2011年1月15日土曜日

留学先:IMG Lacrosse Academy Camp

以前General Managerのウドさんから東大の現役選手向けにMichiganにプラスアルファで追加出来る新しい留学先は無いかと質問を受け、アンテナを立てていろいろと見ている。これまでAustraliaやCanada/Iroquoisのクラブチームを候補として言及してきたが、それ以外に留学先のオプションとして比較的現実的に考え得るかな?と思ったものがあったので紹介。

個人的には、少しでも上手くなりたい、勝ちたいなら、今の環境で毎日全力で練習するのと同じ様に、最も効率的に/確実に/早く強くなれる環境そのものを全力で作る/探すことにも工夫と努力を注ぐべきだと思う。同じ時間と労力を割いて練習するなら、可能な限り筋のいい/ROI(費用対効果)の高い使い方をして最大のリターンを目指すというのは極めて健全なアプローチ。毎日限界まで全力で努力して、変化して、それでも尚、もっともっと上を目指したい!という方、是非、検討してみて下さいな。ま、単純にワクワク出来るし楽しいと思うので!

上手くなるってのも勿論だけど、せっかく大学で出会ったこの素晴らしいスポーツ、人生を楽しむためのツールとして最大限に使うべく、"get out of your comfort zone(自分が心地よいと感じる環境を敢えて越えて新しい事にチャレンジする)"の手段としてレバレッジすべく。どうせこれからの日本人のプロフェッショナルにとって、国内に閉じてグローバルの舞台で戦わないという選択肢は、楽しみのレバーを無駄に制限する事にしかならないので。ガンガン楽しみながら海外に飛び出して行っちゃおう!の一貫として、海外進出の第一歩を踏み出すきっかけとして。

(ちなみに、OBの選手が行っても全然オッケーな選択肢かと。)

IMG Lacrosse Academy Camp


最近Lacrosse関連メディアに触れる中で存在感を増しているのが、先日のNLLのプロモーション契約の記事でも触れたスポーツマーケティング/マネジメント会社IMGが主催するIMG Lacrosse Camp。ここ数週間、ILのトップページにもバナーを出し続けている。

スポーツの世界のマーケティング戦略に関しては非常に鼻が利く/機を見るに敏なことで有名なIMG。そのIMGがここ数年、ガンガンラクロスへの投資を強化している。NCAAの人気拡大が確実にファン層を広げ、ジュニアレベルでの競技人口が爆発的に増加。ゴルフやテニスなどの既存のジュニア向けキャンプに加え、ラクロスでも同様に多くの選手を集め、稼げると踏んだのだろう。

Head instructorのKevin Finneran (元US代表、NLL/MLLプレーヤーで、MLLのHC/GM経験者)による紹介。施設のクオリティが引くぐらい凄い。完全にテニス/ゴルフのアカデミーの発想。(日本だと僕自身渡米前に何週間かお世話になった宮崎のPhoenix Golf Academyが近いイメージか。)来年からはフルタイムのコースも開講するという。ガキの頃から英才教育を受けて育ったラクロスエリートがNCAAやMLLのフィールドに立つ日も遠くないのかも知れない。

昨夏のlaunchのニュース。(映ってる選手自体は恐らくフツーの中学生?なので別にさしてimpressiveじゃないが...)

インストラクターの、「地上最強のラクロス選手」、Paul Rabilらによる講義の映像

日本の現役選手の留学先候補として

ラクロスキャンプのページ。週末のみのものから、3週間、5週間、レベルもKids向けからHigh-school向け、さらには大学生/プロ向けまで。既存のラクロスキャンプのほとんどが高校生/ジュニア向けで、日本の大学生の選手が参加するには(ラクロスのレベル的には低くはないとは思うが)必ずしもベストフィットでは無いかなと感じるものが多かったが、IMG Campは恐らくバチッとハマるものがある気がする。または、先方と相談の上ある程度フレキシブルに組める気がする。

しかも、さすが他スポーツで世界中から集まるスポーツエリートを育てて来た経験があるだけあり、ESL (English as second language、つまり英会話)とセットになっているものまである。これはつまり今から日本を含めた非英語圏からのキャンプ参加者を見越して作り込んでいるということだろう。その先見性と戦略性に敬服の意を感じる。

チームでのキャンプも可能。場所的にも年中暖かくてプレー可能なフロリダという理想的な立地にある。直感的に、アメリカの学生ラクロスのシーズン中に当たり、日本のリーグ戦前の準備期間にあたる1-6月が空いてて狙い目じゃないだろうか。そのタイミングならMLLシーズン前なので、恐らく設計/交渉次第ではMLL選手達に直接指導して貰える気もする。チームとして検討してみてはどうでしょ。最初は試験的に数人に絞って派遣して様子を見てみてもいいし。

もしチームで行くなら、NCAAやMLLのチームを対象にした一番レベルの高いものが最もフィットする気もする。(アメリカでも高校生と大学でチームとしてのレベルに大きなジャンプが生じることと、今の東大の基本技術や戦術理解のレベルを考えると、所謂初歩の初歩よりはある程度解ってるチームとしてのもう一段上、というのが目的だと想像するので。)

Michiganとの共存/併用

単純にアメリカでラクロスを学ぶという意味ではMichigan留学とoverlapしてしまう部分もあると思うが、チームの中に入って生活ごと体験することに大きな意味があり、どちらかと言うと「お客さん」として滞在するMichigan留学とは違い、純粋に最高レベルのラクロス教育を短期間で凝縮して吸収するという意味合いが強く、目的に応じた使い分け/棲み分けも可能な気がする。また、「お客さん」としてではなく、自分たちが主役になるため、指導内容もよりカスタマイズ可能で、ピンポイントで痒い所に手が届く物になるはず。英語が解らなくても解るまでみっちり訊きまくれるし。

下級生「でも」、いやむしろ下級生「こそ」?

カスタマイズ度の高さ、対象とする実力の幅の広さを考えると、必ずしもこれまでMichiganに派遣していた3-4年生じゃなくても、モチベーションと向上心さえ有れば1-2年生を送っても十分にmake senseするはず。「ある程度ラクロスを知ってないと/プレー出来ないと送れない」ではなく、「まだ知らない/染まってないからこそ送るべき」、「出来るだけ早い段階で本場を経験させた方が後の成長余地が大きい/刈り取り期間が長い」という理屈が成り立ち易い。

4年生が経験し、「良かったよ!楽しかったよ!」となるが、すぐに卒業してしまい、末端も含めたチーム全体への技術や情熱の伝達/還元率がボトルネックになるという問題も解消出来る。「せっかく素晴らしいことを学んだのに1シーズンしか試せない...あと2-3年あればもっといろいろ出来たのに」の「2-3年」を実際に意図的に作れることになる。

これがチームの多くの選手が若い学年から通る標準プロセスになってしまえば、結構恐ろしいことが起こる気もして若干鳥肌が立つ。一度目標地点を(世界標準で)高い位置に設定し、塗り絵の枠組みさえバチッと作ってしまえば、残りの期間での日本での1年間の練習の効果が全く違った物になってくるはず。

お金がボトルネックなら、派遣人数を絞って、OB会に(きちんと情熱と理屈を提示した上で)お願いして援助して貰い、奨学金制度を立ち上げてみてもいいし。協力したいというOBは必ずいるはず。

ま、難しく考えずに、純粋にミーハーにPaul Rabilの弟子になりたい!でもいいし。毎日MLLの選手達に1 on 1 100本ノック志願してひたすら最高峰を体に叩き込むでもいいし。動機はなんだっていいので。(僕がオーストラリアのクラブチームに行ったのも合コン戦闘力向上という空っぽの動機に突き動かされた面も否めないし。しかもGC戦闘力は1ミリたりとも向上しなかった。)

他のキャンプよりも効果は高い?

直感的に、トレーニングの内容、効果に関しても、恐らく過去にゴルフやテニスで実績を残して来たIMGのナレッジを最大限にレバレッジし、長期的な視野に立った科学的/論理的アプローチと効果測定により改善を重ねているはず。

リクルーティング目的も大きい大学コーチによるキャンプや、副業としての意味合いも強い有名選手によるキャンプと違い、専業のインストラクターによる育成メインのプログラム。今後他のプログラムよりも高い育成パフォーマンスを達成していくんじゃないかと想像する。今後参加選手達の目が肥え、「どのキャンプが一番費用対効果が高いか/上手くなれるか」という厳しい目と評判に晒されて行くはずで、恐らく時間が経つにつれ勝ち馬キャンプの一つになって行くんじゃないだろうか。

ラクロスの成長と可能性を表す

いずれにせよ、これもアメリカで感じられる、ラクロスというスポーツが形を変えながらダイナミックに成長していく大きな大きなうねりの一部。IMGやNikeやaddidasといったスポーツ界の巨人達がこぞって参戦し、新しい試みに向けて投資し始めている。LXM PROの様に、ハリウッド寄りの動きも起こり始めている。このスポーツはホント行く所まで行っちゃう気がする。

一応、日本語も

一応、ページ上部の言語選択を変えることで日本語でも読める。が、案の定Google Translationばりのマシーン翻訳なのでどっちかっつうとギャグとして...

Onlineでインストラクションビデオをガンガンアップ

昨年の11月くらいから既にYoutubeのアカウントでガンガンインストラクションを載せ始めている。過去にもいろいろ似たような動画があったが、IMGのこれは圧倒的に深く、実戦的で、体系化されている。Re-dodgeやoff-ball、シュートの間合いとタイミングなど、「ど基礎」から一歩応用に近づいた、痒い所に手が届くインストラクションが多い。(リンク

いたる@13期

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