2010年5月10日月曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 19 JHU-Loyola 5/8

冒頭でも流れる、Virginiaの男子選手が過去に交際していた女子選手への殺人容疑で逮捕されるという全米に報道された衝撃のニュースから一週間。Close knitなラクロスコミュニティ全体から悲しさと動揺が感じられる。Virginiaは被害者の家族と相談の上、男女ともに最終的にトーナメントへ出場することを決めた。JHUも喪章を付けてプレー。冥福を祈るばかり。

レギュラーシーズン(リーグ戦)最後の試合。今シーズンを通して苦しみ続けるJHU。90年代までは文句無しのLacrosseの名門中の名門、本家本元。1898年以来120年間で44度の優勝を誇り、ここ10年も05年、07年の優勝など輝かしい成功を収めてきた。08年にはPaul Rabil、Kavin HuntleyというMLL屈指の名選手を輩出。ところが、今シーズンは打って変わって苦戦続き。ここまで6勝7敗と負け越し。38年連続のNCAAトーナメント出場の記録が遂に途絶えるかという文字通りの崖っぷち。OBからも心配と批判の声が続出し、コーチDave Pietramala解任の声すら聞こえる(試合中にキレてUnsportsman like conductを貰う姿や、強い規律の鬼軍曹のイメージが今時のゆとり世代に受け入れられずリクルーティングに悪影響を及ぼしているとの意見も)。多くの「使えない」2, 3年生がシーズン後に「クビ」(”Politely asked to leave the program”)になるとも言われている。Recruitingが手薄になった数年前の影響から、4年生が少なく、3年生はAT Wharton以外ほぼ無に等しく、GやDも含め1年生7人が主力に名を連ねる若いチーム。一方で、来年以降は強い1年生軍団が経験を積んで着実に復権するとの見方も。

試合を見て分かる通り、Face off、Ground ballが強くないのと、Clearをちょくちょく失敗しちゃうのと、Turn over(ミスして相手ボール)が多い。この辺の「球際」の弱さがBody blowのように効いて、自らの首を絞める。Possession時間が少なくなり、元々不安定なOffenceが更に得点に繋がらなくなるとう悪循環。その点に関しては東大も反面教師的に学べるはず。(見てるとNCAA Div 1 top teamのレベルですら、どのコーチもClear、GB、Turnoverの「ポゼッション3点セット」の重要性を口が酸っぱくなるほど繰り返している)

Blue jaysの1点目、exからのATの1 on 1→スペースのある逆サイドへの展開→貰ってすぐの1 on 1で得点のシーンはチームオフェンスとして、スペースの意味を学ぶ上で参考になる。エースMF、MLL入りが囁かれる頼れる4年生#15 Kimmelのtopからの1 on 1で 左のOver hand running shootでの全く同じ2得点がtextbookで彼の得意技。「わかっちゃいるけど止められない」攻撃の典型。この手の「誰にも負けない」「絶対に点を取れる」一連の型を一つ持っていると強い。恐らく若いころから一人で練習後も延々反復練習したんだろう。
AT #42Whartonが5得点の大爆発。4Qの9点目の右サイドからスペースのある左サイドへ大きく横断し、Dをスクリーン的に使って、Gのポジションをずらして、且つゴールの逆サイドに突き刺す左のRunning shootは100回見て刷り込む価値あり。シュート時のHipのキック、Shoulder turnの大きさ、Snapの強さ、全てが参考になる。

一方のLoyolaは、解説者のMark Dixonの指摘の通り、MFの爆発力に欠け、1 on 1の個対個で相手をBeat(抜く)出来てないのが苦しさにつながっている。ATは器用。チームOFとしても安定。ミスも比較的少ない。が、抜けない、点が取れない。ある程度強い相手には如何に強い個の力、高い身体能力が必要不可欠かがよく分かる。(Weight trainingでスクワットとデッドリフトとカーフレイズガンガンやってAgility/Quickness限界まで上げるべし。)

そうは言ってもやはりDiv 1上位校、巧くて学べる点は多い。Loyola 4点目のcreaseへのspot feedが素晴らしい。高校All star #11 1年生ATのPatrick FanshawのCrease前での、Ball carrierとMark manをよーく見てのOff ballの動きが素晴らしい。ほんのちょこっと動くだけで点は取れるんだ、っていう。Loyola #10 4年のChris Hurstによる5点目のミドルシュートにも注目。ボールを貰った瞬間にクイックにクレードル無しでシュート出来ることが如何にGにとってやり難いか、如何に得点確率向上に繋がるかを示すいい例。(個人でシュートの練習をする際にも必ず誰かにボールをパス/トスしてもらい、「貰って即シュート」でやるべし。もし相手がいないなら自分でボールを投げ上げてでもキャッチ直後のシュートを練習するべし。)

解説者のMark Dixonの言葉で印象に残っているのが、「バスケと同じ。必ずしも得点に繋がらなくても勇気を持って相手を抜いて強引にでもクリースに向かうべき。点が入らなくてもファウルを貰えるかも知れないから。そうしないと何も起こらないから」

ハイライト

いたる@13期

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