2010年5月29日土曜日

Standing Shootに関するインタビューでのコメント

Memorial Weekend(5月最終週、Memorial day(祝)の週末=NCAA SemifinalとFinalが行われる)を目前にした木曜日。Seattleへの出張からSanta Barbaraへ帰る飛行機の乗り継ぎで、San Franciscoにて飛行機の遅れで深夜に3時間の足止め。とほほ。てな訳で、空港のベンチでビール飲みながら暇つぶしがてら…

いくつか、今週のESPNU Lacrosse Podcastを聴いての話題の紹介。

Notre DameのMFの柱、4年生、#12 Grant Krebsのインタビュー。先週のPrinceton戦でのUpsentに関しての会話の中で出てきた話で、なるほどなーと思わされた話。Standing shootに関して。

①リリースの早さ

「Princeton戦も含め試合中にいいStanding shootをよく決めてるけど、どういううことを意識してるの?」との質問に対して。「自分の場合、とにかくシュートそのものの速さもさることながら、ボールを受けてからリリースするまでを如何に早くするかを高校時代から大学に入ってからの4年間ひたすら練習してきた。ボールを貰った形がシュートのテークバックのMaxの状態にして(ボールをキャッチする瞬間の引く動作とテークバックの引く動作の最後の数センチが重なるイメージ)、クレイドルを一切せずにボールに触れた瞬間にシュート出来るようにしてきた。ボールの速さそのものと言うよりも、貰ってから打つまでの速さにゴーリーが反応できないんだと思う」と。

本当にTapする感じ、クリース前でちょこんとTouchしてシュートするあの早さでStanding shootを撃つって言う。

自分も学生の頃意識してはいたが、ここまでExplicitにこの要素を切り取って、ここまでのこだわりをもって、「自分の誰にも負けない強み」にまで高めてる人はなかなか見たことが無かったので非常に印象深かった。この要素に関しては純粋に練習次第なので、東大のシューターたちの中にも「捕ってからのリリースの早さだきゃあ日本一」、みたいな選手が1年後、2年後に出てきても全然違和感無い気がする。

②Point vs Area(速さと正確さのトレードオフ)

また、非常に示唆深かった会話が、Quintの「君は、一点を狙う”point shooter”?それとも、どちらかと言うとエリアを狙い、全力で撃つことを優先する”area shooter”?」という質問。なるほど、そもそも学生時代にただ一点を狙うことだけを考えて練習していた自分からすると”area shooter”という定義/発想の存在事態が盲点だった。それに対してKrebsは、「自分は完全にArea派だと思う。とにかく球速重視で、『大体この辺』で、(少なくともゴールの枠からは外れないように)大雑把に打つ。結果として、返ってゴーリーが予測出来ないという効果を意図的に狙っている部分もある。同僚のScott Rodgersも俺のシュートはホントに予想できないと言っていた」とのこと。

確かに、1年位前にMLL Denver Outlawで点取りまくりのスターMF、Langtryが全く同じことを言っていた 。某Gのインタビューで、「最もシュートコースが予測できない選手はLangtry」とのコメントに対して、「ぶっちゃけ自分ですらどこ行くか分かんねえし!はは!」みたいな話だったと記憶している。なるほど、逆にそういうやり方/考え方もあるのか、と納得した次第。

①正確さとクイックリリースとのトレードオフ、②正確さと球速のトレードオフ。こっちを取ってこっちを捨てる、この要素のダイヤルをこのレベルに合わせて、その代わりにこっちの要素のダイヤルはここに合わせる、みたいな戦略的な意思決定があるんだなと思って面白かった。要は、どんなに弾が速くても、「打つよん打つよん」と2、3回クレードルして、打つべきところに打っちゃったらがっつりセーブされちゃうっていう。

NCAAやMLLのレベルでは多くの選手がピンポイントでゴールの隅やゴーリーの股下に恐ろしい精度で突き刺してくるので、Area shooterは明らかに少数派だとは思うが。であるがゆえに逆にPointシューターに慣れてるゴーリーからすると予測出来ないことが大きな脅威になるというParadoxicalな現象か…Gの中には、敢えてポジションをずらして立って、ゴールネットの一エリアを思いっきり見せ、シューターが咄嗟にそこに打つという熟練者の本能を逆手に取る戦略を取ってたりする世界だからこそ通用する技か。(例えば1年目のBeginnerが「俺エリアシューター」と言い張ったところで只のノーコン君になっちゃうわけで)

いずれにせよ、Standing shootの成功確率を上げるためのドライバー/レバーを正確さと弾のスピードだけで見るんじゃなく、もっと多くの切り口/ファクターを絡めて見るという点で非常に役に立つし、面白いなと思ったコメント。

いたる@13期

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