2012年3月26日月曜日

Mark Millonのスキル講座 vol.01 ゴール前のシュート

去年の記事再掲。

2011年2月7日月曜日

ここ数週間で、Mark MillonのDVD "The Ultimate Guide to Youth Lacrosse"からの抜粋という形で、Millonのスキル講座の動画がIL Videosにアップされている。ど初歩を一歩越えた、痒い所に手が届く内容の物が多いと感じたので、いくつかピックアップして紹介。非常に理詰めで細やか。チームで数本買って、皆で徹底的に擦り切れる程見倒して分解/咀嚼しきってみてもいいかも。特に下級生の初期の頃から見れば、長い目で見ればチーム全体の力を数段底上げしてくれるインパクトを持ち得るかも。

ちなみにMillonは、90年代後半から2000年代に掛けてUSとMLLを引っ張っていたスーパースター(Wiki)。98年のWLCではカナダとの決勝戦で、同点で迎えた終了間際、裏からのアイソレーションで電光石火のダッジからランニングシュートをぶち込みUSを優勝に導いた映像が未だに瞼に焼き付いている。身長が5-9 (175cm)とNCAA/MLLレベルでは小人だが、突出したスピード/爆発力と、極めて高いラクロスIQ、シュート力で一時代を築いた。

Mark MillonのHighlight


彼が出しているオフェンス講座DVD「Offensive Wizardry(オフェンスの魔術)」も選手やコーチから高い評価を受けており、ラクロス界の中では異例のメガヒット。Mark Millon Lacrosseキャンプも論理的で細やかな始動が噂を呼び、最も人気のあるキャンプの一つになっているっぽい。(Denver Outlaws/Philadelphia Wingsで10 USAのDrew Westerveltも手伝っているとインタビューで発言していた。)

(自分の話ばっかで恐縮だが、僕自身、現役時代は(同じ左利きで身長も近く、目指したいプレースタイルだったというのもあり)彼の映像を文字通りすり切れる程見続け、授業そっちのけで黙々と完コピ目指してダッジからシュートまでを真似し続けた。)

今回は一番面白いと思った、Inside shooting(ゴール前のシュート)の講座リンク
以下、彼のコメントとキャプションからポイントを抜粋。
そもそもシュートの種類には大きく3つある
  • アウトサイドからのスタンディングシュート
  • ランニングシュート(shooting on the run)
  • インサイドシュート

インサイドシュートの技術は、(同じシュートでありながらも)アウトサイドとは全く別の物として捉えるべき
  • アウトサイドではスピードを生むために手/スティックを出来るだけ身体から離すが、インサイドではスピードは不要な上、コントロールとプロテクションが重要なので、スティックと手を身体に近づける
  • 同様に、スティックを持つ長さも明確に変える。スピード重視で長く持つアウトサイドと打って変わって、スティックをchoke upして(短く持って)、両手の位置を近づける
  • その際に、下の手はボトム(butt end)を持たない。ちょっと上を持つ。そっちの方が圧倒的にスティックのコントロールが上がるので。ボトムをプロテクションしなくていいのか?と言う人がいるが、ゴール前でボトムをピンポイントでチェックされることはないので関係無し。
  • ボールそもののスピードは不要なので、アウトサイドのように上半身の回旋は不要。パワーは手首を柔らかく使い、スナップでスパンと打つ。上の手のpushと下の手のpullでスピードを出せ。
→個人的に、ここまでexplicitに別の種類のシュートとして完全に使い分ける事、エンドを持たないこと、スナップだけで打つ事を教えられた記憶は無かったので、非常に合理的だと感じ、腹落ちした。多くの選手が結果として本能的に/経験則でそうやっている気もするが、こうやって元トップ選手から正しい技術として「カチッと」教えられることで上達も速くなり、安定する。(自分の場合、ヘッドの振り幅を大きくしようと/キャッチのrangeを広くしようと、敢えてボトムを持ち、スティックを長く持ってしまい、返ってコントロールとスピードが落ちるという間違いを犯していたことも多々あった気がする...

ボールのplacement(どこに打つか)が大事。
  • 打っては「いけない所」をまず理解することが大事。原則、スティックサイドの上は低確率。(自分とゴールの間でバウンドさせる)バウンドショットも避ける。バウンドのスペースが無く、単純にゴーリーに反応の時間を与えるだけなので。(もちろんゴールライン付近や、ゴールラインを越えてネットに当たる前にバウンドするのはオッケー)
  • 下の奥のパイプの内側、または足下が最も高確率
  • ただ、忘れてはいけないのは、「絶対だめ」や「絶対ここに打つべき」がある訳ではない。大事なのはあくまで確率論。
  • 確かに、Goalieとの至近距離でセーブされてしまっているケース、goalie highlightに使われる映像は、多くの場合上に打ってgoalie stickをバチッと合わせられてしまっているケースが多いような気がする。フットセーブも無くはないが、やはり確率は圧倒的に落ちるはず。
練習方法
  • クリースのトップにパイロンを置き、毎回カットしてやる。実戦を想定して。試合中のゴール前のシュートは実際ほとんど脚を動かしながらなので。
  • 必ず両手をやる。交互に。
  • シュートは極力Downward trajectory(下向き軌道)で。
  • 完璧にcomfortableに打てるようになるまで延々反復し続ける。
個々の技術指導や練習法もさることながら、この辺の理論化/意識化の徹底度合いが非常に参考になる。

いたる@13期

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