っちゃってる。残念ながら。ファンも溜め息の回数の方が上回って来てる。NLLはまだ行ける気がするが、MLLはもうキツい気が。
  • #27 Ryan Young (Maryland 11)が、ここ数試合試合に出ていなかったが、今回OF MFで登場。#13 OFMF Stephen Bergerと同じ使われ方。Denverも予想していなかったのか、YoungもNCAAシーズンの疲労や怪我から回復したのか、めっさ元気。NCAAでは裏からのイメージが強かったが、トップからのダッジがクソ効率的にハマっている。
  • さて、今回Playoff進出を逃したIL。既にBoston, Chesapeake, Denverが決め、最後の椅子を来週、最終週、Hamiltonとの直接対決で決める。勢いは圧倒的にHamiltonにある。が、経験ではLIが上回る。どっちが勝つか?

IL Highlight

2011年8月5日金曜日

MLL 2011 Rookies評価

ILにQuintのMLLのルーキー達のここまでの評価が載っていた。非常によく分析されていて面白かったので紹介。

リンク

5月の開幕から3ヶ月近く。レギュラーシーズン12試合のうち10試合が消化され、残り2週間。各チーム/選手のシーズンを通してのパフォーマンスがほぼ出そろった状態。

いくつか面白いと思った点/コメント。
  • 以前から予想されていた通り、10年に一度のタレント密集学年。試合を見ていても明らかにルーキー達が大きなインパクトを与えているのが解る。ここまで1年目の選手たちがMLLを席巻したのは未だかつて見た事が無い。それだけインパクトの大きい、今後のMLL、そしてUS/Canada代表を引っ張って行く代である事が解る。
  • 特に注目したいのが、ドラフト下位(48人中30位以下等)で指名されたメンバーが結構活躍していたりする点。活躍度で1位のJeremy Boltus (Army)なんて、43位。活躍度5位のBrian Karalunas (Villanova)なんて35位指名。NCAAでトップ校にいなかったが故に下位指名された実力者達が一気に才能を開花させたケース。
  • 逆に、SyracuseのAmidonやMarylandのRyan Youngなど、「あれ?どこ行っちゃった???」というケースも。Bratton兄弟に至っては上位指名されながら結局MLLではプレーしていない(LXM PROに行っちゃった...Shamelを一巡目指名したBostonは歯がゆい思いだろう)。
  • そうは言え、選手登録ギリギリにいる選手たちは来年以降新人が入って来ると、席を失いチームからリリースされるはず。そうなると、来年から参入するNorth CarolinaベースのCharlotte HoundsとOhioのColumbus MachineによるExpansion Draftの対象になり、新天地で意外と活躍、なんてことにもなり得る。いずれにせよClass of 2011はラクロス界に大きな大きなインパクトを残し続けることは間違い無い。
個人

以下、Quintの評するtop performer rookieたち。

1. Jeremy Boltus (Army), Hamilton AT
  • 27 point to lead all rookies. って。思った以上に実力がある。10年のSyracuse upsetを含め、Armyが大物喰いを繰り返したのには理由があったんだとよーく解った。
  • Casey Powell's entry into the Nationals roster will only help his stats. とのこと。
  • Boltus remains the front-runner for Rookie of the Year after being selected at No. 43 in the collegiate draft in January of 2011.
2. Grant Catalino (Maryland), Rochester AT
  • 彼が一番の驚き。明らかにNCAAよりもMLLの方がハマっている。これは予想していなかった。
  • ミドルシュート職人もここまでイッちゃったレベルで極めきると、トップレベルでも強力な武器になるのか。シュートが上手過ぎる。モーションが速いし、コースがやばい。加えて意外とクリースが上手い。
  • 機動力が無いのが痛いかな?と思っていたが、Ned Crottyがガンガン動くのであんまし関係無かった...なるほど、別にAT全員が全部出来る必要無いのか、ある程度尖って行くって価値の付け方もあるのかと気付かされた。
3. David Earl (Notre Dame), Hamilton MF
  • ある程度予想していたが、予想以上。守って、拾って、走って、点取って、のマルチっぷり。ハーフコートの1 on 1 OFも思った以上に強い。Matt Abbott (Syracuse 09)みたいな感じになるのかな?と思っていたが、ぶっちゃけAbbott以上のインパクトを与えている。
4. John Galloway (Syracuse), Rochester G
  • 前半ボロボロだったが、後半グインッと良くなった。そして、何と言ってもあのずば抜けたアウトレットパス。異様に早くて、速くて、正確。これがMLLでNCAA以上に強力な武器である事が判明しつつある。来年再来年レジェンドになってくはず。
5. Brian Karalunas (Villanova), Long Island LSM
  • 35位指名でこの活躍っぷりって。LIオイシ過ぎ。しかしなんなんでしょね。この人の凄さは。明らかにサイズでは一段落ちる。恐らく画面で見る以上に機動力やスタミナ、一瞬の伸びを生む下半身の強さみたいなもんがあるんでしょうな。GB異様に拾うし、機動力高いし、要は、超便利っちゅうか痒い所に手が届いてるんだよな...
6. Joel White (Syracuse), Rochester LSM
  • 意外と1 on 1 DFは苦戦してるか?RabilやPeyserなど、真の一流Dodgerのレベルの違いを体感中。でもGB 62はぶっちぎってる。
  • でもまあ、LSMで6番手に入ってるってのはすごい。というか、やはりKaralunasとWhiteの2枚がLSMとしてNCAA All American First Teamに入るという前代未聞の記録を作っただけある。
7. Kevin Crowley (Stony Brook), Hamilton MF
  • 明らか能力高い。今後もっと来る。ある程度慣れてアグレッシブになったらもっと全然怖いはず。この人は10年トップでプレーできる素材だ。Canada代表にあと2回は出るはず。
8. Brian Farrell (Maryland), Boston LSM
  • サイズと攻撃力と機動力がここまでMLL向きだったとは...
  • また来たよLSM。上位8人中3人。もちろん彼らが特に凄いってのはあるが、それだけ凄い素材がLSMをやってるって事も含めて、それだけこのラクロスというスポーツに於いて、そして特にShot Clockありでトランジション勝負のMLLに於いて、LSMが極めて重要なポジションになってきている事が如実に現れている。
  • 大きなサイズと、高い身体能力、特に走力とスタミナを持ち、相手得点源のエースMFを抑えて、パスカットやチェックでターンオーバー起こして、そこから一発目で走って速攻誘発して、そのままbroken situationからset-offenceの第一波か第二波くらいまでのオフェンスでゴールを脅かせる。こりゃロジカルにどう考えても重要だ。Geogetown出身のカナダ人、Hamiltonの#17 Brodie Merrillが登場して以来、明らかにこのゲームのパラダイムが変わってしまった。今やもしかしたらラクロスの中で最も重要なポジションになってしまったのかも知れない。
9. Kevin Ridgway (Notre Dame), Hamilton DF
10. Barney Ehrmann (Georgetown), Chesapeake DF?
11. Adam Rand (Stony Brook), Long Island FOGO
12. Billy Bitter (North Carolina), Denver AT
  • まー、期待値が高かっただけにまだまだ感があるが、ルーキーで12ポイント、Mundorf & Westerveltとプレーしてることを考えると上出来でしょ。驚愕の3人抜きはMLLでもある程度通じている。今後どう変化/成長出来るかだな。
13. Brett Schmidt (Maryland), Denver DF
14. Jeremy Thompson (Syracuse), Hamilton MF
  • ニクイところで鋭く活躍するんだよな…この人。
15. Dan Burns (Maryland), Hamilton MF
  • ザ・隙間商売。DFMF & Transition MF。機動力と犬頑張りで生き残れる気が。
16. Jordan McBride (Stony Brook), Rochester
17. Jay Card (Hofstra), Long Island
18. Matt Dolente (Johns Hopkins), Hamilton
19. Zach Brenneman (Notre Dame), Long Island
  • うーん。確かに。思った以上に苦戦している。ドラフト一巡目指名の活躍はしていない。Quint曰く、プレーやショットのセレクションが悪いと。確かに。ちと10年の決勝での活躍のインパクトが強過ぎて評価がインフレしたなってのは正直ある。思ったより器用じゃないのか?
20. Jovan Miller (Syracuse), Rochester

と、いったあたり。最後にチーム別のパフォーマンスに関するコメントを紹介。

チーム別

Hamilton Nationalsが今回のドラフトの最大の成功者って話。誰の目にも明らか。ほぼ全員スタメン級の活躍。この指名は大当たり。お残しほとんど無し。Boltusを最後にオマケで指名したらRookie of the yearって...ROI (Return-on-Investment: 費用対効果)クソ高い。
  • 1. Kevin Crowley M Stony Brook
  • 6. (from Chesapeake) Jeremy Thompson M Syracuse
  • 7. Ryan Flanagan D North Carolina →そうだ。Flanaganも取ってたんだ!今年怪我で出てないけど。来年戻ってくるのか?
  • 13. David Earl M Notre Dame
  • 18. (from Chesapeake) Kevin Ridgway D Notre Dame
  • 19. Dan Burns M Maryland
  • 25. Stephen Keough A Syracuse
  • 31. Adam Rand M Stony Brook - traded to LI
  • 37. Bill Henderson D Army
  • 43. Jeremy Boltus A Army
逆に、悲しい感じになっちゃったのは、何気にBoston Cannons。
  • 4. Shamel Bratton M Virginia →いない。
  • 10. Josh Amidon M Syracuse →どこ行った?
  • 12. (from Chesapeake) Brian Farrell D Maryland →まあ、これは成功だね。
  • 16. John Lade D Syracuse →試合出られず...DFが既に層が厚い。これがMLLの厳しい所。1st Team All Americanなのに試合にゃ出られず補欠...。まあ、CharlotteかColumbusで花開くでしょ。
  • 22. Kevin Kaminski M Delaware →はて?
  • 28. Tom Compitello A Stony Brook →無理でしょ。
  • 34. Pat Dowling M Delaware →どなた?
  • 40. David Hawley M Brown →??
  • 46. Zach Howell A Duke →せ、切な過ぎる。ああ、いたねえ。って感じになってしまった...Dukeを率いたなかなか手堅いATだったのに...MLLで通用する武器が無いんだよなあ...まあ、予想されてたけど。悲しい。

2011年8月3日水曜日

MLL 2011 vol.18 Boston Cannons @Denver Outlaws (7/30 @ESPN3)

10-9でBoston勝利。

試合終了前まで1点差でDenverリードの接戦。拮抗した試合。

プレーオフで対戦したらどうなるかわからない。

一方で、Denverはやはり怪我で正DF 2枚を欠いている事、#42 MF Max Seibaldが本調子でない事、MFのベテラン#6 Brian Langtryが出ていない事がボディブローのように効いている。プレーオフでここ一番の局面での勝負になった時に安定感を欠く印象を受ける。

引き続き#2 AT Brendan Mundorf, #14 AT Drew Westerveltの能力は頼れるが、それ以外が薄く、彼ら二人の攻撃も単発&一か八かな感じが多少ある。

Bostonは相変わらず#99 MF Paul Rabilが怖過ぎ。#7 AT Matt Poskayが溜め息が出るクリース職人っぷり。

これでCannonsはプレーオフ出場確保。

Outlawsは...シーズン当初の強豪っぷりからあれよあれよと転げ落ち、5勝5敗。3位にOutlaws, Lizards, Bayhawksが並ぶ団子状態に。既にRochesterが脱落し、この3チームのうちもう1チームが脱落。

残り2週間。来週のOutlaws-Lizardsが今シーズンの分け目になりそう。最終週はOutlaws-Bayhawks。ぶっちゃけOutlaws一番分が悪い気がする...優勝候補と目されてたのに。何とも過酷なリーグだ。MLL。

MLL Recap

IL Highlight

2011年8月1日月曜日

MLL 2011 vol.17 Rochester Rattlers @Long Island Lizards (7/29 @ESPN3)

いやー、残念。最後の最後にグイッと良くなって来たRochesterだったが、この日は力でゴリッとLIに捩じ伏せられ遂に力尽きた。

前半一気に突き放され、9-2。後半多少持ち直すも及ばず、15-6の大差で。

スコアボード

これでRochesterはプレイオフ進出の可能性が無くなり、レギュラーシーズン脱落第一号に。

いやいや、残念。最後によくなってただけに。

Rochesterは引き続きAT #2 Ned Crotty (Duke 10)に率いられ、AT #10 Grant Catalino (Maryland 11)らの活躍によりいい形で点を取ることもあったが、如何せんMFの弱さが際立っている。#9 Matt Striebel (Princeton 01)が一人ベテランとして頑張っているが、それ以外誰がいんだっけ?という感じになってしまっている。#23 Jovan Miller (Syracuse 11)も身体能力は高いしポテンシャルは感じさせるが、まだまだMLLのエース級とは言い難い。このMFをどう立て直すかが来年1月のドラフトでの最優先課題だろう。正直4-5枚MFを補強したい印象を受ける。

LIは相変わらず#40 Matt Danowski、#13 Stephen Berger辺りを中心に手堅く得点。ただ、こちらも#24 John Grant Jr.の ターンオーバーが目立つし、MFがいまいちチャンピオンチームとしての完成度/分厚さを感じない。プレーオフ行けるかどうかの瀬戸際の今後の数週間。目が離せない。

MLL Highlight

IL Highlight