2010年4月29日木曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 16 Princeton at Cornell

やべえ。終盤に掛けてクソアチい。昨年準優勝のCornell今年初の放映。伝統的に堅いDが売りの2チーム。Ivy leagueの因縁のライバル。試合中何度か出てくる激しいHitが改めてラクロスのContact sportsとしての激しさを思い出させてくれる。Entertainmentとして申し分無し。さすが名勝負製造機Cornell。

Princetonは近年かつての輝きを失い、特に昨年のカリスマHC Bill Tierneyの退団以降苦戦。Cornellも昨年の大黒柱MF 2枚(Max SeibaldとJohn Glynn。共にMLLへ)を失い再建中。2年AT #3 Rob Pannellは昨年1年生にしてチームのオフェンスを支配し、今年も現時点で国内最多Point (Goal+Assist)。PrincetonのG、#6 2年のTyler Fioritoは昨年No. 1ルーキーとして入団し1年からCageを守る。Saveの技術が高いことで有名。今年も前半は膝の怪我で苦しむが復活後は高いセーブ率を誇る。以前Interviewで元JHUのAll American G、解説者のQuint Kessenichに何が改善されたのかとの質問に対する「ゴーリーは細かい技術の変更が大きなSave率の違いに繋がる。一つ一つの要素をコーチと二人三脚で洗い出し、潰して行った結果」という言葉が印象的。この試合でも素晴らしいセーブを連発。東大G陣の皆は是非注目。

もう一人の智将、Jeff TambroniのCornell。プレーの選択が賢く、Off ballが巧く、Turn overが極めて少ないのが印象的。東大にフィットしたパクりたいポイントが多い。Cornel 2点目、AT #26 4年のRyan HurleyのFinalizer(DをGoal netに引っ掛ける/Goal netでPickする技術)が巧い。東大のAの皆もマスター出来れば相当得点機会が増えるんじゃないかな。

Ivy leagueは誰もが知ってる名門大学の集まり。授業が厳しいことでも有名。先日PrincetonのHCがインタビューで選手は授業と予習復習にかなりの時間を割きながら練習するのでChallengeが大きいと言っていた。ある意味東大的。近年優秀な選手のRecruiting争奪戦において、入学や試合出場に要求されるGPA(通知表の平均評定)の高さや入学Commitmentのタイミングの遅さがボトルネックになり苦戦しており、他の強豪校(SyracuseやACC4校)から遅れをとっているとのこと。アメリカのあらゆるスポーツに共通する傾向だが、有力選手獲得競争は激しさを増すとともに、タイミングがどんどん前倒しになっている。中学、高校1年のころに目星を付け、2年の頭で口頭でのコミットメント、3年頭で書面で決定という時間軸。そんな中、Scholorship(特待制度)が無く、通常の入試プロセスで採らざるを得ないPrincetonやCornellは3年の後半まで実際に入学させられるかどうか決められない。選手からすると、「とっとと決めて安心したい」と思うのは当然で、他の強豪に流れるという結果に。昔はそれでも旧帝国大学的名門のPrincetonに行きたい、という傾向もあったが、最近は文武分担化、セミプロ化が進み、またAcademic自体も分散化が進んだため、かつてのIvy Leagueブランドが効かなくなってる面も。

それを考えるとPrincetonのBill Tierney時代の6回優勝が如何に驚異的かがわかる。(最近のNCAAの傾向ではあるが)Cornellの出身地がTexas、Ohio、Minnesotaと文字通り全米から掻き集めているところからも偲ばれる。HCの智将TambroniがRecruitingでの弱さを認識した上で、意図的にRaderに引っ掛かって来ない地方の有力選手、高校後半で急激に伸びた選手、才能はあるが荒削りで伸びしろの大きい選手を狙うというニッチ戦略を採っている。高校3年で大ブレークしたAT Pannelやカリフォルニア出身のMF Lang等が典型。個人的には東大に近いものを感じるのでこの2チームには共感すると共に応援したくなってしまう。

あと個人的には2Q途中のNicky PolancoのDF講座が非常に参考になった。ゴール裏、及びGEL(Goal Extended Line: ゴールラインの延長線)周りでのポジショニングとATの押し出し/押し流し、スティックと肘を使ってのHoldの仕方。解説者のQuintのコメントで印象に残ったのは、「Transition/速攻を起こせる選手になるためには、必ずしも脚が速くなくてもいい。正しい相手を見つけてパスを出せばいいだけのこと」

ハイライト

いたる@13期

2010年4月28日水曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 15 Penn-State-Towson(15位)

Lions vs Tigers。Uniformもまんま西武vs阪神。LacrosseはTowsonは飛び抜けたスーパースターはいないものの毎年手堅くいいチームを作ってくる。今年も小さいがStick skillがあり、Lacrosseをよく理解したいいチーム。東大にとっては別次元の上位5校に比べると、より学びの対象としてReality/親近感がある。度肝を抜かれる”Jaw dropping”なプレーは無いが基礎的なことをきちんとこなすタイプ。

Penn StateのDの駄目な所をきちんと元All American MFの解説者、Mark Dixonが解説してくれてたりするので聞いてると半面教師として参考になる。
TowsonのGのTravis Loveがまたしてもいいセーブを披露。Towsonの4点目、Canadian AT、4年生のArmourの1 on 1からのゴールでのチェックを受けてでもしっかり足を動かしてゴールの正面まで待つ我慢強さが印象に残る。あとPennのATの選手たちが1 on 1、シュート共に思いの外上手いかな。

ハイライトはこちら

いたる@13期

2010年4月27日火曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 14 Virginia-Maryland ACC Conference Final (今シーズン2戦目)

ACC (Atlantic Coast Conference)のカンファレンストーナメント決勝。またしても、やべえ…恐ろしくいい試合。試合としてもExciting、プレーも戦術も学ぶべき点満載。現時点での優勝候補5チームのうち、Virginia、Maryland、Duke、UNCの4チームが集うACC。このままNCAAトーナメントのFinal 4をやっても全く違和感無し。二日前に行われた準決勝では、Virginiaが1週間前に今シーズン唯一の負けを喫したDukeに雪辱を果たす。対するは、プレッシャーDefenseでUNCのMVP候補AT Billy Bitterのシャットダウンに成功し、AT#1 Grant Catallinoの爆発により13-5の圧勝でUNCを退けたMaryland。過去にNCAAトーナメントを制したACCチームは必ず前月のカンファレンストーナメントを制しているというジンクスが示す通り、1ヶ月後のNCAAトーナメントを優勝を占う重要な一戦。双方のオフェンス、シュートが華々しすぎ。

Virginiaに関しては試合を通してのFast breakが壮観。 そして何と言っても#3のRhamel Brattonが引き続き異次元。1Qの相手のStickを叩き落すSlap check、2Q途中のJumping running shoot、7点目のExからの1 on 2などなど、恐ろしすぎて何度もお茶吹いてしまいますた…Goalieも好セーブを連発。3Q残り7分の6点目、ATの2 on 2は最高の教科書なので注目。考えたらBratton兄弟は3年、AT 3枚に至っては2年(Stanwick & Bocklet)+1年(White)。ってことは来年もほぼこの面子…一体どこまで行っちゃうんだろうか…Virginia帝国は暫く続きそうかも。

ちなみにMLLのドラフトは、今年の4年生もレベルが高くそこそこだが(ちなみにMock DraftQuintの予測はこちら)、何と言っても来年が何年かに一度の豊作の年と言われている。Bratton兄弟、Bitter、MarylandのAT3人、Stony BrooksのKevin Crowleyなどなど。つまりは来年のNCAAがまた熱いということ…

一方のMarylandは最初の3点は圧巻。DはVirginiaの様な突き抜けた個を複数要するOffenseに対する戦術として学びあり。超早めのSlide、MFのsuper dodgers2枚のBratton兄弟にLong 2枚を付け、必ずしもSpeed DodgerじゃないATのStanwickを敢えて捨ててShortyをつけるなど。NCAAのトップレベルのMarginalな戦いでは、この辺の、Longstick MFを巡るギリギリの選択が違いを生むらしく、Oは意図的にMFのセットを組むときにスーパーDodger2枚を1stと2ndで分けずに両方を1stに投入し、どちらかをショートで守らざるを得なくする、逆にDは裏をかいてその2枚にLong Poleを付けてAT1枚を切り捨ててショートにする、などの駆け引きが見ていて面白い。

#37のLSM Brian Farrellのオフェンス参加時のStick skill、落ち着き、視野がまたしても凄い。

NCAAトーナメントでは両チームとも今回の結果を受けて修正して臨んでくるはず。今から楽しみ。

試合のハイライトはこちら

いたる@13期

2010年4月26日月曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 13 Georgetown(13位)-U Mass(16位)

こちらもPlayoff出場権に向けて崖っぷちの2チームの試合。こちらもまた最後の1秒まで行方のわからないアッツくていい試合。技術的にも学ぶべき点が満載。

Georgetownは3年前に国内最強1年生クラスと言われた4年生が率いる(「上級生がしょぼいからいきなり試合出られるよ」を売りに有望な高校生を掻き集めたとのこと)。「伝説を作る代」と期待され続けたが、ここまでDisappointingなシーズンが続く(ぶっちゃけゴーリーに恵まれなかった気がする…)。その筆頭、共に今年のMLLドラフト候補の#8 Brancaccioと#16 Kocisのシュートが凄い。特に195 cm、90kgのBrancaccioのシュートは鼻血出そうに凄い。

U-MassのBest 1年生候補AT #1 Mannyは身長165のくせに速くて上手い。1年生ながらチームのオフェンスを牽引。体が小さい選手は参考になる(&勇気貰える)かも。ボールを貰う前からのずらし方、貰ってからのChange of direction, change of pace、視野等々。Dに関して一つ上げるとすると、4Qの中盤での両チームのLong stickのBreak offence参加。落ち着いて、高いスティックスキルで確実に攻撃に貢献。

Syracuse出身の天才Powell三兄弟の末弟、Kidsにとっての「ネ申」、Mikey Powellが2Qでゲストとしてコメントしており、非常にいいことを4つ言ってたので紹介。
①チームの練習以外に如何に自分で楽しく練習する、遊ぶかが大事。家の裏庭で延々兄弟や友達とプレーしたことが自分にとって全ての土台。Stick Trickをやって、(Skateboardみたいな)Casual life style sportsとしてラクロスを楽しめ。
②速いシュートを打つためにKidsたちはBiceps curlを一生懸命やるが、早いシュートは腕の強さで生まれるわけじゃない。一番大事なのはHipの強さと体幹のCoil/Turn。
③Garbage goal(こぼれ球を捩じ込むカッコ悪い得点)がホントに大事。結局同じ一点。
④結局、Lacrosseなんて全ては煎じ詰めれば2 on 1でしかない。自分の相手をボールを持って/持たずに抜いて、一人引き付けて、1 on 0の奴を作る。以上。極めてシンプル。

いいこと言うなー…と思わず唸っちゃいました

ハイライト

いたる@13期

2010年4月25日日曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 12 Denver (18位)-Fairfield(17位)

To: Leadership team & 近藤、梅ちゃん、守家くん

引き続き。やばい。NCAA Lacrosse。DVD送付を始めてから詳しくメディアで追い始めたけど、試合内容はもちろん、背景やドラマや感情に踏み込んでくと、日本の高校野球や選抜サッカーの10倍くらい面白い…どんどんAddictedになってます。着実にラクロスカルトへの道を歩んでるよ。いやいや、これやっぱりNCAA見てたら絶対皆Lacrosse大好きにしかならないと思うよ…布教活動、「憧れ」/「熱中」伝播作戦、宜しく頼む!

Denver (18位)-Fairfield(17位)

16チーム参加のPlay off(NCAA tournament)の出場を掛けた、お互い絶対に譲れない重要な試合。試合そのものも最後の最後まで勝敗の読めない息を呑む展開。中心選手のStick skillを中心に学べる点は極めて多い。(むしろサイズや身体能力に任せた個人技への依存度が高い上位校よりも東大の選手にとっては参考になる気ぃすらする。)特にDenver #22 Mark Matthewsの9点目のFace dodgeは恐らく今年のNCAAで最高傑作。

見所はラクロス界の新旧天才コーチ対決。今シーズンからDenverを率いるBill Tierneyは言わずと知れた20年に渡るPrinceton帝国を築いたLacrosse hall of famer(殿堂入り)コーチ。88年にPrincetonに来て以来、当時無名のガリ勉メガネ弱小チームを4年でChampionに導き、以来22年間で6度の優勝を果たした、正に生ける伝説。昨年のラクロス後進地域Denverへの移籍は全米ラクロス界に衝撃が走るニュース。曰く、Princetonに来た時に比べ、タレントのレベルはDenverの方が上とのこと。当初は選手たちが「神様」Billの指示を余りに愚直に実行しようとし過ぎて機械的になり苦戦を強いられるも、その後「無駄に考えないでもっと素直にラクロスしようぜ!」と、練習や戦略をSimplifyし、まずは出来ることから一歩一歩の方針に切り替え、リーグ戦後半から実を結び始める。前任のコーチと大きく違う(そしてレベルの高い)指導を受け、急成長を続けるDenver。(最大の違いはDでとにかく早くAdjacent、2ndがガンガンHelpに行くチームDefenseである点。)国内での注目度も高まり、文字通り全米の有望な選手からの入学願書が届き始めているという。間違いなく数年後ベスト10に絡んでくるチーム。

一方のFairfield、Andrew Copelanはまだ20代の昇り龍コーチ。Bucknell卒業後に無名のMaristを一年でNCAAトーナメントに導き、Marylandでアシスタントを経験した後、FairfieldのHCに就任。今後のNCAA lacrosse界を引っ張る若手筆頭と目されている。試合中に何度か彼がベンチで指示する声が特集されているが、20代とは思えぬロジカルで情熱を伝播させられるカリスマ。

プレーでは、Fairfieldの4年Goalie, Joe MarraがSave率で現時点でNCAAトップ。コーチのAndy曰く、元々飛び抜けた選手ではなかったが、サイズが大きい(186cm)ことに加え、寡黙ながら愚直な性格で、地道に練習をすることで課題を一つ一つ潰して行った結果気付いたらそのレベルに達していたとのこと。Fairfieldの最初の2点は非常にImpressive。Snellmanのシュートに注目。1年AT、#24のSam Snowが非常に上手く参考になる。Seattle出身のCanadian-American halfでCanadianラクロスを齧ってるらしく、器用。4点目のQuick tap shootなど東大のATの皆が見たら涎出ちゃうと思う。

DenverのMF、Dixonの視野の広さとFeed能力は現時点でNCAA最高クラスとの評価を受けている。恐らくボールを貰ってDodgeを掛ける前からフィールド全体の味方を見てて、Dodgeした瞬間Dや味方がどう動くかが頭の中で無意識にイメージ出来てるパターンじゃないかと。試合中もいくつか得点に繋がるアシストをしている。東大のMFの選手達にとって参考になりそう。あと、2Q終了直前にやってるPlayer of the year(MVP、Tewaaraton trophy受賞者)予測が、今年のタレントを紹介してるので、他のいろんなチームを見るときに注目選手を見るために参考になるはず。

ハイライトはこちら

いたる@13期

2010年4月24日土曜日

留学先候補

元々はうどさんに頂いてたお題ですが、ちょうどこの面子も関係者だと思うので引き続きこのDistribution listに。

Michigan以外の留学先、(多様性を出すための別の留学先)というのをいろいろネタとしてましたが、
ちなみにここまでうどさんに送ったのは…
• Australia、CanadaのLocalのクラブチーム
• MLL、NLLのインターン
• USのキャンプ(但し、多くの場合大学が主催する高校生向けが多い。唯一例外で挙げたのがTrilogy。でもこれもちょっとジュニア向けの色合いが強いかも)

で、キャンプは結局高校生向けが主なので、ちょいと悩ましいなというのがありましたが、ついに大学生向けも含めたかなりちゃんとしたやつ見つけました。
http://www.imgacademies.com/sports-camps/img-lacrosse-academy-camps/

Tiger Woodsやら多くのプロスポーツ選手のマネジメントを手がけるSports Business/Marketingの大手、IMGのキャンプ。大学生向けのコースもあり。
競技人口が増え、需要がそれなりにまとまってきて採算ラインに乗ってきたから始めたっぽいっす。

すいません。細かい話はちゃんと見てないっす。興味あって真剣に行きたい/武者修行を積みたい人がいるなら調べてみる価値あるかも。
そこで興味持ってくれるコーチとかいたら短期で留学とか滞在とか話繋がってく可能性もゼロじゃないし。
Forum(掲示板)とかで評判はチェック可能なはず。

I@13期

2010年4月23日金曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 11 Syracuse-Rutgers

今日のSyracuse-RutgersのHP転載用のRecap。これまた何度噛んでも味が出るいい試合でした。Stick skillを上げたい、派手でカッコいいOffenceのプレーが好きな選手はRepeat必至。

Offense力の高い2チームによる点取り合戦になると予想された一戦、意外にもロースコアな立ち上がりに。VirginiaのエースAT Steele Stanwickの兄貴がRutgersでATをやってるけど、うーん、イマイチ…さらに来年弟がHopkinsに行くとのこと。Powell兄弟程じゃないけどなかなかのLacrosse一家。
Syracuseの3年Goalie #15 Gallowayがまたしても鬼セーブを連発。今年は久しぶりにGからMVP(Tewaaraton Trophy)が出るかもとの噂があるほど。

印象に残ったのは2点。一つは現時点でリーグ最強のStatsを誇るSyracuseの鉄壁DF陣。昔からSyracuseはオフェンスで派手に点を取る割りにDは脆く(正確には、個々は強くてAggressiveにボールを奪いに行くが、チームとしての機能がイマイチ)、点取られまくり(だから試合は乱打戦で面白い)のイメージがあったが、HCのJohn Deskoがその汚名を払拭すべく、ここ数年でRecruitingで徹底していいDを集め、一気にTurnaroundし、国内最強Dに。個人も去ることながらチームとしてのDが非常にしっかりしてる。恐らくDefense teamが見て参考になる点が多いはず。

もう一つは、Deskoの戦術の一つ、AT 3枚目の#14 Danielloを敢えてATで出さず、OF MFとしてひたすら使い倒してる点。Short stickを付けさせてそこからガンガン崩す。近代ラクロスの徹底した専門化、1 on 1はPole (Long stick)相手じゃなく極力Shortに付かれた選手から攻めるという合理的な考え方の典型。実際クソ効果的。

シュートに関して印象に残ったのは…3点目の#4 MF、カナダのIraquois(ラクロスを何百年と継承するNative AmericanのNation/Tribe)出身のThompsonのPick & Screenを使ってのStanding shootへの繋ぎ方が非常に賢く、ラクロスを判ってる人だなーという印象。4点目のDesko Jr.(コーチDeskoの息子)のCome around後のInside Roll後のシュートでの右手のスティックを思いっきり左側から振ってゴーリーに対して角度を作る上半身の使い方が最高の教科書。5点目、6点目の同じくIraquois出身のJamiesonのCanadian Box Lacrosse仕込のQuickが、ホントにQuickで参考になる。
個人的に、Syracuseはホントに皆Lacrosseを心から楽しんでる感じがして、何となくやんちゃで肩の力が抜けてるところがあって好き。Magicalなプレーが毎試合5個くらい漏れなく出てくる。全米にファンが多いのも頷ける。

ハイライトはこちら。改めて見ても、あー、このスポーツを好きで良かった…と思わされてしまった…

2010年4月22日木曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 10 Duke-Virginia

ここまで無敗のVirginiaが遂に敗戦!!!こんなにFrustratedなVirginiaの選手たちを見たのは初めて。Dukeは毎年Virginiaには何故か確実に強いってのもあるけど(相性?)、今年初めて見たけど非常に強く、Virginia、Syracuse、UNCと同じレベルで優勝争いに絡んで来ると思う。特に一昨年の最強AT軍団の最後の生き残り、4年#8のAT、Max Quinzaniはやっぱり最強ATの一人だと思った。DukeのATのオフェンスは非常に参考になるシーンが多い。VirginiaのAll American DF、#27の鬼のようなClausenを見てこれまで「こんな身体能力高くて機動力あってAggressiveな奴どうやって攻めりゃいいんだ?」と思ってたけど、Duke ATのCrottyの攻め方を見て、なるほど、こうやりゃいいのか!と手をたたいた次第。ATリーダーは必見。

あと、Virginiaの黒人双子、Bratton兄弟は相変わらず異次元。6番のエースAT、2年のSteele Stanwickは相変わらず極めてラクロスIQ高いなと思わされる。はっきり言って身体能力は突出して高いわけじゃなく、足もぶっちゃけ遅い。でもラクロスというゲームの法則を理解し、DFをよーく判った上で柔よく剛を制すでスルリと点を取るのは、本当に東大のATにこそ是非真似して欲しいと思った。でもVirginiaは実は結構脆さがあるから無敵で不動ではないな、Tournamentでは意外と試合巧者に足下掬われるかもと思った。
あと、DukeのコーチのJohn Danowskiが、ミスした選手を交代直後に捕まえて、「いいか?今のはこう投げるんじゃなくて、こう投げるんだよ」と直後に個別の技術をFeedbackしてる姿が指導者として非常に印象的だった。このレベルのチームのこのレベルのコーチが、こんな基本的な個別の技術の指導を大事な試合中にも関わらずきちんとフォローしてあげるというこの細やかさ。そういうことの積み重ねなんだなーと。

ハイライト

2010年4月20日火曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 9 Loyolaの3試合

このチームはもしかしたら見ようによっては最も参考になるかも。Rankingで言うと毎年10位から15位のチームで、でかさと身体能力ではトップ6からは1段落ちるけど、凄く上手くて賢い選手が多い。Offenseも一人ひとりが個で無理やり勝つんじゃなく、皆でガンガンボールを共有して、スペースを使って一番効率のいいシュートを打って確実にスコアする攻め方。上位校みたいに溜息出て終わり、というのとは違って、相当現実的なレベルでパクれると思った。パス回し見てると6 on 6なのにEMOと錯覚しちゃうくらい。多分コーチが賢い。Offenceコーチ/リーダーはこれ見てかなり学べるはず。

2010年4月19日月曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 8 Day of Rivalry: Maryland-Johns Hopkins

MarylandのAT3人セットは今年の中では最強と言われてるけど、それを存分に披露。195cm, 110 kgの#1 Catallinoがまたしても活躍。脇を固めるスピード/Stick workもあるReedとYoungも含めたATの2 on 2, 3 on 3はホント教科書のように参考になるね。あとLSM 2枚が強くて参考になる。DFの強さも、Offense参加でのStick workの高さ、視野の広さ、状況判断が感心しちゃうレベル。

あと、HopkinsのFreshman MF二人、RanaganとGreeleyの最初の3得点はシュートが上手くて非常に印象に残る。やっぱ1年生でもこんな凄いのねと…Inside Lacrosseによる評価では、一年生の学年の中ではHopkinsの7人が最強とされている。二人は恐らく来年以降3年間MFの柱になっていくはず。あと、4年の大黒柱MDのKimmelが最後まで4年生らしい気合の入ったすばらしいプレーを見せてて印象的。最後の追い上げ、得点は圧巻。ただ、今年のJHUは正直トーナメントぎりぎりかも…去年抜けた穴が大きくチームが若い。来年以降に期待か。もし出られなかったら36年ぶり。なので結構歴史的に弱い年。

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2010年4月18日日曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 7 Day of Rivalry: Navy-Army

第88回、伝統の一戦。海軍士官学校対陸軍士官学校。まさにFist fightと言うかstreet fight。ノーガードの殴り合い。技術そのもはトップチームからは落ちるけど、何人か上手い選手がいるのと、(軍だけあって)フィジカルはやっぱりしっかりしてるのと、なんと言っても魂がこもってる。(ArmyのHCも、ぶっちゃけPlayoffよりも何よりもこの試合が最も大事だと…)
最後の最後までバチバチの殴り合いで読めない展開。監督も、「必ずしも入学したときに上手くなくても、MotivatedでDisciplineがある子が多いので、化けるケースが多い」と言ってた。泥臭さと言い、雑草感といい、魂の部分が凄く共感した。

ハイライト

2010年4月17日土曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 6 ECACの何試合か

別のチャネルでECACっていう、NCAAのDiv 1だけど、その中ではちょっと落ちるリーグの試合をやってたのでそれもオマケ的に4試合ほど。これも面白くていくつか学び/示唆があったので共有。
●アメリカレベル高しと言えでも、やっぱりレベルにバラつきはあるのね…Div 1の15位から40位くらいのチームの試合。15位のLoyolaくらいはまだいいけど、40位くらいのAir Forceとかになると、流石にだいぶレベル落ちるなと。なんか、ちょっと安心したって言う。ちなみに順位表はhttp://sports.espn.go.com/ncaa/ranking?key=GENMINSIDELACROSSEPOLL
●そうは言っても、やっぱり学びになることは多いし、選手個々人で見るとAll America 2nd teamとかに入ってくるくらいのいい選手はポツポツいるので、まあ、勉強にはなるかなと
●マニアックな話だけど、今Denver/Coloradoでラクロスが物凄い盛り上がってる。Powell兄弟が一時期住んでたのと、MLLのDenver Outlawが強いこともあり、ここ10年で驚異的に競技人口が増えてるとのこと。今年からPrincetonで長く黄金時代を築いてきたHCのBill TierneyがDenver大学に移籍してチームを一から作り直してて、いいチームになりそうだけど、現時点では、その苦労が伺える…確かMichiganが先週何年かぶりに初めて負け試合を経験したのもColoradoだったよね?
●まあ、このリーグの4試合は上位校の試合は見飽きたっていう場合向けかな。優先順位は相対的に落ちて、チーム全体のMTGで見るコンテンツではないとは思う。強いて言えば、逆に上位校のは体格/身体能力/技術が違いすぎてちょっと参考にならないって中、彼らくらいの素材レベルだとかなりRealityを持って真似出来るとは思う。

2010年4月12日月曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 5 Maryland-Towson

これまためっさおもろいよ。いろんな意味で。今年の試合の中で一番「楽しい」かも。何回か腹抱えて笑っちゃったくらい。いくつかTeaser的にコメント。
●Marylandレベルの強豪校って、なんだかんだ言って、でかいし、身体能力高いし、上手い。強豪同士だと気づかないけど、今回のTowson(20位くらい)くらいとやると際立つ。まず、あからさまにでかい…よくよく考えると190くらいのやつらが結構ゴロゴロ。Lacrosseってアメフトに近いコンタクトスポーツなんだなと改めて思わされる。今回のは特にオフェンスやシュートの技術も去ることながらLong StickのStick Skillなんかも凄いなーと思わされるシーンが多い。
●雨の中での試合。二つの意味合い。まず、雨の中でのプレーの仕方として、Marylandの連中の技術は凄く参考になる。雨の中でも本当に巧い。二つ目は、単純にオモロい…下手なチームだとただただグダグダになるだけだけど、ある程度レベルの高いチームがやると、ボールの扱いはバチッとやる中にハッスルがあって、正に田んぼの中で泥んこ祭り状態で見ててホントに楽しい
●Marylandのライドが凄い+ライドが如何に試合を決めるかが手に取るように分かる
●TowsonのGoalieのセーブが巧い。これは結構Goalieが見ても参考になるかな?MLLやNCAAの巧いゴーリーたちがよくやる「敢えてポジションをずらして/一箇所を空けて、そこに本能的に打たせて取る」というトラップをやってるかもと思った。

ハイライト

2010年4月11日日曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 3&4 Konica Minolta Big City Classic (Virginia-North Carolina, Syracuse-Princeton)

Leadership Team & Video Team,

今回のはシーズン屈指の好カード。所謂集客試合の、Konica Minolta Big City Classic 2試合。1位Virginia vs 2位North Carolina、3位Syracuse vs 4位Princeton。5月のNCAA TournamentのSemi final, Finalを相当予感させる試合。結論から言うと、非常にいいね。今回のは。

会場がNYのNFL 2チームの新ホームスタジアムでの初試合だったためちょっと芝生が緩くて皆滑りまくってるのがちと痛いけど。引き続き1 on 1の技術、シュートの技術、Extramanの技術はすばらしい教科書。あと、最近のNCAAの傾向として、バスケからかなり戦術を輸入してて、Pickを物凄い効率的に多様するようになっててそれが参考になる。(特にPrincetonの新コーチはそれが上手いってので有名)

Virginia/UNCは、Virginiaの強さが際立つ結果に。というか、Defenseが凄い強いのねっていう。UNCはMVP候補のAT、3年のBilly Bitterが頑張るけど、ちいと攻め手に欠く感じ。

二試合目は、試合としては差が付いちゃって面白くないんだけど、見てて凄く楽しい試合。Syracuseの派手で楽しいCanadian (or Northern American) Lacrosseを満喫できる一戦。後Syracuseは同じくDefenseが堅くてLogical。
今年もSyracuseは確実に手堅く4強には残ってくるなって印象。特に23の黒人MFのMillerが引き続き驚異的なのと、今月号のInside Lacrosseの表紙で特集を組まれてた、去年の決勝ゴールを決めた、エース#22を背負う転校生ATのJamiesonと、老獪MDの4番Thompsonのイラコイ(何百年とラクロスを継承するNative AmericanのNation/Tribe)コンビのプレーがFantasista。
一年生とかが見て興奮して、真似したいと思うのはこういうプレーかもってのが随所に。

それとは別にJHU-Albanyとか3試合あるのでそれも送る予定。てなわけで乞うご期待。

Onlineで見られるファイルの横に、または配るDVDに添付する紙に、こういう感じのQuick noteで「この試合の見所」みたいなのを載せると上手くInterestをDesireに、そして最終的にはObsessionに変えられるかもね。

以下、NCAA凄い好きな部員用の情報ソースもいくつか紹介。もし興味あったら英会話の勉強も兼ねてチェックするとNCAAの楽しさが倍増するはず。特にPodcastのESPNU Inside Lacrosseは元All Americaの頭脳派Goalie Quint Kessenichが話題のプレーヤー/コーチにがっつりインタビューして、戦略やら育成法やらを聞いてるので非常に面白いよ。UNCはOhio State出身の新コーチJoe Breschiが来てから突然変異で強くなったんだけど、NCAAでは珍しく朝練で、且つ1.5時間限定って話が出て、選手がそっちの方が効率がいいって話をしてたのが東大と一緒だと思って面白かった。あと、選手たちは(プレーしてるとこだけ見てもイマイチ人となりが見えてこないけど)やっぱりなんだかんだ言って、ちゃんとした、そして賢いAthlete達なんだなっていう印象。その辺の裏話とか聞けて無茶苦茶面白いよ。(俺が選手だったら間違いなくハマッてたと思う。)

この辺の話や情報ソースリンクも選手たちに紹介してあげてね。ヲタクの才能あるやつは相当NCAAヲ多になれると思う。
Inside Lacrosse
http://insidelacrosse.com/
ESPN Lacrosse
http://espn.go.com/lacrosse/
Podcast ESPNU Lacrosse、はiTune StoreのUSアカウントでPodcastで検索すれば出るはず。もしくはESPN Lacrosseのページの真ん中の辺のMediaのところでオンラインでサクッと聞けるのでチェックしてみて。

いたる@13期

2010年4月10日土曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 2 Virginia-Maryland

今二試合目のVirginia-MarylandをLiveで見てるけど、これまたクソ面白いね…

今年のVirginiaは無敵呼ばわりされてるけど、納得。確かにさっき書いたUNCよりも現時点では総合力上かも。
http://sports.espn.go.com/ncaa/news/story?id=5041161

特に昨年最強AT新入生をごっそり取ったOffenceが凄い。
2年生ATのChris Bockletの最初の3点は特に教科書みたいな1 on 1、シュートは是非見てほしい。Shooter projectの原田君は必見。
NCAAのATは裏からのCome-aroundのシュート以外でも、横からや正面からでもランニングシュートで結構Diveする(極力Creaseに入らない角度で)。別にカッコつけてる訳じゃなくて恐らくシュート打ち際のDからのワンプッシュを回避する意図、Gの正面ポジショニングからズレながら打つことで成功率を上げるって意図がかなり入ってるように見える。ちょっと研究してみて。人工芝で練習しにくいなら例えば駒場の陸上練習場の幅跳びの砂に向かってやるとか、トレーニング体育館?にある体操用のマットを使うとかして飛ぶ感覚だけでも練習したら1ヶ月も続ければ結構すぐ感覚つかめるかも。それかスノボのShawn Whiteじゃないけどプールにダイブしながらやるか。(Stickはmesh付いてないUsed使って)

あと、試合の解説者で来てる、現世界最強MDの呼び声の高い、元PrincetonキャプテンのMatt Striebelがハーフタイム前にWarriorのStanding Shootの講座をしてるけど、これも非常に大事なことを身をもって教えてて非常に参考になるよ。三つのポイントを解説してた。①打つ前に足をクロスさせる②肩のラインをエンドラインに向ける③肘をしっかり体から離して距離を取る、で、後はひたすらRepetition。野球のトスバッティングみたいに横から投げて貰って何十本も打つドリルが非常に合理的に見えた。

あと、余談だけど、Virginiaの黒人Prodigy双子、3年生のBratton兄弟のフィジカルとシュートが相変わらずやばかったね。(アメリカではPolitically correctnessの問題があってあんまし表向きに議論はされないけど)正直これからどんどん黒人の身体能力が高くて器用な子達が増えてくると思う。

あと、俺はFO詳しくないので何が凄いのか判断出来なかったけど、VirginiaのFOが無茶苦茶Dominantだった。何か理由があると思うのでFO projectに研究させた方がいいと思う。単純に個が強いだけなのかな?でもそれだけじゃ説明付かないくらい圧勝してたので何か3人としての上手さがあるんだと思う。

来週はBig city classicで終にSyracuseの試合が放映されるのでHold your breathで。4試合くらい一挙に放映されるくさい。
http://www.bigcityclassic.com/

2010年4月3日土曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 1 Johns Hopkins-North Carolina、Virginia-Maryland

今一試合目のJHU-UNC見たけど、これも非常に面白いし参考になる。
ちょっとバックグラウンドを話すと、JHUはみんなも去年おととしのSemi, Finalを見て知ってると思うけど伝統的Lax Powerhouse(名門)。
UNCは、(Michael Jordanの母校で)バスケは強いけど、ラクロスとアメフトは正直ぱっとしねえなーってのがこれまでの印象。毎年NCAAトーナメントは出られないか、出てもほぼ一回戦負け。近所にある競合Dukeにいっつもボコられ、同じ水色チームカラーのJHUとはよく「強い水色、弱い水色」と茶化される感じ。
強力な個性で勝つSyracuseやVirginia、鍛えられた選手が多いDuke、JHUに比べると、ちょっとおとなしいキャラで常に一段落ちるSecond Tier。

ところが、今年は突然変異で非常に強く、今のところ負けなしの堂々の二位。

何でなんだろうと今まで疑問に思ってたけど、今日のvs JHUの試合を見て納得。
飛びぬけたスター選手はいないけど、一人ひとりの平均的な能力が高く、チームとして非常に統制されてることに加え、何と言ってもラクロスIQが高い印象。プレーが賢い。
今年は大きな怪我さえなければひょっとしたらトーナメントで決勝まで行くかも、下手したら優勝も?という感じ。

4点目(Exからの2 on 2から低いトップにフィードして簡単に得点)とか典型的だと思うけど、点の取り方が非常に賢い。あとDとGはちゃんと見てないけどたぶん結構堅いのかな?
あと、JHUの6点目(switching fake)とか、古典的だけど、ああ、やっぱり未だにこのレベルの試合でもこうやって使えるプレーなんだっていう。その辺の二つのプレーは別にFalconsみたいな強力な身体能力もスキルも必要ないので、東大なんて絶対やった方がいいなと感じた次第。

とにかくNCAAはシュートの正確さ(ホントに枠外に行かない)、そして点を取れるシュートを打てる形の作り方、の二点は本当に参考になるね。

ちゅうわけで、乞うご期待。