2011年10月22日土曜日

頸椎の怪我とスタッフの対応

IL VideoにAdvocates for Injured Athletesという基金の話が載ってたので転載。

ラクロスが如何に危険な怪我に繋がり得るリスクを孕んでるか、選手として如何にそれに備えて身体や身体能力を作り込んで備える必要があるか、そして、コーチやトレーナー/メディカルスタッフにとってこういった緊急事態の対応、結構なレベルでの医療知識を持っておく事が如何に重要かを考えさせられた。

こういうあっさりとした当たりに見えるヒットでここまで重大な怪我になり得るっていう。Concussion(脳震盪)の話は散々これまでもアドレスされて来ており、ヘルメットの改善はもちろん、ルール面でも首より上への悪質なヒットは速攻3分退場など取り締まれつつあるが、Spine系は更に怖い。

2011年10月19日水曜日

Fallball vol.03 UNC-Bucknell

昨日(10/16)地元Chapel HillでUNCとBucknellの練習試合があったので観戦。

注目のUNCに関していくつかの感想/観察は、

#4 AT Jimmy Bitter (Fr)がスタメンで出てそこそこ活躍
  • 全体的に、やはり1年生にしては大したもん。NCAAの上位校でいきなりスタメンで出て普通にやれてるってのは凄い。やはりNCAA全体で2位の評価を受けるだけの事はある。
  • 一方で、まあ、まだまだNCAAとしてのレベルにアジャストしきれてない、経験不足だなってとこはいくつか。(プレーの選択、当たり、判断のスピード等)
  • 兄Billy譲りのダッジ力は健在。でもBillyほどぶっちぎってはないか?
  • シュートは明らかにBillyより上手い。レンジがより広い
  • 小さいとは聴いていたが、まあ、見てみるとそんなでもないかな?(日本人の感覚からすると普通にでかい選手...180無いくらい=NCAAだとちと小さい)下半身とか結構しっかりしてるし、NCAAでサイズがハンディになる感じではないか。
#34 AT Nicky Galasso (So)が柱として定着。が、ちょっと調子悪かった
  • 変なパスミスとか。安いシュートとか。ま、冬までに戻るっしょ...
スターター3枚を怪我で欠くDFがだいぶザル
  • まあ、下級生中心ってか多分1年生も出てるし、しゃあないか。が、上級生の怪我が開幕までに間に合わなかった場合、結構苦しくなるな。
  • G #19 Rastivo (Jr)は相変わらず安定したG。飛び抜けてはいないが、穴という感じではない。
もう一人の1年生#11 Joey Sankeyが思ったよりいい。普通にプレー出来てる。身長168 cmくらいだが、フィジカルとスティックスキルが凄くしっかり。ATの4-5枚目として普通に穴を埋められる感じ。

Princetonから卒業後移籍の#12 Jack McBride 院1年とGeorgetownから移籍の#5 Davey Emala 3年の二人のベテランATがOFMFとして登場。
  • まあ、強力。ダッジで抜く力がある。スティックスキルもATだし。LSM付いても気にせず攻撃出来る。
  • が、一方で、若干持て余してる感があるのと、DFで戻っちゃった時の穴感がある。一概に二人の強力ATが入ったからその分足し算で攻撃力アップ、って感じでもないか。
  • しかし、ここに若干考えを感じる。即戦力の彼らをATで使うって考え方もあったはず。しかし敢えてそうせずに1, 2年のBitter, GalassoをATの柱にし、彼らを軸に長期的にチームを作って行くという方向。それぞれ1-2年で卒業してしまうMcBrideとEmalaにはピンポイントでOFMF使いで底上げに使うという発想か。
  • Davey EmalaのGeorgetown時代のStatsを見て、如何にでかい移籍だったかが解る。去年2年生で背番号5、35得点、13アシスト。ぶっちゃけチーム得点王。ポイントでも2位。言うなればGeorgetownの来年の最有力注目選手だった選手が3年になる手前で出て行ってしまった(North Carolina的には加入してくれた)訳だ。Georgetownは泣きたいだろう。(リンク
FOGOの#25 RG Keenan 2年が相変わらず無敵。勝率何割だ?8割ぐらいじゃねえかって気ぃすら。
  • 加えて、去年穴だった、かき出しの場所の判断ミスとシュート力が圧倒的に改善されている。状況を見て絶妙な方向、距離でかき出せるようになっている。加えて、Shot on the run(ランニングシュート)が明らかに強力になっている。去年だと、「Keenanにそのまま打たせろ。それが一番確率低い」が相手チームのScouting sheetにがっつり書き込まれてたはずだが、今年はそれだといいシュートがいい所に刺さって来る可能性が出て来た。FOからの得点が毎試合期待出来る感じ。
  • 間近で見て感じた「何でそんな強い?」の理由は、反応の速さと技の引き出しの多さはもちろん、下半身の安定と重心の低さ、相手に対しての身体の入れ方が異様に上手いという点。相撲とか、バスケのリバウンドのスクリーンアウトの感覚に近いか。ゴリッと身体を素早く入れて、一切相手に手出しさせない状況をあっという間に作る。
あと、何人かの脇を固める選手たちも結構いい。
  • #20 MF Jimmy Dunster (4年)も相変わらず安定。
  • #8 MF TJ Kemp (2年)は去年怪我であんまし出てなかったが、まあ、サイズは普通だがフィジカルがしっかりした、且つバランスの取れた、いい選手。
丁度今年のRosterが発表されていた(リンク)。Scrimmageの背番号と一致する物としない物があるけど。パッと見て思ったのは、Jimmy Bitterが兄Billyから栄光の4番を譲り受けた点、Davey EmalaとJack McBrideの転校生組はそれぞれ5, 16を貰った点、Nicky Galassoが34から42に変わった点。

しかしまあ、つくづく、HC Joe Breschi就任後彼がリクルーティングした代が始まった2年生(全米1位)、今年入った1年生(全米2位)の層がクソ分厚い事が解る。まあ、来年再来年だな、本当に波が来るのは。

2011年10月18日火曜日

Billy Bitterのハイライトもう一個

ちと古いけど、Billy BitterのUNC時代のハイライト。

しかしまあクソridiculousなダッジだ。相手DF Ken Klausenとかなのに足首ボッキボキに折ってる...今年からUNCでプレーする弟のJimmy、こんな感じになってくんないかな...



ついでにもう一個。NYに見に行ったBig City Classicのハイライト。Bitterが爆発して怒濤の数人抜きを繰り返した日。

2011年10月17日月曜日

Fallball vol.02 UNC-OSU

先週末に行われた練習試合のもう一つ。UNC (North Carolina)Ohio State。(リンク

UNC HCのJoe Breschiは08年までOSUを率いて強豪に仕立て上げた後、UNCの立て直しのために請われて母校にHCとして復帰。

Breschiの下でAssistant Coachを勤め、ここ数年のUNCの躍進の原動力となっているオフェンスとリクルーティングの指揮を執るOSU卒業生で元MLLのPat Myers。の、兄Nick Myersが現在のOSUのHC。

まあ、練習試合でいろんな選手を出してるので一概に勝敗で実力は計れないが、結果は11-11。去年は公式戦でUNCがシーズン初期に足元を掬われた。

僕の現在の地元UNCの状況がいくつか載っていたのでピックアップすると、
  • 元々ATが厚かった上に、GeorgetownからEmala、PrincetonからMcBrideという4-5年生ATが加わり、更に一年生の強力ATが加わったオフェンス陣は、鬼の様に強力に。OFMFで結構出して、どっからでも攻められる。
  • 去年1年生All AmericanでRookie of the yearの#34 AT Nicky Galassoが3得点と存在感を示しつつ、OFをコントロール。
  • 去年までのエースBilly Bitterの弟Jimmy Bitterが1年生にして早速大活躍。特にXからのダッジの切れは兄譲り。
  • 但し、DFのスターター3枚が現在怪我でベンチ外。恐らく秋の間はずっとダメ。来年2月以降の開幕に間に合わせたい所。
ってな感じ。

OF Coordinator Pat Myersの狙いが的中しまくりのオフェンスが結構来てる感じ。問題はDFだなー。

あと、これは完全に私見だが、分厚い分厚いと言われてるOFも、なんかちょっと足りない気がするな...と。ミッシングピースは何だ?と思ってRosterを見てはたと思ったのはCanadian Finisherの不在。Syracuseはもちろん、HopkinsやPrinceton、Greerがいた頃のDuke、去年で言うとSyracuseの#28 AT Stephen Keoghの様に、ロングシュートとフィードとダッジが出来る強力な正当派アメリカ人ATに加え、一枚クリースで鬼の様に片っ端から捩じ込むタイプのstreet smartで器用なCanadianが欲しい所。実はDodgerはこんなに必要無くて、一枚Canadian入れれば一気にGalassoの本来の才能が爆発するんじゃないかって気もする。現に去年Billy BitterとGalassoはそれぞれ独立で動いて、イマイチ有機的に相乗効果を発揮するという感じになっていなかったように...別にダッジャーが10人いた所で結局ダッジ掛けるのは一人な訳で。

その辺がどう出て来るかだなー。

(にしてもこの辺の多様性からの相乗効果、特にAT内での異なるキャラの組み合わせの重要性に関してはアメリカでNCAAを見る様になって改めて気付かされた。昔は「要はシュート打てて抜ける強いAT 3枚いりゃいいんしょ?」と思っていたが、高いレベルで実力が拮抗するに連れ、強力な個性/尖りを組み合わせる事が最後の一歩の競合優位に繋がって来る。)

今週末はホームでBucknellと練習試合があるっぽいので、天気とスケジュールが許せばちょっと見に行ってみようかと。

2011年10月16日日曜日

MLL Collegiate Draft 2012 Mock Draft by Quint

1月に行われるMLLのCollegiate Draftの予測をQuintがしていたので紹介。



今年の特徴は、上位2位とそれ以下で大きな差があると言う点、そして、10年に一度のタレント大豊作イヤーの去年に比べると、層が一気に浅くなる点。恐らく上位10位くらいでMLLの上位でプレー出来る選手は終わってしまうんじゃないかと言う点。

そうは言っても上位10人はやはりMLLで活躍出来るレベル。

1位、2位は言うまでもない。ここまで既にNCAAに名前を刻み続けて来た二人。

Cornell #3 AT Rob Pannell。去年の活躍で、遂にMikey Powell以来とまで言われるほどのATにまで上り詰めた。頭いいし、work ethicsもあるし。最終学年の今年、どこまで行けるか。MLLでもリーダーシップを発揮するだろう。

で、もう一人は言うまでもなくVirginia #6 AT Steele Stanwick。が、個人的に、この人は実はNCAAとMLLで実は一番活躍に差が出るタイプのATなんじゃないかと若干懸念している。上手賢くて効率高し。チーム全体のオフェンス力を数段高めるタイプ。異様に勝負強い。が、MLLのでかくて速くてプレッシャーのあるDF軍団相手にどこまでやれるかね?Ryan Boyleみたいに司令塔系でやるにしても、やはりある程度の突破力とシュート力が求められる。上手いよ。間違い無く。恐ろしく上手いっすよ。そりゃ。でもって今年もまたVirginiaで間違い無く活躍するし、下手したら優勝二連覇も有り得る。だけど、なんででしょ。何かMLLでの活躍に向けて引っ掛かるんだよな...一言で言うと、ぶっちゃけこの人のタイプのATが今MLLに見当たらないんだよな...

Denver PioneersのCanadian #22 AT Mark Matthews。今月号のILで特集が組まれていた。去年はぶっちぎったプレーでチームをまさかのBest 4にまで導いた。トリッキーだが、でかくて身体が強くて、鬼の様にスティックスキル高い。

あとはPrincetonのG Tylor Fioritoは間違い無くMLLでスターター張れる。

2011年10月15日土曜日

Easton LacrosseのRaptor Helmetが遂にLaunch

去年のNCAA Big City Classic @ NYの会場でガンガンプロモーションを掛けていた、Easton LacrosseのRaptor Helmetが遂に市場に出回るとの事。(ILの記事Eastonのページ

Big City Classicの会場で触れた感想&写真)

当時手に持ってみての感想は、「驚く程軽い」と言う事と、「シェルとインナーのウレタンが一体化していて、明らかに安全性/防護性が上がっている」という点。

後は、オールブラックのビジュアルが不気味で渋カッコいい空気を発していたのが記憶に残る。

いつ出回るの?と思っていたが、2012年の開幕に先駆けて上市するプランか。

自転車のBell Helmetや圧倒的に大きな市場を持つIce Hockeyで培って来たスポーツヘルメットに関する知識と技術。ラクロス専業でやって来たCascadeに比べると、明らかに背後に控えているcapabilityが違う。

一方で、結構コメント欄でも散見されるのが、ビジュアルに関する二極化された意見。渋くていいんじゃね?という意見と、いや、なんかもっさりしてていまいちっしょ、という意見に別れている。

肝心の色はどうなるんだ?と気になっていたが、最初はwebでもフィーチャーされている通り、白ベースに基本色を合わせたもので始めるっぽい。

が、うーん、まあ、好みの問題だが、白赤、白青、白紺の三色は、正直、どうでしょ...横から見た感じだけなので何とも言えないが、うーん、あんまし...つか、初代ガンダムっぽいっつうか、アムロっぽいっつうか...

デザインという点、そして無限大の色の組み合わせ&カスタマイズと言う点に於いては、やはりまだCascadeに分があるなと言う感じ。性能だけじゃなくビジュアルも重要な要素なので、やはりこのままだとCascadeの牙城を大きく崩すというシナリオは短期的にはちと思い浮かばない。その辺が若干アイスホッケーと「ビジュアル対性能/安全性」の比重が変わって来るポイントだ。Riddelが苦戦し、WarriorもVenomで苦戦し、TIIで一気に花開いているのを見ても解る通り。(日本だと結局輸入のフィルターを通ってCascade一本やりと言う感じなのかな?だとするとだからあんましピンと来ないかな?)

今後マイナーチェンジで短期的に色の組み合わせやステッカーを出してくるのか、はたまた今回はこのまま行って、Gen-2(次世代)で大きく変えてくるのか。はたまた最初の数年でクイックトライして、いまいちpenetrate出来なかったらとっとと退却するのか?いや、今のlacrosseの爆発的拡大を考えると、そしてIce Hockeyの飽和を考えるとそれは考えにくい。

これまでNikeやAddidas、インドアではReebokと言ったブランドがこぞって参戦して来た数少ない拡大マーケットであるLacrosse。Nikeは多少プロテクターで存在感を出して来たが、やはりスティックではいまいち。EastonもCasey PowellとBrett Queenerを担いでWall Ballのキャンペーンを打って来たスティックの方は結局今のところ色物としての見られ方を脱しきれていない。結構いい線行っているかに見えたMaverikは、遂に3年間広告塔の大黒柱を勤めて来たPaul RabilをWarriorに取られてしまった...拡大はしているが、やはり「粋」が幅を利かせるこのスポーツでは、「は?Easton?素人だろ。やっぱWarriorかSTXだろ、上手い奴は」的なステレオタイプが意外と根強い。

結局MLLのトップクラスの選手を抑えて継続的にESPNUでCMを打てるかが大きくperceptionを支配しているようにも見え、それを可能にする資金力のあるWarrior (+ Brine) & STXの二強が引き続き市場を引っ張るという構図が続くのか?New entrantsたちにとってはちと「鶏と卵感(流行らないから金といい契約選手取れない、取れないからイマイチ流行らない)」のある参入障壁が生じてしまっている。

Eastonの次の一手が気になる。

で、Easton Lacrosseのメットのデザイナー。結構ハーコーな感じだ。

2011年10月14日金曜日

MLL各チームがProtection Listを発表

さて、静かだったMLLでここに来て動きが。来年のOhio MachineとCharlotte Houndsの2チームの追加に伴い、各チームの半分以上のメンバーを一度バラバラにして新規2チームを加えた8チームで再びドラフトして再配分するというプロセス。

各チーム既に数週間前の一度目の選抜で20人前後に絞り込まれており、今回は最終リストで各チーム10-12人にまで絞り込む事を強制される。(ちなみに10-12人と幅があるのは、Gの人数によって制限人数を変える仕組みになっているため)

以下、各チームのProtectedとUnprotected list。

BOSTON

Protected
Mitch Belisle, Defense
Ryan Boyle, Attack
Kevin Buchanan, Attack
Jordan Burke, Goalie
Chris Eck, Midfield/FO
Brian Farrell, Defense
Pat Heim, Midfield
Matt Poskay, Midfield
Paul Rabil, Midfield
P.T. Ricci, Defense
Brad Ross, Midfield
Matt Smalley, Midfield

ほうっ...G一人か...Jordan Burkeが大化けしたので、前正ゴーリーのKip Turnerを切るパターン。

Unprotected
Josh Amidon, Midfield
Shamel Bratton, Midfield
Greg Downing, Midfield
J.J. Morrissey, Midfield
John Ortolani, Midfield/FO
Max Quinzani, Attack
Jack Reid, Defense
Mike Stone, Midfield
Kyle Sweeney, Defense
Kip Turner, Goalie

マジか!Max Quinzaniを切るとは!ATはBoyle, Buchanan, Poskayのベテラン2枚+中堅1枚で固めるってことか...Quinzaniは間違い無くショックだろう。

うおっLSM最強だったKyle Sweeneyも外れてる。去年MDからBrian Farrellという次世代LSMが入ったので世代交代ってことか。まあ、納得。

ShamelはMLLやる気無いな、この人。

CHARLOTTE
Protected
Ryan Flanagan, Defense

既にトレードで地元UNCのRyan Flanaganを獲得。車で2時間くらいなので、頑張って見に行ってみよっかな。

CHESAPEAKE

Protected
Matt Abbott, Midfield
Steven Brooks, Midfield
Kyle Dixon, Midfield
Barney Ehrmann, Defense
Michael Evans, Defense
Danny Glading, Attack
Ben Hunt, Midfield
Mike Kimmel, Midfield
Jeff Reynolds, Midfield
Ben Rubeor, Attack
Alex Smith, Midfield
Drew Westervelt, Attack

うおっ。。。MF帝国継続か...完全にMFベースのチーム作りを続ける気だな。

ちなみにDenverからトレードでDrew Westerveltを獲得。一気にATの重量感が出た。

Unprotected
Brian Carroll, Midfield
Jake Deane, Defense
Steve DeNapoli, Defense
Chris Garrity, Goalie
Dan Hardy, Midfield
Daniel Hostetler, Defense
Ryan Hurley, Attack
Brian Phipps, Goalie
Justin Smith, Midfield

やっぱりね!Dan Hardyはイマイチしっくり来てなかったよね!勿体ないけど。

うほっ!よく見るとG残してねえ!!Garrity切るのか!ま、いいGどっかで取れるだろって話か。それも一理あるな。

Brian Carrollとかもいい選手だよ...まあ、半分AT使いで中途半端な感じになっちゃってたのは間違い無いか。

DENVER

Protected
Billy Bitter, Attack
Matthew Bocklet, Defense
Joe Cinosky, Defense
Eric Martin, Defense
Peter Mezzanotte, Midfield
Brendan Mundorf, Attack
Peet Poillon, Midfield
Dillon Roy, Defense
Brett Schmidt, Defense
Jesse Schwartzman, Goalie
Max Seibald, Midfield
Jeremy Sieverts, Midfield

既にDrew WesterveltをDenverにトレードで出しちゃった。Denverは遠いから地元から通いたかったパターンですかね?ATはMundorfとBitterの鬼ダッジャー2枚を軸に考えて行くってことか。

Dが分厚いな。SeibaldとPoillonは当然確保か。MLLの北澤豪ことLangtry先生は引退された訳ね。

Unproteced
Sean DeLaney, Midfield
Adam Ghitelman, Goalkeeper
Andrew Hennessey, Midfield/FO
Steven Holmes, Defense
Terry Kimener, Midfield
Connor Martin, Attack
Sean McCarthy, Defense
Bill McGlone, Midfield
Jarett Park, Midfield
Mikey Thompson, Midfield
Nate Watkins, Midfield

納得納得。DelaneyとかMcGloneとか結構トップクラスに肉薄する相当いい選手だぞ...このクラスの選手を切らなくちゃいけないって、どんだけ殺生なんだって話だ。

HAMILTON

Protected
Kevin Crowley, Midfield
David Earl, Midfield
Jordan Hall, Midfield
Cody Jamieson, Attack
Kevin Leveille, Attack
Brodie Merrill, Defense
Casey Powell, Attack
Scott Rodgers, Goalie
Kyle Rubisch, Defense
Jeremy Thompson, Midfield
Steven Waldeck, Defense
Joe Walters, Midfield

あー、めっさしっくりくるー。納得行き過ぎ。これ今年の新しい力+柱のベテランたちだね。準優勝の原動力だね。思いっきり。

CPは来年もそのままやるのか?すげえな。来年もう35歳?くらいだぞ。

あ!!!Kevin Leveilleが復活してる!やったー!久々にあの超クリエイティブなプレーが見たい!

Unprotected
Solomon Bliss, Defense
Jeremy Boltus, Attack
Brett Bucktooth, Midfield
Dan Burns, Midfield
Matthew Dolente, Midfield/FO
Stephen Keogh, Attack
Joe Marra, Goalie
Donny Moss, Midfield
Brett Queener, Goalie
Kevin Ridgway, Defense

Jeremy Boltusは元々軍役でいなくなるので想定内。Kevin Ridgwayとか切るのかっ!Bucktoothとかも相当強力なCanadian finisherでっせ...

Brett Queenerはラクロスにとっては宝とも言えるキャラクターなんだけどなー。やっぱりGとして一枚目になる感じじゃなくなってきちゃったなー...ここから漂流時代が続くのか。

LONG ISLAND

Protected
Drew Adams, Goalie
Stephen Berger, Midfield
Zack Brenneman, Midfield
Matt Danowski, Attack
Greg Gurenlian, Midfield/FO
Brian Karalunas, Defense
Parker McKee, Defense
Stephen Peyser, Midfield
Nicky Polanco, Defense
Kevin Unterstein, Midfield
Mike Ward, Midfield
Ryan Young, Attack

ふんふん。柱をガッとキープだね。なるほど。Ryan Young残すか。Karalunasはホント拾い物だったなILは。

Unprotected
Rhamel Bratton, Midfield
Dan Cocchi, Defense
Long Ellis III, Defense
Chris Fiore, Midfield
John Grant, Attack
Zack Greer, Attack
Ricky Pages, Defense
Christian Pastirik, Midfield
Brian Spallina, Defense
Mike Unterstein, Midfield

うん。納得感強いね。Jrはもう歳。GreerはMLLやる気無くなってる?

OHIO


Protected
Greg Bice, Defense
Brett Garber, Midfield
Anthony Kelly, Midfield/FO
Stefan Schroder, Goalie

既にトレードで地元選手たちを集め出してるOhio Machine。



ROCHESTER

Protected
Martin Cahill, Midfield
Jay Card, Attack
Grant Catalino, Attack
Jeff Colburn, Midfield
Ned Crotty, Attack
John Galloway, Goalie
Thomas Guadagnolo Jr, Defense
John Lade, Defense
Jovan Miller, Midfield
Tom Montelli, Midfield
Matt Striebel, Midfield
Joel White, Defense

そもそも残った選手の格が若干落ちるか?まあ顔ぶれは納得か。Syracuse '11 3人組(White, Galloway, Miller)は当然残すと。あ、Ladeも加わって、これまんまSyracuseの無冠の最強DF軍団じゃねえか...まあ、地元だしな。

OFはCrotty & Catalinoが柱か。MFが明らか薄いっしょ。

おっ!!!12年目のStriebel氏がまだ残ってる!精神的支柱だな。

Unprotected
Brian Caufield, Attack
Diogo Godoi, Defense
Dan Groot, Midfield
Mike Leveille, Attack
Jordan Levine, Midfield
Brett Manney, Midfield
Jordan McBride, Attack
Gregory Niewieroski, Attack
Joe Smith, Defense

何っ!?Jordan McBride切ったか!すげえ優秀な点取り屋だと思ったけど...Grant Catalinoと若干被ってたので、Finisherは2枚いらないって判断か。Canadianって意味ではJay Cardと被ってるし。あー勿体ねー。

他は納得感満載。

というわけで、ここで一回一段落。各チームは再び12月14日のSupplemental Draftで今回unprotectedになったメンバーを指名し、更に1月13日のCollegeate DraftでNCAAの4年生を指名し、40人の登録選手枠を埋めていく事になる。

今回相当なレベルの選手が相当数Unprotectedになったことで、ぶっちゃけOhioとCharlotteにもしょっぱなから結構強い核になる選手が行くことになる。数年経ったら結構均衡してくるんじゃないだろうか。

2011年10月12日水曜日

IL Podcast: Mikey Powell Interview

ここの所、土日はDukeの近所のPublicコースかUNC (North Carolina)のコースの練習場で早朝練習した後、近所の安いPublicコースで練習ラウンド、という地味で地道なゴルフルーティーンな日々を送っている。(でも実力は未だ低空飛行を継続中...)

練習中は黙ってやっててもつまらないので、Podcastを延々聴きながらやっている。定番はUFCで解説者をやっているコメディアン(日本で言う所のお笑い芸人)のJoe Rogan氏のJoe Rogan Experience Podcast。1年半くらい前の開始時から聴き続けているが、クソ面白過ぎる...むちゃくちゃIntellectualで、UFCを始めとしたMMA (総合格闘技)の裏話、最近アメリカで熱いAncient Alien Theoryの話など、むちゃくちゃ広い分野に渡って深くて笑える話をたくさん提供してくれている。加えて、最近は頻度が落ちているが、IL Podcastがアップされたらそれも欠かさず聴いている。

今週フィーチャーされていたSyracuse 04で元Boston Cannons & US代表 06、Powell兄弟の三男、Mikey Powell氏のインタビューが結構面白かったので、クイックに紹介。(リンク

Powell 3兄弟の中でも最もKidsに人気があったMikey。体は小さいが、そのぶっちぎったスピードとアジリティ、そして何よりも常識を越えた発想と自由さで、多くのファンを魅了してきた。

印象に残るMikeyのプレー。180°真逆に切り返すこのcross overの動きは正にsignature movement。あれ?どっかで最近...と思ったらUNC-DenverのBilly Bitter。恐らくBitterもMikeyの動きを繰り返し見てパクった口だろう。


いくつか印象に残ったコメント。彼のラクロスに対する愛、生き方、兄への尊敬など、非常にlaid-backな(肩の力抜けまくりの)声とは裏腹に深い印象を残した。

近況
  • 08年のMLL引退以来、ラクロスの第一線からは遠ざかって来たMikey。趣味の音楽を突き詰めて、アコギ片手にコンサートを開いたり、という事をしていた。NCAAの集客試合やFinal 4ではESPNUのケイジでちびっ子相手にラクロスの新しい遊び方を披露したり。
  • 最近どうしてるの?という質問に対して。
  • 「まー、相変わらずぶらぶらとやりたい様にやってるよ。基本的に。最近カメラに凝ってるかな。それが俺の生き方でありスタイル。あと、今週末のLXM PROで久しぶりにプロとして復帰する予定。でも今後は白紙。」

人生としてのラクロス
  • 夏に行われたイベント、Upstate NYで行われたLake Placidトーナメントに参加。Syracuse OBチームとして面白おかしく過ごしたとのこと。
  • 子供の頃から参加していたイベントで、思い入れがある。このように、大学で出会った選手たちと、それぞれ散り散りバラバラになり、各々の趣味やキャリアに従って別の方向に進んだチームメート達がこうやってラクロスという共通の趣味を軸に時々集まり、楽しい時間を過ごすというのは掛け替えの無い素晴らしい体験だ、とのこと。

自由なプレーに対するこだわり
  • 自分がSyracuseでプレーしてた時は、もちろん、勝つためにやってたけど、ボール持ったらとにかくびっくりするようなこと、何か創造的で新しい事をやってやろうといつも狙っていた。あんまし教科書通りにやっても面白くないし。自分は人生を通してとにかくそういう、Authorityとか、Establishmentとか、何か形や枠組みに捕われたり押し込まれたりするのが本当に嫌いだった。
  • 「Freedom」とか「Autonomy」とか、如何に自分の自由な発想を解き放てるか、枠組みに捕われるなく面白い事が出来るか、それが自分にとってのラクロス。

最近のNCAAのプレーに対する感想
  • 最近NCAAの試合がどんどんHCによる戦術合戦になり、ペースが遅くなり、ポゼッション重視、Zone DF Heavyになってきているが、それについての感想は?と問われ
  • まあ、俺が正しいとは思わないし、あくまで一つの意見だけど、と注釈した上で...
  • 自分がやってた頃(7-8年前)と今のルールはほとんど同じ。でも、俺らの頃は、とにかく相手より一点でも点を多く取ってやろう、バンバンシュート打って、点取って、それで勝ってやろうとしか思ってなかったし、それが最高に楽しかった。
  • 今みたいに選手たちが「おっと、ここでミスしないように制御しなきゃ」と保守的になって、ボールを保持してるのを見ると、ちょっと残念な気持ちになる、と。
→これは、まあ、彼の気持ちは非常に理解出来る。一方で、別に弁護するわけじゃないが、HCも選手たちもそりゃあ気持ちとしては一緒なんじゃないかな、とも。現行のルール/枠組みの中で(一番好きか嫌いかは別として)勝つために最もベストな事をやるのが彼らのミッションであり、結果勝てる事で一番ハッピーになれる訳で(仮にスタイルとして最も好きな事やっても、それで負けたら絶対どこかでフラストレーションと不完全燃焼感は残るはずで)。コンペティションを突き詰めて行けば、必ずその与えられたルールの中での最適解に向けて収斂し、成熟していくだろうし。それを考えると、まあ、彼らの責任と言うよりもやっぱりルールに問題があるって事なんだろうな、やはりラクロスのルールとしての限界/飽和点に近づいて来てるんだろうな、と個人的には思った。


今年2年ぶりにMLLに復帰した兄のCaseyのプレーへの感想
  • 今年、レギュラーシーズンの最後に、請われて、Playoffを控えた若手中心のチームであるHamilton Nationalsに復帰したCasey。準決勝、決勝で、リーダーシップを発揮し、獅子奮迅の活躍を見せ、同様する若いメンバーを奮い立たせていた。
  • その彼を見てどう感じた?というコメントに対して。
  • 「Caseyは兄でありながらも、自分が子供の頃から本当のヒーローとして憧れて来た存在。34歳の今、ラクロス選手として必要なものは全て手にし、これ以上もう何もproveする必要なんかないはず。そんな彼がフィールドの上で必死の形相で誰よりも頑張って勝ちに向かって努力していた。その姿を見て、兄弟として誇らしく想い、true heroだなと感じ、尊敬を新たにした。今度また会って話すのが楽しみだ。」
と、なんともヒッピー感満載の、ザ・自由人なキャラクターが全面に出たインタビューだった。それにしても、以前四男の記事でも紹介したが、本当に息子たちの自由な発想や生き方を尊重した育て方/両親だったんだろうなとつくづく感じる。

最後に、先週末のLXM PRO 610。Phillyでのプレー。全部BTB (Behind the Back)なんてQuarterを作ったっぽい。

2011年10月9日日曜日

今週末のSrimmageの結果

現在Fall Ballと言われる、秋学期中の練習試合期間のNCAA。今週末にもいくつかScrimmageが行われた。

ILにいくつか結果が載っていたのでクイックに。(リンク

SCORES
St. Joseph’s 9, Michigan 5
Cornell 9, Colgate 9
Cornell 9, Mount St. Mary’s 8
Hofstra 2, Lehigh 1
Marist 7, Colgate 3
Towson 15, Michigan 2
Hofstra 6, Cornell 5
St. Joseph’s 10, Mount St. Mary’s 7
Towson 9. Lehigh 6
Marist 7, Mount St. Mary’s 4

ざっと見て思うのは二点。

東大がお世話になって来た、そして来期から待望のNCAA入りを果たすMichiganは、まあ、まだまだという感じ。しゃあない。今まで別にNCAAの体育会としてスポーツ推薦で人を取って来た訳じゃないので。中位校のTowsonにはボコられ、下位校のSJにしっかりやられた。ま、焦らず今リクルーティングされてる高校生が入って来て、それなりに形になってくる2-3年後まで待とう。

もう一つはCornell。おりょ?去年のメンバーがごっそり残って期待出来るはずだが、この時点ではColgateとHofstraに苦戦。HCのDeLucaも「ちゃんと培って来た物が出てない」と嘆いている。Tambroni HCがいなくなって2年目。彼の遺産も少しずつ無くなり、いよいよDeLucaの真の実力が試される年。まあ、なんだかんだ言ってシーズンに入ると、そして入ってからも、確実にいいチームを作って来て、結局Final 8-4まで行くチームなので、これまたもうちょい様子を見る必要ありかな。

2011年10月7日金曜日

ラクロスのスピードアップに向けたルール変更の動き

ILの記事で、将来的に国際ルールや日本のラクロスにも影響を及ぼしかねない、2013年のNCAA Men's Lacrosseのルール変更に向けた水面下での動きに関する話が載っていたのでクイックに紹介。(リンク

時間無いので超コンサイスにまとめて話すと、

これまで散々っぱらこのブログの記事でも語って来た通り、ここ数年のNCAAラクロスでは、ラクロスをよりメジャーにして行く上で障壁となり兼ねないいくつかのルール上の問題が指摘されて来た。

その最大のものは、ゲームのペースが遅過ぎる、と言う点。ポゼッション重視でトランジッションが少なく、試合を通しての総得点が少なくなっている。特にプレーオフ等の大事な試合になるとその傾向が一気に増す。

その裏にある3つの理由の一つが、ショットクロックの不在。バスケの30秒ルール導入前夜に似た状況。実際に60秒ショットクロックが導入されているMLLやインドアのNLLのペースが圧倒的に早く、めまぐるしく攻守が入れ替わる事で、正にバスケに近いダイナミクスと面白さを生み出している点を考えると、大学ラクロスでもショットクロックを入れるべきだという意見がかなり多くなって来ている。(オールドスクールの保守的なファン/関係者の中には変化を拒み、伝統を守るべきだ、と強行に反対する層も)

もう一つの理由が、スティックテクノロジーの変化により、ボールダウンがムチャクチャ難しくなって来ている事。カービングヘッド、オフセットヘッド、Pinched(絞られた)ヘッドにより、いまやDFのチェックによりボールが落ちる事がほとんど不可能になりつつある。無くはないが、10年前、15年前の"Edge"や"Evolution"が導入される前のストレートヘッド時代の感覚からすると、有り得ないくらいボールが落ちない。結果として、ポゼッションがより強固なものになり、シュートを打つ意外にポゼッションが入れ替わるリスクが圧倒的に減ってしまった。

最後の理由は、別に今始まった事ではないが、フライシステム。クリア後に一度ボールをアライブでありながらも実質止めて、「よいしょ」としきり直す。ラクロスを初めて見る観客からすると「何しとん?」となるという。

また、その結果/反動として、マンツーではなくゾーンDFを敷くチームが急激に増え、結果、攻める側もリスクを取らずにゆーっくりボールを回すことでゲームのペースが更に遅くなる、という悪循環が始まってしまっている。

オフェンス側も完全にチェス/詰め将棋状態になり、Head Coachのフォーメーション/決め戦術がムチャクチャ重要になり、選手個人の自由な発想/動きを殺してしまうという傾向が強くなっている。(日本の学生リーグに当てはめて、乱暴な言い方をしてしまうと(しかもここ数年学生リーグを拝見していないので、あくまで想像で物を語ると)、恐らく東大や一ツ橋の様に、身体能力で劣るが賢い(&得てして達成動機と学習能力が高い)選手の多いチームにとって有利なスポーツになっていたと想像する。逆に、比較的延髄反射で自由にその場の発想で伸び伸びとプレーする事が「相対的に」得意な体育大学系/体育学部系のチームからすると、ちょっと歯がゆい感じなってしまっていたんじゃないかと。)

という背景を踏まえ、これまでJohns Hopkinsの元All American Goalieで、ESPN & IL解説者のQuint Kessenich氏は、まずはスティックをよりボールの落ち易い形に戻す事を提唱し、Paul Rabilを始めとした、NCAAとMLLと国際ルールを経験した多くのプロ選手たちは、ショットクロック導入を声高に主張して来た。

これまでNCAA側も慎重な姿勢を見せて来たが、今週末にBaltimoreで行われるDiv 1数校による練習試合で、2013年のルール改変に向け、NCAAルール検討委員会として、試験的にいくつかのルールを試してみる、という話。

具体的には、
  • いくつかのショットクロックルールのテスト: 60秒、70秒、及びストーリング警告から30秒以内の3パターン
  • クリアクロックの変更: 現行の30秒でattack area(restraining lineとattack lineに囲まれたゴール周りのエリア)にボールを運ぶ、だが、今回は更に、20秒以内にハーフ越え、更に10秒以内にattack areaまで、というルールを試す
  • フライの変更: ボールデッド時のみフライ可能(でもシュートチェイスは除く)
  • Extra-man時のフェイスオフ: Man-downのチームでwing & centerでフェイスオフに参加出来るのは2人のみ(これによりより確実にMan-upチームボールになり易くなる。Man-down側からすると、F/Oをぐだぐだにして時間を潰すという作戦が取りにくくなる。これまでだと、仮に3分間EMOになっても、結局1点は取れるが、その後はF/Oがあるのでそれで終わり、となっていたのが、高い確率でOFボールになるため、長い時間のEMOの持つ重みが変わって来る。)
  • オフェンスバイオレーション/オフェンスファウル時の相手ボール: 現行ではDFにボールを渡す際に、DF側がattack areaの外に出てリスタートするまで待っていたが、これをやめ、その場から速攻でリスタート出来るようにする。(サッカーに近い?)これにより、OFの反則直後のDFによる速攻での反撃の機会を増やす。直感的に、クリースバイオレーション直後のゴーリーからのリスタート速攻が一気に増える気がする。
などなど。

これはあくまで実験であり、これらが全てそのまま2013年に実施されるとは全く思わないが、NCAAがまじめに実験を始めているというのは特筆に値するし、今後のラクロスのルールの行方を占っているとも言える。

直感的に、ショットクロックは、若干の戸惑いやダウンサイドもありながらも、見る側もプレーする側も思ったより出来るし、楽しかった、なんて感想になり、「だったら導入しようや」という方向は強まる気がする。仮に13年に導入されなかったとしても、更に議論と実験を積み重ね、次々回の15年では確実に現実的な導入が検討されるんじゃないだろうか。

これまでもラクロスのルールをリードしてきた、そして今もしているNCAAのルール変更。間違い無く日本を始め世界のラクロスのルールに影響を与える物と想像する。今週末の練習試合でNCAA側がどういう感想を持つのか、注目してみたい。

僕個人の意見としては、NLL、MLLを見て感じるスピード感、ダイナミックさ、興奮からすると、ショットクロック導入には賛成。そして、個人的には、「戦術面の面白さがなくなる」、「プレーが雑になる」、「ラクロス本来の面白さが無くなる」という意見は余り買わない。

NLL、MLLの感覚から推察するに、それらのダウンサイドも無くはないが、やってみたら恐らく心配していた程でもなく、アップサイドの方が遥かに大きい、という結果(違った形での戦術の面白さは依然厳然と存在し、プレーはスピード感と精度を併せ持った物になる一方でミス後のプレー/メンタルの切り替えが異様に早くなり、ラクロスの別の面白さがより大きくハイライトされる)になるんじゃないだろうか。

以前の「スポーツとしてのラクロスの改善余地」の記事で、何を目的/軸にして議論するかが大事だと書いたが、スポーツとしての発展/拡大を目指すなら、必然の進化じゃないかと感じる。

それこそ、ヘルメット着用、ロングスティック、木製から現行のスティール&プラスティックのスティックへの移行、30秒クリアルール等も長い歴史の中で少しずつ付け加えられて来た訳で。その都度「伝統が!」と反対して来た関係者は多くいた筈で。これまでも全く変更/進化の無い伝統芸能では決してなかった訳で。10年もすれば、今の僕らですら「ああ、ショットクロック無しの痛い時代もあったねー」となり、ショットクロックありのNCAAしか知らない世代が大人になれば、「は?そもそもラクロスにショットクロック無い時代なんてあったの?全く想像つかん...そんなの成り立つの?そんなんリードしたらボール回しまくって終了じゃん。絶対面白くねえよ(ま、ぶっちゃけ少なからずそういう面もあるし...今年の決勝のVirginiaもある意味そう。)」と、正に今のバスケのような状況が訪れても驚かない。