2012年2月29日水曜日

NCAA 2012 Game Review vol.06 Delaware @Johns Hopkins

ハイライトがアップされたので末尾に追加して再掲。しかし、やはり再度ハイライトを見てみても、1年生#42 AT Wells Stanwick (Steele弟)の熟練の技術が目立つ。

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先週火曜の試合。8-6でHopkins。これで開幕2連勝。順調。

Hopkinsは先週の開幕戦でいきなり司令塔ATの#32 Chris Boland (6年生)が、come aroundでシュートを決めた後に倒れ込んで肩を打って鎖骨骨折。いきなり怪我で出場停止に。これまで既に怪我で2年間棒に振っており、2年留年しての最後の年だった。所謂season ending injuryではないと伝えられており、どこかのタイミングで復活するとの事。 Quintもコメントしていたが、誰よりも努力してリハビリに勤め、何とか辿り着いた最終シーズン。キャプテンとしての責任も負い、チームを引っ張って来た大黒柱。前回の試合でも精神的支柱として誰よりも気合いをほとばしらせ、チームをグイグイ引っ張っていた。何とか復活して再びコートに戻って来て欲しい。

試合で印象に残ったのは、
  • 引き続きHopkins MF軍団の分厚さ。でかくて、身体能力高くて、基本に忠実。特に#16 Lee Cuppersmith (Jr)のランニングシュートはお手本になる。トップスピードからしっかり踏み込んで、体重をしっかり前に投げ出し、体幹のトルク(ひねり/ねじり)を最大限に生かして、鋭く大きく振り抜く。シュートを打った後は背中がエンドライン側を向いて、後ろ向きに数歩バックステップ。Hopkinsのwarm upを以前会場で見た時に非常に印象的だったのは、全MFの選手が、コーチの見守る中、明確に、意図的に、トップからのランニングシュートで、シュートと同時にしっかり身体を前に投げ出し、反転させ、背中がゴール側に向いて、バックステップを数歩踏む、と言う身体の使い方を徹底して左右両方で反復確認していた点。シュート後にも正面を向いてトコトコ走れていると言う事は体重が乗り切っていない/トルクを使い切れていないという考え方に基づいて。
お手本として動画探したらちょうどよく同じくHopkinsのPaul Rabil ('08)の映像がまとめられてたので転載。シュート打つ時の身体の投げ出し、その後の後ろを向いて数歩のバックステップまでに注目。背番号が進行方向を向いている。いくつかは実際にクルッと一回転している。日本でどのくらいこの点を教えているか不明だが。所謂「本場の打ち方」として。
  • それに対するDelawareのDFのシフトも面白い。HopkinsのATのダッジ力とMFのダッジ力を比べた時に、明らかに突出してMFの方が高い。それを踏まえてDelawareが取ったのは、AT 2枚にShortyを付け、MF 3枚全員をLong poleで守るというシフト。が、非常に合理的で、実際にワークしていた。MFが突出して強く、攻撃の起点になり、一方でATの突破力が弱いチーム相手には非常に有効な戦術。
  • 怪我で欠場した#32 AT Chris Bolandの穴を埋めた3枚目のATは、去年Virginiaを優勝に導いた立役者でもあり、3年生にしてMVP (Tewaaraton)を獲得した、UVA #6 AT Steele Stanwick (Sr)の弟、#42 AT Wells Stanwick (Fr)。Baltimoreのラクロス名門一家Stanwick家出身。8人兄弟姉妹の6番目。3人の姉はGeorgetownで、もう一人の兄はRutgersでATとしてプレーしていたエリート一家。一年生で大丈夫か?と見られていたが、感動した。老獪過ぎる。ラクロスIQが高過ぎる。アメリカのコーチが基礎として教える、Xでのジグザグの動き、ステップバックしてステップイン、鋭いロール/クロスオーバー、チェンジオブペースでのギアの鋭い切り替え、視野、フィードの正確さ。決して純粋な脚の速さがトップレベルという訳では無いが、如何せん緩急のメリハリが鋭過ぎるため、DFが一瞬置いて行かれる瞬間が生まれる。加えて、ボディバランスが良く、多少身体を預けても軸が全くブレていない。1年生にしてHopkinsオフェンスを指揮者の様にコーディネート/オーケストレートしている。完全にSteeleの生き写し。今後が恐ろしい。兄弟対決も見物。
  • あと、全体的に感じたのは、Delawareのミスの多さと雑さ。勿体ない...せっかくいい選手もいるしいいプレーもある。プレースタイルがRun & Gunで、バンバン走って積極的にリスクあるパスも通して、ガンガン打って行く、というスタイルである事も解る。決まると見ていて楽しいし興奮する。が、(失礼ながら)ちと、雑すぎないか?基礎がおざなりになってないか?アンダーハンドやシャベルやBTB (Behind the Back)のパスがえれえ多い上、フィードを通す際も脚を止めて「えいやっ!」と一か八かの弾丸パスを投げるシーンが散見された...やっぱりどの教科書も言っているが、脚を動かしながら、抜くプレッシャーも掛けながらの中でフィードを出さないと...クリアのミスも多い...得点シーンは派手でカッコいいが、明らかに勝率を犠牲にしちゃってるイメージを受ける。Quintも「スティックワークが無いチーム、turn overが多いチームがNCAAトーナメントに残る事は無い。」と断言していた。NCAAでも後半、特にトーナメントになるとなかなか見られないこの辺の荒削り感があるのも2月の試合の特徴ではあるが。ある意味反面教師として参考になる/学べるはず。コーチは試合後のロッカーで激怒したんじゃないかと。

ハイライト

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