2012年6月5日火曜日

NCAA Tournament 2012 Final Loyola vs Maryland

2月に始まったNCAA Division 1 Men's Lacrosse。4ヶ月のシーズンを経て、遂に決勝戦。シーズン開幕前全く注目されておらず、ランキング20位にすら入っていなかったLoyolaと、昨年準優勝で涙を飲み、そこから20人以上の4-5年生を失い、生まれ変わったチームとして決勝にまで辿り着いたMarylandによる、Maryland州の2チームによる決勝。再びコート横最前列の席に陣取ってがっつり観戦。
準決勝を見る限り、Loyolaは引き続き最も完璧で穴の無いチームとしてNotre Dameを7-5で文句無く捩じ伏せ、Marylandはトーナメントを通じて急激に成長しており、優勝候補だったDukeを衝撃の16-10で粉砕。

準決勝を見終わってからこの試合の日の朝までどっちが勝つか何度も考えたが、ぶっちゃけ「余りにも両方良過ぎて全く解らん」が答えだった。

試合

何と、衝撃の9-3でのLoyola圧勝。圧巻。素晴らしかった。衝撃を受けた。そして、その裏にあるドラマとストーリー、それを踏まえてのLoyolaの素晴らしいパフォーマンスに感動し、胸が熱くなり、鳥肌が立った。

スコアボード

立ち上がりは一進一退。2Qの途中までは3-2でMarylandがリード。やはり手強いな、と感じさせられた。

が、そこからLoyolaのDFがMarylandをシャットアウト。何と2Q途中から試合終了まで40分以上完全無失点に抑え、逆に怒濤の7連続得点で完全にMarylandをなぎ倒した。

Loyolaの観客席は完全にお祭り騒ぎ。今年こそはと駆けつけたMaryland陣営は完全に沈黙。

感想

Loyolaが本当に素晴らし過ぎ。ぶっちゃけここ数年で最も「Completeな」「穴の無い」「完成された」「Well-roundedな(バランスの取れた)」チームじゃないかと感じた。ガチで、圧倒的に強かった。
  • 何と言ってもDF。Close DFは1対1でほとんど全く相手ATに抜かれていない。特にXからの1-on-1に対して全くGLEから内側に入り込ませてない。やばいシュートをほとんど全く打たれてない。打たれたシュートはGの#24 Rankel (So)が「ごっつぁんっす」でサクッとセーブ。で、そこからのクリアの落ち着きっぷり。正確さと安定感。Long stickのスティックスキルの安定感半端無し。
  • MF DFも相変わらず素晴らしい。ドレッドヘアがトレードマークのShorty DF MF #5 Josh Hawkins (Jr)とLSM #2 Scott Ratliff (Jr)を中心として、脚で徹底して付いて行き、「ゴツッ!!」というプッシュで絶対に流しきる。途中Marylandが徹底してやらしくShortyのHawkinsから攻め続けて疲弊させるという戦術を取って来たが、一点取られたもののその後気合いで凌ぎきった。
  • スライドも完璧。しかも異様にスティックアップ出来ており、かなりの数のパスカットが発生していた。Marylandの伝統の速いパス回しによる崩しが全く通用しなくなっていた。
  • 後は、相手OFがパスミスをした際、ちょっとチェックが当たってボールがこぼれた後のバックコートでのGBの際立った強さが印象に残る。DF陣のGB力が異様に高い。拾う技術も高いが、拾えるスペースに転がす力も高い。結果、基本ボール落としたらターンオーバーになるという状況になり、Marylandが得意のポゼッション重視の攻め続けるOFを維持出来なかった。
  • OFは相変わらずMFが強力。1st Lineの3人はもちろんこれまで見て来たとおりNCAA D-1トップクラスのサイズと身体能力と技術。#7 Buttsは相変わらず獣級。加えて今回は不安視されていた2nd Lineの選手が活躍し、点を取った。思ったより層厚いじゃねえか、ぶっちゃけRoster上穴ゼロじゃねえか、と感じさせられた。
  • そしてやはり最後は今回のトーナメントの主人公#12 AT Eric Lusby (Grad Student = 院生)。一昨年プレーオフで靭帯をやり、去年一年は棄権。帰って来た5年目の最後に爆発。トーナメント4試合で17得点。歴代記録を塗り替えた。今回も肝となるポイントで4得点。Time & room(スタンディングシュート)はもはや神の域。
Maryland...残念だ。
  • Duke戦の完璧すぎたパフォーマンスと打って変わって、今回は良さが出なかった。中一日で十分に準備出来なかったからか?戦術が決まってなかったのか?何がやりたいのかが若干不明確だったように見えた。
  • 集中力が切れたのか、Turnoverが目立った。
  • ここまで復調しつつあった#2 G Niko Amato (So)が、ちょっとセーブの精度が落ちちゃってるか?
  • DFも何かがおかしい。Duke戦では相手の強み弱みを把握しきり、集中して1 on 1でも抑えきり、スライド、カバーもばっちりだった。完全に「傾向と対策」に基づいた予習が出来ていた。が、今回はなんか1 on 1も中途半端。完全に抜かれてなくても結構最後の一押し、一歩が足りてなくてにゅるっと決められたり、全体の連動と空いた相手への詰め、コミュニケーション等が明らかに一段落ちている...2本目のパスを繋がれたら結構がら空きでシュートを打たれるというケースも目立った。
  • やはり準備が出来ないと脆さが出てしまうと言う事か。これが中一日のトーナメントの難しさだ。若いMD DFにとってはスカウティングと徹底した反復練習が肝だったはず。逆に上級生中心のLoyolaは単純にいつも通り質の高いチームDFを再現しただけ、という感じだったので対照的。やはりFinal 4に進出する事と、優勝しきる事との間には大きな断絶があると言う事だろう。
  • John Tillman HCが就任してから2年連続で決勝進出は文句無くOver achievementだろう。一方で、2年連続で準決勝で派手にDukeに勝ちながら、決勝で負けている。悔しさも倍増だろう。
試合後、喜びを爆発させるLoyola。シーズン開始前の21位という評価を見て、「ざっけんな!!!優勝してぜってー全員黙らす」となったらしい。敬服。

Highlight

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