2010年5月18日火曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 29 Tournament 1st round⑧: Princeton-Notre Dame

これで今週は終わり。来週いよいよQuarter Final(準々決勝)。(この手の予想って往々にして外れることを理解した上で、後で恥をかくことを覚悟の上で敢えて予想すると…)多分Virginia、Duke、Maryland、CornellでFinal 4じゃないかな。で、FinalはVirginiaとMarylandになってVirginiaが感動の優勝のパターンと見た。Dukeは相当上がってるしAが最強だけど、MFが弱いのと、Dが攻撃力のある相手には弱く、シーズンを通してGが最大のQuestion mark。

待望のUpset(番狂わせ)。名門Princetonを中西部の新興チームNotre Dameが食う。ラクロス先進地域から外れたIndianaにあるFighting Irishはアメフトで昔は有名だったが、ラクロスは長年ギャグ扱い。強い強いと言われながらも、「でもNDだろ?」と馬鹿にされてきた存在。今回の勝利でそれらの見方を一気に見返した。(ユニフォームが一ツ橋…それとも一ツ橋がNDから着想した?)

Notre Dame Fighting Irish #42不動の守護神、今年のMLLドラフトの目玉Goalie、Scott Rodgersが驚異的なセーブを連発。(番狂わせの裏には往々にしてGoalieの好セーブあり。)東大のGの皆は是非チェックしてみて。でかさ(193cm, 120 kg)でCageを塞ぐことに加え、むちゃくちゃクイックで読みが凄い。Skin headで顔も怖いし、グラップラー刃牙の花山薫の「侠客立ち(おとこだち)」を彷彿させる(って今の現役の世代だとわかんねえか…)。Weight trainingでも無駄に筋肥大してスピードが落ちることをケアし、軽い挙上重量をQuick explosionで挙げることで瞬発力/反応速度重視のメニューを組んでいるとのこと。

Princetonはシーズン終盤に掛け、Bill Tierney後の新コーチChris Batesの苦悩が深まっているのが見て取れる。(本人も白髪が増えたと)当初のバスケ的ピックを多様する2 on 2オフェンスの形は影を潜め、若いMF陣による単発1 on 1への依存が顕著になってくる。

これまで神様Tierneyに教えられたくて集まっていたタレントパイプラインが細くなるとすると、今後衰退していくんだろうか。Tierney時代の保守的で硬いDでは絶対に見られなかったOver the head checkが見られるように。Dが全体的にちょっと統制が取れてない印象。Slideが遅くNDのMFにやられてる。NDの一点目、#12 KrebsのJumping running shootはover handでバウンドで高低差のあるシュート。Gはセーブしにくい。

戦術論の観点から試合を振り返ってみると、Notre DameのGame planが面白いようにハマッたことに気付く。戦前の下馬評、現有戦力としては、GのRogersは最強クラス。DはLong stick、Short stick共に、個々で圧倒は出来ないまでもそこそこ互角にやれそう。なので、基本クリース前を徹底して固め至近距離からのシュートだけは絶対にさせない一方、逆に遠いRangeからは打たせて良しとする。Oは、得点力不足に悩むAは身体能力/個々の戦いでは恐らくPrincetonには勝てない。MFは抜けなくはないが、これも圧倒的な差ではない。なので、Settled situationだけだと厳しいのでBroken situationで確実に積極的に点を取りにいく。蓋を開けてみると、得点のほとんどはBroken situation。Princetonのシュートはほとんど「10メートル以上遠い位置から」「何の工夫も無い状況で」「打たされた」シュートばかり。Rodgersにまんまとセーブされ、完全に相手Oを沈黙させることに成功。その辺の戦術の駆け引きに関して学ぶ点は多いかも。

いたる@13期

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