2012年3月18日日曜日

NCAA 2012 Game Review vol.10 North Carolina vs Princeton

さて、毎年恒例の集客イベント、Face Off Classic @Baltimore, Maryland州。今年も会場のM&T Bank Stadiumで観戦。

会場は去年同様各メーカーが店を出しており、多くのファンや選手達で賑わっている。写真はMaverikのブースで子供達に大人気だったAT Billy Bitter。Maverikのパンフにサイン中。去年はUNC #4でBig City Classicに出ており、その後MLL Denver Outlawsにドラフトされ活躍した後、今年は大学時代の地元North Carolina州の新チームCharlotte Houndsに移籍。

さて、一試合目は我が地元North Carolina Tar Heels vs 古豪Princeton。UNCは開幕から4連勝の後、Lehighにホームでやられ、その後Pennにもう一つやられて、一気に4勝2敗の崖っぷちに。Princetonも今年こそはと言われながらも勝てず、同じく崖っぷち。ここの試合を落としたチームは一気にプレーオフ進出に向けて黄色信号が点灯する事に。

試合は、まあ、上位〜中堅校の試合としてはそこそこ楽しめるかな、という感じ。双方MLLにドラフトされている4年生も数人おり、レベルの高いプレーも垣間みれた。

結果は9-8で辛くもUNCが勝利。何とか下り坂を一端食い止めた。

ちなみにUNC #16 AT Jack McBride (院1年)は去年まで4年間Princetonに在籍した得点源でキャプテン。最終学年を怪我で欠場したため、残り一年のeligibility(合計4年のプレー可能年数)の最終学年を大学院生としてUNCに移ってプレーしている。異例の卒業生対母校の対決。(相手の特徴を掴んでいたからか、ガンガン活躍していた。)

どうしても地元で応援しているUNC視点になってしまうが、見て感じた事は、


  • 言ってもDivision 1のラクロスですよ。レベルはもちろん高いですし、学ぶ事も多いですし、会場で見ててもちろん、盛り上がりましたよと。TVで見直してももちろん楽しめる試合。その上で...
  • UNCは相変わらずターンオーバーが多過ぎる...シュート数よりターンオーバーが多いってどういう事?しかも、その多くが所謂"Unforced Turnover"つまり、相手によって誘発された/落とされた/奪われた"Caused Turnover"ではなく、自分たちのミス/自爆によって起こったturnover。頼むぜ...。試合を見ていて「ああああ!」と髪の毛をかき乱したくなる様なシーンが散見された...せっかく攻撃力が高くても肝心のシュートが打てないと、ポゼッションをこれだけ失ってしまうとこれだけ無駄に苦しむことになるのね、という意味で勉強になる。
  • HC Joe Breschi曰く、まだオフェンスのメンバーが固定出来ておらず、イマイチChemistryが発揮出来ていない/ハマっていないとの事。エースの#42 AT Nicky Galasso (So)も最近怪我から復帰したばかりでまだ本調子ではない。加えて、# 5 Emala (Jr), #16 McBride (院1), #4 Bitter (Fr), #1 Holman (Jr), #2 Wood (Sr), #11 Sankey (Fr), #41 Foster (So)と、実質NCAA一線級のATが無駄に8人もいる...「NCAA Lacrosse界のMiami Heat(タレント満載)」とも言われる所以。まあ、日本で言ったら、他球団の4番打者級が4-5人いる巨人って感じか...。毎回メンバーチェンジして、Qごとにごそっと3人入れ替えたり、ピンポイント使いのOFMFとして、またはEMO専門として使っているが、明らかに無駄が生じている途中からちょこっとだけ出ても試合の波/流れに乗れず、力が入ってしまい変なミスをしてしまったり。OF全体がぎくしゃくしてうまく回っていない。強いATが無駄に多くても、有機的に意味のある形で使わないと意味がない、多くのメンバーを絞らずに固定せずにいろいろ出す事による明確なダウンサイドが見て取れる。ある意味チームマネジメントとしては正直反面教師になっちゃってる面も。とっとと腹括ってメンツ固定しちゃった方がいい気がする...
  • 一方で、いくつか好材料があるとすると、
  • ①そうは言っても、やっぱり個々人のオフェンス力は高い。ハマったときのプレーはやはりカッコ良くて壮快だし、特にシュートの技術レベルは間違い無く高い。個人技として見て学べる点は引き続き多い。(ハイライトでもいくつか目の覚めるようなシュートが出て来る。)
  • ②頼りなかったDFが、後半に入ってそこそこ良くなったかな?特にGの#19 Steven Rastivo (Jr)がこの試合では怒濤のセーブを見せまくり、何とか勝ちを引き出した。
  • (③スーパーどうでもいいというかもはやプレーじゃないけど、ユニフォームとギアが真っ青なCarolina Blueでカッコイイっすよね...)(写真満載のILのGame Day Gearのページ
  • まー、でも、いずれにせよ現時点では凸凹が目立つ。今後ACCの強豪校とやって行く中で常勝していく感じはしない...期待を集めて始まったUNCだが、一部から心配されていた通り、DFの薄さと、OFのタレントが多過ぎる割に1年生と転校生による即席チームの面も否めずChemistryが発揮出来ていない点もあり、頼みの綱であるFOのRG Keenanが勝てなかった場合一気に脆さが出る...うーん、何とも胃の痛いシーズンになりそうだ...気長に、辛抱強く見守って行こう。とにかく一刻も早くOFのメンツ固めないと...
  • 一方のPrincetonは...やはりG Fiorito, #9 DF Weidmeyer, #22 MF Schriberなど、素晴らしい選手も複数いる。が、全体として「あの強かった頃のPrinceton」の感じは明らかにしなくなってしまった。DFもこれだけのタレントがいながら穴があり、OFも元NLL WingsのHC Chris Bateの2-on-2主体の攻めも、イマイチはまったりはまらなかったり...Side armで鬼速いがコースが読み易くてボックスセーブされちゃうシュートが結構散見された。DFのシステムも穴が有り、Bill Tierneyヘッドコーチ時代のPrincetonからすると隔世の感が...残念ながらもうNCAA D1「Top校」にはならないんじゃないだろうか。試合を見に来ていた栄光の6回制覇を成し遂げた黄金時代を知る卒業生達が悔しそうな顔をしていた。

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