2012年6月21日木曜日

Loyola優勝の余波 vol.04 HC Charlie Toomeyインタビュー

決勝数日後に放送された解説者で元Johns Hopkins All American Goalie Quint KessenichによるESPNU Lacrosse Podcastで、優勝したLoyolaのHead Coach Charlie Toomey(チャーリー=トゥーミー)氏のインタビューが掲載されていた。

優勝の裏側のドラマを感じさせてくれ、心を打ったのと、ラクロスとして、人生として、いくつか我々にとっても学ぶべき点があると感じたので紹介。特に舞台裏での戦術的なやり取りは単純に知的に面白い。また、優勝までに注がれて来た苦労や努力が垣間みれて胸が熱くなる。

リンク

ちなみにToomey氏、Loyolaを90年に卒業しており、4年時にはスーパーゴーリとしてLoyolaを決勝に導き、Gait Brothers率いるSyracuseに破れている。その後いつか決勝に戻ってきたい、そして雪辱を果たしたいとの想いを胸に母校のコーチとして就任し、ここ数年でHCとして中堅校だったLoyolaをグイッとターンアラウンドして来た。

いくつか印象に残った、そしてチームとして、僕個人として学びがあると感じたコメントは、

土曜の準決勝に勝ち、二日後の決勝に向けての不安は何だった?
  • とにかく疲労のマネジメント。MarylandはLoyolaに比べて層が厚い。とにかく選手をフレッシュな状態でフィールドに送り出す事を考えた。高い気温と湿度の中全力で戦い、準決勝から中1日のもう一試合。中日はとにかく超負荷軽めに最終確認作業を行うに留めた。決勝の「Madness(興奮と混乱)」の中準備するのには明確な方法論が必要。多くの他校の先輩コーチ達がどう準備すればいいかアドバイスしてくれて感謝している。

決勝ではしょっぱなにMaryland #36 LSM Jesse Bernhardtにサクッと先取点を取られたが、その後どうやって落ち着いていつもの自分たちのプレーを取り戻せたのか?
  • いや、ぶっちゃけ最初の試合開始の笛の瞬間から、「あ、これいつも通りやれるな」という感覚を持った。トーナメント一回戦のCanisium戦から、チーム全体が集中して、地に足を着けて、落ち着いていつも通りのSolidなLacorsseをプレー出来ると感じた。一方で、「余裕」というのとはまた違う。当然ラクロスの試合なので、60分間の喧嘩なので、何が起こるか解らない。油断はせずに、高い緊張感を持って挑めていた。

OFに関して、MarylandのDFパッケージは、立ち上がり全体が連動してカバーし合うZoneに近いMan-toで来て、途中から超ガチンコMan-toになり、ほとんどスライド無しの一対一対決モードに変え来た。にも関わらず9得点。どう対応した?
  • 確かに。Marylandは身体能力が高く、1-on-1の真っ向勝負を挑んで来て、我々が相手を抜かなくちゃいけない状況になった。OFを統括しているAssistant CoachのDan Chemotti(Duke 02)が素晴らしい仕事をしてくれた。試合中にベンチでMarylandのDFを良ーく見て、分析し、どういうスライドパッケージ/スライドシステムでやって来ているか、それが試合中にどう変わったかを都度都度把握していた。で、常時OFメンバーに指示を出し、常に複数箇所から分散して攻めるようにした。トップ/ウィングから、そしてエックス(ゴール裏)から1 on 1で崩し、スライドで空いたクリースに捌けるように巧く攻められていた。


DFでは、2Q最後から試合終了の40分40秒もの間相手を無得点に抑えると言う決勝では前代未聞の鉄壁DFを見せた。Marylandは20本のシュートを外し、NCAA決勝史上最少得点の3点に抑えられ、シュート成功率は何と10%という驚愕の数字に。どうやったの...?
  • 明確にまず言えるのは、MF DFが非常に良くやったと言う点。#5 Josh Hawkins (Jr), #34 Pat Laconi (So)のShorty DFMF 2枚と、LSM #2 Scott Ratliff (Jr)の3人が素晴らしいパフォーマンスを見せた。明確にMarylandはここから崩す事を狙い、OF MFがアイソレーションして繰り返しInvertやHigh-wingからゴリゴリにダッジを掛けて来た。が、彼らが1-on-1の対決で最後まで勝ち続け、抑え続けた事が大きい。
  • そして言うまでもなくClose DFの3枚もスライド/カバー、そしてATとの1-on-1の勝負で、トーナメントを通して素晴らしい働きをした。

9-3のスコアボードを見て、残り時間1分を切った時、何を想い、何を感じた?
  • 走馬灯のように今までの出来事が頭を駆け巡った。支えてくれた全ての人々の顔が思い浮かんだ

最後に、3人の娘さんとホテルで会ったが、家族が皆見に来てたと思うが、父親が目の前でDivision 1の優勝コーチになった事について何か想いは?
  • Incredible feeling。優勝した後に一度感情を落ち着けて、今後に向けて切り替えようとしたが、そこで娘達が遠くから自分に向かって走って来るのを見て、また感情が溢れ出してしまった。Division 1のコーチは多忙でタフな仕事。休みもほとんど取れず、大きな負担と心労が家族にのし掛かってしまう。今回もBostonではほとんど家族とは会う事は出来なかった。全てを理解し支えてくれた妻に感謝。でも、昨日の優勝はToomey家の皆の一生の記憶に残る素晴らしい出来事になった。

0 件のコメント:

コメントを投稿