2010年6月27日日曜日

Team Australia

今回はTeam Australiaについて。

Australiaのチーム名はSharks。キャラもなかなかキャッチーに仕上がっている。

Maryland MF Adam Searのインタビューより

NCAAでは男女共にAustralia出身の選手を留学生として取っていたりする。女子のNorthwestern大学4連覇の立役者、去年の#7 Hanna Nielsenもその一人。

男子ではMarylandにMFのAdam Searが今年まで在籍していた(Bioへのリンク)。その彼が数週間前のInside Lacrosse Podcastでインタビューを受けていたので、その紹介。中でいくつか彼が所属するWLCのTeam Australiaの話やAustraliaのラクロス事情が取り上げられていたので。(Inside Lacrosseの記事&Podcastへのリンク

僕自身も現役の頃、3年生になる前の春休みに、海外での経験/飛躍的実力向上を求め、AustraliaのVictoria州のチャンピオン、Williams Town Lacrosse Clubというチームに二ヶ月半程単身Home stayしてお世話になったことがあり、当時のことが思い出されて非常に懐かしかった。

オーストラリアのラクロス事情

ちょうどよくまとまったWikiのリンクがあったので紹介。

Melbourneを中心としたVictoria, Adelaideを中心としたSouth Australia, Perthを中心としたWestern Australiaの三つの州がコア。その歴史は実は結構古く、100年以上前に遡る。(僕がステイしていたチームのクラブハウスにも100年前の白黒写真に当時の木製スティックを持ったメンバーの写真があった。)競技人口自体は決して多くなく、ハッキリ言ってMinorスポーツ。(ちなみにAustraliaで熱いのは何といってもAussie Football、次いでCricket, Rugby, Soccer, バスケ…という感じだろうか)

面白いことに、アメリカや日本と違い、学校がチームの母体になっていない。基本的に全て地域に根ざした町ごとのクラブチーム。そこに子供のころからおじいちゃん/おばあちゃんまでが所属してプレーするという家族ぐるみ/コミュニティ密着型。イメージ日本の町の剣道場/柔道場/空手道場に近いイメージじゃないかと。

どこのチームもホームグラウンドとClub Houseを持っており、練習は火、木の夜に1.5-2時間ずつ練習、土曜の朝に試合、というスタイル。つまり週たったの3日、しかも数時間。多くの社会人メンバーが仕事を追えて夕方にグラウンドにやってくるパターン。練習や試合の後はClub houseでビールを飲むことも。チームの歌などもあり、歴史を感じさせる。

練習時間は2時間と圧倒的に少ない。一方で、個人的には、練習時間が少ない分、一つ一つの練習に対する目的意識と集中力が高く、練習の設計も非常によく頭を使われていて(どうやったらもっと楽しく出来るか、集中させられるか、目的を達成できるか等)、単位時間当たりの効率は圧倒的に日本よりも高いと感じた。

以下、Adam Searが言っていた話の中で面白かったネタをいくつかピックアップ

Team Australiaの目標

過去のWLCでは長らくUS、Canadaに次いで3位。何とか2位に上がりたいと企んでいる。Adam Searも弱者が強者を食うチャレンジとしてやりがいを感じていると述べた上で、正直競技としての規模の大きさ、ナショナルチームの人的/資金的リソースでの差は如何ともしがたいとしていた。

US、Canadaは当然、大きな競技人口に支えられたラクロス協会、そしてスポンサーから多くの資金的/人的バックグラウンドがある。

一方オーストラリアは、ほとんどの選手が完全にフルタイムで普通に仕事をしており、今回のWorld Championshipの渡航費用も全て手弁当(自己負担)。人によっては大会期間の休暇を取るのもやっと。日ごろの体力向上、Weight trainingといったコンディショニングもほとんど自分でやらざるを得ず、その辺の事情が大きく戦力に影響していると。(その辺は日本と近いかな?)

一瞬女子の事情

ちなみに余談だが、女子は事情が異なり、競技人口で圧倒的な差があるUSに何度か勝ち優勝している。語ると長くなるが、個人的には、USの女子ラクロスは実は意外にも数年前まで結構古くからの「流儀」やStereotypeに縛られ、スポーツ本来の純粋な競争/進化を遂げてなかった面があったのが原因じゃないかと思っている。「女子ラクロスはこうあるべき」という無駄な先入観に縛られて、「このルールの中で勝つための限界を突き詰めたらこの戦い方」というフロンティアに到達できていなかったんじゃないかと。結果、よりシンプルにスポーツとして勝ちに行ったAussieがそこそこ行けてしまったっていう。

ちなみにNCAAでその隙を突いて、科学的で合理的な新しい戦い方により秩序を破壊する事で一気に頂点に上り詰めたのがNorthwestern大学。HCのHillerが2005年の決勝でプレーヤーとして敗れた対面が、若きAustraliaのエース、そして後に彼女の元でNUを5連覇に導いた原動力、Hanna Nielsenだったらしい。負けず嫌いのHillerはNielsenとの入学面接の際には悔しくてWLCの話は一切触れなかったとか…

NU女子は5連覇達成の後、6連覇を掛けた今年は、昨年までの主力が抜けた穴に加え、Maryland初め既存の強豪チームがその戦い方にキャッチアップしてきたことにより優勝を逃した。

NCAAとAustraliaの違い

また、Marylandで実際に4年プレーしてみて、オーストラリアとの違いは何かと聞かれたAdamの答えは、大きく2つ。

1つは専門化の度合い。Aussieはまだ選手間の実力差も大きく、チームの選手の人数も限られ、Competitionもそこまで突き詰めきられてるわけではない。多くの選手がOもDも全部やる。こと能力の高い選手は必然的に出ずっぱりになる。一方で、NCAAは40人で徹底したCompetitionの中に投じられ、チーム戦術/システムがっちりの中でやるので、専門化が相当なレベルまで進んでいる。シュート打つ人、ダッジする人、FOする人、DFする人、とMFでも細分化されている。

2つ目はやはり、Physicalの鍛え方、どれだけ科学的にアプローチするかの違い。AussieでもWeight trainingは何となく個人でやっていたが、Maryland/NCAAでは専門のフィジカルトレーナーが付いて、徹底的に科学的に鍛えられると。おかげで自分がオーストラリアにいてはなれなかったレベルまでサイズ、パワー、スピードの面で飛躍的に向上したとのこと。

そしてこれはSearとは関係なく、僕個人がWilliams Townでプレー/観戦して感じたAustraliaならではの特徴を紹介。①パスワークが速く、昔ながらのCrease前でのPick & Feedが非常に巧い(なので見てるとパチッ、パチッと小気味良くボールが動き、テンポが良くて気持ちいい)、②ファウルの判定がより厳しい(少し乱暴にStick以外をチェックするだけでフラッグダウン。)、③結果、DFのチェックが非常にピンポイントで正確。パチッとスティックを打ってくる。④従って、びっくりすることに試合もShoulder padをつけてない選手がほとんど。僕自身も実際にVictoria州リーグの試合に出る中で、肩や胴体をチェックされることがほとんど無い事に気付き、途中からショルダーを装着するのを辞めてしまった…(この点はもしかしたらさすがに国際大会のルールに則って嫌々ながら着用してくるかも?)

代表選考プロセス

毎年クラブチーム間で行われる州別のリーグ戦、及びState Championshipゲーム(プレーオフ)のパフォーマンスを通し、州選抜メンバーが選ばれ、州対抗のNational Championship Gameが行われる。そこでのパフォーマンスと、併せて行われる数日間のTry outでNational Teamの選手が選ばれるとのこと。

同じ仕組みがジュニアの頃から導入されているため、シニアで選ばれる選手たちは大体ジュニアの頃からNational teamでプレーしているという状況。

今年のメンバー

メンバー表のリンク

すいません。さすがに誰が注目選手なのか等の情報は無しっす。少なくともAdam SearはMaryland卒業直後なので、恐らく大車輪の活躍をするはず。いくつか掲示板に載ってたUSでプレーする/してた選手の情報を転載。
●Gareth Allen played at Drexel
●Jimmy Watson-Galbraith at UMBC
●Darren Nicholas played or practiced at the LI Lizards
●Keith Nyberg at Limestone/NLL practice squad

あと、自分がステイさせて頂いていたWilliams Townから二人が選出。1人目は当時近所に住んでいて、プレーでもめちゃくちゃ目立っていたMFのRyan Garnsworthy。当時15歳だったので、今はもう25歳くらいか。当時から本来はUnder 17やUnder 19でプレーする年代であるにも関わらず、余りにも上手いということで3階級くらい飛び級してAdultのトップチームでプレーし始めており、そこでいきなり主力級の活躍をしていた。「こいつは間違いなく凄いプレーヤーになるな!」と感じたのを覚えている。(彼は間違いなく僕のことは覚えてないと思うが…)

身体能力の高さに加え、シュートも速く正確、そして何と言ってもStick skillが恐ろしく滑らか。チームメートをして、"Sick"とか"Wicked" (Aussie slang)、そして"Smooth like putting butter on the bread with a butter knife.(バターナイフでバターを食パンの上にするするっと塗るように滑らか)"と。正にそんな感じだなーと思ったのを覚えている。

更に弟の当時12歳くらい?のMattという元気のいい天才少年がいたのも覚えているが、彼も兄弟揃って代表入り。ん?従兄弟だったかな?忘れた…

当時Ryanに近所のフィールドで何回かキャッチボールに付き合ってもらったが、若いくせに(且つ割りとLaid backな選手が多いAustraliaの中にあって)非常にしっかりした考え方/desciplineの持ち主で、ラクロスに対する意識レベルが極めて高かったのが印象に残っている。どうやったらラクロス上手くなれるの?と訊いた時の彼の一言目は、「Dedication.(努力)」。そして、「とにかく壁打ちをしまくること。」壁に向かって上から、横から、下から、バウンドでボールを投げ、左右の手で、いろんなヘッドポジションでキャッチする、ということをひたすら毎日繰り返せと。またダッジについては、森の木立に連れていかれ、この木々を相手に全速力してひたすらランダムにダッジしまくれと。スプリットしたり、ロールしたり。自然を利用するトレーニングに、プロゴルファー猿を連想したのを覚えている。

日本体験

Adam Sear、実はジュニア時代にU-19かなにかのAustralia代表として日本を訪れたことがあったと言っていた。キッチンテーブルの無い部屋、泥のグラウンドなど、文化の違いや、江戸陸で数千人の観客の前でプレーした経験など、すばらしい思い出だったとのこと。

Tokyo Jr誕生の裏話

最後に一瞬余談だが、実は、1999年に僕らが現役だった頃、白井さんや沢田さん始めOBの皆さんと共に東京Jrを立ち上げた裏には、多分に僕がAustraliaのクラブチームで見てきたものの影響が含まれている。

Australiaのラクロスは、年代別に細かく区切られたチーム/リーグ、そして成人以降はさらに実力別に4段階に分けられている。実力とコミットメントに応じて所属するレベルを選び、そこで全員がラクロスを楽しみ、学ぶという仕組み。若い頃から試合経験を積み、実力が上がれば上のチームにPromotionする。2軍のチームには第一線を退いた元スター選手がおり、若手と共にプレーしながらラクロスの楽しさとプレーを教える。

当時ちょうどリクルーティングの改革直後で新入生の数が爆発的に増え、コミットメントのバラつきや試合出場機会/上級生との接触頻度の減少という問題が予見される中、まさに東大ラクロス部にとって打って付けの仕組みだった。若い頃からラクロスの楽しさを知ってもらい、試合経験を積み、上級生やOBから学ぶ。OBに対しては引退後のプレー/現役とのコミュニケーションの場を提供し、さらに上級生の中で私生活や授業の関係でフルコミット出来ないがラクロスは続けたいというメンバーに対するプレーの場を提供する(それまではその時点で辞めるケースが多かった…それじゃ勿体無いなと)、というConcept。

当時はいろいろと反対意見もあったJunior(ちなみに名前は当時のテレビ番組I Love SMAPで裏方として売れ始めていたジャニーズジュニアからパクりました…)、手探りで始めたが、10年以上続いて今に至ろうとは正直あまり想像していなかったのでちょっと感慨深い。関係者の皆様、本当に有難う御座いました。

と、完全に関係ない昔話でしたが…

WLCでは?

さて、最後に話題を戻して、WLCでのAustraliaの成績はどうなるだろうか?客観的に見ると、やはり引き続きUS、Canada相手には相当苦しいだろう。最大の見所は、Iroquoisとの戦いがどうなるか。Iroquoisは過去に比べてMLL、NCAAのメンバーも増え、明らかに実力を上げてきている。非常に楽しみ。

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以下、初稿アップ後に一個大事なことを書き忘れたことに気づいたのでクイックに補足。

Michigan以外の留学先候補としてのAustralia

Michigan以外の+αの留学先として、Australiaのクラブチームは恐らく最も現実的な気がしているので念のため言及。強いチームは非常にレベルが高く、一段上の次元のラクロスを経験出来る。且つ、地元のクラブチームで緩い規制/縛りの中でプレーしているため、ぱっと入ってきた外人(日本人)でも練習/試合に参加し易い。

現に過去に複数の日本人ラクロス選手が男女問わず同様のことをしている(Stay先はVictoriaだったりSouth Australiaだったりいろいろみたいだが)。大事なポイントは、必ずしも日本でトップレベルの選手じゃなくても全然可能という点。チームのレベルや、チーム内でのDivisionにばらつきがあるので。Bチームでも試合に出られるレベルの選手なら十分な経験を出来るし、極端な話始めて1年未満の1年生が行っても十分ワークすると思う。ホントに。

春休みが丁度シーズン初期に重なるのでそこで数週間~数ヶ月行くもよし、もしくは英語力向上、人生経験も含めてがっつりやりたいならWorking Holiday Visaで1年休学&留学するもよし。一年異文化体験してレベルの高いラクロスの中に身を投じれば、3年や4年で復帰して一気に大ブレークすることも可能。(長い人生/キャリアの中で一年くらい遅れることなんて超Negligible。敢えて直線的な人生から意識的に脱線を作り、多少の寄り道/回り道をして違う経験を積んだ方が後から大成することすら。)ピンポイントで自分の話ばかりしても説得力はあまりないが、僕自身は、数ヶ月のステイを通して、その後の人生に大きな影響を与える素晴らしい体験を得ることが出来た。(Michiganに行ったメンバーも角度こそ違えど同じような経験をされたんじゃないかなと想像する。)

学校の授業に関しては、学部を選ぶかも知れないけどやり方はいくらでもある気が…僕の場合は試験の直後に渡航し、3年前期の授業登録は友人にお願いし、授業は最初の1ヶ月半全ぶっちというオプションで行った(よくよく考えるとその後も法学部の授業は卒業まで一度も出なかったので結局同じか…)。法学部以外でも事情を説明すれば先生によっては柔軟に対応してくれたりしないですかね…?

何か面白いことをやりたい、他の人と違うことやりたい、人として、選手として線形じゃない変化/突然変異的な進化を遂げたいと思ってる行動力ある若手、与えられた仕組みの中でやるのは面白くねえ、自分は自分のスタイルを切り開くと思ってる尖った個性ある一匹狼は是非ご検討を。もちろん、単純に、純粋に、遊びとして、楽しそうだから行く、というLaid backなスタイルでも良し(いやむしろAustraliaのテンション的にはそっちの方が合ってるか)。僕でよければ相談乗るので。何よりも、日本では得られない、むちゃくちゃ楽しい経験が出来るので!たった一度の人生、後悔無いようやりたいことやって楽しんだ者勝ちなので!(ちなみにかく言う当時のワタクシも渡豪の動機の8割は合コン戦闘力アップですた…「海外留学はモテる」という根拠なき妄信に導かれ…結果GC戦闘力は全く持ってアップしませんでしたが…)

いたる@13期

2010年6月26日土曜日

NCAA 2人のヘッドコーチの移籍② John Tillman (HarvardからMarylandへ)

さて、今回は前回のTambroniに続いて、先々週の大型HC移籍その②、HarvardのTillmanのMarylandへの移籍。(Inside Lacrosseの記事

バックグラウンド

そもそも、今回の話の発端は以前の記事にも書いたMarylandの看板HC、Dave Cottleの解任劇。Loyolaで結果を出した後Marylandに引き抜かれたCottleは9年目のシーズンで、強くて層の厚いAとDに支えられた順風満帆のシーズンを送っていた。それが、格下と見られていたNDに2回戦で完全に塩漬けにされ、7-5で敗北。その次の日に早速学校から解任が報じられるというショッキングな出来事だった。いくらなんでも次の日というのは早すぎたので、「もともと3年連続でFinal Four行けなかったらクビになる契約だった」とか、「短気で非情でラクロス音痴と評判のMarylandのAthletic Director(体育会全体のトップ)の女性Debbie Yowが単純に切れただけ」などと憶測が飛び交った。

ちなみに、この解任の意思決定にに関しては時間が経ち、Notre Dameが勝ち進むに連れ、多くの疑問の声が聞かれるようになった。「そもそもNDが当初印象を持たれていたほど弱いチームではない/決して番狂わせではなかったんじゃないか?(準決勝でCornellを倒し、決勝ではDukeを6点に抑えあと一歩で優勝するところだった)」、「それをたった一回負けたくらいでヒステリックに全否定することもないんじゃないか?」など等。解説者のQuint Kessenich曰く、MDは決して悪いチームではなかった。A, D, Gは最強クラスで、彼らはToughなリーグ戦の相手に毎週全力を尽くし、勝ち続けるという素晴らしい結果を残した。それを近年稀に見る硬いDのND相手に勝てなかったからってすぐに責任を取れというのはMDのためにならないんじゃないかとも。(あ、と書いてたら丁度Athletic DirectorのDebbie YowがNC Stateに移籍するとのニュースが…(リンク)これって連鎖解任なのか…?)

Marylandにとっては苦渋の決断?

ただまあ一方で、毎年強い強いと言われながら最後は結局優勝争いに絡めていなかったのは事実で、「何か大きな変化」が必要だったのは事実。どっかで冷徹にコーチを変える必要があったとの声も聞かれた。MarylandはLacrosse Hot Bed(メッカ)のど真ん中にあり、長らく強豪で、頻繁にFinal 8、Final 4に顔を出しているが、ちょっと意外だが実は過去に一度も優勝を経験していない。女子ラクロスが(皮肉なことにMaryland卒業生HC Hillerが率いるNorthwesternに負けるまで)長らく常勝王国を守ってきたのに比べると「もっとやれんだろ?」感が強かったはず。

Cottleもそろそろ「シニア」な年齢に突入し、今後のことを考えると思い切って若くてエネルギーのある、将来有望な監督にガッと切り替えるというのは後から見れば正しい判断だったのかも知れない。

コーチ探しの数週間

その後数週間に渡り、ラクロス界では候補者予測が始まり、元SyracuseでCanadaの英雄、伝説のプレーヤーGary Gaitや、ScandalでDukeをクビになり、その後Bryant、そして今年のUS代表を率いるPresslerの名前が挙がったりもした。

が、蓋を開けてみると結局至極全うで無難な選択。Harvardで3年間HCを勤め、「まあまあ」の成績を残したTilmanに決定。(GaryはSyracuseの女子のHCとしてコミットしており、家族共々地元を離れる気が無い、PresslerはさすがにBryantでまだやり切ってない?) QuintはInside Lacrosse Podcastで、「ぶっちゃけTilmanが第一候補だったわけじゃないんじゃないか」と指摘していた。また、オフシーズンの夏は有望な高校生を視察し、入学をコミットさせるリクルーティング争いの大事な時期で、この時期にコーチ不在の期間を作ってしまうとその後数年に渡ってのチームのパフォーマンスがダメージを受けることになるという事情もあり、Maryland側も急ぐ必要が有ったという面も。

Who’s Tillman?

10年間NavyでAssistant Coachをした後、HarvardのHCに就任し、3年間で20勝19敗。もともとHarvardは同じIvy LeagueのPrincetonやCornellとは違い、そこまでLacrosse名門校という訳ではなかった(どちらかと言うと典型的高学歴校のちょっとひ弱なイメージ?)。それを、チームの仕組みや規律/意識レベル、組織や施設なども含め、全うなレベルまで持ってきたという点では高く評価されている。正直僕自身も詳しくないが、当然、しっかりした規律と情熱を持った、頭のいい、実力のあるコーチなんだろう。

今後のMaryland

来シーズンに関しては、今シーズンの主力の多く、特に(試合のDVDを見た皆は目に浮かぶと思うが)最強クラスのAT3枚(Grant Catallino、Travis Reed、Ryan Young)がそのまま残る。恐らくTillmanは過去の戦力を存分にレバレッジし、戦術やスタイルはある程度生かした形で多少のMinor Changeを加える程度で戦ってくるんじゃないか。

その後数年間で徐々にリクルーティングで自分の色を出し、戦術や練習も少しずつ変え、彼のチームにしてくるだろう。一体どんなチームに仕上げてくるんだろうか。

Quintは、これまでIvy LeagueでやっていたTillmanはMarylandに移籍してすぐに、そのリーグ戦の対戦相手の顔ぶれの過酷さ、特に同じACCの相手であるNorth Carolina、Virginia、Dukeのレベルの高さに苦しむことになるだろうとのこと。

浮沈の鍵を握るのは、弱さを指摘されてきたMFをどう立て直すか。伝統的にAT、Long Stickで強い選手を採り、育てて来たが、これまた伝統的にMFが手薄。Offenseの負荷がATに集中するため結局ATも失速するという悪循環に陥っていた。その辺をどう梃入れするかも注目。

異例の7年契約

今回の契約、一点だけ明らかに他に例を見ない、注目すべき点がある。7年という超長期である点。学校側からすると彼がワークしなかった場合を考えるとリスクがある。一方でTillmanからするとJob Securityと共に、長期的な施策も含めてじっくり自分の作りたいチームを作りたいという意図も。吉と出るか凶と出るか。まあ、本人も人生/キャリアを懸けてがっつりコミットし、純粋に強いチームを作りたいと思ってるはずで、学校もそうなって欲しい訳だから、Win-winになって欲しいな、それでMarylandが強くなってNCAAをかき回し、もっともっとNCAA Lacrosseを盛り上げてくれればいいなと個人的に思う。


いたる@13期

NCAA 2人のヘッドコーチの移籍① Jeff Tambroni (CornellからPenn Stateへ)

さて、今週の間に2人のヘッドコーチの移籍に関するニュースがあった。1人は以前散々記事で紹介した(&持ち上げた)CornellのJeff TambroniのPenn Stateへの移籍、もう一人は同じくIvy LeagueのHarvardのTillmanのMarylandへの移籍。今回は前者の紹介。

Jeff Tambroni (Cornell to Penn State)

Penn Stateの記事のリンク


まずTambroni。以前の記事でも散々賞賛したが、Cornellを率いて過去4年間で3度のFinal Four進出。入試や勉強、練習時間等の規制が厳しくハンデの大きいIvy Leagueにあって、選手の素材の面でSyracuse, Hopkins, Virginia, Maryland, Dukeら強豪校から一段劣るCornellを知力と情熱でそこまで強くした功績は誰もが認めるところ。額面上の実績ではトップ5人のHCの一人、というところだが、与えられた環境/リソース見合いでの達成度ではおそらくぶっちぎりの1位じゃないだろうか。現時点でNCAA Men’s Lacrosse最高のコーチと評価する関係者やファンも多い。2001年に前任のDave PietramalaがHopkinsに復帰移籍したタイミングでAssistantに就任したときは誰も彼のことを知らず、結果を出しても「どうせPetroが残した遺産だろ?」と言われていた。その後活躍を続け、今では「TambroniこそがCornellを昔の強いCornellへと復活させた功労者だ」と評価される。

東大と重なる部分も?

学問的名門校で、授業と両立しながら体育推薦無しで身体能力やサイズのハンデを負いながら、情熱と規律と戦術を武器に結果を出す姿を見て、勝手に東大とダブらせて見ていた自分は、非常に共感の持てるチーム/コーチだった。

移籍の背景

以前インタビューで伝統的強豪校に移籍する気はないか?との質問に対し、「今のところCornellに大満足しているし、自分自身Cornell出身だし、家族の話もあるし、基本的には当分無いんじゃないかと思ってる」的なコメントをしていたので僕自身も移籍はまずないと思っていた矢先のことだったのでショックを受けた。USラクロス界全体に衝撃が走った移籍。スポーツニュースでも報じられたため、Lacrosseファン以外にも認知されたニュース。一昨年のBill TierneyのPrincetonからDenverへの移籍に次いで大きなニュースじゃないだろうか。

移籍先は、33年間(長っっっ!!)HCを勤めた前任のGlenn Thielが今年限りで引退するPenn (Pennsylvania) State大学。大型総合州立大学で、アメフト、バスケ、女子バレー、レスリングなど、あらゆるスポーツで結果を残す伝統的スポーツ強豪校。(ちなみに僕が勤める会社に地理的に近いこともあり、結構周りににPenn State出身者がいる)

ラクロスに関しては所謂東海岸沿いのHot Bedからは少し内側に入った、気持ち中西部に近い位置/内陸部にあることもあり、Division 1に属するものの、その中ではさして際立った強豪というわけではなかった。過去の成績を見ると大体15~30位前後をうろうろしてる感じ?失礼を承知で言わせていただくと、「ぶっちゃけイマイチ」というのが今の実力。

Why Penn State? And, why now?

じゃあ、なんでまた…?

Inside LacrosseでのRound Table Discussionか何かでも議論されていたが、いくつか背景となるロジックの紹介。

そもそも、大学ラクロスチームの競争力を決める潜在的なファクターとして以下のようなファクターがあると言われている。
 ●大学のサイズ/学生数
 ●地元/卒業生のファンベース(チケット/グッズ/広告収入の源泉)
 ●大学のAthletic Committeeの強さとコミットメント
 ●寄付金のでかさ/収益力/経済力
 ●選手獲得競争で勝てるだけの大学のブランド/歴史/学力/魅力
 ●奨学金制度(金額×人数)
 ●地理的な条件(一般的に西にあると不利)
 ●グランドやトレーニング設備といった施設の充実度

実はPenn Stateはその辺りの要素に関してはトップクラスにある(だからこそアメフトも強い)。逆に言うと、それだけの条件がありながらこれまで強くなかったのが不思議なくらいで、「Sleeping Giant(眠れる巨人)」とも呼ばれていた。裏を返すと、それをしっかり結果に結びつけるだけのコーチがいれば、比較的短期で強豪校の仲間入りを果たすんじゃないかとも。今回の移籍はPenn Stateが金を積んででもがっつりコミットして徹底的にLacrosse部をTurn aroundするという強い意志の表れにも見える。

そんな学校からのオファーを受け、Jeff Tambroniはどう感じたのだろうか?本人の立場を勝手にするといろんな思考や想いが浮かんでくる。

Ivy Leagueの限界

Cornellで出来る事はある程度飽和点近くまでやりきり、これから先さらに大きな飛躍を目指すためにはやはりIvy Leagueでは限界があっんじゃないだろうか。特に去年(09年)のCornellはMax Seibald、John Glynnを初めとしたトップクラスのタレントを要し、Ivy Leagueの学校としては10年に一度のNCAA優勝のチャンスだった。解説者のQuintも去年の決勝での敗北は、「次のチャンスは一体何十年後に来るのかわかんないよ?」というレベルの、正に千載一遇のチャンスを逃したことを意味すると指摘。本人としてはLacrosseのHCとして一生のうちに一度は絶対にNCAA優勝を果たしたいはずで、それを考えるとこのままCornellで次の奇跡的タレントの「波」を待つべきかどうか相当に悩ましかったはず。

前回の記事でも書いたが、そもそもIvy Leagueの学校には多くのハンデがある。体育会推薦が無く一般入試でしか採れない、入学許可のタイミングが1年近く遅い、NCAA以上に厳しい練習時間の制限/試合に出るのに必要な学業成績の要求、授業の厳しさ、コーチ/スタッフに払われる給与の低さ(アシスタントの多くがVolunteer)等々。Recruitingでプラスに働くCornellの大学としてのブランドを差し引いても圧倒的に不利な要素が大きく、競争が激しくなる近年その厳しさは増す一方。

そんな諸々の事情や想いの中、Penn Stateの提供する、リソースに恵まれ、ゼロベースで新しく自分の理想とする強いチームを作れるという環境に強く惹かれたんじゃないだろうか。もちろん、家族ファクター(CornellのあるIthacaはかなり田舎。子育てや奥さんの仕事的にはPenn Stateの方がBetter?)やSalary、Job Security(長い期間での契約)の話等、Publicにオープンにならない話も多く、実際彼がなぜ意思決定したのかは定かではないが。(ざっくり言うと、基本学問ありきのCornellに比べると、体育会への投資の大きいPenn Stateの方が給料はいいと想像される。)その他にもコーチにとっての大事な副業で収入源でもあるCampの開催のし易さ、参加者の集めやすさ、マーケティングや運営への学校の協力体制など、もう一歩複雑なファクターも絡んでいるらしい。

無理やり要約すると、Cornellでこのまま「そこそこ」の成績を安定して出し続けるのか、多少リスクを取って/時間を掛けてでもバチッとリセットボタンを押して仕切り直してゼロから理想のチームを作って捲土重来を期すか、の判断で、その他諸々の事情を併せて考えた上、後者を取ったということだろうか。個人的には、チャレンジへのワクワク感ややり甲斐を考えると、彼の意思決定に同意だし、強く応援したいと感じる。

Tambroniへの賞賛/信奉の声

今回の移籍を受け、インターネット上のForumやInside Lacrosseのコメント欄でCornellのファンや卒業生からいろんなコメントが書き込まれていた。その多くがTambroniに対し賞賛、感謝するものであり、Cornellを去ることに対し恨み節を述べる訳でもなく、「あなたのことを人として、コーチとしていつまでも尊敬し、応援している。Cornellにはいつでも帰ってきてくれ。そのときはみんな暖かく迎えるから。」と言った極めてPositiveなものが多かったのが印象的。彼の人としての魅力、リーダーとしての資質、そしてラクロスへの愛情と情熱が成せる業なんだろうなと思った。

今後

さて、いずれにせよ、来シーズン以降が楽しみ。もちろんPenn Stateが実際に彼の恩恵を受け、結果を出すのには数年を要するだろう。が、恐らく早くも今年のRecruitingからTambroniに教えられたくてPenn Stateに向かう高校生も出てくるだろうし、その数は年々増えていくだろう。恐らく3年、5年の時間軸ではTop 10に絡んでくるチームを作ってくるに違いない。特に、東海岸に加え最近有力選手を輩出し始めているOhioなどの中西部を「狩り場」に出来ることを考えると、思った以上にその時間軸は短いかも知れない。

一方で彼がいなくなるCornellはどうなるんだろうか?Defense CoachがHCに昇格する人事が決定したらしい。TambroniのRecruitingでの強さ、PannelやMockといった若いATを要する戦術的OFは引き続き健在であり続けるんだろうか?こちらもどうなるのか、その行く末が気になる。解説者のQuint Kessenichも指摘していたが、一般的にPositionコーチがHCにStep upする際には苦戦するケースが多い。自分が見ていたDに引き続き介入し続けるべきなのか、Oをどれだけ見るのか任せるのか等、多くの新任HCがアジャストに苦しむと。

コーチ人材を輩出し続けるIvy League

さて、今回紹介したJeff TambroniもIvy Leagueから他校への移籍。もう一人のTilmanもIvyのHarvardからMarylandへ。去年のBill TierneyのPrincetonからDenverへの移籍や、もっと前ではPietramalaのCornellからHopkinsへの移籍と成功など、Ivy Leagueがコーチ人材のIncubator(育成/輩出機能)を担っている面も。限られたリソースとあらゆる制約条件の中、未完成だが頭のいい選手たちを持ち駒として、限界まで頭を使って戦う。お互いをよーく知り、スカウティングし切った7チーム間での激しい競争。ここでコーチ/リーダーとしての資質を磨き、実力を証明してBig schoolに(多くの場合数段いい給料で)Head huntされていくという流れ。USラクロスを見る上でのもうひとつの見所でもある。

と、同時に、今東大で学生/OBコーチとしてチームを支えるメンバー、主将やポジションリーダーとしてチームを率いるメンバー達を想像し、改めて、間違いなく、素晴らしい体験/学習の機会を得てるなと思った。試行錯誤を重ねながら、小さな失敗と成功を積み重ねながら、想いと情熱を元に頭と心を使って組織をinfluenceしていく。リーダーとして将来絶対に大きな財産になるはず。(僕自身主将を経験させて頂いた機会は10年経った今振り返って、改めて素晴らしい経験だったと心底思う)

いたる13期

2010年6月24日木曜日

Iroquois Nationals

Inside LacrosseにWLCでのIroquois NationalsのRosterが発表されていたので、サクッと転載しときます。
 ● 記事のリンク
 ● IroquoisのHPのリンク

そもそも、Iroquoisって…何?

ちなみに、Iroquoisについてご存知無い方もいらっしゃるかと思うので、Wikipediaのリンク。ざっくり言うと、北米の北東部(CanadaのQuebecやOntario、USのNY州の北部辺り)に住んでいるNative Americanの血を引く人々のコミュニティ。人口約13万人。6つの部族から成るので、Six Nationsとも呼ばれる。Lacrosseを国技的に受け継いでおり、子供の頃から家族ぐるみ、地域ぐるみでラクロス漬け。多くのNLL選手を輩出しており、また毎年何人かNCAAのスターオフェンス選手を出している。去年か一昨年youtubeでSix NationsのLacrosseリーグの映像を見たことがあるが、Jrのころから比較的乱闘に寛容。この辺はIce Hockeyにも共通。Indoorならでは…

WLCには98年から参加し、ここまで3大会連続で不動の4位…回を重ねるごとにレベルが上がっていると言われている。(Japanが4位を目指す上では絶対に負けたくない相手。)

Michigan以外の新留学先候補?

どさくさに紛れて一瞬余談だが…完全に個人的な&勝手な想像/妄想としては、東大から誰か若くて尖ったやんちゃな子、元気で鼻っ柱が強くて行動力のある猛者が、春休みや夏休みを利用してこの辺の地域に数ヶ月Home stayして地元のクラブチームで一緒にプレーしたりしたら、ワクワク出来るような、素敵な化学反応/Breakthroughが起きるんじゃないかなー、なんて思ったりもしている…(誰か行きたい選手がいたら喜んで英語サポートも含めて相談乗るので気軽にご連絡下さいませ。こんなこと言ったら怒られるかもだが、下手に東京でいつもの練習をして短期的でMarginalな成長を追うより、間違いなく長期的で本質的な変質を生んでくれるので。遥かに実りの有る、人生を変えかねないような経験が得られると信じるので。1年生でも2年生でも構わないし。というよりむしろ1年生や2年生で行くからこそ大きな意味があるとすら思うし。最初はハードル高く感じるかも知れないけど、思い切って飛び込んでみたらびっくりするくらい簡単に出来るものなので!そして何よりも最高にExcitingで楽しい体験が出来るので!「与えられた出来合いの留学じゃ面白くねえ」、「俺が自ら獣道を切り開く」、「単身海外武者修行で『真の本場』で腕試ししてえ」、「まだ誰もやってない新しいことを始めたい」と思ってる様な下克上な下級生がいたら、喜んでサポートさせて頂きまっす。)

と、長くなってしまった余談はさておき、注目選手紹介。

注目選手

今回のWLCのメンバーも恐らくNLLの選手が中心。正直僕もあまり詳しくないが、最近のNCAAで大活躍だった選手が二人いるのでご紹介。

①#88 AT Cody Jamieson

Six Nationsのジュニアリーグ以降エリート選手として活躍し、既にSyracuseに入る前にIndoorでプロとして活躍。Syracuseでは去年3年生で地元のOnondaga Community Collegeから編入、今年は4年でエース#22を背負っていた。去年の決勝でCornell相手に後半の追い上げ、そしてOver timeでの逆転ゴールを決めたのが彼。(動画

背は低くてStodgy(ずどっとした感じ)な体格。脚は正直さほど速くない。左利きの典型的Canadian Finisher。Crease付近での動きとStick Skillは芸術的(今年最も印象に残ってるシュートの一つ)。今年はエースとして期待され、Inside Lacrosseの表紙にもなったが、逆にプレッシャーになったのか、敵チームにScoutingされきったのか、それほど爆発的な成績を残した訳ではなかった。(スピードのあるDodgeで自らガンガン抜くというよりは、DodgerのそばにいてFinish+司令塔としてFeed、という役割分担だったこともあるかも。)

今年のドラフトでは2順目にMLLのToronto Nationalsに指名され、先週から試合に出ている。WLCでもFantasticなプレーで魅せて欲しい。

Inside Lacrosseのインタビューを読んだ限り、ご機嫌な近所の兄ちゃんといった感じ。3歳から一日中Stickと戯れる生活だったとのこと。

Youtubeで彼のTrick Shots講座があって非常にためになったので転載。ここまでちゃんと一つ一つのTrickyなプレーを分解して解説してくれてるビデオはそうそうないので新鮮。彼は上手い選手の中でも比較的形式知として左脳で技術を語れる、従って他人にTrainableな形で教えられる稀有な選手だなと思った。Between the legsも先ほど紹介したHopkins戦でのゴールを見たときは「ぬはっっ!!」と思ったが、こうやってきちんと体系化された技術として認識し、意識的に練習した上でやってるんだなと(逆に言うと咄嗟に試合で思いつきで突然やってるわけじゃないのねと)。この辺のプレー、僕も現役の頃は詳しい先輩(11期の中丸さん)から伝え聞いて見よう見真似でやってたが、こうやってちゃんと一流の選手が自分の口で語り、自ら手本を示す映像には出会えなかった。当時の自分だったら涎だらっだらじゃないかと…東大の現役の皆も是非試合でバシバシ決めてみては!?観客も大爆発するはず。(もちろん、基本ありきの前提で御座います。ハイ。)
 ● 2. Behind hte back(なるほど、上の手で引くだけじゃなく、Bottom handをPushする、体幹をコイルする/捻るのがコツだったのね…)
 ● 3. Between the legs
 ● 4. Around the world
 ● 5. No look shot(Backhandの手でキャッチして、Stickを下に一回転させる動きに注目。これはもしかしたら一番使えるかも。今年のPrinceton戦でHC John Deskoの息子でA/MのTim Deskoが応用編で股下から決めてた映像。クリースが得意な選手は特に貰ってすぐ振り返らずに打てるので普通にシュートの引き出しに入れておきたい。)

② #4 MF Jeremy Thompson

同じくSyracuseの4年、今年から同じくOnondaga Community Collegeからの転校でチームに加わった。(インタビュー映像。今年印象的だったRutgers戦でのScreenを使ったStanding shot。)

Face offも強く、Dも硬い。機動力もあって速攻の起点にもなり、Set offenseでDodgeとRunning/standing shootで点も取れる。プレーの節々に高いラクロスIQを感じさせる。正にAll rounder。なぜかわからんが、立ち振る舞い、走る姿やプレーからカッコいいオーラがほとばしる。髪型も恐らくOnondagaの伝統的スタイルだろうか?後ろ髪を伸ばして三つ編みにし、Pro 7のメットの後ろから尻尾のように垂らしてるのがこれまた味があってクソカッコいい。(70年代生まれにはぴんと来る、闘え!ラーメ○マン。)

いたる@13期

2010年6月16日水曜日

Team US特集 vol. 3 G/DF

1. Goalie

Gは二人。
# Name Pos. MLL Team College cm kg
44 Adam Fullerton G Denver Outlaws Army '08 183 85
6 Brian Dougherty G Long Island Lizards Maryland '96 185 N/A

今回のGの選出に関し、Inside Lacrosse PodcastでのInside Lacrosseのスタッフによる議論で、面白いコメントが出ていた。

前回のWorld Gameと比べると、明らかなのは、ゴーリーの実績/経験値に大きな差があること。もちろんFullertonはArmyで実績を残し、Denverで正ゴーリーとしてプレーする優秀なG。08年卒で新進気鋭の若手筆頭。

一方で、DocことDougherty(ダガティ[ダにアクセント]と発音)は96年卒、98年のWorld ChampionshipでUSの正ゴーリーとしてゴールを守り、その後もMLLの第一線で活躍してきた。経験と実績、そこから積み上げられてきた実力と方法論には敵わないことは誰の目にも明らか。(Goalieスキル講座では「へえええそんなこと考えてるんだ!」と思わされる技術解説をたくさんしていた。意図的にゴールの上隅を空けて、シューターに咄嗟にそこを狙わせて取るという「オトリ作戦」も彼が提唱。)。(ちょっと古いけど、ハイライト)二人の間には実に12年分の差が。Fullertonの他にMLLでもプレーし、過去のWorld Lacrosse Championshipの経験もあるベテランGを選ぶことは十分に考え得る選択肢だったはず。

Inside Lacrosseエディターたちは、それを指摘した上で「今回のTeam USのGの選出には、Gに関する不要な議論/批判を避けるという明確な意図がある」と指摘する。前回のWorld Championshipで採用したG 2枚看板制/2人交代制はいまいちワークしなかった。どっちを使うかに常に議論と批判が付きまとい、Dとの連携、試合勘などの点で多くのダウンサイドがあったんじゃないかと。(加えて、Canadaに優勝を攫われたことで更に批判に晒された)

明確に正ゴーリーをDocとしてチームを作り、休ませたい時にピンポイント使いでFullertonを出す、という設計にするんじゃないかと。

まあ、最もな議論だなと思う一方で、個人的には、本当かね?という気も。コーチのPresslerもわざわざ2枚目の実力を意図的に落とす、なんてことするほど余裕があるとは思えないし、そもそもFullertonはArmyでも十分なパフォーマンスを証明し、Denver Outlawsでも正ゴーリーとして堂々と活躍してきた。Docは95年卒の36歳、ここ2年はMLLの試合からも遠ざかっている。実際には普通にFullertonも同等かそれ以上に守れるんじゃないかな?という気がする。

その辺をどう判断していくのか、CoachのPresslerの采配も含めて注目。

Goalieの資質=「ど天然」?

ちなみに、今年のESPNでのNCAAの試合放映で毎試合挿入されていたWarrior skill講座のGoalie編で、Docのコメントが非常に印象的だったのでご紹介。Goalieの基本姿勢、Stick、手、顔がまっすぐボールの正面に来るようにするべし的な基本を説明した後に、最後にメンタルについて言及。「ゴーリーはShort memory(忘れっぽい)であることが大事。セーブしたら速攻でクリア、点取られたらスパンッと切り替えて次。試合中にいちいちグジグジ悩まない!」と。また、今年のDukeの弱点と言われていたGに関してMVP AT #22 Ned Crottyも同様のコメントをしていた。「多くの関係者が1年生Goalie、Dan Wigrizerのことを実力不足/経験不足だと言うが、俺はそうは思わない。あんまし言いたかないが、ぶっちゃけ彼は"Space cadet(ちょっとぼーっとしてて忘れっぽい奴)"なので。(日本で言うところの「ど天然」って感じかな?)だから大舞台でも絶対に大丈夫だと信じてる。」と。実際に準決勝、決勝で彼は堂々の活躍をしてDukeの優勝に大きく貢献した。なるほどなー。細かいこと気にせずに、クヨクヨせずに、スパっと気持ちよく忘れられる人が向いてるのねと。確かに我らが篠原課長も学生当時からそうだったな…と。サバンナ八木さんみたいな人(もちろん技術や戦術は深く理解できる大前提で、性格/キャラとして)が強いのか?

2. DF

# Name Pos. MLL Team College cm kg
7 Kyle Sweeney D Boston Cannons Georgetown '03 188 88
34 Ryan McClay D Boston Cannons Cornell '03 178 100
27 Shawn Nadelen D Chesapeake Bayhawks Johns Hopkins '01 183 88
36 DJ Driscoll D Chicago Machine Notre Dame '06 193 91
5 Eric Martin D Denver Lutlaws Salisbury '04 188 93
29 Lee Zink D Denver Lutlaws Maryland '04 193 88
4 Joe Cinosky D Toronto Maryland '09 - -

さて、DFに関してはControversial度(疑問/議論の余地)は低いと言われている。

(正直MLLの試合も(AT出身の僕は)Dを中心に見てこなかったのでいまいちピンと来てない…)

が、他にも名前が挙がっていたが最終的に選ばれなかった選手たちとの比較感で一つ指摘されていたのが、スピードがあって起動力の高い選手、ファウルをしない保守的なDが出来る選手、そして、むちゃくちゃConditioningのいい/体力のあるメンバーを選んだという点。過酷なスケジュールでの長期戦。とにかく大会の最後まで高いレベルを保ってプレー出来ることが大事。

名Long stickと言われながらも、どちらかと言うとアグレッシブにボールを落としに行くタイプの選手、広い守備範囲での脚を使ったスピード勝負に強くない選手は選ばれていないとのこと。

#7のKyle Sweeneyは前回のWCからの連続出場。Stick Skillとオフェンス力が半端無い。間違いなく今大会も得点に絡んでくると思われる。

#5のEric MartinはNCAAでもDiv 2のSalisbury出身。サイズと身体能力を買われてDenverにドラフトされ、成長してトップクラスのDに成長。#29のLee Zinkはでかくて堅守。

全体的に、卒業年次を見ても分かるように、卒業後5-8年のベテランが多いことが見て取れる。

3. 全体

最後に、チーム全体の分析をちょこっと。

全体的なバランスとして、ATがちょっと多めで、Dが少なめに感じる。Blue Divisionでは格下相手にOffenseをしている時間が長くなるはずなので、それを考えてのバランスか。

また、Inside Lacrosseの議論でも指摘されていたが、「(前回敗れた)Canadaに勝つための面子」という選出に感じられなくもないとのこと。ガンガン走ってAmerican Field Lacrosseを体現出来るオフェンス、そしてCanadaのでかくて思いOFに押し負けないでかくて身体能力のあるDを選んでると。なるほど、確かにそうかも。

最後に、コーチは元DukeでRape scandalで辞職に追い込まれた後Bryantに移籍したMike Pressler。「絶対優勝」の大きなプレッシャーの下、短い期間でほとんど練習も出来ない中結果を出さなくてはいけない大変な仕事だ。個人的には優勝を果たして再び表舞台でスポットライトを浴びて欲しいなと思う。

いたる@13期

2010年6月14日月曜日

MLL 2010 Game Review vol.01 Boston Cannons-Denver Outlaws

今年のMLLのテレビ放映第二戦があったのでQuick and dirtyにいくつか見所を紹介。

練習時間に限界があるためチーム戦術はNCAAほど作りこまれてないし、クリアの時間制限の厳しさとShot clock(60秒)、そして2-point shot lineがあるためテンポが速く、シュートの選択やゲームの組み立ては大学ラクロスとは異なる。(保守的にボールを回して、崩して、崩して、少しでも高い確率のシュートを、というよりは、1つ目、2つ目、3つ目のシュートチャンスで容赦なくガンガン打って行く。特にBroken situationでは躊躇無くシュートまで行く。)一方で、個人技術などは文字通り世界最高峰。プレーを見てやる気を作るもよし、技術を見て憧れを作って教科書にするもよし、単純に肩の力抜いてミーハーにエンターテインメントとして楽しんでもよし。使い方は人それぞれってことで。

ちなみにMLLは公平なドラフト制度の徹底により6チームの力がむちゃくちゃ均衡している。1点~数点差の試合が多く、シーズン終盤まで結構プレーオフ進出チームが見えない。「接戦と戦力均衡こそが最高のExcitementとEntertainmentを生む」というNFL/ NBAの考え方に基づくと、非常によくやってると思う。今回の試合も第4Qの半ばまで勝敗の読めない非常にいい試合。良さがわかりやすいので、MLL初めて見る選手にはお勧めかも。

両チーム共に主力はほぼUS代表。BostonにはMF #99 Paul Rabil、AT #14 Ryan Boyle、そしてDには最強Stick skillの#77 Kyle Sweeney、そして#34 Ryan McClay。DenverはAT 2枚看板、#2 Brendan Mundorfと#14 Drew Westervelt、そしてMFには#42 Max Seibald。DにはEric Martin、Lee Zinkの大型Long stick 2枚、そしてGoalieでArmy出身のAdam Fullerton。World Championship前に注目選手を一度見ておきたい、という目的としては正に打って付けかも。

世界最高プレーヤー、Boston #99 MF Paul Rabilがまたしても大活躍。期待通りロングレンジで破壊力抜群のシュートを突き刺してくる。変幻自在。Swim dodgeとSplit dodgeでLSMを右に左と交わしまくり、ゴールの逆サイドにシュートを決める。加えて早めのスライドに対するフィードでサクッとアシストも。

Denver #14 AT Westerveltが引き続きロングシュートが上手い。正確な上、意図的にバウンドを使うなど、基本に忠実。

傑出したリーダーシップで知られるDenver #42 MF Max Seibald。Denverで2年目にしてキャプテンに就任。試合でもロングレンジの恐ろしく正確なシュートを決める。Cornell卒業直後の昨シーズンは、一段上のレベルのGoalieに対しシュートを決められず、シュート成功率は決して高くなかった。その後オフシーズンに一段上、プロで通用するレベルのシュートを目指して個人練習を重ねたらしく、今年は成功率が一気に跳ね上がっている。

Boston DF Kyle SweeneyのOffence参加っぷりがまたしても凄い。シュートも上手い上Short stickのAT並みの視野とフィードを見せる。

Denver #2 Mundorfが切れ味のあるダッジから目の覚めるシュートを何度も決める。

ちなみに今週から両チームのルーキーたちのデビュー戦。Duke優勝の立役者、AT 2枚看板の片割れ、地元Boston出身の#8 Max QuinzaniはBostonでスタメンで登場し、早速存在感を示す。3得点、1アシストの大活躍。しょっぱなからかなりハマッている。今後Bostonを率いる大エースに育つ予感。ATが弱点と言われていたCannonsはQuinzaniを補強したことで一気に安定感が増した。出だしにちょっと躓いたが、これで勢いに乗れれば優勝争いに絡んで来そう。

ちなみに、Max Quinzaniは先日のNCAA準決勝/決勝のインタビューでNYのモルスタ[Morgan Stanley]勤務だと言っていた。Duke時代もむちゃくちゃ勉強してた優等生らしい。ただ、IBD[投資銀行部門]か?もしそうだとしたら「奴隷」とも揶揄されるクソ忙しいAnalyst生活の中、練習やトレーニングの時間を割きコンディションの維持は出来るんだろうか…夏休みで就業前の今シーズンはいいとして、来年以降大丈夫なのか?その辺のラクロス以外の生活とのバランスが大きなポイントになりそうな気が。

一方のDenverはVirginia #27の走れるAggressive long stickのKen ClausenがLSMで参戦。GBやチェックで時折いいプレーを見せるが、まだMLLのスピードにアジャスト出来ていないように見える。Paul Rabilの爆発力に一瞬戸惑ってるか?もともと身体能力は高いのでシーズン後半から来年に掛けて主力に定着するんじゃないだろうか。ただ、NCAAでは大きく見えた彼が、MLLのコートではフツーに見える…やはりMLLは一回り上の次元。

第4Q頭のBoston #14 AT Ryan BoyleのDive shootが美しすぎ。ちなみにBoyleは02年、06年に続き三度目のWorld Lacrosse Championship。名実共にCaptain America。

試合Highlight@Lax United。

いたる@13期

2010年6月13日日曜日

World ChampionshipのOnlineでの生中継

これ、既に多くのOB/現役の皆さんはご存知だったかもですが、僕自身もずっとNCAAとMLLにかまけててここ数週間でやっとWorld Championshipに対してのアンテナが立ってきたというのもあり、あんましちゃんとFILの大会公式ウェブサイトなどチェックしてなかったんですが…よくよく見ると今回はちゃんと試合をOnlineで中継/後から再生出来るみたいっすね。(リンク

247TVなるオンライン放送サービスを通じてやってるみたいっす。全試合パックも7月1日までに申し込めば6.5ポンド(千円)、それ以降は10ポンド(1,500円)なので、オンライン放送としては、まあ、リーズナブルな価格。総合格闘技のUFCなんて1興行4,000円なので…且つ、直接会場に行く費用に比べれば破格でしょってことで、ミーハーな僕は早速申し込んでしまいました。これでUSA-Canadaが見られると思うと今からめっさテンション上がってまいます。(ま、この手のStreamingって往々にして途中で切れたり、画質が落ちたりするので、日本の一般的なインターネット回線インフラを想定するとどのくらいワークするのかは未知数ですが…)

という訳で、だんだん楽しみになってきた。

ちなみに、超余談だが、この手の、スポーツイベントを「会場で生で見る」vs「家で放送を見る」の話題を一瞬。個人的には両方を併用するスタイルを通してきた。特にアメリカのプロスポーツだと、会場の演出や、観客の熱気/テンション、ことMLBなどではスタジアムの雰囲気が物凄いので、「やっぱ会場で生で見なきゃ!」という主張にも十分に頷ける。NCAA LacrosseのSemi-Final/Finalのあの熱狂や雰囲気はやっぱり会場じゃなきゃ感じられないし、Chicago CubsのWrigley FieldやSeattle MarinersのSafeco Fieldのあの独特の文化や伝統はあそこに座ってみないと感じられない。

一方で、ESPNなどの放送を見ていると、High Definition放送で50インチ以上の大画面で見ていると、実質最前列の席で見てるのと変わらないかそれ以上の臨場感で見られることになる。あらゆる角度から拡大スローモーションで見せるリプレーも極めて優秀。解説者によるきめ細かい解説や、戦術的な話、背景/ドラマの紹介があり、加えてあらゆるStats(統計数値)が表示される(この11分20秒間Bayhawksは得点してません、とか、過去20年の実績では1Qで5点差がついた場合はそのチームが勝つ可能性がXX%、とか、両チームのシュート本数/枠内率/Save率/キャッチ率比較、などなど)。特に試合会場が遠かったり忙しかったりすると、だんだん「つか家で見た方がよくね?」となってくるのが正直な心理…

多くのアメリカ人も似たようなジレンマを感じているようで、スポーツ専門放送局のESPNはここ10年で更にスポーツ界に置ける地位を固めつつあり、一方でチケット収入が大事な各リーグ/チームはスタジアムに客を呼ぼうと必死になるという構図が生まれている。特に不況で高いチケット代に対する財布の紐が硬くなってくると尚の事。

一部のリーグやチームでは、会場で小型ラジオとイヤホンを配り、解説を流したりしているし、将来に向けてはドラゴンボールのスカウターのようなサングラスを配りそこにStatsを表示するということまで試し始めている。(その辺のプロスポーツ事情を去年別のブログに書いてみたので、ご興味あれば是非。)

いたる@13期

2010年6月12日土曜日

Team US特集 vol. 2 MF

Philadelphia本社での社内トレーニングやら提携/買収候補先のStart upやらとのミーティングを終えてCaliforniaの自宅へ。アメリカで働いていると、この東海岸-西海岸間の出張が意外と曲者…国内での出張なのに8-9時間が片道の移動で潰れる。時間を節約出来ると思って夜行便(Red-eye flight)を何度か試したが、いまいちちゃんと睡眠を取れず次の日の生産性が落ちるのでボツに。結局朝一の便に乗って日中飛行機の中でゴリゴリ仕事をするスタイルに落ち着いた。が、悩ましいのがConfidentiality(機密保持)の問題。隣の席に人がいると多くの仕事が出来なくなってしまう。てな訳で(と言い訳して…)、そんな時間を使ってぼちぼちラクロスネタ書かせて戴いてまっす。

今回はTeam USのMF。今回のTeam USのMFは、僕が知ってる範囲(つまり過去3回のWorld Championshipとの比較感の中)では恐らく最も「華のある」布陣じゃないかと感じている。

MF
# Name Pos. MLL Team College cm kg
99 Paul Rabil M Boston Cannons Johns Hopkins '08 191 102
3 Matt Abbott M Chesapeake Bayhawks Syracuse '09 188 84
21 Kyle Dixon M Chesapeake Bayhawks Virginia '06 193 98
9 Matt Striebel M Chicago Machine Princeton '01 185 86
42 Max Seibald M Denver Lutlaws Cornell '09 185 91
10 Matt Zash M Long Island Lizards Duke '06 180 86
20 Stephen Peyser M/FO Long Island Lizards Johns Hopkins '08 188 100
11 Alex Smith M/FO Chesapeake Bayhawks Delaware '07 178 84
25 Chris Schiller M (Sailin’ Shoe LC) Penn State '99 - -
32 Kevin Cassese M - Duke '03 - -

3人の柱

その筆頭は、#99 Paul Rabil(レイブル[レにアクセント]), #9 Matt Striebel(ストリーベル[リーにアクセント]), #42 Max Seibald(シーボルド[シーにアクセント])の大型オールラウンダー3枚。全員に共通するのはぱっと思いつく範囲で7点。

①でかい
②身体能力めちゃ高い(パワー、スピード、スタミナ、ボディコントロール etc.)
③シュートが鬼(Running, Standing共にRange 広い、クソ速い、かなり正確)
④左右両方使える(SplitでもEarly/Bullでもどっちにでも抜けて、どっちの手でもシュート決められるのでDとしてはマジでやっかい)
⑤かなり器用(早めスライドに対してサクッとクリースにフィードしてアシストすることも多い)
⑥実績/履歴書抜群(Paul Rabilは多くが認める現最高Lacrosse playerでJHUで2度の優勝経験、Matt StriebelはPrincetonで元Captainで優勝経験、Max SeibaldはCornell準優勝の立役者、Tewaaraton Trophy winner [MVP])
⑦MLLでも大人気

3人ともタイプが似ており、ダッジで起点となれる選手なので、直感的に1st setに3人が一度に入ることは無い気がするので、このうち2人+feed targetのsniper、みたいな感じになるんじゃないだろうか。にしてもこの3人が同じチームでプレーするなんて、既に想像しただけで鳥肌がザワザワ…(カイジ風)

以下、個々人の話を知ってる範囲でサクッと掘り下げ。

#99 Paul Rabil (Boston Cannons/Johns Hopkins '08/191cm/102kg)

"The Beast(野獣)"。多くのラクロス選手、ファン、関係者が認める、現世界最高プレーヤー。もしかしたら、史上最高プレーヤー。ザ・霊長類ヒト課最強。連想されるのは、キャプ翼の日向くん、グラップラー刃牙の親父範馬勇次郎(はんま ゆうじろう)。バスケで言うとLeBron James。上澄みのみが集められたMLLやNLLのフィールドですら、「別の生き物感」が漂う。彼を始めて見たのは08年のNCAA Semi Final、FinalでのDuke/Syracuse戦。そもそもパッと見明らかにフィールドの全選手の中でも一回り大きいが印象的だった。試合終盤の勝負どころでSwim dodgeで強引に3人ほど抜き去り、ゴールを揺らすシュートを決めまくっていた。

動画見たら一発でご理解戴けるかと。結構な数の動画が流通してます。
●MLLでのハイライト(心臓バクバク言っちゃいます。)
●JHU時代のハイライト
●彼や他の選手たちのインタビュー&ハイライト
シュートがゴールパイプの内側にズガン!!と当たって入るケースが本当に多い。

かっこいいCMも多い。去年辺りから本格的に立ち上がってきた新ブランドMaverik Lacrosseでも広告塔を勤める。CMでの台詞がまたカッコいい。「時速111マイル(180キロ)でシュートを打てても、それでもまだ俺は練習し、自分をプッシュし続ける。もっと速く、もっと正確に、もっとパワーを。」「毎週遠征で忙しくても、必ず前後に練習の時間を取る。なぜならそれが自分を向上させる唯一の手段だから。子供達が俺に『どうやったら111マイルのシュート打てるようになるの?』と訊いてくるが、それは俺にとって、『試合の前と後の個人練習でどれだけ全力で111本ずつのシュートを打つの?』と訊いているに等しい」(リンク:CMその①その②その③

と、上記のCMでもReferしているが、最近の記憶では、去年のMLL All Starでのシュートコンテストでの姿が印象的。時速111マイル(時速180キロ)は現時点での世界記録。恐らく今年はこのスピードを越えてくるんじゃないかと言われている。(映像

08年のJHUの準優勝直後からMLLのBoston Cannonsに所属し、一年目からチームに大きなインパクトを及ぼした。そして、解説者のQuintも指摘しているが、この人の凄いところは、プロになってから更に物凄い速度で進化を続けている点。特に、Washington StealthでプレーするNLL(プロインドアラクロス)での適応、成長ぶりが目覚しい。一年目こそFieldとの違いに苦しんだが、2年目の今年はその身体能力を生かし、一気に主力に。チームの優勝に大きく貢献した。明らかにStick skill、状況判断、ゴール前でのフェイク/シュートの幅など大きな変化を見せており、一体どこまで成長するのか想像が付かない。

一個だけ懸念があるとすると、元々Competitiveな性格に加え、試合でもラフプレーのターゲットになることが多く、最近ちょっと熱くなり過ぎる傾向がある点。NLLのFinalでも殴り合い、先日のMLLでのToronto Nationalsでの試合でもLate hitされた直後に殴り返し、一発退場+3分MDを食らった。まあ、個人的にはそれも含めて彼の魅力だと思うので、World Championshipでは思う存分相手をなぎ倒して欲しいなと思う。

Swim dodgeの講座。しかしこれ見ても分かるように、決してただ身体能力高いだけじゃなく、しっかり頭を使って、意識的/戦略的に技術を選択し、練習してる賢い人だなーと思わされる。

#42 Max Seibald (Denver Lutlaws/Cornell '09/185cm/91kg)

去年のCornellの主将。09年NCAA Semi/Finalで初めて見た時の印象は、「馬のように走れるグリズリー」。Cornellの全体育会の歴史の中でもトップレベルの身体能力。走ってる姿から地響きが聞こえてきそう。NCAAではクリア中に相手をいちいち交わさずに真正面から普通にぶつかって相手をペシャッと倒してそのまま何も無かったかのように走っていったシーンが鮮明に記憶に残っている。

シュートが速くて正確。昨年のMLLシュートコンテストではRabilに次いで時速110マイルで2位。若い頃から徹底マークに遇ってきたためか、Early slideに対する視野とフィードの上手さが光る。

ガキの頃に編み出した練習ツールなんだろうか?自分の会社を通してStick skill/Wrist power向上のためのEquipmentを売っている。巨人の星の大リーグボール養成ギブス/悟空の重い胴着&リストバンドじゃないが、この手の練習ツール好きの自分としては、自分が現役プレーヤーだったら絶対買ってたなと思った。(CM動画

ちなみに前述の2009年MLL Fastest Shot CompetitionではRabilに次いで時速110マイル(178キロ)で2位。どんな次元の争いしてんだ…

Cornell時代からその人格やリーダーシップは有名。長らくCornellではCo-Captain制が敷かれていたが、彼の代で久々の単独キャプテン制に。決勝のSyracuse戦の前に円陣の中心でメンバーを鼓舞していた姿が記憶に新しい。2年目のDenver Outlawsではそのリーダーシップが買われ若くしてキャプテンに抜擢。今回のWorld Championshipのような過酷な戦いでは彼のような精神的な支柱が肝になってくる。

#9 Matt Striebel (Chicago Machine/Princeton '01/185cm/86kg)

Paul Rabilが目立ってきた09年や今年になるまで、多くのコーチがMLL最高の選手として名前を挙げていたのが彼。01年Princetonのキャプテン。元々ATだったが1年生のRyan Boyleが入ってきた際にMFにコンバート。(ちなみにPrincetonでは持ち前の体格と身体能力を生かし、サッカー部でも主力選手だった。)直後のDraftでは19位の下位指名だったが、その後努力と練習を続け、徐々に才能を開花させていった。多くのMLL選手がNCAA入団直後数年でピークを迎え辞めていく中、MLLに入ってから長い時間掛けていまだに上達を続けるという珍しい例。

Inside Lacrosseのインタビューでも、ラクロスが大好きで仕方無い、練習して上手くなることが楽しくて仕方ない、そして何よりも、元々負けず嫌いな性格で、負けたくない、勝ちたいという気持ちが彼をドライブしていると言っていた。左右どっちにもDodgeで抜いてきて、弾丸シュートを突き刺してくる。

その他のメンバー

そんなとこでしょか。3人だけ紹介しましたが、他にも、Kyle Dixonのタンクのような突破力とシュート力、Alex Smithの神懸かったF/Oの強さなども注目っす。

#3のMatt Abbottは去年のSyracuse-Cornellの決勝を見て覚えてる人も多いと思う。試合終了直前の同点劇を生んだあの#3 MF。09年NCAAのMVP次点。突出した身体能力、特に中盤でボールを運ぶ能力は秀逸。但し今回は怪我の影響で現時点ではベンチ外での控え要員。

怪我で選ばれなかったメンバー

実は今回の選出、何人か、「あれっ?あの人選ばれてないの?」というメンバーが。その多くが残念ながら怪我の悩みを抱えているケース。Syracuse '08の優勝の立役者の一人でキャノンシューター兼Stick tricker, Steven Brooks、Cornell '09の豆タンクFace offer & 得点源John Glynn、Boston CannonsdA/M双方をこなし器用なオールラウンダーっぷりを見せる、無敵のVirginia '06の原動力だったMatt Poskay、'05 Hopkins復活の原動力「Phenom(天才)」Kyle Harrisonなどはことごとく怪我の不安を抱えた状態。イメージもう1チーム分チームUSを作れる面子が今回のレギュラー以外に控えてる感じ。

直感的に超過酷スケジュールのWorld Championshipでは、どれだけ主力が耐えられるか、体力を温存出来るか、怪我をマネジ出来るかが鍵になってくる。MFは最もその負担を受けるポジションになるはず。彼らの働きに注目したい。

Inside Lacrosse Podcastでのメンバー選出に関する議論

ちなみにInside LacrosseのPodcastのLibrary掘り出してたら去年の11月時点での代表選抜時点での放送を発見。ご参考までにリンク。111番。

いたる@13期

2010年6月7日月曜日

Team US特集 vol. 1 AT

さて、NCAA決勝も終わり、USラクロスコミュニティの話題は一気にMLLに向かっている。と同時に、少しずつではあるが、World Championship、Team USAの話題も少しずつ取り上げられるようになってきた。今回現役の皆、及びOBの一部の方々がマンチェスターに行かれるということなので、観戦のお役に立てばということで少しずつ時間を見つけてTeam USやCanadaのことを書かせて頂こうと思う。

第一弾の今回はAT。どういうメンバーなのか、見所はどこなのか。

まず、大前提として、今回のTeam US、「ほぼ」現MLL最強メンバーと言っていいと思う。「えー?この人じゃなくてこの人選ぶべきでしょ」と人によっていくつか意見が別れたり、怪我で出られない/選ばれていない選手が数人いるが、それ以外は恐らく誰が選んでもかなり近い面子になるであろうDream memberで固められている。

その中でも最もスポットライトが当たるであろうポジション、AT。6月6日のNCAA 4年生代表とのexhibition matchでのメンバーは下記。
# Name MLL Team College cm kg
14 Ryan Boyle Boston Princeton '04 180 82
19 Kevin Leveille Chicago UMass '03 178 84
91 Mike Leveille Chicago Syracuse '08 191 93
2 Brendan Mundorf Denver UMBC '06 180 88
26 Drew Westervelt Denver UMBC '07 193 93
12 Ned Crotty Chicago Duke '10 188 86
22 Ryan Powell N/A Syracuse '00 185 93


コンセプト

まず、全体をぱっと見て、いくつかの戦略的意図が見て取れる。

一つ目が、MLLでの既存のコンビをそのまま使っている点。Denver OutlawsのAT 2枚看板MundorfとWesterveltはUMBC時代からの1年違いの先輩後輩コンビ。Chicago Machineのtop 2, Kevin 、MikeのLeveilleの兄弟は大学こそ違えど、当然子供の頃から裏庭でStickと戯れていた気心の知れたコンビ。NLL/MLLの試合により練習時間をほとんど取っておらず、何試合かのExhibitionを経てほぼぶっつけで本番に挑むTeam USにとって、サッカー日本代表のように合宿を通して連携を高める、なんて余裕は無い。最初からバチッと波長が合うこと(Chemistry)は生命線。既に各チームでProvenなコンビをそのまま生かすことでここを解消したいという意図か。

二つ目が、しっかり役割分担を考えて選んでいる点。もちろん、皆恐ろしいレベルで何でもこなす。その上での「誰にも負けない強み/尖り」という意味で…SpeedがあるDodgeで確実に相手をBeat出来、Finisherとしてロングシュート、ゴール前、ブレークでと、圧倒的な決定力を誇るMundorfとKevin Leveille、Ryan Boyle。サイズがあって押し負けず、且つ器用で何でも高いレベルで出来、クリースフィードでのターゲットにもなるMike LeveilleとWestervelt。Quarter Back/司令塔としてエックスでボールを持ち自在にフィードすると共に試合をコントロール出来るRyan Powell、Ned Crotty。恐らくこの辺の組み合わせを考えながら、疲労や怪我の様子を見つつ、試合では実質2セットで回すイメージになって行くんじゃないだろうか。

背番号ウンチク

あ、あとトリビア的オマケ情報を放り込んじゃうと、Team US、よく見ると背番号は基本的に彼らのホームチームでの背番号を使っている。Leveill兄弟の19と91、Paul Rabilの99、Max Seibaldの42など、(一部は大学時代からの愛用番号も含め)現在のMLLの背番号をそのまま継承。ポジション別に若い番号から順に振っているCanadaやJapanに比べると遊びがあって自由な印象。

注目選手

そもそも、全員NCAAでAll American First TeamかMVPクラス、MLLでも結構頻繁にPlayer of the weekの注目選手だが…いくつか、PRIDE(今はDREAMか…)の煽りV的に背景となるストーリーなども含めて僕の知ってる範囲でご紹介。

#19 Kevin Leveille (Chicago Machine/UMass '03/178cm/84kg)

動画①動画②動画③

まずは僕の大好きな選手、Kevin Leveille。発音は、「レヴェル(アクセントはヴェ。)」MBAでシカゴに2年留学していた時に何度か見に行ったChicago Machineの試合でも最も目立っていた選手。今のMLLの中で、最も華のあるプレーをする選手と言ってもいいだろう。有り得ないステップでとんでもない体勢から矢のようなシュートを突き刺したり、Long 2枚にスクラップにされかかりながらダイブしてでんぐり返りしながら意味不明な動きでBehind the backで得点したり。毎試合決まって「なんじゃこりゃあ!?」という見たことの無いCreativeなプレーを出してくる。Highlightニュースの常連。会場でも常に子供達の人気を集める。

「どうすればそんなプレー出来るんですか?」という質問に対して「いや、特に考えて無いんだよね。ぶっちゃけそん時のとっさの思いつき。」との答え。天才肌というか、本能で動くタイプ。典型的な、NCAA以上にMLLで花開くタイプ。

MLL選手達への「どの選手が最もFun to watch?」という質問に対して最も名前が挙がった3人の選手の一人(ちなみにあと二人は既に引退してしまったSuper Star Mikey Powell、そしてもう一人はChazz “Air” Woodson。この三人は僕も一番好きな三人で挙げる名前。奇しくも最新のBrineのCMで共演)。

今回のWorld Championshipでもどんなミラクルプレーを出すのか楽しみ。と、ここまで盛り上げておきながら、実は、悲しいお知らせがございまして…彼は現時点では正式な23人のロースターには入っておらず、リザーブ役…なぜ彼が入っていないのか個人的に理解できず、一部のファンも激怒してるという状況。なので敢えて最初に入れてみました。Powell辺りがコンディショニングイマイチって理由で入ったりするんじゃないかと期待してます。

#91 Mike Leveille (Chicago Machine/Syracuse '08/191cm/93kg)

Kevinの弟。Syracuseの08年の優勝の立役者。準決勝のVirginia戦での最後の逆転ゴールなど、異様な勝負強さが印象深い。でかくて、でもかなり動けて、且つ何でも出来る。飄々と走り回って、そんなに一生懸命やってるように見えないのにきちんと抜いて、サクッと点を取る。クリースでのOff ballにも定評があり兄KevinからのFeedを受けて得点するケースも多い。

対戦したDFの多くが言うのが、「脚が速い」ようには見えないが、でかくて押せないのと、高いラクロスIQに基づいた賢い動きにより流れるようにスルスルとDをかわして行く。ゴルフで言うところのBig Easy Ernie Elsみたいな…

#2 Brendan Mundorf (Denver Outlaws/UMBC '06/180cm/88kg)

動画
インタビュー

恐らく、今のMLL最強AT。つまり、現時点での世界最高のAT。そう評価する人も多いし、僕も個人的にそう思う。元々はUMBC。決してNCAAで最もスポットライトを浴びていた訳ではない。Denverに入団後、努力を続け、大きく成長している。

Physical trainerを付け、毎朝5時に起きハードなトレーニングをこなしているという。Coloradoの高地でのトレーニングでCardioも間違いなく強い。努力家。左利き。ゴール周りで圧倒的な安定感と勝負強さを発揮する。シュートの決定力抜群、Feed力も高い。1 on 1でのスピードに加え、でかくて動けてパワーのあるDFに対して決して押し負けないパワーとボディバランスを兼ね備えている。加えてシュートも上手くて速い。今や最高のAll rounderかもしれない。

08年のAll Star辺りから、存在感あるプレーであれっ?こいつ実は凄くねえか?となり、09年、10年とだんだん押しも押されぬMLLを代表するATにまで成長してきた。鼻っ柱が強く、若くしてAll Starでも臆することなく堂々とプレーしていた姿が印象的。

この辺の、必ずしもNCAAでSyracuseやVirginiaでエース張ってて全米制覇経験者って訳じゃなくても、むしろMLLに入ってからの努力次第で成り上がってくるというのがMLLの一つのドラマ。素直に敬服すると共に、生き方として見習いたいと思ってしまう。(ま、見た目やキャラは普通のナイスなアメリカの兄ちゃんっすけどね。)

#26 Drew Westervelt (Denver Outlaws/UMBC '07/193cm/93kg)

動画

この人はMundorfの片割れ。UMBCの1年後輩。大学、プロとコンビを組む。でかくて上手いという意味ではMike Leveilleと同じ。ぶっちゃけあんまし意識してみてなかったというか、そんなにDenver Outlawsの試合でも気にしてなかったのであまり知らず…何試合か見た中ではシュートがクソ上手い印象。

もっとこの選手のこと知りたいなと思ってたら、(同じように感じてたファンが多かったのか)丁度Inside LacrosseのPodcastで紹介されてたのでご紹介(リンク)。

#22 Ryan Powell (No MLL team/Syracuse '00/185cm/93kg)

言わずと知れた生ける伝説、Syracuseのラクロス最強三兄弟、Powell兄弟の真ん中。パイオニアで人気者の長男Casey、小さくて爆発的なスピードと身体能力で一番人気の末弟Mikeyに挟まれた真ん中。顔やキャラは一番地味。あだ名はRhino(ライノ)。

数年Denver Outlawsでオフェンスのリーダーシップを取っていたが、今年はMLLではなくクラブチームでプレーしている。実力/体力的に辛くなったからなのか、Life style上の選択なのか、詳しい話は分からないが。

Syracuse時代はCasey、Mikeyと同様にGary Gaitから脈々と受け継がれるエースナンバー22番を背負いチームを優勝に導く。彼の何が凄いのか?実はパッと見、そこまで凄いプレーヤーであるようには見えない。何か動きがねっちゃりしてるようにも感じる。が、DFが口を揃えて言うのは、いやいや、実はかなり速いぞ、と。サイズと下半身の強さ、ボディバランス、切り替えしでの敏捷性、そして何よりもDFを、そしてラクロスを知り尽くしたラクロスIQ。ちなみにゴール裏でDをゴールの網に引っ掛けてコケさせる”Finalizer”の産みの親。面白いようにDFを手玉に取り、クリースの裏からひょろっとボールをゴールに刷り込ませてくる。フィードももちろん上手い。バスケに例えると元LakersのMagic Johnson?

ただ、恐らく今回のAT選出で個人的に一番疑問を感じたのが彼。正直キャリアのピークは過ぎている。ボールを長い時間保持しネチネチ1 on 1をするスタイルには賛否両論。チームのスタイルによってハマッたりハマらなかったり。そのスタイルが元で前回のWorld ChampionshipでCanadaとの決勝に敗れた際に戦犯扱いされたのも彼と弟Mikey。恐らく彼の中ではそのRedemption(雪辱)を果たしたいという気持ちから今回のWorld Championshipに臨んでいるんじゃないだろうか。日本サッカーで言うと今よりピークを過ぎたけど経験は凄いある4年後の俊輔的ポジション?

#14 Ryan Boyle (Boston Cannon/Princeton '04/180cm/82kg)

ザ・優等生。Princeton第二の黄金時代を支えたエリートエース。真面目かっ!。よりロジカルで科学的な指導で最近人気急上昇中のキャンプ、Trilogy Lacrosseのコアインストラクター。Inside Lacrosseでのクリニック記事はマジで引くぐらい賢くて素晴らしくて勉強になる。本当に頭使ってる。

ちなみに彼が1年生でPrincetonに入学した時の4年生キャプテンがMFのMatt Striebel。当時ATだったMattはRyanを見て、ああ、こんな凄い奴がいるなら仕方無いなと素直にMFコンバートのリクエストに従ったらしい。

02年、06年に引き続き三度目のWLC。もはや大ベテラン。抜いてよし、シュートして良し、視野広くてフィードして良し、ライドもしっかりこなす優等生。しかし、MLLの試合見てると彼なんて小っちゃく見える。が、それでも180…このサイズの感覚の違いは如何ともし難いっすな。

#12 Ned Crotty (Chicago Machine/Duke '10/188cm/86kg)

言わずと知れた今年のDukeのエースでシーズンMVP。なんでも出来る凄えやつ。Dukeでも下級生時代はMFでATにコンバートされた。でAT最強になっちゃうところが凄い。抜けて、フィード力高い。実は彼がPoint Guardとして一番機能しちゃうかも。ちなみに先週のドラフトではChicago Machineに全体1位指名された。これでChicagoのAT 3枚は全員US代表ということに。Chicagoは今全体的に上り調子。元地元ファンとしては嬉しい限り。

と、今回はこんなところで。

いたる@13期

2010年6月6日日曜日

MLLの紹介 & ドラフト選考クライテリア

一昨日通勤中の車で聴いていたInside Lacrosse Podcastで、解説者のQuint KessenichがMLLのドラフトで各チームのHead Coach、General Managerたちはどういった点に注目して選手を選ぶのかという話を掘り下げて語っていたのでクイックにご紹介。今のMLLを理解する上でも非常に学びの多い話だったので。(リンク

ちなみに、World Championshipを理解する上でもMLLの理解は避けて通れない。現時点でのLacrosseに於ける世界最高の舞台はMLL。今日現在のRosterを見ると、Team USは26人中23人がMLL。Team Canadaは同じく26人中15人がMLL(うち13人がCanadian主体、インドアスタイルのToronto Nationals)。実質的にWorld ChampionshipはMLL USA all star vs MLL Canada all starと言っても過言ではない。

大前提としての、MLLの理解

Major League Lacrosse。世界初の「アウトドア」プロラクロスリーグ。今年でちょうど10年目の節目を迎える。ラクロスには長らくインドアのプロリーグ(NLL: National Lacrosse League)はあったが、フィールドはその競技特性からプロ化は難しいだろうと言われていた。そんな中、競技人口の拡大、人気の高まりに背中を押される形で、元All AmericanでWarrior社長のDavid Morrowらによって設立。BostonやWashingtonなど東海岸の6チームからスタートし、2006年には人気の高まりにより、ChicagoやDenverといった中西部、LA/San Franciscoの西海岸も加えた10チームに拡大。その後2008年の不況で再び6チームに落ち着く。(どちらかと言うと布教としての意味合いが強かった西海岸のチームは当然解散したが、面白いことに、コアで根強いファンが意外といたChicagoとDenverでは両チームが生き残り、根強い人気を保っている。Denverのホームスタジアムの盛り上がりはもしかしたらMLL一かも)

「プロ」とは言っても当然NBAやNFL、MLB、NHL(アイスホッケー)といった4大プロスポーツと比べると当然大きく規模、人気、歴史の面で遅れを取っており、まだまだ発展途上という感じ。

シーズンも5月中旬から8月中旬までの4ヶ月間と短く、レギュラーシーズンも1チーム12試合。多くの場合、地元の中規模の競技場(Chicago Machineの場合Major League Soccerと共有、Boston Cannonsは地元Harvard大学)をホームスタジアムとする。観客動員数は、どうだろ、数千人って感じかな?江戸陸くらいの競技場のメイン観客席一面が3分の1から半分埋まればいい方。TV放映に関しては、08年までは毎週一試合を全国ネットのESPN2の平日の昼間の時間帯に流していたが、09年以降は全試合をWeb baseのESPN3で、4-5試合をテレビのESPN2で流す、といった状況。イメージ、ラクロスを経験していたコアなラクロスファンがファン層。NCAAのFinal Fourに比べるとラクロス出身者以外への露出度は低い。

選手の実態

多くの場合、元NCAAのトップレベルの選手たち。毎年のドラフトで20-30人が選ばれ、何年かかけて振り落とされて行く。Div 1の名門校(Syracuse, Hopkins, Virginia)も多いが、中堅校(UMBCやHofstra、Georgetown)も結構な割合でいて、中には下位校(Ohio StateやPenn State etc.)やDiv 2出身者もいる。サイズと身体能力的にNCAAよりも一段上がり、技術的には数段上がるイメージ。

ほとんど全員がフルタイムで通常の仕事をしており、週末に練習、及び試合に出場、というパターン(日本のクラブチームの選手にかなり近い)。職業を見ると、ガチなビジネスマンもいるが、大学院生、学校の先生、体育/スポーツ系のインストラクター、WarriorやBrineなどのラクロスEquipment会社勤務も多い。

かなりの割合の選手がチームのホームタウンとは別の街に住んでおり、週末に飛行機でホーム/アウェイの試合に向かう。なので、ぶっちゃけかんなりタフな生活。ChicagoやDenverの選手なんてかなりえぐいはず…

給料はあんまし議論に上らないが、リーグの規模や経済性、他のプロスポーツとの比較感から想像するに、恐らく一試合数万円?でシーズン通して100万円から数百万円って感じじゃないだろうか?フルタイムでやってるJ リーグほどじゃないけど、Matt Danowski曰く、まあ、全米の都市を経費で旅行できて好きなラクロスをやってお金貰えるならそんな嬉しいこと無いでしょ、ぐらいの感覚らしい。直感的に歴史が長く、集客によるチケット収入がより多いNLLの方が給料高い気がする。なので、おそらくトップレベル20人くらいのレベルになって、MLLとNLLを掛け持ちしてると、ギア会社のスポンサー収入も込みで、Lacrosseだけで食える/そこそこ全うに暮らせる、みたいなイメージじゃないかと。後は夏休みに各地でやる「キャンプ」(主にジュニア向けのクリニック)も選手にとっては大きな収入源のはず。

このレベルになるとほとんどNo lacrosse, no lifeな人生=ラクロスな人々なのだが、中には普通にビジネスでのキャリアを真剣に考えてる人もいるはずで、Lacrosseを取るか、キャリアを取るか、みたいな現実的な意思決定が生じているんじゃないだろうか。

選手を選ぶ際の着眼点

ドラフトでどういう選手を選ぶか?という判断基準。前回の記事でも触れたが、今回Quintが更に突っ込んだ話をしていたので。

もちろん、土台となる高いレベルの身体能力や技術は大前提。その上で…

実は意外にも、第一に、「MLLで、そしてそのチームで物理的にやれること」だそうだ。つまり、どの街に住んでいて、実際にそのチームの街に毎週通えるのか、その意志があるのか、というLogistics上の前提条件。ここをしっかり見極める必要があるとのこと。実際に上位指名権を費やしていい選手を取っても、物理的に通えなかったから使えませんでした/コンディション崩しましたでは笑えないので。Denver outlawsが地元Denver大学から地元で働く地元っ子を何人か採っていることからも偲ばれる。

第二に、「MLLでやっていくという強い意志/Hungryさ」。気合というか根性というか。上記の選手の実態でも書いたとおり、かなりタフな生活。1チーム20人のRosterで6チーム、たったの120人という極めて狭い門。Competitionも熾烈。その中で生き残って、向上し、結果を出し続けるというのは生半可な気持ちでは決して出来ない。目標もDisciplineも与えられたNCAA時代とは違い、一年の大半を自分自身の責任と意思で設計しなくてはいけない。ラクロスで名を成したいという強い意志、ちょっとイッちゃったレベルでのラクロス愛と競争心(負けず嫌いさ)が必要。既に大学時代にある程度の達成感と勲章を持ってしまったNCAAで花形だった選手が数年で消える一方で、ハングリーでギラギラした中堅校出身者が生き残っていたりするという面白い構図もこの辺から生まれてくる。(日本のValentiaなんかも近いこと起こってるのかな?)

Quintが、Chesapeak BayhawksのMF、UMBC出身のPeet Poillonなんて典型だと言っていた。最初はドラフト下位で指名され、去年一年はBostonで一年間毎週5時間掛けて車で通ってレギュラーチームの練習相手役を務め、今年Bayhawksにドラフトされ、そこで花開きリーグPoint leaderにまで上り詰めた。

そして、第三に、スキルに於いては、NCAAとは別の、MLLというコンテクストに於いての真の実力を見極める必要があると。前回の記事でも述べたが、40人でやるNCAAでは専門化が極端に進んでおり、また特定のコーチのもと、学校ごとにガチッとシステムが組まれ、その中でのProductとして決められたロールを演じることが求められる。Outside shooterやDefensive MFとしての限定された役割を与えられていたが故に物凄い目立ってただけ、とか、その逆で、実はそれ以外にもAll roundに何でも出来る才能がある、など、その辺のズレの見極めが大事とのこと。

MLLのRosterはたったの19人。ほとんどの選手が「一芸だけ」ではなく、幅広くいろんなことが出来るAll rounderたち。Face offerでもシュートもDも高いレベルでやるし、結構な割合のATがMFもこなす。Long stickのうち何人かはNLLでショートスティックでプレーしている。この辺の台所事情の違いからくる、「優秀さの定義のズレ」。

Notre Dame準優勝の立役者、GoalieのScott Rodgersに関してもちょっと議論されていた。NCAAではドミナントだった彼だが、元All AmericanでMLLでもプレーしていたGoalieでもあるQuintの意見では、恐らく彼もアジャストに多少苦しむだろうとのこと。一部の人は、「Rodgersは本当に速いボールをちゃんと見られるだけの動体視力があるのか?でかいだけじゃないのか?」と訝しがってたりもする。Quint曰く、Rodgersは才能はあるが、Fakeに対して大きく反応しすぎ、ジャンプし過ぎる傾向があると。MLLでは超技巧派のCanadian Finisherたちが鬼Fakeしてくるので、恐らく最初は無様に転がされ、点を取られまくるだろうと。もっとPatientに待つことを覚える必要があると。が、持っている能力は高いのと頭もいいので、恐らく夏の終わりにはスタメンになるかも知れないと。実際どうなるのか注目したい。

などなど。興味あれば是非Podcast聞いてみて下さい。非常に面白いので。
今後、暇を見つけてUSやCanadaの注目選手の話など、少しずつ書いて行ければと思ってます。(でも仕事の忙しさ次第なので、Don’t hold your breathベースで…)あと、いつか書きたいなと思ってるのはアメリカでのラクロスの成長/拡大の話(日本以上に育ってる…)と、Michiganの話。

2010年6月4日金曜日

年間MVPとMLLドラフトとチームUSA

さて、いくつかトーナメント後の続報。

1.年間MVP

NCAAの年間MVPである、TewaaratonトロフィーWinner。昨日授賞式が行われ、大方の予想通りDukeの5年生AT、#22 Ned Crottyが選ばれた。リーグトップレベルの合計ポイント(ゴール+アシスト)数、チームを引っ張る統率力、いざとなれば1 on 1で相手を置き去りにできるスピード、試合を決める大事な場面での決定的な活躍など、納得の選出。ちなみに先日の記事で載せた彼のインタビューでのパスの話、休日の過ごし方の話が印象的だった。(前回の記事

鮮明に記憶に残っているのは、リーグ戦、ACCカンファレンストーナメント決勝、そしてNCAAトーナメント準決勝と3試合連続で、もう一人のTewaaraton trophy候補、今年のNCAA最強Long stick、Virginiaの大魔神D、#27 Ken Clausenにマッチアップされ、試合後半の勝負どころでXからの1 on 1でスピードとステップで確実に抜いていた点。今年の名勝負の一つ。恐らく二人ともMLL入りするだろうからこのライバル関係は続いて行くんだろう。

Inside Lacrosseでもちょっと記事に書かれていたが、Tewaaratonトロフィー、実は純粋に選手としての能力だけで選ばれてる訳ではなさそうで、選出に於いて毎年ちょっとバイアスが掛かっているというか、一つの傾向があるらしい。①4年生であること②ATかMF③チームが実際に上位まで残ったこと、などなど。今年もStony BrookのCrowleyやDelawareのDicksonなど、NCAA最強プレーヤーと言われながらも選ばれていない(2人とも3年生で、且つチームが1回戦or2回戦負け。ちなみに二人ともCanadian Finisher)。

過去の受賞者リスト。ちなみに、女子の方は今年はMarylandからだったが、昨年までは4年連続で僕の第二の母校Northwestern大から。(このブログではほとんど触れて来なかったが、NU女子チームは創立10年で5年連続優勝を果たした「大学スポーツの奇跡」と言われる超新星。以前別のブログに記事を書いたのでご興味ある方はこちらを。

2.MLLドラフト

今週末は待望のMLLドラフトが行われる。以前Quintが挙げていた今年のドラフト候補リストはこちら。非常に納得感がある。面白い話題をいくつか。

①Notre DameのGoalie、Scott Rodgersがどこにドラフトされるか?
去年今年の数字、今年のPlay offでの神懸かった活躍を見れば一目瞭然。何年かに一度のゴーリー。MLLでも大成するだろうと言われており、何位でどこにドラフトされるかが注目されている。一方で、悩ましいのが、19人という数少ないロースターで、6チームしかないMLLにおいて、且つGoalieという賞味期限/選手生命の最も長いポジションでは、圧倒的に需給バランスで言うと供給過多な状況というのが正直なところ。現時点でどのチームも正ゴーリーには満足しており、それを敢えて変える、将来の投資として取る、という判断をどこまで取るか。悩ましいところ。

②NCAAとMLLでの選手選びの違い
試合のルールもさることながら、より大きな意味での「競争のメカニズム」が異なるため、結果として、NCAAで評価される選手と、MLLで評価される選手に若干の違いが出てくる。この点、NFL(アメフト)やNBA(バスケ)、メジャーリーグや日本プロ野球とも共通するとこもろも。

第一に、サイズと身体能力の基準が数段上がること。NCAAでは身長175くらいでも、凄く器用で足が速かったりすると全然問題なく主力として活躍できるが、MLLだとここのハードルが一気に上がる。Dは190台が基本、2メートル近い選手も多い。AもMも180台ばっかり、190もゴロゴロ。

第二に、Versatility(マルチに全部こなせること)。これは単純に登録選手数の違いから来る部分が大きい。40人近く登録するNCAAに対し、MLLはたったの19人(ルールブック)。NCAAでは現在分業化/専門化がどんどん加速しており、FOのみ/Oのみ/Dのみ/EMOのみ/MDDFのみのフィールドプレーヤーがかなりいる。一方で、MLLでは台所事情からそうも言ってられず、限られた人数で可能な限り高いレベルであらゆることを遂行することが求められる。基本一人で全部こなせることが求められる。Face Offerですらかなり点を取る選手が多い。なので、MFで凄いシューターで目立ってた選手が、Dが苦手、中盤での機動力に劣ってたりすると採られなかったり。ATででかくて重くてキャノン砲みたいなシューターだった選手も同様にVersatileにアシストもブレークOFもRideも高いレベルで出来る訳じゃないので採られない、などなど。

また、上記の要求スペックのズレに加え、ファンにとってのPerceptionと実際の実力のズレも影響している。NCAAでの注目度、人気は多分にチームの強さ、ブランドに拠る部分も大きい。従って、VirginiaやDukeで結構活躍してたように見えた主力選手が全く箸にも棒にも掛からなかったりする一方で、中堅~下位のエースだがほとんどフィーチャーされてなかったような選手が上位選出されるっていう。慶応の主力選手が皆トップクラブチームで通用するわけじゃないし、一方で学生時代は2部に埋もれてた選手がValentiaやFalconsで大きく花開いてスポットライトを浴び、日本代表になることもままある、みたいな話と似てるかも。

③MFの恒常的供給不足、インフレ
見ていると、MFがどのポジションよりも需要が逼迫しているケースが多い。でかくて、走れて、持久力あって、頑丈で、OもDも出来る選手、理想的にはPaul RabilやMatt StriebelやMax Seibaldのような猛者たち。これがなかなか難しい。パフォーマンストータルに占める技術や経験の重要さの割合が相対的に高いGやAやDに比べて、純粋な身体能力に支えられるポジションのため、選手生命も長くない。MVP級の選手でも30歳までにほとんど引退してしまう。従って、毎年のドラフトでもMF株は大体インフレを起こす。そもそも選手の多くがフルタイムで普通に仕事をしており、NFLやNBAやMLBほどLife workとしてラクロスをやっている訳ではない現状では当然Physicalの維持に割けるリソース/時間も少なく、引退の時期が早い中、特にMFは賞味期限切れが早いという事情も。

④シーズン途中でのドラフト
他のスポーツと違って非常にユニークな点がここ。NCAAのシーズンは2月に始まり5月最終週の決勝まで。MLLは5月中旬から8月中旬までの3ヶ月。つまり、3週間重なっており、ドラフトはシーズンの前半に行われることになる。NCAAの4年生はトーナメントが終わった直後にドラフトされ、その後夏休みの間MLLでプレーするということに。選手によっては(特にMFとAT)入団直後からチームの戦力にインパクトを与えることになる、MLLのチームとしてもそもそも即戦力での戦力補強として結構ガチで宛てにしてる部分もある。直感的に、今年の場合DukeのNed Crotty辺りはATの3枚目、4枚目として活躍してくる気がするのと、JHUのKimmelやUNCのDelaney、VirginiaのCarroll辺りのMFの便利なall rounderたちは普通に貢献してくるんじゃないだろうか。

またチームから見ると、即戦力を補強することで一気にTurn aroundを図りたい。3連覇を目指しながら中盤を支配できる機動力のあるMFを欠き機能不全に陥っているToronto Nationals、DodgerばかりでQB/司令塔が欲しいLing Island Wizardsがどう動くかが注目。

⑤X-Factor(予想外の選手)
どのスポーツでもそうだが、必ずしもドラフト指名順位と、その後のキャリアでの活躍の度合いは一致しない。上位指名されたにも関わらず残念な感じで終わる選手もいれば、補充枠で入ってAll starにのし上がる選手もいる。NCAAとMLLでの求められる要素の違い、スタイルの違い、NCAAで決勝まで残りメディアで注目されることから実力以上に評価がインフレしてしまう事などが原因と思われる。去年のSyracuseの優勝の立役者、Kenny Nimsも上位指名されるが、結局ぱっとしないまま今年はもうNYでの仕事に集中しMLLではやらないとのこと(上位指名権を使ってしまったチームは泣くに泣けない…)。また、過去5年でのMLL最強プレーヤーと呼ばれたMatt StriebelはPrinceton時代はキャプテンでありながら注目度はイマイチ。ドラフトでも19位という下位指名。MLLに入ってからも地道な練習を続け、ダッジ、シュートに磨きが懸かり、見る間に最高クラスへと成長した。(彼の場合はPrincetonでATからMFにコンバートされたこと、そもそもサイズと身体能力が高かった割にスキルの伸び幅が大きかった点もさることながら、ムチャクチャ努力家という点において特殊)


3.チームUSAの活動

徐々にUSAとしての活動が始まってくる。そうは言ってもMLLのシーズン中なので、今後はほとんど調整的な試合だけでEnglandに向かうことになると思われるが。今週末にはNCAA 4年生代表との試合(ロースターはこちら。)。7月8日にはAll MLL(もちろん除くUSA代表)との試合。追って情報が入り次第Updateします。

いたる@13期

2010年6月3日木曜日

Notre Dameの見所

15期のヤマβ紘太郎からメールを頂き、Notre Dameが来日して日本代表と試合するから注目選手教えてとの連絡が。彼にも個別にメールしましたが、もしかしたらご興味あるかもということで、サクッと紹介させて頂きます。既に過去のNDのブログ記事で結構触れちゃってますが。(主力選手が来るのかどうか分かりませんが…)

●Goalie #42 5年 Scott Rodgers: 神ゴーリー。193cm、120kg、Weight Trainingの鬼。アメフトのタイトエンド、バスケのフォワードとしても活躍。速くて上手い。Dの統率力も抜群。昨年のベストセーブ率、今年もハムストリングスの怪我から復帰してからはセーブ率69%のトップ、準決勝、決勝では15セーブ/試合の恐ろしい活躍。MLLでも活躍するだろうと言われている。
●MFの1stセットの3人は普通にNCAA Div 1級。#33 Earl, #28 Brennemanは共にでかくて身体能力高くて、OもDも強い。Brennemanの左のシュートは間違いなくトップクラス。同じくFirst setの#12のKrebsも強い。シュートに定評あり。
●あとは何と言ってもDの評価が高い。LongもShortも。柱の#35 Ridgwayがでかくて上手い。あのMarylandやDukeのOffenseを塩漬けに出来るのは確かに凄い。
●逆に、ATとMFの2nd 3rdは正直相当落ちるイメージ。得点の50%が上記3人のMF 1stからという異様なバランス。

決勝の両チーム合計11点はNCAA Final史上最少得点。多くのファンがロースコアでつまらない、Shot clock導入の時が来たと議論してるが、ジュニアのコーチをやってるような玄人ファン、D出身のOBたちは、「いやいやちょっと待て、両チームのDefenseは物凄い高いレベルだったぞ」と。確かに、双方危険なシュートをそもそもほとんど許していない。(加えてNDは10本くらいの危険なシュートをRodgersが全部止めた)

ちなみに、僕のざっくりしたGut feelingですが、直感的に、日本代表が割と余裕でNDに勝つんじゃないかな?という気が。NDのレギュラーシーズンの試合を見た印象だと決してNCAAの典型的強豪(SyracuseやDukeやVirginiaのような)というレベルではない。リーグ戦終了後のランキングだと7勝6敗で20位。トーナメント出場もギリギリ。

対戦相手に対して徹底してScoutingして、相当気持ちを込めて試合をコントロールして、且つBreakとMFの1stからの得点が確実に供給されれば勝つし、そうじゃなければ負ける、っていうチームなので…もし上記の主力が怪我や疲労でごっそり欠けてたり、出てても敗戦直後で凹んでて/卒業旅行モードでモチベーションがいまいちだったら結構普通に勝てる気が。(例えばRodgersが欠けると、平均的ゴーリーとのSave本数ベースで単純計算すると、1試合5-6点は多めに失点してたはずで、そうなるとNCAAトーナメント出場はおろか、Div 1でも下半分くらい、去年来たUMBCより大分格下になっちゃうっていう…)

土+月に炎天下で試合して、層の薄さから疲弊して、その後Memorial Week End明けのU-turn rushの中バスで7-8時間掛けてぐったりして帰ってすぐ飛行機で来日…時差ぼけもあるだろうし…ちとスケジュール的に過酷過ぎて若干可哀想。

そういや試合中に解説者のQuintが#12のKrebsかな?が卒業したがいまだ就職先が決まっておらず、この決勝が終わったら速攻Chicagoにアパート借りて夏の間就活モードという話をしていたので、彼は来ないかもですな…なんとも生々しい…(→続報。梅ちゃんからメールでKrebsが彼の家に泊まるとのこと。気合で来たってことっすね。仕事見つかることを祈ってます。見たところUndergrad(学士)のBusiness School(経営学部)でFinance専攻。どっちかっつうといい仕事にこだわって(今そんなに人採ってない)投資銀行辺りの仕事を狙ってるクチか?Notere Dameの経営学部はUndergradでは国内1位を取るほどの名門なので、先週の全国ネットでの試合を見て感動したシカゴの会社の人事部の人がサクッと採ってくれたりするんじゃないかと…)

いたる@13期

2010年6月1日火曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 36 Tournament Final Duke-Notre Dame

試合の見所

ともに初優勝を目指す2チーム。4回連続でFinal Fourに進出しながら未優勝の無いDukeか、鉄壁Goalie Rodgersに率いられるNotre Dameが4回連続のUpsetでシンデレラストーリーを描くのか。

この試合の勝負を分けると言われるFace off、一本目はNDが取る。直後にND#28 3年のBrenneman(190cm, 100kg)が得意の左のRunning shootを突き刺す。同じく2点目のStanding shootも秀逸。

相変わらずのQuinzaniとCrottyのAT 2枚看板のStick skillの滑らかさに溜息が出る。バターナイフでパンにバターを塗るように滑らかに流れる。パスはほとんど「どボックス」。ショートスティックはこうありたい。

NDのいつもの超PatientなPossessionオフェンスでDukeはほとんどOffenseの機会無し。数少ないチャンスもFrustrationからからしくないTurn overを繰り返す。2対2でお互い得点出来ぬまま2Q終了間際にQuinzaniのフィードからトップのMFのSchoeffelが決めて3-2 Duke 1点リードで前半終了。ハーフで3-2て…今までNCAAのFinalでこんなロースコアな試合見たことない。

後半、NDの4点目のOffenceはMFの3 on 3の教科書として非常に参考になる。Earlが左切りをダッジで振って交わして、Slideが来た隣のOを飛ばして、もう一個先にいるShooterのBrennemanまでパスを出すことで1 on 0の状況を作る。Brennemanがまたしても左のStanding shootを突き刺し4対4。

4対4の同点迎えた4Q。Rodgersが脚でStickで体でと神セーブを連発する。Rodgers一人で相手の得点の3分の2ぐらいを毎回減らしてんじゃないか?Gの皆は彼のセーブの技術をスローモーションで何度も見て解体してみるといろいろ発見があるかも。その後MFのInvertでDをSwitchさせてCrottyがShort相手のミスマッチから1 on 1、が、フィードがこぼれ、NDのエースMF #33 Earlがフィールドを爆走し、ATシュートでついに5-4でND逆転!

残り9分準決勝で爆発したDuke MF TurriがDのSwitchの混乱の一瞬の隙を突いてUnderhandで得点。再び5対5の同点。Dとしてはやっちゃいけないミスコミュニケーションとして反面教師になるはず。OとしてもDの隙を付くシチュエーションとして学びたい。その後もNDのゆっくりしたPossessionが続くが、残り6分でTurn overからDuke fast break。が、Quinzaniが絶好のチャンスを外す。Flag downでDuke EMOだが、またしてもRodgersが鉄壁セーブ。

残り14秒でDuke ballでDuke time out、Quinzaniのシュートは再び枠外でOver timeに。Sudden victoryの延長ではFace offが鍵になる…と思ったら最初のFOでDuke LSMの2年生 #9 CJ CostabileがLong stick face offで秒殺で掻き出し、そのまま自分で拾って独走、自らゴール左上にシュートを突き刺し試合終了。Dukeが悲願の初優勝を遂げる。

試合のハイライト映像

なぜ勝てたのか?

Inside Lacrosseで早速なぜDukeが勝ったのかの分析記事が載っていた。非常に面白いと思ったので紹介。的を得てるなと思ったのが、「Notre Dameの試合に自ら付き合ったこと」という点。確かに、これまでNDにやられたチームは、NDのペースに付き合わないように自分たちのBreak Lacrosse、アグレッシブなオフェンスを貫こうとし、リズムを崩して消えていった(Marylandなんて典型)。そんな中、今回のDukeは確かに敢えてOffenseのペースを落とし、Patientにpatientにボールを共有して安いシュートを打たず、決して焦る事無く、メンタルに揺らぐ事無く、持久戦に対して真っ向勝負を挑んだ。何度かDVDを見直すとその辺の「波」の行き来を見られてGame planning/Game managementとしては非常に学びになるんじゃないだろうか。

試合後のInterviewでHCのDanowskiやエースCrottyも言っていたが、やはり本当に強いチームは相手に応じて柔軟にスタイルを変えられ、スローペースのポゼッションラクロスを仕掛けられてもFrustratedになることなく、辛抱強く、規律有るDFと手堅いセットオフェンスできちんと得点を重ねられるものだと。その通りだなと思った。

もう一つ個人的に感じたのは、エースのATコンビ(QuinzaniとCrotty)が完全Shutされる中、準決勝、決勝ではこれまで存在感が薄いと批判されてきた3枚目のAT Howell、そしてMFのSchoeffel, Turri, and Catallinoなど脇を固める選手たちがStep upし、All Americanの名に恥じない素晴らしい活躍を見せたことも大きいと思う。彼らの活躍により後半Quinzani、CrottyのDがSlideに行かざるを得なくなり、結果として彼らが自由にプレーできるようになるという現象が起きていた。大事ですわ。駒の多さ。

Dukeの夢叶う

Dukeにとっては長い長い数年間だった。2nd tier呼ばわりされてきた90年代から、HC Mike Presslerの下少しずつ実力を蓄え、04-05年前後に強い新入生をごそっと取り、初優勝を期待されながらも05年は決勝でJHUの前に涙を飲む。06年のRape scandalで全米から叩かれ、HCのPresslerは首になり一年棄権。PresslerとDukeはドロドロの訴訟争いに突入し喧嘩別れ。

その後冤罪が証明されるがチームのイメージはなかなか回復せず。人気のあるSyracuseやHopkinsとの比較で「悪の帝国」扱い(Blue Devilsという名前や、「エリート白人金持ち学校」的なStereotypeから来るのやっかみ、無敵だったバスケでのAnti-Dukeな雰囲気なども相まって)。1年越しで挑んだ07年には再びPaul Rabil率いるHopkinsによって夢は挫かれる。試合後泣いて立ち上がれないMatt Danowskiの姿は今でも印象的。1年棄権→無罪を経て、NCAAから例外措置として、当時在学していた選手への「5年目Eligibility」が与えられる。それでも、エースATのZack Greerは、昨年のInside Lacrosseのインタビューで、その後もキャンパスで向けられる目は決して優しいものではなく、居心地は悪かったと言っている。(彼は最終学年の5年目に、辞任した恩師Presslerの後を追って弱小Bryant大学に転校してプレーした)

新コーチJohn Danowskiの元、Blue Devilsは、事件からの学びを生かし、学業への集中、Community workへの積極参加、Lacrosseへのハードワークを通じて少しずつイメージを回復し、Lacrosse界にサポーターを増やしていった。それでも05年から4回連続でFinal Fourに進出しながら一度も優勝できず。「結局Dukeは二流止まりなんだよ」が定説になりつつあった。

試合中も紹介されるが、QuinzaniやMcKeeら今年の5年生はscandal直後に入学したメンバー。既に入学をコミットした直後に事件が起こり、入学チームを考え直すかどうか迷った挙句、このチームとDanowskiを信じようということで皆で入学を決めた代。優勝への思いは誰よりも強かったはず。入学以降ずーっと叩かれ続け、それでもぐっと歯を食いしばって頑張って、最後の最後に大輪の花を咲かせた。4年生と5年生合わせて17人。来年以降は一気に新しいチームになり苦戦が続くと思われる。Dukeの長い長い旅の最後の最後に感動の幕切れが待っていた。トロフィーを掲げるQuinzaniを見て思わずジーンと来てしまった…やっぱり、NCAA Lacrosseは最高っす。毎年のドラマが、そして選手たちの魂が本当に心を打つ。

(ま、もちろん一方で「そりゃ5年生として楽な授業のBusiness Schoolとか行って1年余分に練習しまくりゃ優勝もするわ!Dukeだきゃあ認めねえ!」って見方をするファンはいっぱいいるはず。)

NCAA Championship

にしても、過去のNCAA Tournament Finalの歴史を見ると、過去10年のうち、ほとんどの試合がOver timeか1点差。NBAのサラリーキャップ制度(チームごとの合計年俸に上限を授けることで一部のチームの独走を避ける)やNFLの収入分配制度(チーム収益をリーグで分配することで大都市と過疎地の不公平を是正する)じゃないが、NCAAのしっかりした制度(人数制限、リクルーティングの透明性/公平性)により、ある程度成熟したスポーツは上位校数校は本当にギリギリの接戦を演じることになる。そしてそれが感動と興奮を生み、ファンを増やす事に繋がっている。スポーツマネジメントとしても勉強になるなーと感じる。

Shot clock

さて、一方で、この決勝戦の後、Internet上ではラクロスファンたちが熱い議論を始めている。その一つが、今回の試合が余りにもスローペース/ロースコアでつまらなかったという点。正直言って僕自身もその点は同意。現行のルールでNotre Dameの戦力を与えられたら、勝つための最適解として、可能な限りTransitionを減らし、超スローペースの試合にするのはLogically正しい。ただ、ファンとしては堪らないし、それがLacrosseのメジャー化を妨げているとの声も多い。既にプロのMLLでは60秒のShot clockと2 point shot lineを導入しており、圧倒的に展開が速い上、15-20点近い得点が生じる別のゲームになっている。(09年までのここ数年の東大の戦術も同じ方向性で(?)、一ツ橋もそれに近いと伝え聞いているので、恐らくいろんな批判/議論(一部言われなき誹謗中傷も含め)やチーム内の葛藤/Frustrationを生んでいたんじゃないかと想像する。MichiganもVirginia級のSuper star不在という意味では台所事情は似たようなもんなので、恐らく同じ部類に属する戦術を取ってるんじゃないかな?想像ですが。)

今までも議論は散々あったが、「そういう"亜流"のチームは優勝争いには絡めねえ。優勝に相応しいのは王道の爆発的Offense力のあるチームだけ」という先入観に掻き消されて来た。が、今回、NDが決勝にまで行ってしまったことで一気にその議論が熱を帯びつつあるという状況。

この点に関していくつか議論を紹介。現地上最強プレーヤーのPaul Rabilなど一部のMLLプレーヤー達は完全にShot Clock導入賛成派。言い分としては、「昔はバスケだってShot clockも3-pointも無かった。今からは想像付かないだろ?それらの導入によってゲームが一気に進化し、人気が爆発した。LacrosseだってMLLで実際にワークしてるわけだし、Why not!?」っていう。絶対にそっちの方がスポーツとして面白く、そしてプレーのレベルも上がると。

一方で、ESPNの解説者で元Hopkins All American GoalieのQuint Kessenichなどは、審判がきちんと早めのストーリング警告をしてRestraining zoneから出られない状況にして試合をコントロールすれば問題無い筈という意見の持ち主。しかし、にも関わらず今回のNDはトーナメント4試合全てでスローペースの試合を遂行し切ってしまった(別にBox内から出られなくなっても頑張ればいくらでもボールは回せる訳で)。恐らく今後のルール改正の大きな議論の焦点になるんじゃないだろうか。

Next step

さて、何はともあれ、これで長いようで短かった4ヶ月間のNCAA Lacrosseのシーズンも終わり。本当に楽しませて頂いた。ご馳走様でした。(個人的にはバチッと切り替えてNBA FinalとCollege Football(アメフト)で盛り上がらせて頂きます…College footがこれまた涎出ちゃうくらい激熱且つオモロイんすわ…)LacrosseではMLLの試合も時々放映されるのと、恐らくUS National teamの話、今年の高校3年生(来年の新入生)オールスターの話題等のニュースがちょくちょく入ってくると思うので、様子を見て時々ブログにUpdateさせて頂こうと思います。あと気になってる話題としては、「Michiganはどんだけ強いの実際?」って話など。