2012年2月23日木曜日

NCAA 2012 Game Review vol.05 Denver vs Ohio State

数日時間差でハイライトがILTVにアップされてたので、文末に転載して再掲。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
うおおお...開幕してほんの一週間。たったそれだけの間に早速いくつかのアプセットが生まれた。

まずは、Quintが1位にランクしていたDukeが、DFの主力を失ったNotre Dameに7-3で敗北。つか、「3点」って...。NDのDFシステムが如何に強力で完成されたものか、例え主力のDFを失っても、それでも尚これだけ強豪校からの失点を抑えられるという事実。ND、思った以上なのかもしれない。まあ、そうは言っても、Dukeは毎年開幕数試合は転けがち。でシーズンの後半にグイグイと作り上げて来る。今後見てみないと何とも言えないかな。ただ、NDは引き続きハードコアだぜって話だ。

そして、優勝候補筆頭のVirginiaはDrexelに10-9でギリギリ勝利。Drexelは今年強いと言われていたが、案の定。

そして、もう一つは、今日テレビ放映があった、Florida Jacksonvilleであった、Moe's Classic(集客試合)での、Denver (5位) vs Ohio State。僕自身も含め、世の中のラクロスファンのほとんどがDenver勝利を予想していた所、まさかの10-9でOSU...(スコアボード)。

OSUは去年も今の時期にUNCに勝っている。中西部のラクロス中堅校から、着実に強豪校への道を歩み始めている。侮れない。正直、中堅校という感じはしなかった。サイズも技術も戦術も、強豪校のそれ。ちょくちょくMLLの有力選手も輩出している(Peet PoillonもUMBCに転校する前はOSU)。Ohio州ではここの所高校レベルのラクロスの普及、有力選手の増加が目覚ましい。今後Notre Dame, Penn State, Michigan辺りと共に、中西部から東海岸の学校にガンガンチャレンジしていくという構図が生まれて来そう。

Ohio State 2012のプロモーションビデオ

一方のDenverは、去年HC Bill Tierneyの下、大躍進を見せ、Final 4へ。今年は全チームからマークされ、プレッシャーの掛かる厳しい年になると見られていたが、正にこういう事だろう。

しかし、非常に面白い、戦術的にも技術的にも学ぶ点の多いいい試合。ここまでの試合では今シーズンベストゲーム。

試合の見所、何でOSUが勝てたのか、等、印象に残っている点は、
  • Denverのオフェンスはいつも通りだったと思う。#22 AT Mark Matthews (Sr)も相変わらずJohn Grant感を漂わせ、素晴らしいパス/シュートを見せていた。が、なぜOSUは勝てたか?
  • ①一つは、徹底したDenver OF対策。Zoneを頻繁に混ぜ込んで、クリース前を鬼パックしてクリース前のフリー/スペースを消し込み、Denverのスペースを上手く使った、速い球回しと、パス&オフボールのカットでフリーを作るオフェンスを封じた。ぶっちぎったロングシューターがいる訳ではないDenverにとってはZoneが有効である事が明確に証明されてしまった。これが研究される事の恐ろしさ。
  • ②もう一つは、徹底したMark Matthews対策。去年は、「Denverに何かでかくて上手いCanadianのATいるらしいね」ぐらいで完全にunder the radar(ノーマーク/ダークホース)感満載で、Playoffの活躍でファンの度肝を抜いた。が、今年はラクロス界の誰もがどういう選手かを知っている。凄いが、ぶっちゃけ左しか無い。ダッジもスピードで切り裂くタイプではない。Matthewsがボールを持つ度にダブり、鬼の左切り。それが間違い無くハマっていた。これもスカウティングの勝利。印象的だったのは、彼の代名詞でもある左手片手で持ち替えずにクロスオーバーして下からくぐらせて抜くダッジ。去年何度もハイライトで流れた。が、それも結局知らないとビビるが、そういう技が来ると解って対応されるときつい。DFに読まれて思いっきりチェックされて落とされてしまった...「化けの皮が剥がされる感」があった。
  • ③OSUのエース、同じくCanadianの#18 AT Logan Schuss (Jr)のミドルシュートがムチャクチャ上手え。引くぐらい上手い。リリースも速いし、コンパクトなモーションで、恐ろしく正確にコースを打ち分けて来ている。U-19 Canada代表。オフェンスの選手は普通に参考になるので、是非見てみて下さい。毎日のシュート練習では、インドアの小さいゴールと大きいゴーリーをイメージして、超ピンポイントのコースを狙って打ち続けているとの事。「それから比べるとフィールドラクロスなんてサッカーゴールに感じる」との事。
  • ④リードして以降のOSUの徹底したポゼッションキープ。2月の頭からDenver対策を積んで来たと言うOSU、恐らくいろんなゲームプラン/シナリオプランを想定して、あらゆる練習を積んで来たんだろう。ゲーム終盤の落ち着きっぷりが半端無い。この試合を通して、「あれ?Denverそもそもいつもみたいに攻めてたっけ?つか、何回OFやった...?」という感触が残っている。Denverの様に明確に攻撃力が高くて、DFが経験不足のチームにとって、最大の防御はポゼッションを与えない事。非常に落ち着いて、正しい事をやっていた。これも参考になるので是非チェックしてみて下さい。
  • あと、Denverの課題が明確になった。一つはFO。かなりやられている。加えて、DFの経験不足。イマイチ去年のような、The Bill Tierney DFという感じは無い。往々にして去年の強豪が、OFのメンバーが残るが故に次の年もプレシーズンで高い評価を受けながら、いざ始まると隠されていたDFの経験不足が露呈して一気に失速するというパターンが結構ある。Denverは完全にそのパターンにハマってしまっているように見える。加えて多くの対戦相手がMatthews対策とZoneで対応してくるはず。今年は去年以上と言われながら、実は去年よりも厳しい状況に置かれているのかもしれない。
ハイライト

0 件のコメント:

コメントを投稿