2011年3月31日木曜日

NLL 2011 Game Review vol.08 Boston Blazers @Buffalo Bandits

(NLL観戦ガイド記事はこちら。NLLの裏側が見られるドキュメンタリーの紹介記事はこちら。)

All Star以降、NLLと契約を結んだVersus TVで毎週1試合を放映するスタイルになった。個人的には、今回の試合は今シーズンこれまで見て来た10試合近くの中でベストゲーム。Eastern Divisionで2-3位のBoston BlazersとBuffalo Banditsの熱いライバル同士の試合。双方オフェンスにはスター選手が複数おり、非常に高いレベルの、且つエンターテイニングなプレーを見せる。また、試合自体も終了直前まで勝敗の読めない1点差のシーソーゲーム。もし、NCAAは好きだけど、まだNLLにはいまいちハマれてないという食わず嫌いの方がいたら、この試合から入れば一気に好きになれるはず。NLL、及びインドアラクロスの醍醐味が凝縮された試合なので。

注目のスター選手

両チームのオフェンスにMVP級のスター選手がゴロゴロしている。

Buffalo Bandits
Boston Blazers
  • #22 Casey Powell (10 MVP)
  • #6 Dan "Dangerous" Dawson (09 MVP)
  • #19 Josh Sanderson
で、彼らの織りなすプレーが本当に感嘆の溜め息しか出ねえ...特にBanditsのTavares-Steenhuisの黄金ベテランコンビの2 on 2は芸術品。フィールドラクロスの選手たちが見て学べるpickの技術、騙しやずらしの技術が満載。「こんなにシンプルな2 on 2のpick and rollでこんなに簡単に点取れるのか!」と感動させられる。OF陣必見。

特にBanditsは上述のドキュメンタリーフィルム"X"でフィーチャーされていた事もあり、なぜか思い入れが生じ始めている...ベテラン職人達のプロ意識や技術、若手が一生懸命自分の役割をこなそうとしている姿、脇を固めるソルジャー達のブルーカラーとしての堅実な仕事っぷりが素晴らしく、時々TavaresやSteenhuisがmagicalなプレーを見せる。そして何と言ってもHCのDarris Killgourが熱い。

いくつか個別の注目点

Blazers 3点目の#22 CP (Casey Powell)の完璧なface dodge。ジムで走りながらPC & イヤホンで見ていて一人で「うおっ!」と叫んでしまい、恥ずかしかった...

4点目のCPのbroken situationのシュートの正確さ。文字通り針の穴に糸を通すような。

Bandits 4点目のTavaresのロングシュート。シンプルにbroken situationでDFが詰めて来るタイミングで身体とスティックを隠してコンパクトに鋭く振り抜き、超正確にゴールの角を突く。何っ!?これで点取れるんかい!?これぞベテランの技術。職人技。

あと、Bandits 5点目。これまた感動の技。ゴール右前でミドルレンジのシュートモーションからパスを受けたXのTavaresが、貰った瞬間ゴールの裏の逆からダイブして直接ゴール。Goalieが逆サイドにポジションを移す前に逆から、という定石だが、それを表からじゃなく裏から超素早くやるっていう。

Boston 6点目、数試合前に一度復帰し、その後契約解除され、さらに今回の試合でまた復帰した、CPの弟、Ryan Powellの超ピンポイントのシュート。Powell兄弟のシュートの異様な精度の高さが際立つ。ゴールの編み目一つを狙ってるんじゃないかぐらいにムチャクチャ小さい隙間から決めている。

後半4Qだったかな?Tavaresの表からのダイブ。左前からファーにダイブすると見せかけ、ニアにヒョイッと入れる。

後は、全体的に、Buffaloの会場の観客の盛り上がりっぷりが物凄い。ちょっとイっちゃってるテンション。NLLで一番客が熱いのは恐らくBuffaloかな?TorontoやRochesterも近いかな?

試合は2点差でBanditsが勝利。ホームでの連勝街道を続けている。ショートドキュメンタリーフィルム"X"以来、何だかBanditsへの思い入れが強くなっている。Blazers、Rockとのプレーオフでの優勝争いがどうなるのか、非常に楽しみだ。

BTB (Behind the Back) passの重要性

NLLを見始めて非常によく解ってきたのが、BTBのパスの技術の重要さ、というか、必要性。

フィールドラクロスではどちらかと言うとBTBというとシュートのイメージが強いが、ここで言っているのはパスの方。NLLの映像を見ている皆さんは同じくよく解ってらっしゃると思うが、このBTBのパスの頻度がムチャクチャ多い。タイトで展開の速い中、ゴーリーの裏を掻いていいシュートを打たなくては行けないため、この技術は必須。

特に今回の試合でCasey Powellが使っているのを見て非常に感じたが、この技術、「出来ると便利」ではなく、オフェンス上級者を目指すのであれば、「出来なきゃダメ」な技術なんだなと言う事。特に、EMO (IndoorではPower Play)の状況や、セットオフェンスやZone DF対応でも崩れた状態で、自分が半身になってフリーで貰ってスタンディングショットのモーションに入り、DFが一枚詰めて来た時に、自分の背中を向けた側でフリーになった選手にパスを出したいシチュエーション。

(例えば、右利きの選手であれば、EMOで自分が右上で、トップから右手でパスを貰い、ゴール右前、つまり自分の左手側に瞬間的にパスをはたきたい状況)

これが正面側/スティック側であれば特に問題無くパスすればいい。問題は背中側。この時、もしBTBが出来なければ、詰めて来たDFのチェックをかわしつつ左にはたくために、恐らく①身体を開き直してパス、②ステップバックしてパス、③小さくロールターンしてパス、④Dのスティックが届かなければ持ち替えてoff handでパス、の四通りが有り得るが、どれを取っても無駄に時間をロスしてしまう。

ここでBTBで完全にシュートのステップに入った状態でチェックを受けそうになりながらスパッと出せれば、表側に出すのと同じか、むしろシュートモーションでテイクバックした状態でキャッチしてそこからヘッドの動きだけでヒュッと出すので、場合によってはこっちの方が早く投げられる。で、上記4つと違い、モーションが完全にシュートの寸前なので、DFも思いっきり(プラス二歩分くらい)引きつけられた状態で、Gも完全に身構えてしまい、意表を突かれる形になる。

これは、DFのスライドのスライド、Goalieのポジション修正の上を行く速さでシューターにシュートを打たせる上で、有効、というよりも、高いレベルになれば必要不可欠な技術なんだな、と気付いた次第。EMOをやる選手は特に練習しまくって安定して試合で使えるようになれば、シーズン後半の強い相手との競った試合で、プレッシャーのあるDF&強いGと当たった時に有効な武器になるはず。

Livestreamでのリプレイ

Watch live streaming video from bostonblazers at livestream.com

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