2010年5月24日月曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 31 Tournament Quarter Final(準々決勝)第二試合: Duke-UNC

やっぱりDukeは強かった…

毎年のHC Matt DanowskiとDukeの特徴として、シーズン当初にいまいちな所から始まり(今年も結構「?」な負けがいくつかある)、シーズン後半に調子を上げていくというパターン。選手たちもシーズンを通してコーチがそれを意識して徐々にチームの調子を上げていく/Peakingしていく感覚が判ると言っていた。短期決戦で「一つも落とせない」関東学生リーグと違い、シーズンで15試合近くこなし、16チームがトーナメントに参加出来るNCAA Div 1ならではのSeason 設計/Peaking management。

逆にUNCはシーズン当初から快調に飛ばし全勝街道を驀進したが、後半失速し、Dに綻びが目立ち始め、怪我した後のエースBilly Bitterが精細を欠いてからはOも悩ましい日々が続く。

先週のJHU戦後のDukeのCoach Danowskiのインタビューが面白かった。

当初、多くの主力4, 5年生が残ることで開幕前1位評価という高い期待値に惑わされ、初期に欲張り過ぎていろいろ詰め込み過ぎたため選手たちが消化不良/機能不全を起こしてしまったことが出遅れの原因。敢えてやるべきことを絞り込んでシンプルなことから潰して行ったことが奏功したと。Bill TierneyのDenverと同じパターン。やっぱり基本をしっかりやることの先にしか応用は無い。

今回のUNC戦に向けての課題は、シーズン通して弱さが指摘されてきたGround ball。先週から一週間徹底してGBの練習を中心に行うと。このレベルのチームが、このレベルの試合に向けての準備として「GB」と言い切るという事実。くどい様だが結局Fundamentalなのか。赤木剛憲の「リバウンドを制するものは試合を制す!」を思い出してしまった…

また、スター軍団のATに比べてMFが目立たないとの指摘に対し、ATが点を取ってるのは確か。但し、点が取れてるのもMFがいい仕事をしてるからこそ。逆に言うとATが抜けてない/点を取れてない時は往々にしてMFがいい仕事をしてないためだと。

試合では5年生のNed Crottyに加えて新たにTeam USAに学生二人目として追加されたDのMckeeがそのサイズと身体能力に支えられた堅いD、”Ground ball vacuum(掃除機)”としての本領を遺憾無く発揮。

また、相手エースの3年AT#4 Billy Bitter封じが大成功。2枚目、3枚目のSlideを飛ばし、特に表側に抜いてCenter lineを横断する動きに対して徹底的に押し上げることで確率の高いシュートを打たせない。

やはりトーナメントのような一回勝負で且つ、高いレベルでの拮抗した試合になってくると、どんなに突破力のある選手でもそれが一人だけだととたんに厳しくなる。(逆に言うと相手にSuper starがいてもそれが一人か二人ならビビる必要無くて、やり方次第で全然止められるってことか。)

Dukeの場合ATが3枚とも抜けて点が取れて、Feedが出来る事に加え、ここ数試合で一気にMFが本来の突破力/得点力を発揮し始めることで、手が付けられないオフェンス力を手にしつつある。

いくつか見所を紹介。
●UNC7点目、Bitterの1 on 1からの一人抜いての逆サイドの2 on 1を1 on 0にしての得点。
●3Q、UNCの3-3に対するDukeのPatientなオフェンス。
●UNCのEMOでの8点目。Woodの得点時に#1がクリースからのボールマンへのカバーをブロック(邪魔する)するという隠れたstreet-smart play。

過去数年、Dukeが優勝候補と言われながらも決勝、準決勝で最後の最後に負けていた理由は大きく二つと言われている。Face offが弱かったこと、そして、圧倒的なタレントをATに揃えながら、最後の最後でSelfishになってチームとして必ずしももっとも確率の高いシュートが打てなかったこと。だが、今年のDukeは違うと言われ始めている。MFもDも改善し、唯一の「?」はGだけ。

来週のVirginia戦が実質的な決勝戦になるとも言われる。今から楽しみ。メンタルに揺らぎ本調子じゃないVirginiaに対して現時点ではDuke有利の声が多い。今年のNCAAのカオスっぷり(勝敗の読めなさ)を考えるとこんな予測には何の意味も無いが、仮にDukeが決勝進出すれば相手は格下感の否めないNotre DameかCornell。もしかすると、長らく無冠の帝王だったDukeが終に戴冠する日が来るのか?

ハイライト

いたる@13期

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