2012年3月30日金曜日

Mark Millonのスキル講座 vol.03 Change of direction/Quick inside roll

もういっちょ再掲。

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2011年2月14日日曜日

Mark MillonのThe Ultimate Guide to Youth Lacrosseから3個目。とっとと最高峰の選手/指導者の技術指導にバチッとアンカリングしちゃった方がより速く確実に上手くなれるでしょということで。AT/MFのオフェンスで参考になりそうな技術を2つ。結構がっつり内容詰まってるので、消化/咀嚼しながら、練習しながら繰り返し見て貰った方がいいかもです。

ちなみに、Mark Millonの再来とも言われる、UNC 4年のBilly Bitterが非常に忠実にこの辺の動きをやっている。(彼のHighlight動画を載せた「ラクロス浪人」の記事) 間違いなくMillonをロールモデルにし、彼のプレーやDVDを見てイメージを作り、練習して育って来たパターンだろう。


まず、Change of direction

Change of Direction (COD)の動画(リンク)。Millonの代名詞とも言える必殺技。ここでは大きく切り返すRoll dodgeのことを指してそう呼んでいる。

以下、彼のコメントとキャプション。
  • 小さくて速いプレーヤーには非常に向いている。特にでかいDFとのマッチアップに於いて
  • 常時逆の手でスティックをプロテクトすること
  • 外足でしっかり支えて(plantして)鋭く切り返せるだけの下半身の強さが必要
  • ロールとロール後の爆発的スピードが肝
  • DFが予想出来ないタイミングでいきなり切り返すことが大事
  • ロールの際にDFは本能的に身体から遅れてはみ出るスティックを狙ってくる。従って、先にスティックを回して肩と背中で隠してしまうことが大事。
  • もっと言うと、相手DFが振りかぶって大きなチェックを投げてくる場合は、Dの動きをよーく見て、そのタイミングを意識的に見計らい、空振りさせるようにロールする(そうすると相手ロングはズルッとなる)。
  • もっと言うと、慣れてくれば敢えて意識的にスティックを見せて「貰った!」とチェックさせるfakeを仕掛けることも出来る
  • このダッジはシンプルに見えるが、実際には相当数の反復数とフィジカルの強さが必要
  • 最初はゆっくりDF無しで反復練習し、徹底して身体の使い方をmustle memoryとして刷り込みまくり、ある程度出来るようになったらスピードと爆発力を上げて行く、というように、段階的に練習して行け(いきなりDF付きの1 on 1でやっても上手く行かず、技そのものを習得する機会を逸する/完璧なフォームじゃない状態で身に付いてしまうので)
  • 映像の最後に入っている彼自身のCODが鋭過ぎる...文字通りDFがズルッとなっている...ここまで自由自在に使いこなせるようになれば相当DFにとっては怖いだろう。
→動画の最後に入っている彼の試合中のCODのシーンで(一時停止をしながら)是非注目して欲しいのが、軸足の向きと腰の向き。ターンする一歩前の左足の踏み込みが既に後ろの方向を向き始め、切り返しの軸足/蹴り脚の右足は、思いっきりターンの方向、つまりこれまでの進行方向と逆の方向に向けた状態で着地している。そして、次の一歩の左足は完全に180°逆に向かっている。結果として、腰もターンに入る時点で既に逆を向いている。これならターンのキックを蹴った瞬間にバチッ!と鋭角に鋭く切り返しつつ、そのまま弾く様に全速力に入れる。

もう一つの注目点は上体の角度と重心の低さ。前傾を保ちながら、重心を低く維持して下から潜る/抉るように左の肘を引くイメージでグッと抑えつつスッ...とスムーズに回している。これだとバランスを失わない。(逆にダメなのは、のけぞるように軸を後ろに「煽られる」形で回しちゃうパターン。スノボのワンメイクのスピンで言うと、「まくられる」状態。ボディコントロールを失ってしまい、素早く身体を回せない。)

是非ともスティック無しの状況でカラーコーンでも木でも相手にして何度も何度も練習して身体の使い方を刷り込んじゃいたい。最初はゆっくり、一つ一つチェックポイントを確認しながら、そしてだんだん速く。もちろん左右両方。そして、言うまでもなく、ハムとQuad(太もも)とカーフ(ふくらはぎ)、体幹の強さ、股関節の柔らかさ/可動域の広さは大前提。ばっちりウェイトとストレッチで土台を作る必要あり。(でも一度その「物理的な差」を作ってしまえば間違い無く絶対に裏切らない最強の武器になる。相手DFに対してどうあがいても埋める事の出来ないギャップを作れることになる。)

(僕自身も(今は亡き)VHSでMillonの正にこのシーンを100回くらい反復した動画を作り、延々網膜に焼き付け続け、無茶苦茶このターンをイメージしながら駒場のトレ体でスクワットとカーフレイズをやっていた。)

続いて、Quick inside roll
  • シュートと同じく、Great dodgerになるためには、必ず、一つの得意技だけではなく、全ての種類のダッジを高いレベルで使いこなせるようにならなくちゃダメあらゆる種類のダッジを引き出しにストックしておき、試合中に状況と相手に応じて自由に使い分けられるようになっておかなくてはならない。DFから見て予測不能になる必要がある
  • そして、自分がどういうタイプのプレーヤーなのか、その特性をよく理解する必要がある。小さくてスピードのある選手であれば、Power inside rollではなく、自分の強みが生きるquick inside rollの方がより効果的。
  • まず、Xからスタートして、5 & 5 spot(両ポストから横、前に5 yards (4.5メートル)、即ち斜め前6メートルくらいの地点)に向かって行くこと。
  • その際にしっかりスティックプロテクションすること。
  • その際に極めて大事なのは、DFに対して、本気で表に抜いて来ると思わせること。DFは鉄則として絶対に表側に抜かせないよう教育を受けている。従って、それを上手く利用する。
  • それをやるためには、①速いスピードで表側に向かうこと、②前の肩を少し入れて/下げて、表側に抜くモーションを見せること。(→これは非常に痒い所に手が届くティップスだ。ちんたら遅いスピードでやっててもDFは表に抜かれる恐怖を感じないので簡単にロールを防げてしまう。しっかり表を防がないとそのまま表からがっつりシュート決めちゃうよ、というプレッシャー有りきという事。そして、ただ単調に速く走るだけでも足りなくて、ある瞬間に肩をグッと下げて、表に抜かれる恐怖感を瞬間的に作り出さなくちゃいけないということ。この辺の強弱/メリハリの使い方。前の肩を入れる/下げる、という体の使い方/演技力の細やかさ。DFからどう見えるか、自分がDFだったらどう反応するかをよーく研究し尽くしたアドバイスだ。)
  • これも同じ様に、5&5(ゴールポストから横に5ヤード(4.5メートル)、前に5ヤード)、斜め前45度の方向に行った地点)にカラーコーンを置いて、まずはスティック無し、次にDF無しでスティック有り、そしてダミーD付けて、最後は実戦で、と段階を踏んで徹底的にマッスルメモリーを刷り込むのが有効だろう。もちろん左右両方で。
この辺の理論と、意識化の徹底っぷり。非っ常に参考になる。やはり偉大な選手は本当にいろいろ考えてるんだなと。

いたる@13期

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