2012年2月29日水曜日

NCAA 2012 Game Review vol.06 Delaware @Johns Hopkins

ハイライトがアップされたので末尾に追加して再掲。しかし、やはり再度ハイライトを見てみても、1年生#42 AT Wells Stanwick (Steele弟)の熟練の技術が目立つ。

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先週火曜の試合。8-6でHopkins。これで開幕2連勝。順調。

Hopkinsは先週の開幕戦でいきなり司令塔ATの#32 Chris Boland (6年生)が、come aroundでシュートを決めた後に倒れ込んで肩を打って鎖骨骨折。いきなり怪我で出場停止に。これまで既に怪我で2年間棒に振っており、2年留年しての最後の年だった。所謂season ending injuryではないと伝えられており、どこかのタイミングで復活するとの事。 Quintもコメントしていたが、誰よりも努力してリハビリに勤め、何とか辿り着いた最終シーズン。キャプテンとしての責任も負い、チームを引っ張って来た大黒柱。前回の試合でも精神的支柱として誰よりも気合いをほとばしらせ、チームをグイグイ引っ張っていた。何とか復活して再びコートに戻って来て欲しい。

試合で印象に残ったのは、
  • 引き続きHopkins MF軍団の分厚さ。でかくて、身体能力高くて、基本に忠実。特に#16 Lee Cuppersmith (Jr)のランニングシュートはお手本になる。トップスピードからしっかり踏み込んで、体重をしっかり前に投げ出し、体幹のトルク(ひねり/ねじり)を最大限に生かして、鋭く大きく振り抜く。シュートを打った後は背中がエンドライン側を向いて、後ろ向きに数歩バックステップ。Hopkinsのwarm upを以前会場で見た時に非常に印象的だったのは、全MFの選手が、コーチの見守る中、明確に、意図的に、トップからのランニングシュートで、シュートと同時にしっかり身体を前に投げ出し、反転させ、背中がゴール側に向いて、バックステップを数歩踏む、と言う身体の使い方を徹底して左右両方で反復確認していた点。シュート後にも正面を向いてトコトコ走れていると言う事は体重が乗り切っていない/トルクを使い切れていないという考え方に基づいて。
お手本として動画探したらちょうどよく同じくHopkinsのPaul Rabil ('08)の映像がまとめられてたので転載。シュート打つ時の身体の投げ出し、その後の後ろを向いて数歩のバックステップまでに注目。背番号が進行方向を向いている。いくつかは実際にクルッと一回転している。日本でどのくらいこの点を教えているか不明だが。所謂「本場の打ち方」として。
  • それに対するDelawareのDFのシフトも面白い。HopkinsのATのダッジ力とMFのダッジ力を比べた時に、明らかに突出してMFの方が高い。それを踏まえてDelawareが取ったのは、AT 2枚にShortyを付け、MF 3枚全員をLong poleで守るというシフト。が、非常に合理的で、実際にワークしていた。MFが突出して強く、攻撃の起点になり、一方でATの突破力が弱いチーム相手には非常に有効な戦術。
  • 怪我で欠場した#32 AT Chris Bolandの穴を埋めた3枚目のATは、去年Virginiaを優勝に導いた立役者でもあり、3年生にしてMVP (Tewaaraton)を獲得した、UVA #6 AT Steele Stanwick (Sr)の弟、#42 AT Wells Stanwick (Fr)。Baltimoreのラクロス名門一家Stanwick家出身。8人兄弟姉妹の6番目。3人の姉はGeorgetownで、もう一人の兄はRutgersでATとしてプレーしていたエリート一家。一年生で大丈夫か?と見られていたが、感動した。老獪過ぎる。ラクロスIQが高過ぎる。アメリカのコーチが基礎として教える、Xでのジグザグの動き、ステップバックしてステップイン、鋭いロール/クロスオーバー、チェンジオブペースでのギアの鋭い切り替え、視野、フィードの正確さ。決して純粋な脚の速さがトップレベルという訳では無いが、如何せん緩急のメリハリが鋭過ぎるため、DFが一瞬置いて行かれる瞬間が生まれる。加えて、ボディバランスが良く、多少身体を預けても軸が全くブレていない。1年生にしてHopkinsオフェンスを指揮者の様にコーディネート/オーケストレートしている。完全にSteeleの生き写し。今後が恐ろしい。兄弟対決も見物。
  • あと、全体的に感じたのは、Delawareのミスの多さと雑さ。勿体ない...せっかくいい選手もいるしいいプレーもある。プレースタイルがRun & Gunで、バンバン走って積極的にリスクあるパスも通して、ガンガン打って行く、というスタイルである事も解る。決まると見ていて楽しいし興奮する。が、(失礼ながら)ちと、雑すぎないか?基礎がおざなりになってないか?アンダーハンドやシャベルやBTB (Behind the Back)のパスがえれえ多い上、フィードを通す際も脚を止めて「えいやっ!」と一か八かの弾丸パスを投げるシーンが散見された...やっぱりどの教科書も言っているが、脚を動かしながら、抜くプレッシャーも掛けながらの中でフィードを出さないと...クリアのミスも多い...得点シーンは派手でカッコいいが、明らかに勝率を犠牲にしちゃってるイメージを受ける。Quintも「スティックワークが無いチーム、turn overが多いチームがNCAAトーナメントに残る事は無い。」と断言していた。NCAAでも後半、特にトーナメントになるとなかなか見られないこの辺の荒削り感があるのも2月の試合の特徴ではあるが。ある意味反面教師として参考になる/学べるはず。コーチは試合後のロッカーで激怒したんじゃないかと。

ハイライト

2012年2月24日金曜日

NCAA 2012 Game Review vol.04 Towson @Johns Hopkins

こちらもハイライト映像がILTVにアップされたので再掲。

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公式戦のTV放映一発目。地元対決、Towson @Hopkins。

結果は予想通り12-5で手堅くJHUが勝利。立ち上がり初戦とあってお互い固さが目立ったが、やはり終盤に掛けて地力の差が明確に出た。

ちなみにTowsonは今年からJHU卒業生でMLL/NLL/Team USAでも活躍した、Coach Petroの教え子DF Shawn NadelenがHC。師弟対決も見物。

いくつか映像を見る上で勉強になる/見所だと感じた所、印象に残った点。

  • Hopkinsはやはり明らかにフィジカルで勝っている。骨格のサイズもさることながら、しっかり鍛えて筋肉で武装し、アスリートとして一段上の身体能力(パワー、スピード、スタミナ)を手に入れている。僕らも見習ってしっかりフィジカルは強豪チームを目指す上での土俵に立つための前提条件として徹底して作り込んで行きたい。
  • Hopkinsの後半始まってすぐの#32 AT Chris Boland (6年生[怪我等で2年欠場しているため])のEMOでのXからのフィードを受けてからシュートまでの速さと見習いたい。ゴーリーが裏から表へ視線を動かし、足場を固める前に打つため対応出来ずに簡単に得点出来ている。大事なのは、貰ってからテイクバックするのではなく、ステップインとテイクバックをした状態でボールを受け、クレイドル無し/一つで打つ技術。チームメートにパスを投げてもらって毎日200本反復して徹底して固めたい。
  • 特に後半、JHUのライドがはまってTowsonがターンオーバーに苦しみ始める。決してダブルやプレスを掛けている訳では無いが、きちんと連携して、ボールに近い位置からスペースを潰せている。結果、Towsonが微妙な所、危ない所にパスを出したり、無理矢理抜きに行ってそこそこの確率で変なパスになったり、取り損ねたり、out of boundsになったり。ボディブローの様にTowsonが攻撃機会を失い、疲労していくのが解る。これが確実に出来ると圧倒的に試合を有利に進められる。
  • JHUは伝統の、old schoolのMF主体のラクロス。ATは随所でひょいっと決めるが、決してダッジで攻撃の起点になっている訳では無い。基本的にはでかくて身体能力が高くて頑丈で層の厚いMF軍団がゴリッと抜いてズドンと決めて来る。ただ、これが出来ると強いし、確実に安定して得点でき、勝てる。専門化が激しく、OFMFとDFMFを多用する事の多い昨今のNCAAに於いては珍しく、エースの#31 MF John Ranagan (Jr)や#16 MF Lee Copper Smith (Jr)などを始め、ほぼ2-way(OFとDFを双方こなす)でやらせている。Coach Petroの頑固なまでの拘りか。が、結果としてRanagan達が強力なMLL向けの本格派オールラウンダー選手に育っている。Paul RabilやStephen Peyserを生んだエリートMF育成工場と言われる所以か。DFでもしっかり守って、気合いで爆走してトランジッションして、その後もOFで怒濤のダッジ&シュート。正直最高にカッコイイ。
  • 去年の夏に膝の靭帯(ACL)をやった#9 MF John Greeleyが早くも復帰している。最近の医療技術の進歩には目を見張る物がある。ACLをやってもたった半年で手術、リハビリを経て普通にトップレベルの試合に出られてしまうという脅威。今大きな怪我で練習出来ていない選手も、諦めずに毎日石を一つずつ置いて、日々変化して復活に備えれば必ず再び活躍出来る日は来る。
ハイライト

2012年2月23日木曜日

NCAA 2012 Game Review vol.05 Denver vs Ohio State

数日時間差でハイライトがILTVにアップされてたので、文末に転載して再掲。

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うおおお...開幕してほんの一週間。たったそれだけの間に早速いくつかのアプセットが生まれた。

まずは、Quintが1位にランクしていたDukeが、DFの主力を失ったNotre Dameに7-3で敗北。つか、「3点」って...。NDのDFシステムが如何に強力で完成されたものか、例え主力のDFを失っても、それでも尚これだけ強豪校からの失点を抑えられるという事実。ND、思った以上なのかもしれない。まあ、そうは言っても、Dukeは毎年開幕数試合は転けがち。でシーズンの後半にグイグイと作り上げて来る。今後見てみないと何とも言えないかな。ただ、NDは引き続きハードコアだぜって話だ。

そして、優勝候補筆頭のVirginiaはDrexelに10-9でギリギリ勝利。Drexelは今年強いと言われていたが、案の定。

そして、もう一つは、今日テレビ放映があった、Florida Jacksonvilleであった、Moe's Classic(集客試合)での、Denver (5位) vs Ohio State。僕自身も含め、世の中のラクロスファンのほとんどがDenver勝利を予想していた所、まさかの10-9でOSU...(スコアボード)。

OSUは去年も今の時期にUNCに勝っている。中西部のラクロス中堅校から、着実に強豪校への道を歩み始めている。侮れない。正直、中堅校という感じはしなかった。サイズも技術も戦術も、強豪校のそれ。ちょくちょくMLLの有力選手も輩出している(Peet PoillonもUMBCに転校する前はOSU)。Ohio州ではここの所高校レベルのラクロスの普及、有力選手の増加が目覚ましい。今後Notre Dame, Penn State, Michigan辺りと共に、中西部から東海岸の学校にガンガンチャレンジしていくという構図が生まれて来そう。

Ohio State 2012のプロモーションビデオ

一方のDenverは、去年HC Bill Tierneyの下、大躍進を見せ、Final 4へ。今年は全チームからマークされ、プレッシャーの掛かる厳しい年になると見られていたが、正にこういう事だろう。

しかし、非常に面白い、戦術的にも技術的にも学ぶ点の多いいい試合。ここまでの試合では今シーズンベストゲーム。

試合の見所、何でOSUが勝てたのか、等、印象に残っている点は、
  • Denverのオフェンスはいつも通りだったと思う。#22 AT Mark Matthews (Sr)も相変わらずJohn Grant感を漂わせ、素晴らしいパス/シュートを見せていた。が、なぜOSUは勝てたか?
  • ①一つは、徹底したDenver OF対策。Zoneを頻繁に混ぜ込んで、クリース前を鬼パックしてクリース前のフリー/スペースを消し込み、Denverのスペースを上手く使った、速い球回しと、パス&オフボールのカットでフリーを作るオフェンスを封じた。ぶっちぎったロングシューターがいる訳ではないDenverにとってはZoneが有効である事が明確に証明されてしまった。これが研究される事の恐ろしさ。
  • ②もう一つは、徹底したMark Matthews対策。去年は、「Denverに何かでかくて上手いCanadianのATいるらしいね」ぐらいで完全にunder the radar(ノーマーク/ダークホース)感満載で、Playoffの活躍でファンの度肝を抜いた。が、今年はラクロス界の誰もがどういう選手かを知っている。凄いが、ぶっちゃけ左しか無い。ダッジもスピードで切り裂くタイプではない。Matthewsがボールを持つ度にダブり、鬼の左切り。それが間違い無くハマっていた。これもスカウティングの勝利。印象的だったのは、彼の代名詞でもある左手片手で持ち替えずにクロスオーバーして下からくぐらせて抜くダッジ。去年何度もハイライトで流れた。が、それも結局知らないとビビるが、そういう技が来ると解って対応されるときつい。DFに読まれて思いっきりチェックされて落とされてしまった...「化けの皮が剥がされる感」があった。
  • ③OSUのエース、同じくCanadianの#18 AT Logan Schuss (Jr)のミドルシュートがムチャクチャ上手え。引くぐらい上手い。リリースも速いし、コンパクトなモーションで、恐ろしく正確にコースを打ち分けて来ている。U-19 Canada代表。オフェンスの選手は普通に参考になるので、是非見てみて下さい。毎日のシュート練習では、インドアの小さいゴールと大きいゴーリーをイメージして、超ピンポイントのコースを狙って打ち続けているとの事。「それから比べるとフィールドラクロスなんてサッカーゴールに感じる」との事。
  • ④リードして以降のOSUの徹底したポゼッションキープ。2月の頭からDenver対策を積んで来たと言うOSU、恐らくいろんなゲームプラン/シナリオプランを想定して、あらゆる練習を積んで来たんだろう。ゲーム終盤の落ち着きっぷりが半端無い。この試合を通して、「あれ?Denverそもそもいつもみたいに攻めてたっけ?つか、何回OFやった...?」という感触が残っている。Denverの様に明確に攻撃力が高くて、DFが経験不足のチームにとって、最大の防御はポゼッションを与えない事。非常に落ち着いて、正しい事をやっていた。これも参考になるので是非チェックしてみて下さい。
  • あと、Denverの課題が明確になった。一つはFO。かなりやられている。加えて、DFの経験不足。イマイチ去年のような、The Bill Tierney DFという感じは無い。往々にして去年の強豪が、OFのメンバーが残るが故に次の年もプレシーズンで高い評価を受けながら、いざ始まると隠されていたDFの経験不足が露呈して一気に失速するというパターンが結構ある。Denverは完全にそのパターンにハマってしまっているように見える。加えて多くの対戦相手がMatthews対策とZoneで対応してくるはず。今年は去年以上と言われながら、実は去年よりも厳しい状況に置かれているのかもしれない。
ハイライト

2012年2月20日月曜日

NCAA 2012 Game Review vol.03 Detroit @UNC

UNCのホーム開幕戦。vs Detroit。会場である地元Chapel HillのFetzer Fieldで観戦。18-8で粉砕。(スコアボード
Detroitは格下なので何とも言い難い上、UNCも後半、特に4Qにベンチ入りメンバーほぼ全員を出したため、本来の実力を反映したスコアとは言えないが、見た感じ印象に残ったのは、
  • UNCのFace Off、具体的には#25 2年生FOGO(Face-Off and Get Off(フェイスオフだけやってとっとと交代) = フェイスオフスペシャリスト)RG Keenanがえげつなく強い。試合を通して70%、彼個人に関しては恐らく80%の勝率。ボール支配率、オフェンス出来ている時間でそもそも大きな差が生まれるので、相手チームにとってはかなりやりにくい。反応が速い上、技の引き出しが圧倒的に多い。視野を取っての掻き出しの方向性と距離とタイミングの上手さ、加えて自分で拾う際の身体の入れ方等、非常に技術的に参考になる点が多い。相手が余りにも勝てなくて、しかもブレークを防ぐために手足を絡めて動きを止めるしか無くなり、途中から毎回イリプロで確実にUNCボールという状況になってしまった。Face Offerの選手の皆さんは見て学べる点が多い選手。まだ2年生。一体今後どこまで強くなるのか単純に楽しみ。
  • UNCは相変わらずOFの層が厚過ぎる。NCAAトップクラスの、ダッジで抜けてシュートも上手いATが4-5枚常にOFコートに立っているイメージ。全米2位のルーキー#4 AT Jimmy Bitterですらスタメンで出られていない。Princeton/Georgetownでそれぞれ得点王だった#16 Jack MacBrideと#5 Davey EmalaがOFMFで出て来るので、必ずAT対Shortyというミスマッチがもれなく生まれる。しかもまだエース#34 Nicky Galassoは怪我で出られていない。どんだけオフェンスタレント独り占めしてんだ...でもその分見ててムチャクチャ楽しい。ほぼどこからでも抜けて、更に結構フリーなのに、selfishにならずにもう2本パス出して超フリーで打てている。これはマジで怖い。あと、#11 AT Joey Sankey (Fr)が、身長165cmながら度胸あるプレーを続けている。入学時の評価ではBitterが上だったが、結局現時点ではSankeyが1年生でスタメンを勝ち取っている。小回りが効く上スティックスキルが安定しており、安心して使える。
  • ただ、やはりDFに引き続き不安を感じる。FOが勝てちゃってるのでいまいちスポットライトが当たっていないが、このボール支配率でこの失点は明らかにやばい。しょぼいミスがまだ目立つ。強豪と当たった時に乱打戦になるはずで、かなり得点出来る一方相当失点するはず。早急な梃入れが急務。

2012年2月19日日曜日

Johns Hopkins 2012 Equipment

ILが定期的にユニフォームやギアを紹介していくGear Zone。毎年リーグ戦中からプレーオフに掛けて、各チームの紹介をしていく。

今回はHopkins版by Nike。(リンク)間違い無く、文句無くカッコイイ。

先代の東大のユニフォーム(1999年〜2009年)をデザインした時にHopkinsのユニフォームのデザインをかなり参考にしたのを思い出す。当時主流だったのは、袖と衿に二本線が入っており、粗いメッシュ生地にブロック体のごつごつした字体でチーム名と番号を入れる、という伝統的なデザイン。それだと何かつまんえなー、なんか新しい事、カッコイイ事出来ないかな、と言う事で、当時cutting edgeだったHopkinsのシンプルな柄、丸みのあるapple感のある番号の字体、Loyolaのこれまた丸みのある大学名、のデザインを取り入れて、ゴツゴツした無骨なブロック感を排し、新しさとしなやかさを出す意図で作り込みに行った記憶がある。形/作りもプルータススポーツさんにお願いし、短い袖丈&太い袖で動き易さを出し、パンツもバギー気味にしてバスケ感を出しに行き。(Hopkinsが強かった事、チームカラーが同じ水色/青系+白/黒だったこともあり。)

その後ラクロス界全体のユニフォームが進化し続けてそれも時代遅れになってしまったが。

その後もHopkinsは背番号の丸い字体を引き継いでいる。が、ユニフォームの構造自体が進化しており、複数のピースを組み合わせて、脇に大きな切れ込みを入れるデザイン。

個人的に好きなのはグラブとエルボーとシャフト。

ユニフォームは、スポンサーの付いている強豪校は大体3色/3パターン用意している。

パンツの腰の後ろにロゴを入れるのがNikeの最近のデザインの特徴。太ももは左にナイキ、右にチームロゴ。

チームキャプテンの左胸の上には「C」マーク。

あと、ユニの背中の上と右肩にアメリカの国を背負うマーク&国旗を入れているのがカッコイイ(1932年設立、その年にオリンピックでExhibitionスポーツとしてラクロスがプレーされた事にちなみオリンピックマーク)。これ日本では余り馴染みが無い/やってる学校少ないんじゃないだろうか?「俺たちは日本で、日本の大学リーグで、日本一目指して(人によっては日本代表目指して)ラクロスやってんだぜ」ってプライドを見せるために日の丸ワッペンを背中にバチッと入れると。それで弱かったら悲しい&痛恥ずかしくなるので、更にプレッシャー掛かると。

2012年2月17日金曜日

World Indoor Lacrosse Championship 2011 Team USA Promo Video

ILに掲載されていた、2011年にチェコのプラハで行われた、World Indoor Lacrosse Championship (WILC)でのTeam USAのプロモーションビデオ。超渋カッコ良かったので転載。Titleは、「Blood, Sweat & Tears(血と汗と涙)」

  • 「血と汗と涙を流す事なんて大した事じゃない。このゲームをプレーするには、もっと遥かに多くの事を注ぐ必要がある。
  • 汗、そんなもんただでいくらでもかけばいい。血なんてのはユニフォームの一部に過ぎない。涙なんて必要もねえ。このフロアに立つためには、タフでいなくちゃいけない。相手の血や汗よりも。相手の意思よりも。
  • この偉大なスポーツの歴史の中に存在して来た全ての選手たちを敬え。世界にお前が何者かを知らしめる以前に。
  • 重い歴史を肩に背負い、打たれても、倒されても立ち上がれ。このフロアでは、血よりも、汗よりも、涙よりも、不屈の精神、折れない心、タフである事こそが大事だ。」
ちなみに、過去の結果はこちら(Wiki)。Canada, Iroquois, USAの順。ヨーロッパからはイングランド、アイルランド、チェコ、スロバキアの4カ国、そして豪州も参加している。日本もそろそろ参戦のタイミングか?

US代表のメンバーはこちら。(Wiki)Casey Powell, Paul Rabil, Brian Langtry, Brendan Mundorf, Drew Westervelt, Max Seibald, Kyle Hartzellなど、MLL/NLLでお馴染みの名前が並ぶ。加えて、話題になっていたのは、女性で参戦していたGoalieのGinny Capicchioni。

豪華なメンバーに見えるが、ここはやはりCanada, Iroquoisのお家芸。連覇を成し遂げたFieldのWLCと違い、USはCanadaに15-10で破れている。このビデオの、諦めずに最後まで戦い抜け、というメッセージが思い意味を持つ事が解る。(2011年の結果

2012年2月16日木曜日

NCAA 2012 Season Preview #1 Virginia

去年の優勝校Virginia。(Bratton兄弟が最後に退部になったため)準決勝/決勝でフィールドにいたメンバーはほとんど残っており、実質的にほぼ同じメンバーで挑む事になる。二連覇なるか。

  • Quintが、去年のプレーオフ直前/及びプレーオフ中に行われたチームの大幅な方向転換について語っている。①OFはBratton兄弟主体のMF中心の攻めから、Steele StanwickによるAT中心の攻めへ、②DFは、個人の身体能力に頼ったハイプレッシャーnon-slidingのM2M DFから、柱のLovejoyを怪我で失った事に伴いZone DFへ。
  • それが成し遂げられた最大の要因は、チームプレーと、メンバー間のchemistry(相性、フィーリング、協調)。
  • 言うまでもなくエースで司令塔は#6 AT Steele Stanwick (Sr, 昨年のTewaaraton [MVP], MLL 2位指名)。Quintが彼の事をゴリゴリに掘り下げてくれている。一人多い状況でのプレーでは最強。パスも超正確。常にどボックス。Lacrosse IQが異様に高く、2-on-2, 3-on-2でDFを見て、スライドがどう動くか、スライドのフェイントがどう動くかをよーく解って、あたかもコーチであるかの様にOFをコントロール出来ている。
  • Steeleとのコンビで点を取りまくるのは# 10 AT Chris Bocklet。クリースで鋭く細かく動いてフリーを作り、異様に速いcatch & releaseで得点量産。 
  • 去年抜けた穴を埋め合わせなくてはいけないのはGoalie。4年間スターターだったGhittlemanの替わりは誰か。数字に出て来ない彼の強さとして、Goalieでありながら相当数のGround ballをDFコートで拾っていた事、そしてクリアでの機動力とパス力を失ったのは大きい。FOは、「まあ、オッケー」という感じ。
HC Dom Starsia氏のインタビュー。
  • 長えわ...

2012年2月15日水曜日

NCAA 2012 Season Preview #2 Duke

2010年の優勝後卒業で多くを失い、去年は下級生中心の再建の年と言われながらも、シーズンを通して急激に成長してFinal 4にまで進んだ。

根源的に選手のアスリートとしてのレベルが高い。でかくて走れて、基礎がしっかりした選手が分厚い。会場でパッと見た時に、明らかにゴツくて身体能力が高いのがウォームアップの時点で見て取れる。

イメージ、一番グラウンドボールに対して腰落として両手でしっかり拾って、シュートもしっかり上から打って、DFのチェックアップの声と首振りとスティックアップをやってる強豪校を上げるとすると、Dukeがパッと思い浮かぶ、みたいな。

90年代まではベスト10止まりという感じだったが、2007, 2008年辺りから連続でFinal 4に絡んでおり、最早Syracuse, Virginiaと並んでラクロス界のトップに君臨する万年強豪校としての地位を不動のものにしつつある。それに伴ってHCであるJohn Danowski氏(Duke 08でMLL Charlotte HoundsのAT Matt Danowskiの親父)のコーチとしての評価もうなぎ上りに。

  • Quintは、去年の秋の時点でのFace off year bookでは2位だが、彼自身は現時点で1位にランクしているとの事。
  • 理由は全てのポジションに於ける高いタレント。サイズと身体能力に恵まれた選手が多数控えている。
  • DF #37 Michael ManleyはMLL上位指名
  • MFも身体能力の高い選手が分厚く控える。#26 Robert Rotanz, #12 Justin Turriの二人の4年生はMLL上位指名。
  • ATには2年生の電光石火ダッジャー#31 Jordan Wolf。間違い無く一年のシーズンを通して経験を積み、今年は堂々とチームを引っ張る活躍を見せて来るはず。同じく2年生の#19 Christian Walshも。3枚目の#8 Dionneも2年。今の2年生達が上級生になってくる来年、再来年正にDukeに席巻される年になって来るのかも知れない。
毎年シーズン前半は学習と成長のための投資期間と位置づけ、敢えて控えメンバーもフィールドに立たせ、競争/経験を促す方針。2-3月のシーズン前半に細かく格下に足元を掬われ「え?ホントに大丈夫?」と言われながらも、シーズン後半に掛けて一気に加速度的にチームを作り上げ、トーナメントに見事にピーキングを持って来るというシーズンを通してのマネジメントをしてくる。(それを正確に成し遂げるDanowski氏の手腕はやはり凄い。)

2012年2月14日火曜日

NCAA 2012 Season Preview #3 Cornell

去年残念ながら準々決勝でVirginiaに破れてしまったCornell。今年は去年のメンバーがほとんど残り、プレシーズンで3位に着けている。

  • 当然エースは#3 AT Rob Pannell (Sr)。今シーズン大学最高AT。MLL全体一位指名。ロールしてからのシュートまでが見た事無いくらい速い。フィード能力も高し。
  • 後は同じくMLLで上位指名のMF #48 Roy Lang (Sr)。でかくて走れてパワーあって左利き。California出身で、下級生時代は必ずしもトップクラスの選手ではなかったが、3年間掛けて成長し、去年ポテンシャルが爆発して一気にブレークした。
Jeff Tambroni氏の下でアシスタントを勤め、彼がPenn Stateに移籍して以降去年からHCを勤めているDeLuca氏。Cornellの卒業生でもある。
  • 怪我等で秋は苦しんだ。
  • 全体的に意図的にシーズン初期に下級生や去年控えだった選手に積極的にチャンスを与え、チームの中に敢えてcompetition(競争)を生む、というアプローチを取っている事が伺い知れる。短期的に練習試合がボロボロになっても、長期的にチーム全体としての高いモチベーションと、競争から生まれる危機感や成長を促せる。

2012年2月13日月曜日

NCAA 2012 Season Preview #4 Johns Hopkins

一昨年はギリギリプレーオフ出場、去年はシーズン後半に掛けて一気にV字回復して勝ち続けるも、準々決勝でDenverに負けてBest 8。

  • 去年復活を成し遂げるも、準々決勝でDenverに破れた
  • OFは去年の主力が残り期待出来る。
  • やはり伝統的にそうだったように、今年のHopkinsもMFを軸にOFを組み立てるスタイル。#31 John Ranagan (Jr), #9 John Greeley (Jr)が1stの核。去年も二人のpickを絡めた2 on 2で、トップスピードで直線的に縦に抜き、ほぼ「走る速度」だけで相手を置き去りにし、鬼の様なシュートを突き刺すというシンプルな技で得点を量産。生で見るとマジで引くぐらいの爆走っぷり。馬か牛が走ってるんじゃねえかと錯覚する迫力。Greeleyは夏に靭帯をやっちまったので、恐らく遅れて参戦。
  • Quintの、如何にHopkinsがMFを軸にしたラクロスで勝って来たかの描写が面白い。今のMLL全体を見渡した時に、Paul Rabil (08-Boston Cannons)やStephen Peyser (08-Long Island Lizards)、Michael Kimmel (10-Chesapeake Bayhawks)と言った強力なHopkins出身のMFはたくさんいるが、ATで生き残っているのはたった二人(Stephen BoyleとKevin Huntley)で、しかも両方去年はほとんどプレー出来ていない。
  • DFにもサイズと身体能力に恵まれたメンバーが控える。
  • Gの#33 Pierce Bassett (Jr)もArizona出身ながら去年明確にNCAAトップクラスのゴーリーである事を証明。
  • 但し、FOが心配。去年NCAA最強だった#4 Delonteが卒業してしまったが、秋の時点では明らかに穴を埋められていなかった。
個人的に注目したいのが、ATで1年生の#42 Wells Stanwick。UVA #6 Steeleの弟。敢えて兄とは同じチームでプレーせずに、地元BaltimoreのHopkinsを選んだ。

2012年2月12日日曜日

NCAA 2012 Season Preview #5 Denver

去年注目を集めつつ、その期待値を越えてFinal 4進出を成し遂げたDenver。今年は開幕前からさらに高い期待を集めつつある。

  • 如何に去年の成功を続けられるか?去年は低い期待値の中、ノーマークのダークホースとしてあれよあれよと勝ち進んだ。全米のラクロスファンが「どうやらMark Matthewsが凄いっぽい」と気付いたのもプレーオフに入ってから。一方、今年はシーズン開幕前から全米からの注目を集めており、プレッシャーも掛かる上、相手チームからも徹底したスカウティングに合う事が予想される。それをはね除けて今年もまたFinal 4に帰ってくる事は出来るか?
  • OFは問題無い。問題はDF。相手を10点以内に抑えられればほぼ間違い無く勝てる。10点以上確実に取れるだけの攻撃力は間違い無く有る。
  • 特にSSDFが厳しい。去年の核が卒業で失われた。
  • #22 AT Mark Matthews, #33 AT Alex DemopoulosのCanadian 4年生AT 2枚看板が2 on 2で点を荒稼ぎ。
  • #18 MF Cameron Flint (Jr), #32 Chase Carraro (Jr)がMFの核。Flintはカナダで育ってインドアを経験した後、アメリカの高校でフィールド対応して来た変わり種。至近距離で見て思ったが、足が馬。Carraroは小さいが小回り効きまくり。
  • 後はやはり#16 G Jamie Fausが去年1年生にして正ゴーリーとして大活躍。

2012年2月11日土曜日

NCAA 2012 Game Review vol.02 Denver @UNC (Scrimmage)

開幕を来週に控えたNCAA。先週末にUNCのコートにて、Denverを招いての練習試合をやっていたのでサクッと観戦しに行ってみた。

Pre Seasonランキングで5位のDenverと6位のUNC。練習試合にするには勿体ないカード。今年のNCAAの物語の中心に関わって来るであろう2チーム。しっかり実力を見極めたい。

ちなみにアメリカでは練習試合の事はScrimmage (skri'miʤ)(スクリーミッジ:リーにアクセント)と呼ぶ事が多い。

以下、Recap及び、見て感じた事。
  • 試合は、得点をカウントしていなかった上、特に後半双方控えのメンツを意図的に出して来たため得点差自体にあまり意味は無いが、感覚的に恐らくUNCの方が多く得点していた様に感じた。
  • Denverの#22 AT Mark Matthews (Sr)(MLL Denverに4位指名で入団)が、やはり引き続き凄い。ボールを持ったときの威圧感が一人突き抜けて違う。テレビで見る以上に、でかくて重い。ちょっと身体を当てたりリーンするだけでサクッと抜ける。加えて視野がやはり尋常じゃない。コート上にいる残り5人の選手が彼がボールを持っただけで恐怖に替わる感じ。「マジか?」というパスをbroken situationで数本通して得点を生んでいた。
  • ただ、どちらかと言うと、UNCのオフェンスの方がむしろ圧巻。層が厚過ぎる。というか、ぶっちゃけOFは人が余ってる。実は今回怪我で恐らくスタメンになってくるであろう#42 Nicky Galasso (So)、#4 Jimmy Bitter (Fr)の二人を欠いていた。が、ATは#1のMarkus Holman (Jr)、#11 Joey Sanke (Fr)、#41 Pat Foster (So)の3枚で全く問題無く回っている。Joey Sankeは身長165cmだが、半端無く速くて小回りが利いている。1年生でNCAAのトップレベルで違和感無く出来ている。思った以上に優秀なATだ。加えて控えで去年までGeorgetownでエースだった#5 Davey Emala (Jr)が控えている。これで二人が復帰したら余った人どうすんだ?
  • OFMFも分厚い。抜けるし点を取れる選手が2ndまでみっちりいる。#20 Jimmy Dunster (Sr)がやはり目立っていたか。あとアメフト部のシーズンが終わって帰って来た McNeil (So)の身体能力が引き続き一つ上の次元。
  • やはり弱みは双方DFの若さという感じ。今までNCAAを見て来て、断言出来るのは、このDFの弱さは必ずシーズンの終盤の強豪相手に競った状況になった時にアキレス腱になって来ると言う事。一方で、去年のUVAの様に、層の薄さをZone DFで補って、OFの強さで勝ちきる、優勝してしまうというパターンも無くはない。HC Breschiの腕の見せ所。

2012年2月10日金曜日

UNCのオフィス&ロッカールーム

地元で応援しているChapl HillにあるUniversity of North Carolina (UNC) Tar Heels。

去年大規模な施設の改修工事を行い、オフィス&ロッカールームを一新した。Head CoachのJoe Breschi氏がビデオカメラを引き連れて施設の紹介をしていたので転載。

NCAAの上位校がどういう施設を使っているかが垣間みれてなかなか興味深い。

ちなみに立て替え作業中だった去年は選手たちはロッカールームは他の部活のものを間借りし、ギア(道具)をしまっておく場所が無かったため、車に入れとくか、授業中も持ち歩いていたらしい...(他の生徒の迷惑だっただろうし、本人たちも苦労しただろう。)日本でもいくつかの大学のラクロス部は部室やロッカールームも無く似たような状況だろうから、ちょっと共感する部分も無くはない。

ちなみに、施設のクオリティは、今いる選手たちの戦力はもとより、リクルーティングで高校生選手を連れて来てimpressする(売り込む)上でキーになる事も多く、重要な要素。これまで古い施設をベースにしており、それが弱みになっていた面も。そこに梃入れ出来たので、今後UNCのリクルーティングはより安定して来るはず。

  • 入り口入ってすぐの場所に過去のNCAA優勝時の楯やメット/ギア、特集記事の載った雑誌などが飾られている。NikeやSTXからスポンサーされている。
  • やはり印象的なのはTeam room。Film room(視聴覚室)としての機能も兼ね備えた階段状の部屋。ホワイトボードにも戦術の説明/議論用の図が。
  • コーチのオフィス、アシスタントコーチ達の部屋(通称War Room )も紹介されており面白い。ここ数年のUNCの急激な躍進を影から支えるOF Coach兼リクルーティングの切り札、元Boston CannonsのMF Pat Myers氏も。若き参謀と言った感じ。
  • 感動的にカッコいいのは選手のロッカールーム。ばちっとギアやユニフォームが整理されて名前と背番号入りのロッカーに入れられており、アメリカならでは。テレビも付いてるんかい。
  • Equipment roomにはSTXやNikeから送られて来るギアやウェアが山積みに...欲しい...

2012年2月9日木曜日

Inside Lacrosse Women.comがスタート

先週から、Inside Lacrosseの枝分かれとして、Inside Lacrosse Women.comが立ち上がった。(リンク

これまでもILでは普通に女子の記事も入っていたが、女子スペシフィックに切り分けて独立したページを立ち上げたという話。

アメリカでは男子と同様女子ラクロスもジュニア/キッズレベルで爆発的に拡大を続けており、今や恐らく女子ではサッカーやバスケ、ソフトボール、バレーボールと並んで、最メジャースポーツの一つになりつつある。

話題としても、ギアとしても、女子のネタがかなり増えつつあったここ数年を考えると当然の成り行きか。女子選手/関係者で興味の有る方はbookmarkして毎日見てると楽しめるはず。

2012年2月8日水曜日

NCAA 2012 Season Preview #6 North Carolina

地元Chapel HillにあるUniversity of North Carolina (UNC) Tar Heels.


  • 優勝時代を経験した卒業生のHCのJoe Breschiが2008年に就任して以来、リクルーティングで強力な選手たちを集める事に成功して来た。当時と同じく、身体能力の高いアスリートを多数獲得
  • 過去数年プレシーズンでは高い順位を獲得して来たが、Final 4は果たせず。
  • メンツは相当濃い。特にOF。
  • 二人のtransfer(転校生)AT or OFMF、#5 Davey Emala (Georgetownから)、#12 Jack McBride(Princetonから)
  • AT分厚い。#1 Marcus Holman (Jr), #34 Nicky Galasso (So), #2 Thomas Wood (Jr), #41 Pat Foster (So), 加えて新入生の#4 Jimmy Bitter (Fr), #11 Joey Sankey (Fr)も既に一年生でNCAAの上位校で普通にやれる実力を見せている。
  • MFは#20 Jimmy Dunster (Sr)はアスリート。#43 Mark McNeil (So)はアメフト部と掛け持ちのアスリート。
  • #22 Dunkan Hutchins (So)も強力な突破力/シュート力を持つOFMF。
  • DFとGはOFに比べると薄い。
HCのJoe Breschiのコメント。家族的な絆、繋がりを重視するコーチ。家族のようなUNCの雰囲気に惚れて入学を決める選手も多い。

2012年2月7日火曜日

Winter X Games 2012

先週末に毎年恒例のWinter X-Sportsの祭典、Winter X Game 2012が行われた。

例年と同じく終末にスノーボードのStreet, Slopestyle, Bigair, Superpipeの4種目に絞ってがっつり観戦。

やはりハイライトは最終日の千秋楽、スーパーパイプの決勝、Shaun Whiteによるぶっちぎりの5連覇。前の週に足首を捻挫し、slopestyleを欠場しており、Superpipeでの出場も危ぶまれていたが、いつも通り涼しげな笑顔でいつも通りのパフォーマンスを発揮。3本のランのうち、一発目で優勝スコアをたたき出し、残りのメンバーは完全に脇役に。最後のランで完璧なパフォーマンスを見せた上、今まで誰もやった事の無い技も入れ、何と前人未到の100点満点をたたき出し、これまた前人未到の5連覇を成し遂げた。

全てのスポーツに於いて、ここまで圧倒的に他を寄せ付けない強さを維持しているアスリートは他にどれだけいるだろうか?いや、歴史上に。

Shaunが一人で一周差でトップを走り、残りの世界トップクラスの選手たちが団子状態で2位争いをしている状況。

3本目の最中に、余りにも美し過ぎて、完璧過ぎて、見ていて全身に鳥肌が立ち、脳がジーンと痺れてしまった。解説者達も、観客までもが言葉を失い、あれだけ盛り上がっていた会場が、時間が止まったかのような静寂に包まれると言う見た事の無い状況が生まれている。

「この人と同じ時代に生きていられて良かった」と手放しに思わされる数少ないアスリートの一人。

ちなみに愛媛のアクロス重信出身の日本の青野令(あおのりょう)選手が堂々の3位入賞。長らく日本のスノーボードを引っ張って来たカズこと(國母和宏選手)との世代交代を印象づけた。オリンピックでのメダルに期待が掛かる。


にしても、スノーボードの競技レベルは本当に信じられない速度で進化している。パイプもキッカーもどんどん大きくなり、生まれたときからWinter X Gamesを見て、物心付いた頃からShaun Whiteを見て、憧れて、真似して来た世代の子達が既に表彰台に立ち始めている。昔は世界に数人しか出来る人がいないと言われていた技が予選レベルで多くの選手によって当然の事の様に繰り出される。今年のBig AirではTriple corkを二人の選手が成功させて来た。今後10年、20年、30年で一体どんな事になってしまうんだろうか。


2012年2月6日月曜日

NCAA 2012 Season Preview #7 Syracuse

去年優勝候補筆頭でありながら、準々決勝でMarylandと死闘の末Over Timeで破れたSyracuse Orange。

主力の4年生7人(G Gallaway, LSM White, MF Miller/Thompson/Amidon, DF Lade, AT Keogh)が全員MLLに旅立ち、大きくメンバーを入れ替え。


  • 伝統的にはrun & gunの攻撃的なラクロスで知られて来たが、ここ数年はG Gallawayを始めとした固いDFをベースに勝って来た。そのGallawayとDFの核が抜け、かなりの入れ替えが生じ
  • MFもJovan MillerとJosh Amidonの穴を誰が生めるか。
  • DFの柱は#11 Brian Megill (Sr)か。
  • MFは、#30 Bobby Eilers (Sr)、#24 Steve Ianzito (RJr)辺りが軸になりそう(→去年の記憶をたどっても名前がピンと来ない...如何に去年の代が4年生頼みだったかが解る。)
  • ATは去年からエースナンバー#22を背負っているJoJo Marasco (Jr)、Hopkinsから去年転校してきた#14 Tommy Palasek (Sr)が如何に頑張れるか。特にPalasekのスピードは鍵になって来るはず。
薄い...ように見える。少なくとも紙の上では。

が、ここで注意しなくちゃいけないのは、そうは言ってもSyracuseだという点。サイズと身体能力に物を言わせて力で圧倒するAmerican strong styleのACCのチームと違い、NY州北部、及びCanadaのラクロススタイルに強く影響された「技」を軸にしたチーム。集まっている選手も間違い無く最高レベルのスキルの持ち主達。

去年試合余り出てないメンバーも、リードした試合で後半の最後に育成モードでちょこっと出てプレーしているのを見た限り、普通にかなり上手い。他校だったら普通にスターターで試合に出てるな、というレベルの選手たちばかりだったように見えた。恐らく格下には負けないし、下手したら上位校とも普通にいい試合をするし、もしかするとトーナメントでもハマってグイグイ勝ち抜いて行くかも知れない。

意外とスター軍団の去年よりも成功しちゃったり、なんてシナリオも全然有り得る気がする。やっぱりSyracuseが強くないとNCAAは盛り上がらない。どの会場に行っても最も人気があるチーム。早期復活に期待。

HC John Deskoのコメント。
  • 去年のスタメンの9人が卒業した。その分秋学期はポジション争いで高いエネルギー値で競争出来ていた。



2012年2月5日日曜日

NCAA 2012 Season Preview #8 Maryland

昨年準優勝のMaryland。AT の柱(Grant Catalino, Ryan Young)、MFの核、LSMのBrian Farrell、Close DF 3枚を始め、15人以上の4年生をごっそり卒業で失った。

入学時から優勝を狙えると言われた代だっただけに勿体なかった。一方で、HCがDave Cottle(今年からMLL Chesapeake BayhawksのHC)から元HarvardのJohn Tillmanに替わった一年目で準優勝は上出来とも言える。

今年は完全に代替わりの準備期間の年。にも関わらずプレシーズンで8位に着けている。

新入生は国内1位の評価。

やはり注目は#18 AT (去年までOFMFだが本職ATにコンバート)のJoe Cummings (4年)クリースでの相手の裏を欠く鋭い動きからのフリーの作り方、細かいスペースで鋭く振り抜く正確なシュート。

そして何と言っても、昨年一年生で鮮烈デビューを飾った#31 G Niko Amato (2年)。身長170cmだが、ポジション取り、スティックワーク、クリア力、メンタル(落ち着き、集中力、心のスタミナ)、全てに於いてNCAAでも上位でやれる事を証明した。Philadelphia出身で、95年にMarylandでTournament MVP、元MLL Barrage、US代表で長きに渡って守護神だったBrian Dougherty(通称Doctor/Doc)の愛弟子。経験から紡がれた匠の技を継承している。下級生であるにも関わらず、見ていて非常に老練で考えられてるなーと感じる。現役のゴーリーの選手が見て学ぶ点は非常に多いと感じる

今年からスターターになるメンバー、1-2年生が奮起して爆発すれば、5位以上も有り得る(去年のDukeパターン)。一方で、経験の無さからそこが噛み合なければ15位以下も有り得る(一昨年のHopkinsパターン)。

2012年2月4日土曜日

NCAA 2012 Season Preview #11 Hofstra

毎年必ずTournamentには必ず顔を出し、上位校を苦しめつつも後一歩及ばず。

それでも非常に高いレベルのラクロスを見せ、MLLに毎年複数人選手を輩出する中堅強豪校Hofstra。11位という順位が異様に座りがいい...

「攻撃的で見ていて壮快なラクロス」という意味では恐らくトップクラス。

Quintの解説がいつもながら簡潔に見所をまとめてくれており大変参考になる。

  • 何気に去年からの最大の「失ったもの」は、Assistant CoachのJoe Amplo。Michiganに続いて来年からNCAA入りを果たすMarquette(Wisconsin州)のHead Coachとしてヘッドハントされてしまった。
  • HCのSeth Tierneyは「ラクロスをScienceにまで高めた」。正に出身校のHopkinsのアプローチ。
  • スケジュール(対戦相手の顔ぶれ)が非常にチャレンジング。リーグ戦前半に強豪校とバンバン当たる事になっている
  • 選手としては、去年のAT 3枚、81得点分がゴッソリ抜けてしまった。(うちJay CardとJamie Lincolnの二人はMLLで活躍)
  • が、ぶっちゃけATの層は厚いので、替わりはいくらでもいる。恐らくフィニッシャーには困らないだろう
  • 一方でMFには去年のトップクラスの選手たちが数人残っている。特にLafayetteからTransfer(転校)後に怪我でredshirt(怪我による棄権)した6年生の#5 Steve Serlingが中心か。#43 MF Ian Braddish (Jr)もでかくて強くて上手い。
  • DFもGも固い
  • あと、Face Offが強い
HC Seth Tierney氏のコメント。ちなみに元Princetonで現Denver HCのBill Tierney氏の甥っ子。現DukeのHC John DanowskiがHofstraのHCだった頃に薫陶を受け、その前はHopkinsでCoach Petroの下で修行を積んで来た。NCAAを代表するエリートコーチの一人。

2012年2月3日金曜日

NCAA 2011 Game Review vol.01 Team USA vs Denver

日曜日に、毎年恒例のChampionship Challengeが行われ、FloridaのDisney Worldの近所にある、ESPN World of Sports Complexにて、今年のUS代表対Denverの試合が行われた。(リンク)(ちなみに去年はNotre Dame。)

2年後のWorld Lacrosse Championshipにも恐らく一部が残って来るであろうUS代表のRosterは以下。

パッと見て思うのは、
  • 例年通り、Paul Rabil (MF)やBrendan Mundorf (AT)、Drew Westervelt (AT)など、一部のNLL(インドア)でプレーしている選手たちは既にシーズンが始まってしまっているため参加していない(でもMax Seibaldは入ってる)
  • 敢えて、プロ経験10年+も含めた超ベテランと、若手を程よくミックスしている。組織文化継承、若手育成への布石だろう。
  • 従って、必ずしも現アメリカのベストメンバーという感じではない。イメージ、2.5軍という感じだろうか。
  • そうは言っても、何人か確実に2014年に星条旗を背負って来るであろうメンバーも。加えて、CP(Casey Powell)など、おなじみのスーパースターの名前もあり、結構面白い布陣。

No. Pos. Name Current Team College

AT

ATには正直これと言って新しい顔ぶれが入っていない...つまらんな...まあ、今のMLL 1-2年目の連中が経験積んで2年後に食い込んでくるか、って感じか。

19 A Kevin Leveille UMassters LC Massachusetts '03
  • 去年は結婚でMLLを欠席していたが、今年はRochesterで復帰のLeveille兄弟の兄Kevin
22 A Casey Powell Hamilton Nationals Syracuse '98
  • 超ベテラン①。去年の準決勝決勝に於けるHamiltonでの活躍で見事復帰。地元Floridaでコーチをしていると言うのもあってか
25 A Chazz Woodson LXM Pro Tour Brown '05
  • ファンタジスタ。しかしこの人LXMだけで、MLLでやってない。どうやってトップレベルのパフォーマンスを維持してるんだ?
91 A Mike Leveille New York Athletic Club Syracuse '08
  • 大手会計事務所Ernst & Young(Deloitteだっけ?)のNYオフィスでで普通にプロフェッショナルとして働くMike。去年から仕事の決算期の山場と重なるからなる理由でMLLは欠場続き。直感的に2014年は残らないな。
99 A Dan Glading Chesapeake Bayhawks Virginia '09
  • 地味ウマ代表格。鬼手堅いが、何故か華無し...(失礼)


MF

9 M Matt Striebel Rochester Rattlers Princeton '01
  • 大ベテランその②。US代表の魂。4度目のWLCなるか?
13 M (OFMF) Stephen Berger Charlotte Hounds Washington '04
  • おおっ!遅咲きのUS代表。OFMFを入れるって方針か?
20 M Stephen Peyser Long Island Lizards Johns Hopkins '08
  • 文句無し。またRabilとJHUコンビ復活か。
24 M (FOGO) Chris Eck Boston Cannons Colgate '08
  • Alex Smithから遂にFOGOも世代交代?14年の代表FOになってる可能性は高い
26 M Doug Shanahan Ft. Lauderdale Flamingos Hofstra '01
  • 大ベテラン③。去年に続いて。地元Floridaで高校のコーチをしてるってのもあってだろう。
42 M Max Seibald Long Island Lizards Cornell '09
  • そらそうだ。彼は入れるべき。攻守にトランジッションに安定感が。
44 M Steven Brooks Chesapeake Bayhawks Syracuse '08
  • 間違い無いっしょ
56 M Peet Poillon Chesapeake Bayhawks UMBC '09
  • おーやはり。14年残って欲しい。ザ・シンデレラストーリー。彼も14年に入って来ておかしくない。

DF

10 D (LSMF) Matt Bocklet Denver Outlaws Johns Hopkins '08
27 D Steven Waldeck Toronto Nationals Stony Brook '10
29 D Lee Zink Denver Outlaws Maryland '04
  • ベテランの大黒柱。10年に続いて。
33 D Michael Evans Chesapeake Bayhawks Johns Hopkins '09
41 D (LSMF) Brian Farrell Boston Cannons Maryland '11
  • 若い力がここにも。
43 D Greg Bice Ohio Machine Ohio State '04


G

6 G Scott Rodgers Hamilton Nationals Notre Dame '10
  • 恐らくDocの後を継ぐUS代表の守護神後継者として、完全にRodgersが既定路線になりつつあると言う事だろう。10年ND準優勝の立役者。(日本にも国際親善で来ましたよね?)あのリーダーシップ、統率力、セーブ力(と威圧感)を考えれば当然か。
14 G Drew Adams Long Island Lizards Penn State '09

試合を見ての感想

深夜からの放送だったが、無駄に直前のバスケの試合がOver Timeになったおかげで一時間近く押してスタート。おかげで録画が途中で終わって4Q見られず...とほほ。

それでも、3Qまでで十分に楽しめる素晴らしい試合だった。

以下、バッと見て感じた/記憶に残った点を紹介。
  • Denverかなりいい...昨年のBest 4のメンバーがオフェンスはほとんど残っている。16-15で一点差で敗北するも、US代表相手に堂々の試合。
  • 特に、#22 AT Mark Matthews (MLL Draft 4位でDenver Outlawsへ)が感動を覚える程の驚愕のプレーを連発。有り得んダッジ、フェイスダッジで相手DFを完全にスカ抜き、Gary Gait以来の非利き手片手弾丸シュート、NLLばりのフェイク、全てに華がある。「むあじかっ!?」とか「なにーーーっ!!」の叫び声を引き出した数は彼がダントツ。
  • Denverのオフェンスがチーム戦術として非常に参考になる。スペースを非常に大きく取り、左右のサイドの切り替え、上から落としてクリース、等の教科書的なスペース使いを非常に上手く使っている。極めて効率的。特に今回のUS代表のように、個人技があっても即席で連携が取れていないDF相手には思うように高確率シュートを量産出来る。
  • US代表の何人かのシュートはやはりプロ。特に#22 CPの3点目の貰い際に一歩交わしてDFをスクリーンに使ってlow to high、Chazz Woodsonのダッジのステップの鋭さと大きさ&ダイブ、Kevin Leveilleのゴール周りの職人技、Stephen Bergerの薄い角度からでも空いたらスパッと決めて来る技術、個人技として学べる点が多い。

Denverは、DFのメンツがLS/SS双方相当入れ替えになっているため現時点では経験不足感が否めないが、Coach Tierneyの事なので恐らくシーズン後半には規律ある手堅いDFを作り上げて来ると思われる。加えてGの#16 Jamie Fausも今年2年生で更に素晴らしいセーブ力を見せつつある。去年レギュラーシーズンからプレーオフに掛けて素晴らしいプレーを見せながらも、準決勝のVirginia戦で緊張からか、慣れない熱さからか、本来の実力を発揮しきれなかった感が有ったが、今年はそこから学んで更に一回り大きくなってくるはず。Denverはひょっとしたら今年こそ優勝を狙える位置に来ているのかも知れない。

2012年2月2日木曜日

Steele Stanwick (Virginia) vs Rob Pannell (Cornell) vol.01

開幕を数週間後に控えた今年のNCAA Men's Lacrosse Division 1。一つ例年と明確に違う様相を呈しているのが、MVP争い。もちろんいい選手は沢山いるが、top of topとなると、明確に二人の突出したプレーヤーによる一騎打ち。

UVA #6 AT Steele Stanwick (スティール=スンウィック)(4年)とCornell #3 AT Rob Pannell (ロブ=パル[ネにストレス])(4年)の二人。

今月号のILの表紙&特集記事も二人のインタビューを何ページにも渡って。

既にMLLドラフトで1-2位指名されており、昨年のMVPも、TewaaratonはSteele(Tewaaratonは毎年プレーオフで勝ち残ったチームの選手が選ばれがち)、NCAA Best Player賞はPannellが選ばれており、ファンの間でもどっちがベストかよく議論されている。ちなみにMLLドラフトではPannellがLong Islandに1位指名、Steeleは新チームOhio Machineに2位指名。

チーム力としてはVirginiaの方が上と見られているが、Cornellもトップクラスで、場合によってはFinal 4で両者が相見えるというシナリオも考え得る。一発目の対戦は3月10日のFace Off Classic。

そんな二人に対する各チームのコーチからのコメントが非常に印象に残ったので紹介。

やはりどのコーチもべた褒め。特に実際に対戦して来たIvy LeagueのチームのコーチのPannellへの絶賛が凄い。共通して褒めているのは、
  • 二人ともパス、シュートの双方に優れている点。
  • 特に、オフェンスを組み立てる力、周りにいる選手の力を何倍にも引き出す力が双方高いという点。
  • 加えて、Pannellは一年生の頃からチームのオフェンスを統制して来た成熟度/老練さ
  • Stanwickは、プレッシャーの掛かる中、重圧を方に背負いながらも結果を出し、チームを優勝へと導いたそのメンタル/リーダーシップの強さ
個人的に見ていて感じるのは、二人とも一年生の頃から突出した選手であったにも関わらず、特に去年一年間で大きく変化/成長している点。

特にPannellは最後の負けた一試合を除けば、文句無く「神」の言葉を使っていいレベルのパフォーマンスと完成度。コーチの一人、Colgateの新Head Coach Mike Murphyが形容している「Magic Johnsonのパス力とMichael Jordanの得点力を兼ね備えている」と言う言葉が正に当てはまっていると感じる。

全体的なトーンとして、やはりRob Pannellが大学最高の選手、という意見が多いか。

 Ivy Leagueで過去3年間散々スカウティングした上何度もやられてきたYaleのHC Andy Shayの、「3年間散々対戦して来たけど、ダブってもダメ、Zoneしてもダメ、何しても止めらんねえから頭痛いよ」という言葉が生々しい。対戦相手の監督、マッチアップする事になるDFとしては恐怖だろう。

あの安定したボディバランス、振り向き様の鋭いシュート、相手をよーく見てのフィード、全ての動き、技術に於いて溜め息の出るレベルの完成度を見せている。明らかにラクロスIQも高く、よーくラクロスを研究/理解し、極めて効率的なプレーを反復練習して作り込んで来ている。(見ていて、「え?そんなに簡単に点取れるの!?」という意表を突く1-on-1、フィード、シュートが多い。)

去年優勝してTewaaratonに選ばれ、ある意味NCAAで手に入れられる物は3年生にして全て手に入れてしまったSteele。

に対し、Pannellは明らかに昨年の結果(2回戦/準々決勝敗退)には満足出来ておらず、特に最後の試合での負け方には相当自分自身に対してフラストレーションを感じていた様に見えた。結局Tewaaratonも最後まで最有力と言われながら、優勝したSteeleに攫われている。そして何と言っても忘れられないのは当時の4年生キャプテンのMax Seibald (現Long Island & US代表)と共に戦った末、最後の数秒で同点、延長逆転で優勝を逃した09年の決勝戦でのSyracnse戦。「やり残したミッション」感は満載だろう。と言う事はまた寒い冬のIthakaで黙々と、虎視眈々と優勝を成し遂げるために地道な努力を積み上げて来ている筈。

直感的に、Pannellは今年更に一歩上のレベルに到達した姿を見せてくれるんじゃないかと感じる。既に去年の段階で「Mikey Powell並み」「NCAA史上最高クラスのAT」と形容されていたPannell。今年はもしかしたら「文句無くNCAA史上最高のAT」というレベルに到達するのかも知れない。

いずれにせよ、現役のATの選手が見てプレーを学ぶという意味ではこれ以上の教材は無いと言い切れるAT二人。二人とも決してデカい訳でもなく、Mikey PowellやChazz Woodsonの様に、明らかに常人離れしたバネ/身体能力を持っている訳では無く、Kevin Leveilleの様に条件反射でその場の思いつきでとんでもなくクリエイティブなマジカルプレーを繰り出している訳でもない(彼らは見ていて「うおーーー!!」とはなるが、一方で、時として「つか、こりゃ真似できねえわ」となってしまう。)。全てトレーニングと練習/研究によって成長/習得可能な技と工夫でここまで来ている。ATで上手くなりたい選手は、彼らの動きを繋いだ動画を作って一日100回反復して見て、頭と身体でトレースすれば、相当プレーの幅が広がるはず。是非今年も注目して行きたい。

2012年2月1日水曜日

Warrior Denver Gear 2012

ILに載ってた今年のDenverのWarriorによるユニフォームとギア。(リンク

パッと見て頭に浮かんだのは、「Warriorの本気」という言葉...

全てWarriorで統一。まず、ゴールドとカーマインという色の組み合わせがカッコいい。で、3つ目のユニフォームとクリーツのコロラドのロッキー山脈の稜線。最近NCAAではこの手のバックグラウンド系の柄遣いが増えて来ている。(バスケの背中の透かし模様、アメフトのカモ柄/モノグラム使い等。)

Warriorは長らくPrincetonをFlagship Teamとして使って来たが、去年辺りから明らかにDenverにウェイトを移し始めている。Princetonはトーナメント出場出来ず、一方のDenverは市場として急成長している上、Bill Tierneyの移籍後着々と強豪の仲間入りを果たして去年はFinal 4。なぜか会場でもunderdogだからか、異様に人気がある。#22 AT Mark Matthewsなど華のあるスターもいる。この辺のビジネスとしての勢力図の変化も面白い。