2010年5月24日月曜日

NCAA 2010 Game Review vol. 30 Tournament Quarter Final(準々決勝)第一試合: Maryland-Notre Dame

大学ラクロスってやっぱり恐ろしい…NCAA Tournamentには間違いなく魔物が棲む。

NDが先週のPrincetonに続き二つ目の番狂わせ。もはや番狂わせとも呼べないレベルになってきた。2月にシーズンが始まったとき、そしてトーナメントでNDがギリギリ出場できるか否かの話をしていた数週間前に、一体誰がNotre DameがFinal Fourに進出すると予想してただろうか?これでSyracuseもMarylandも消え、ほとんど全ラクロスファンのベスト4予測が裏切られたはず。もう誰もNDを中西部の芋チームと馬鹿に出来ない。

トーナメントの下半分のBracket(山)では先週の一回戦でSyracuseがArmyの番狂わせで消えた事により自動的にMarylandの決勝進出が決まったとまで言い切るファンも多かった。中にはVirginiaへのYeardley Love事件の影響を考えると、35年ぶりのMaryland優勝の可能性を口にする者すら。そんな中、解説者のQuintはそんな事は全く持って無いと言い切る。もはやNCAA Lacrosseでは、○○だから勝つだろう、××に負けるのは恥、的な先入観は通じない時代に突入しつつある。そして、Notre Dameは 去年、今年と大物食いを連発する最も危険なチーム。用心深いファンが頭の中に描いていた「まさか」のシナリオがまた現実になる。

守護神Rodgers(193 cm, 120kg)対策としてMarylandが行った練習が面白かった。控えの高身長Goalieにアメフトのショルダーパッドを付け(Face paintとTattooも冗談半分でコピーして)、実際にゴールの前に立たせてどれだけOpen spotsが少ないかを意識しながらShooting練習を行ったとのこと。試合でどうワークするのか?

試合直前のInterviewで3年AT、#1 Grant Catalinoのコメントが印象的だった。ラクロス一家で育った彼(兄貴はDukeのMiddie)は物心付いたころからStickと共に育ち、裏庭にゴールとバケツに入ったボール100個が常備されていて、子供の頃から文字通り毎日何百本もシュートを打って育ったことが今実を結んでいると。

立ち上がりからNDのGame Planがバチッとはまり、MarylandはTurn overを繰り返し、NDリードで1Qを終える。引き続き守護神Rodgersを中心としたDの、徹底してPaint(クリース前エリア)をPackし、遠いシュートはバンバン打たせちゃうという戦術がまたしてもがっちりワーク。クリースの固めっぷり、ボールが入った時の潰しっぷりが半端無い。スクラップしに行ってる。また、NDはFace Offを支配することでMarylandにオフェンスをさせない。

Rodgersは顔写真見るとほとんどNightclubのBouncerか何かにしか見えない…Notre Dameの名門アメフト部のタイトエンド、バスケのフォワードとしてもプレーしたマルチタンレント。ベンチプレス、スクワット(250キロ?)共に半端無い重さを挙げるという。試合中に解説者のQuintも、そのパワー自体が直接Goalieに役に立つかといったら恐らく否だが、その辺のAthleteとしての自信がプラスになっているようにも見えるとのこと。(全然関係ないけど、個人的には将来はUFCなどのMMA〔総合格闘技〕のヘビー級に挑戦して欲しいなとも思う。このサイズでこの身体能力とQuickness、加えて器用で賢いってのは貴重な素材。数年しっかりトレーニングを積めば現王者Brock Lesnarとやり合えるレベルになるんじゃないか?)

MarylandはシュートでRodgersのでかさとQuicknessを意識し過ぎてるのか?オーラ/プレッシャーが滲み出てるのか?シュートが枠に行かない。少ないオフェンス時間に焦ってか、らしさが見られない。ゴール前を徹底して固めるNDディフェンスに対しこれと言った解決策を見出せぬまま時間切れ…NDの相手の良さを徹底して封じ「塩漬け」にする力は半端無い。MMA(総合格闘技)で言うと、Wrestling出身でとことんタックルしてGroundで上になり続ける(割には一本やPound out出来ない)ひと頃のUFCのMatt Hughesってところか。強いGとDがこんなにも脅威になるのかと改めて思い知らされる一戦だった。

ハイライト

Scott Rodgersインタビュー。ジャイアンの10年後、みたいな。

いたる@13期

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