2011年12月30日金曜日

ESPN Films: Fab Five(映画)

もういっちょ。これは正確には映画じゃなくて、ESPNでやっていたドキュメンタリー。

90年代初頭に、アメリカの大学バスケの世界を変えたと言われている1年生5人組、Michigan大学のFab-Fiveの話。

クッソ面白かった。

元々丁度自分が中学時代にバスケをやっていた頃、Michael Jordanが神だった頃、NCAAバスケ、Final Four、そしてMichigan大学がもう一つのアメリカのバスケの象徴として存在していた。その頃は詳しい話は理解していなかったが、彼らが如何にその後のNCAAやNBAといったバスケの世界、そして大学スポーツの世界に影響を与えたのかをこのドキュメンタリーを見て初めて深く知る事が出来た。

Wiki

かいつまんでゴリッと書いてしまうと、

Fab-fiveとは、
  • 91年にミシガン大学に入学した高校トップ20クラスのエリート選手5人組
  • 後にNBAで活躍するChris Webber, Jalen Rose, Juwan Howardらアフリカンアメリカン5人組。地元DetroitやChicago, Texasから集まる
  • それまでの大学バスケの常識をいい意味でも悪い意味でも覆す偉業をいくつも達成した。
  • それまでは大体3-4年生が中心で試合をするのが常識だったが、彼らから1年生がガンガン活躍するように。強豪校で1年生5人というのは当時は常識はずれ
  • しかも、1, 2年生の2年間でいきなりNCAAの決勝へ。Duke相手に惜しくも破れるも、全米の注目を集め、大人気に。
  • 試合のスタイルはガンガン走ってアグレッシブにプレスDFして、NBA並みにダンクとアリウープ。
  • Jordanに憧れ、頭を剃り、バギーショーツ(今では当たり前になった練習用ショーツに近い3サイズぐらい大きめのパンツ)やユニフォーム、black shoes & black socksと言った、今のバスケの常識となってしまったファッション。
  • また、丁度当時脚光を浴び始めていたHiphop cultureを体現。タトゥーやダイヤのピアス、ヒップホップをでかいヘッドホンで聴きながら移動など。
  • が、一方で、当時から少しずつ問題になり始め、今もアメリカの大学スポーツで大きな問題になりつつある、金品のやり取り(若い頃にパトロンの堅気じゃないオジ様からお金を頂く)をしていた事が発覚、また、素行の悪さや、ロールモデル/優等生らしからぬ言動がメディアの批判の標的に...白人優等生バイアスに染まった心ない&古いMichigan卒業生から脅迫の手紙が送られたり。
  • と、いろいろ批判はされたが、結局、彼らが一つの時代を切り開いた事、最高のエンターテイメントを提供してくれた事は事実だし、そして何と言ってもいくらスーパースターと言っても、彼らは当時まだ世間を知らない、人間としても成長途上の18-19の若者だった訳で、そんな彼らに全てを求めるのも酷っしょって話だよね、というトーン。
見終わって胸が熱くなる話だった。「Selfish(自己中心的)」の代名詞とも言われ、悪者扱いされる事も多く、賛否が分かれる中NBAを引退して行ったChris Webber(日本語Wikiに2年目の決勝の最後のミスの話などが載っている)だが、人一倍傷つき易い所もある人なんだろうな、とも感じた。

彼らがいたからこそ、今やNCAAでは1年生達が堂々と高いレベルのエンターテイニングなプレーを見せてくれている訳で。

"We gonna shock the world!!!"(俺らが世界変えてやんよ!)というコメントがtrailerでも紹介されているが、この恐れ知らずな、鼻っ柱の強さ。1年生で、批判されて、嫌われて、それでも結果出して黙らしてやんよ、という気合い/気概。個人的に、大好きだ。

Trailer


動画リンク

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