2011年12月25日日曜日

NCAA Basketball 2012 UNC vol.10 Kentucky

シーズン開幕前1位(UNC)vs 2位(Kentucky)の頂上対決。順当に行けば3月のトーナメントの上位で当たる可能性も高い。場合によっては決勝で再会という可能性も。

Kentuckyは名物コーチ、Coach CalことJohn Calipari氏の下、ここ数年毎年全米トップクラスの将来のNBAスター選手たちを掻き集め、強力なチームを作って来ている。

現在のNBAのドラフトルールでは、大学2年生の年齢から指名出来ることになっており、強いチームほど優秀な選手を集められるが、一方でそのほとんどが2年生に上がる際にNBAに行ってしまい、毎年一年生主体のチームで戦わざるを得ないという状況になっている。

UNCは例外的に選手たちが自発的に2年生以降も残って全米制覇を狙う傾向が強く、それが成功の要因とも言われている。(Head Coach Roy Williamsを慕う選手たちの気持ちも強いと聴いている。「Royを始めとしたコーチ達に優勝を味わわせたいので、NBA入りは一年先延ばしにしてもう一年やります」や「UNCの環境、大学生としての経験や勉学が大事なので、卒業まで残ります」など、資本主義然とした今どきの選手達の中に有って珍しいコメントをUNCの選手たちの口から聴く事が多い。これがこのチームが好きになってしまう理由の一つでもある。)

一方KentuckyのCoach Calの戦略は、一年でNBAへと巣立ってくれて問題無し。但し毎年top of topの最高クラスの選手を確実に掻き集めるというやり方。それを繰り返す事で、Kentuckyでプレーする事=スーパーエリートの証、というブランドを築き上げ、それなりに成功を納めている。夏に入学して冬にリーグ戦を戦い始めるまでの半年間で一気にチームを作り上げるその手腕、そして全米からトップ10クラスの選手を複数人毎年集めるリクルーティング力にも定評がある。一方で、その資本主義的なというか、割り切ったスタイルに対する批判も存在する。「Kentuckyに来て、ドリームチームとして全米の注目を浴びて、箔を付けてNBAにサクッと行って貰って問題無し。ただ、一年間、俺の言う事を聴いて全力でやってくれ」という合理的っちゃ合理的なアプローチ。

過去数年で彼の下でプレーしたのは、Derrick Rose (Memphis時代→Chicago Bulls)、Tyreke  Evans (Sacrament Kings)、John Wall (Washington Wizards)など、数多くのNBA All Star級のスーパースター達。

ESPNで開幕前に紹介されていたKentuckyの練習風景。若くて、文字通りガキの頃からちやほやされて来た、さぞかしエゴの強いであろう選手たちを規律でグッと鍛え、即席でDFやチームオフェンスもそれなりにこなせる手堅いチームを作り込んでいる。(動画リンク

動画ではその方法論の一端を垣間見れる。「お前ら、自分一人で何でも出来ると思ってんだろ!?バカか!?」「二流の選手にチームプレーを教えるのは簡単だ。だが、(今まで一人で全てをやって来た)一流の選手たちにそれを教えるのが本当のチャレンジだ。」「ボールを持ってから何かをやるのは簡単だ。大事なのは、ボールを持つ前に、DFで、次のプレーを予測して先に動く事」等々。

試合は、正に頂上対決に相応しい展開。文字通りNBA級の才能のぶつかり合い。共にOF/DF共に高いレベルのプレーで凌ぎ合い、一進一退の展開。最後は一点差を追うUNC #31 F John Henson (3年)のシュートを、今年度NBAドラフト1位候補と言われるKentucky #23 F Anthony Davis (1年)が気合いの信じられない高さのブロックで防ぎ、Kentuckyが勝利。

若いKentuckyには今後も伸びしろがある。一方で、トーナメントでは毎年経験値不足から後一歩の所でやられている。トーナメントでどういう結果になるか、今年のNCAAバスケの筋書きが紡がれつつある。

これでUNCはシーズン2敗目。開幕前1位からスタートしてしまったが、開幕8試合で6勝2敗。ただ、Kentuckyの負けは恐らくそんなに順位に影響しないはず。今後の巻き返しに期待。

ハイライト

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