2016年5月19日木曜日

NCAA 2016 #13 Tournament 1st Round - Johns Hopkins @Brown

Tournament 1st Round 8試合のうちのもう1試合、Johns Hopkins vs Brown。

1. Background

Hopkinsはラクロスファンなら誰もが知っている伝統校。古豪という言葉が最も当てはまるだろうか。ラクロスのメッカBaltimoreにあり、80年代に黄金期を経て、2005年2007年にHead Coach Pietramala氏の下で二度の優勝。ただその後スター選手に恵まれず、優勝から遠ざかっている。

一方のBrownは、学業の名門Ivy Leagueの一角。Ivy Leagueの中では、90年代に何度も優勝していたPrinceton、2000年代に同じくFinal 4進出を果たしたCornellに比べると、そこまでラクロスで強豪校というイメージではなかった。が、昨年のNCAA Tournament出場に続き、今年も快進撃。15勝2敗の堂々全体5位でトーナメントに。

実はこのBrown、今年是非見たかったチームの一つでもあった。#4 AT Dylan Molloy (Jr./3年)がTewaaraton Trophy Winner (MVP)候補でかなりデキる選手だという話を聞いていたのと、実際Final 4に食い込むだけの実力があるという話を各種Report/記事で読んでいたのと、一方で、ESPN等でカバーされる機会が少なく、まだ試合を見た事が無かったので。

2. Recap

マジびびったっす。Brownかなり強え。正直ここまでとは思わなかった。

そして、#4 AT Dylan Molloy (Jr./3年)は、噂に違わず、というか、正直想像していたよりも実際はかなり強力な選手だという事が解った。MVP候補というのも頷ける。今年最高の選手は彼かもなと。

Brownが圧倒的な実力の差を見せつけ、Hopkinsを17-8で粉砕。

マジ強いっす。今までちゃんと気にして無かったけど、優勝あり得る。間違いなくFinal 4は行くはず。何となく、2012年に同じく中堅校のノーマークから一気に優勝まで圧勝で駆け上がったLoyolaを彷彿させる感じ。

3. 見所

Brownがむちゃくちゃ強い&見ていて非常に楽しいチームだという事がこれでもかと言うくらい解った。評判は嘘ではなかった。見られて良かった。

ポイントをザクッとまとめて言うと、「役者/キャラが揃ってる」、そして、「ハイペースで、華やかで、見ていて面白い、ワクワクするラクロス」。1試合見て一発でファンになった。Final 4の会場で是非生で見てみたいなと思わされた。こういうチームにこそ優勝して欲しい。

個別のポイントをいくつか挙げると、

アグレッシブなDF
  • このポゼッション全盛時代、タイトにクリース前をパックして、積極的にボールを落としに行く事はご法度とされるこの時代に、大分アグレッシブにフルコートでプレス、ハーフコートでもかなり強めにプレッシャーを掛け、積極的にダブルチームで囲み、リスクを取って「ボールを奪いに行く」DFを何度も見せていた。
  • 別に接戦で負けてる訳でも無いのに、Goalieがかなり積極的にクリースから飛び出し、バシバシパスカットを狙い、ゴリゴリにプレッシャーを掛け、ボールを落としに行っていた。
  • で、実際に、上位校のHopkins相手に結構カモっていた。こんなにアグレッシブに攻めるDFはNCAAでは余り見ないので、見ていて圧巻。
Transition重視、速攻ありきのOF
  • 同じく、近年あまり見ない、ゴリゴリのFastbreak重視のオフェンス。Transitionを起こして、ショットガンの様にバーッと走って、Fastbreak、その後のUnsettled situationで、ボールと足を止める事なく、他のチームであれば迷ったり敢えてリスクを取らずに止めてセットオフェンスに持ち込む場面でも、敢えてかなりの確率でシュートまで行き、そして決めている。
  • ちょっとインドア/Box Lacrosseっぽい、バスケっぽい、90年代のラクロスっぽい、常時走って切り替える、見ていてワクワクしてくる機動力ラクロス。
  • 走って、バシバシパス回して、バンバンシュート打って。忙しくて、目まぐるしくて、でも見てて最高に盛り上がるOF。
Long stickがガンガンオフェンス参加
  • かなりの頻度でDFMFの選手がBreakに参加し、しかもUnsettled situation、もっと言うとセットOFになっても継続的に普通にShort stickと同じ様にOFに参加し、しかも普通に点を取っていた。
  • 近年の、OFMFとDFMFを完全に分業制にして担当を分ける考えの中にあって、逆説的に効果を発するアプローチ。
  • 相手のOFMFがTransitionに伴いフライしてDFMFに変わるのを防ぎ、元AT出身のOFMFがDFに参加せざるを得ない状況を作る。すると、1-on-1でも守れない上、6-on-6のチームDFの決め事であるスライドの連携がうまくできずに、チームとして機能しなくなってしまうという現象が起きていた。
  • これを意図的に発生させるという奇策。いやー、感動した。なるほどねー、そういう戦術もあるのねと。
  • もちろん、大前提として、Long stickの選手たちがスティックを短く持って、Shorty並みのスティックスキル、シュート力を持ってる事が必要となるが。
役者が揃ってる
  • 正直個々の選手のレベルの高さにちょっとびっくり。でかいし、フィジカル強いし、Ivy Leagueなのにアスリート揃い。
  • 特に、3つの肝のポジションの選手が明らかに強かった。
  • #91 G Jack Kelly (Sr./4年)。ビッグセーブ連発。クリアのパスの精度と落ち着き。
  • #36 FO Will Gural (Sr./4年)。マジ強力。今年のBest Face Offer級か?ゴリゴリねじ込んで、掻き出して、拾って。
  • #8 AT Kylor Bellistri (Sr./4年)。点取り屋。すげえシュート上手い。オフボールものすごく狡猾。
  • その他も、DFMFやLSMFなど、要所要所にExpertが揃っており、穴が感じられない。
そして何と言っても、MVP候補、#4 AT Dylan Molloy (Jr./3年)がMLL級
  • すごいすごいと聞いてはいたが、実際に映像で見て、「ほうっ!」と思わされた。
  • でかい、重い、でも動ける。シュートクソえぐい(速い&正確)。フィード上手い。DF背負って余裕でプレーできる。DF 2-3枚来てもスルッと交わせる。
  • いや、MLLの主力級でしょ。間違いなく。しかもまだ3年なので、来年もう一年ある。まず間違いなく来年の全体1位指名な気が。
  • 非常に興味深いのが、高校生時代、そして入学時点では実はそこまでの選手では無かったという点。ここまでひたすら工夫と努力を重ねる事で変化/成長してここまで到達しているという点。明らかに頭を使ってプレーしてるし、自分の成長をプロデュースしてるタイプ。という事は、今後がものすごく楽しみな選手。Final 4の舞台で是非生で見てみたい。
  • 印象的だったのが、コーチたちが当初からダブルチームを意識して、普段からLongstick 2枚付けてダブルチーム有りきの練習をさせたり、アメフトのタックルパッドでバンバン押しながらそれを交わす練習をさせているという点。なるほど、このプレッシャーの中での落ち着いたプレーはデザインされた技術なのねと…
という訳で、一発でBrownファンになりました。だって見ててワクワク出来るし面白いんだもん...

4. Highlight

と思ったら、試合のHighlightの映像が無いっすな…やむなし。って事で代わりに、過去のDylan Molloyの今シーズンのHighlight。



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