2012年7月7日土曜日

MLL 2012 vol.07 Boston Cannons @Chesapeake Bayhawks

シーズン折り返し地点のAll Star前の週。全体1位Bayhawks対2位Cannonsの頂上対決。恐らく2ヶ月後の決勝のカード。

接戦の末Bayhawksが14-13で勝利。文句無しの1位を証明。

とにかくレベル高い。双方隙無し、穴無し。これぞ世界最高峰のラクロス。高いレベルの個人技とチームプレー、目の覚める様な速攻と2-point shot。驚愕のスーパーセーブ。とても書き尽くせない程エキサイティングな2時間を提供してくれた。

Chesapeake Bayhawks (Roster)
  • 何気に今年に入ってたまたまこれまでTV放映が無かったためBayhawksの試合を見て来なかった。が、見て納得。こりゃ強えわ。優勝候補筆頭である事間違い無し。
  • 明確に見て取れるのは、HCに2010年までMaryland大学HCを勤めていたDave Cottle氏が就任した事により、選手のポートフォリオマネジメント(選定)、戦術、意思疎通、プロ意識、全てに於いて今までのMLLのどのチームも到達していなかった高い到達度に達しつつあるという点。週末のみ集まって、個人技の高い選手が比較的自由にやる、という感の強かったMLLの中にあり、今年のBayhawksは明確にチームとしての規律、「決め事」、統一された戦略的意思の下に極めて効率的なラクロスをしている。NCAAのトップ校の第一線でやっていた監督によるチーム作り。MLLに新しい時代が訪れつつある事が明確に示されている。
  • 特に印象的なのが、2-pointショットの使い方。今までどのチームも何となく流れの中で、または60秒ショットクロックが切れそうになってやむを得ず、または終了間際に複数点差を埋める為の最後の手段として使っているという印象だった。が、Bayhawksは恐らくMLLの歴史上でも初めて、2-point shotを明確なセットオフェンスのカードとして、完成されたセオリーに基づいて効果的に使え始めている。ほぼバスケのスリーポイントと同じレベル、近いレベルの成功率。#51 MF Mike Kimmel (Johns Hopkins 10), #44 MF Steven Brooks (Syracuse 08), #5 MF Kyle Dixon (Virginia 06), #14 AT Drew Westervelt (UMBC 07)と、身体能力が高い大型選手が、コンパクトな振り抜きで、正確に遠距離でゴールを射抜いて来る。6人で意思疎通をし、意図的にスクリーンを作り、「え?いきなしそこで打つの?」というゴーリーの虚を突くタイミングでズバッと決めて来る。当然それを警戒してDFが広がり、クリース前のパック、ダッジへのスライドが甘くなり、全体が攻め易くなる、という現象が生まれている。全体的に極めて効率的で勉強になる。2-point shotが無いNCAAとは違うMLL独自の方法論が確立されつつある。NCAAの延長ではなく、2-point有りきのMLLのためのラクロスの時代が幕を開けつつあるのを感じる。
  • 加えて、「あの男」が完全に息を吹き返している。「ジュニア」ことCanadian #24 AT John Grant Jr. (Delaware 00, Team Canada 06, 10)。08年にRattlersで優勝を果たし、MVPに輝き、史上最高のラクロス選手にまで上り詰めたジュニア。その後膝の病気と手術により機動力を失い、全盛期の輝きを失ってしまった。去年古巣のHamilton NationalsからLong Island Lizardsに放出されるも、同じくボールを支配するスタイルの#40 AT Matt Danowski (Duke 08)とイマイチ融和せず、「一人でボール持ち過ぎ。OFの流れ止め過ぎ」と批判を浴び、今年からBayhawksへ。「もうピークを越えた選手」と見られていた。が、今回の試合で未だにトップクラスのATである事を証明。意外と動けるようになっている。加えて、巨体を利用したゴリゴリの1-on-1から信じられないBehind the Backからの得点が復活しつつある。ボールを一人で抱え込む事無く、全体の流れで駒の一つとして機能出来るようになっている。これもHC Cottle氏の手腕か。
  • 去年BostonでJordan BurkeにStarting Gの座を奪われ、トレードでChesapeakeに来た#15 Kipp Turner (Virginia 07)が素晴らし過ぎるセーブを連発。古巣に勝利して見返した。「それ捕るかね?普通」というシュートをサクサクキャッチ。アウトレットパスも素晴らし過ぎ。

Boston Cannons (Roster)
  • ここは相変わらずだ。最も安定したパフォーマンスを発揮し続けている。一歩及ばなかったが。
  • 引き続き#99 MF Paul Rabil (Johns Hopkins 08)が鬼。利き手の右手と非利き手の左手の両方で2-point決めるって...マンガすか。
  • 不動のAT トリオ(#14 Ryan Boyle (Princeton 04), #7 Matt Poskay (Virginia 06), #27 Kevin Buchanan (Ohio State 08))が芸術的に効率的。ま、いつもの事だが素晴らしい。

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