2011年3月27日日曜日

NCAA 2011 Game Review vol.11 Dartmouth @North Carolina

Dartmouth @UNC

今年のESPNの放映スケジュールを見ると、UNCの試合がかなり多く入っていることが解る。去年シーズン初期に無敗街道を走り、Pre-season Rankingで3位、大型ルーキーを多数擁するこのチームへの期待が高かったことが伺い知れる。5年前には想像出来なかった状況だ。

さて、今回はDartmouth(ダートマス) @North Carolina。ダートマスは、去年、今年と底辺が底上げされ、熾烈な競争の時代に突入しているIvy Leagueのチーム。歴史的には上位校では無かったが、BrownやYale、Penn、Harvardら他のIvy Leagueのチームと並び、ここに来てタイトないいチームになりつつあり、Princetonの(90年代の黄金時代や00年代初期に比べると)戦力ダウンに伴い、Ivy Leagueの乱戦っぷりに拍車を掛けている。10-20位にIvy Leagueが3-4校ひしめくという且つて無い状況に。

これもやはりジュニア/高校レベルでのラクロスの爆発的普及の影響と思われる。学年20〜30人のAll Americanレベル、MLLレベルとまでは言わずとも、50-200番目の人材でも、プールが大きくなったため、フィジカル的にも技術的にもかなりレベルの高い人材が塊で存在するようになって来ている。それらの選手にとって、VirginiaやSyracuseにはいけずとも、Div 1でプレーオフ争いに絡め、VirginiaやSyracuseと試合が出来、且つ、Academic/大学としても最高レベルで、学歴/将来のキャリア的にも申し分の無いIvy Leagueは正に理想の選択肢ということなんだろう。まず親が大喜びだろうし。

一瞬脱線してBusiness Schoolの話

ちなみにDartmouthはMBA(Business School)でも結構有名でいい学校である、Tuck School of Managementを擁するので、Harvard、U-Penn (Wharton)、Duke (Fuqua)、Virginia (Darden)辺りと並んで、トップクラスのB-Schoolに行きつつ高いレベルのラクロスに触れるという設計のMBA留学を考えるなら有りな選択肢だ。Hanover, New Hampshireという東北地方にあるため、都会からは大分離れてしまうが。Snow sports的な環境も完璧で、スノボ狂いだった僕は入学校選びで最後の最後までTuckと迷ってしまった...(ちなみに僕が行ったNorthwestern University, Kellogg School of Managementは、女子ラクロスは5連覇の超強豪だが、男子ラクロス部は中西部だった事もありそもそも存在せず...その点が最後までdownsideだった...)

ここの所卒業から5〜15年のレンジの卒業生達は大体学年に数人ずつMBA留学している(僕のいたBoston Consulting Groupや北見たちのいるMcKinseyを始め、複数の卒業生の受け皿になっている戦略コンサルティングファームでもGlobality強化で若手の留学を強化している事も有り。あとここ2年は同じく受け皿その2の外資系金融機関からの留学も増えており。あと、まだまだ商社や事業会社からの社費/私費留学もあるし)。今後MBA留学を考えている卒業生や現役の皆さんがいたら検討の価値ありかと。

(ちなみに、脱線ここに極まれりな上、私事になり過ぎてかなり恐縮だが、MBA留学に関するWhy?やHow?に関して触れており、そもそもMBAそのものについて基本的な事を知る上で読むべき本等にも触れた記事はこちら。で、実際行ってみて、何で行くべきと信じるかについて書いた記事はこちら。)

試合で印象に残った点

試合の方は、前半Dartmouthが先行するも、UNCが地力の差を見せつけ、12-7で勝利。終了間際にDartmouthがGoalieも含めたダブルチームでプレスを掛け、UNCがそれに乗じて得点を重ねたため、実際には9-7ぐらいのスコアの感覚。

にしても、Dartmouthも意外と全うにいいチーム。柱になる選手たちは普通にDiv 1上位校として堂々とプレーしているし、いくつか光るプレーを見せていた。やはりNCAA Div 1は層が厚い。

UNCは、やはり回を重ねるごとに確実によくなっている。

特に、再三述べている、1年生軍団の成長が目覚ましく、ほとんど1年生主体のチームという感じになってきた(成長、というだけじゃなく、単純にそもそも高校までに持っていた実力を大学レベルで発揮出来るようになって来た、アジャストされて来た、という要素の方が大きい気もするが)。

引き続き、AT #34 Nicky Galassoが信じられないくらいオールラウンドで、落ち着いている。マジで見たら一発で解ると思うが、彼はガチで特別なプレーヤーだ。そして、何度もフィーチャーされてきた事だが、フィードが本当に突出して凄い。シュートやダッジと違い、そこまで「感動させられる」ほど解り易いプレーじゃないフィードで、普通に感動させられる。視野が半端無く取れていて、判断が超的確で、フィードのタイミングも早く、鬼の様に正確。彼がいるだけで彼以外のチーム全体の得点が数点底上げされているのが解る。加えて、シュートもかなり完成されている。1年生なのにコンプリートプレーヤーってどゆこと?マジで。2得点3アシスト。このまま行けばRookie of the Yearは確実、そして場合によっては1年生All Americanも有り得るんじゃないだろうか...

あと、これまた再び#25のFOGO RG Keenanがむちゃくちゃ強い。ギャグの領域で強い。25回中18回勝利。この数字だけでもほとんど試合を決してしまうくらいのインパクトがある。まあ、DartmouthのFOerが弱かったってのもあるし、単純にFO同士の戦いというよりも、Wingの強さの違いもあるので一概に言えないが。でも、まがりなりにもDiv 1の上級生相手に、1年生がって話ですよ。多分どう足掻いても勝てない感じになっちゃってた相手Face Offerは数日間は夜ベッドで夢でうなされるんじゃないかと。今回は拾ってそのまま独走し、得点を決めている。恐らくここまで相手によるスカウティングで「そのまま打たせろ」でセーブされ、その逆を突いて相当シュートも練習して修正してる最中なんだろう。このFOの強さで確実に自分で点を取れるようになったら脅威だ。

試合中も解説のQuintが、昨年のWLCで、US代表のFOGO Alex Smithが引退した後、14年の代表でFOGOをやるのは誰だと思う?と聴かれ、当時高3のRG Keenanと答え、ファンから笑われたが、今は誰も笑わないだろうと言っていた。確かに、ガチだったのねと理解。その更に1年前、Alex SmithのFOGO Campに参加していたKeenanが大学生に圧勝し、Smithと互角にやり合い、その時点でSmithが後継者に指名したらしい。

あと、同じく1年生MFのMcNeil。結構初歩的なtrail checkを喰らってたりして、まだまだラクロスに慣れる必要を感じるが、ただ単純にその身体能力だけで異様な光を放っている。走ったら抜けてシュートまで行ける。バックコートでボールを拾って50メートル走るだけで、breakで1人多い状況が自動的に生まれる。

こういう一年生たちの活躍を見れば、1-2年生の現役選手の皆も間違い無く刺激を受けるんじゃないかな?と感じた。世界に目を向けると、同じ18-19歳でこれだけのレベルでプレーしている選手たちがいるという事実。やっぱり目指すべきはこのレベル。どうせやるならやっぱり最初っから世界最高峰に目線を合わせてやった方が、燃えられるし、早く確実に上手くなれるし、そして何よりも一番楽しいので。


ESPNでのハイライト(リンク

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