2012年5月12日土曜日

Lacrosse視点からのMBA留学

これ、既に1月にアップした際に読んで頂いた方も多いと思うのですが、NCAAのシーズン開幕後に読者数が顕著に増えた事もあり、重複を承知の上再掲させて頂きます(あと、次のネタ書くまで1-2日掛かりそうなので...)。より多くの日本の若くて優秀な人材が、海外で戦える/グローバルな環境で価値を生んで行けるようになる事を願って。ご興味無ければ容赦なく飛ばして頂き、興味があれば目を通して頂ければ幸いですし、既に読んだ方でも熱量が若干冷め気味なら再度リマインドしてグッとモチベーションを醸成して頂ければ、それで皆さんがガンガン海外に出て行く事の助けに少しでもなれるなら、それ以上の幸せは無し、です。

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2012年1月

1月に入って、さすがに温暖なNorth Carolinaと言えども、雪は降らないまでも上着が必要な気温の日が増えて来る。これが東海岸東部やChicago時代であれば、このくらいの気温であれば気合いで厚着して無理矢理でもゴルフをやっていた気がしないでもないが、さすがに一年のうち10ヶ月はゴルフ可能な天候なNCにあってはわざわざ無理してやるのも痛い感じが強くなってしまうので、ここの所週末は勉強、読書とバスケ観戦。ついでに、これまで書いておきたいと思っておきながら放置されて来たネタをいくつか吐き出してしまおうと思う。

そのうちの一つがこれ。「MBA (Master of Business Administration = 経営学修士=ビジネス・スクール) 留学とラクロス」。「ラクロス視点でMBAの学校選びを考えた際に、どういう選択肢が有り得るか」という話。一年くらい前から、どっかで一回書いときたいな、と思っていたネタ。(相当ニッチセグメント向けのコンテンツなので、ご興味の無い方は容赦なくスキップして下さいませ。)

Agenda
  • 1. 何でこの話を書こうと思ったか?
  • 2. そもそものWhy MBA?
  • 3. Lacrosseが身近にあるUS Business School
  • 4. 最後に

1. 何でこの話を書こうと思ったか?

個人的に、多くの日本人の優秀なビジネスパーソン/プロフェッショナル/リーダーシップ人材にとって、欧米のトップクラスのビジネススクールに行く事は、人生をより豊かに、楽しく、エキサイティングにする上で、より熱くて面白いキャリアを送る上で、極めて有効であると信じている。

特に、世界のマクロ経済に於ける日本の相対的地位が加速度的に落ちていく中、今の40代〜60代の先輩方が送って来た人生/世界とは全く違うゲームのルールになってしまっている今の世の中に於いて、(多くの産業/職業において一般論として)日本に閉じた形でキャリアを積む事の機会損失/リスクは極めて大きくなってしまっている。

逆に言うと、グローバルの土俵で戦える/価値を生める人材/リーダーである事による上乗せの価値/人生の楽しさが相対的に加速度的に増している。従って、過去20年間のキャリア観で捉えられていたよりも、海外で通用する人材になる事の意味は今までに無く重くなりつつあり、どの職業/フィールドに於いても、「一流でありたい」のであれば、最早グローバルの土俵で戦う事は避ける事の出来ない必然になりつつあると個人的に感じる。(最終的にどう判断するかはもちろん個人の自由)

そんな中、ラクロス部出身者は、他の体育会/スポーツと比べても、実績的にも、裏側にあるプロファイル的にも(海外への興味、過度に保守的でなく新しい物に挑戦する姿勢、高い達成動機、外資系/ベンチャー/プロフェッショナルファームでの就業率の高さ)、学力/英語力的にも、MBA留学にフィットする人材が圧倒的に多い(特に、東大、一橋、京大、早稲田、慶応といったラクロス強豪校で実際にMBA卒業生が複数存在)

(実際に、僕自身の身近で言うと、Kelloggの同級生には早稲田98のMFの方、先輩には2期の上利さん、後輩には14期の高田カズ(DF)、10期のシゲさんはWharton、17期の北見(AT/主将)はMichigan、15期の折茂(MG)はStanford、同じ13期の次郎(MF)はLondon、12期の石田さん(MF)はTuckに、そしてその他多くの先輩、後輩がこれまで米国MBAに留学しており、一橋ラクロス部の卒業生の方々のMBA留学もここ数年で増えていると伺っている。加えて今の若い卒業生や選手達もインターネットでの動画が溢れるに連れ、NCAAやMLLの映像や情報により多く触れることで、より高いinternationality(アンテナ、興味、憧れ)を醸成しつつあり、今後更に多くの卒業生達がMBA留学を志して来ると予想している。)

個人的にはそれは極めてウェルカムで心強い事だと感じるし、是非留学の夢/目標を達成して、日本からより多くの優秀な若い人材がガンガン海外に出て行き、レベルの高い環境/人材の中で揉まれて修行を積み、結果、日本の若いグローバルリーダーシップ/プロフェッショナル人材層が質量共に強化されて行けばいいな、と常々感じている。(長い目で見れば、そうやって元ラクロス選手の日本人が海外に出て行く事はラクロスコミュニティ全体の国際性アップ、ビジネスや学問を始めとしたいろんなフィールドでの存在感アップに繋がるとも思うし。)

そんな中で、(多くの本や予備校がMBA留学や学校選びについては散々語っているので全く付加価値は付かないが)敢えて、ラクロス最適の視点で学校を見直すと、どういう選択肢があるのかを一度整理/棚卸ししておきたかった、という話。(ま、言ってしまえば超個人的でマニアックな趣味の延長、ただの「吐き出したい」欲求だが...)


2. そもそものWhy MBA?

さて、これはちゃんと書いちゃうと一冊の本になってしまう上、このブログの趣旨から外れること甚だしいので、超ポイントを絞って。こんなもんは「その人次第」極まりない内容だが、敢えて一般論として、そして僕個人の意見として。バラバラと。今ランダムに思いつく事を。

(ちなみに、最初の取っ掛かり/きっかけなんて何でもいい。それこそ、ラクロス見たい/やりたい、アメリカに住んでみたい、英語喋られるようになりたい。何か留学ってカッコいい、合コン戦闘力上がりそう、なんでだっていい。僕も最初はそんなもん。以下は、その更に一歩先の、本当の理由/価値。)

①将来のキャリアと人生の選択肢を広げる。その後の転職のオポチュニティ、国や業界を跨いだジョブトランスファーの可能性。行かなければ出会う事の出来なかったキャリアに出会える。仮に同じ仕事に戻ったとしても、他の選択肢を持った状態で余裕を持って取り組める。

②世界最高峰の人材/環境に触れる。これ、ラクロス始め全てのスポーツと全く同じ。結局一番大事なのは環境、そして周囲にいる人たちのレベル。志が高く、成長意欲/上昇志向が強く、ハングリーで、加えて優秀な人々の中に身を置き、厳しくcompetitiveな環境の中で切磋琢磨する事が、自分を磨く上で、そして将来的によりエキサイティングで面白い人生/キャリアを歩む上で一番手っ取り早い。

米国トップビジネススクールは、正に世界中からそういう連中がわんさか集まって来る場所。週刊少年ジャンプ的「オラ、もっと強え奴と出会えると思うとワクワクすっぞ!」、またはダルビッシュ選手の言う所の「世界最高峰の相手と真剣勝負がしたくて」、またはバガボンドの「自分の全力を受け止めてくれるだけの器量があるか?」的欲求を満たすにはもってこいの場所。

③(特に非帰国子女、海外経験無しの方々にとって[ちなみに僕もそう])海外に触れる経験、英語で仕事出来るレベルまで持って行くための手段。残念ながらMBA留学2年で「ネイティブ並み」や「日本語とほぼ同じレベルで仕事出来るレベル」にはならない(そのためには卒業後アメリカで数年働く必要がある)。が、少なくともスタートラインには立てるし、日本でやるよりは遥かに速く高いレベルにまで持って行ける。加えて、その後の海外でのキャリア、例え物理的に日本にいたとしてもよりグローバルなキャリアへ繋ぎ易くなる

④「視野を広げる」。単純な世界/海外、と言う軸以外にも、社会、職業、文化、という意味で、より幅広い人、価値と触れることで、根元の部分から世の中や人生に対する見方/考え方をぐいっと広げる。いろんな国、バックグラウンドから来たいろんな人たちと2年間同じ釜の飯を食う事で、これまでの一つの社会/コミュニティの中でしか見られていなかった「物の見方」や「人生観」をより多面的なものへと広げる。

(実力&一芸入試の極にあるMBAでは、本当にいろんなバックグラウンドの同級生に出会う事が出来る。元(時々現役)NBA/MLB/NFL/Winbledonの選手、元芸能人/歌手、アラブの石油王の息子、南米の名門ファミリービジネスの息子、アジアの政治家の娘、インドの警視総監の娘、ロシアのベンチャー経営者、イタリアの金融マン、フランスの自動車エンジニア、等々。凄くいい奴、凄くコンペティティブな奴、すごくいい加減な奴、凄くオモロい奴、凄く優しい奴、(ごく稀に)やな奴、等々いろんな軸で日本では出会えなかった「突き抜けた連中」に会う事が出来る。)

同級生だけに限らず、多くの企業やNPO、あらゆる分野で活躍/成功してきた世界中のリーダーが学校を訪れ、講演/議論してくれる。彼らが教授として生きた経験を伝えてくれるケースも多い。その中でいろんな生き方、失敗談を聞き、人生を追体験する中で、その生き様に心を打たれ、熱い想いに共振し、自分自身の人生のいろんな可能性に気付かせてくれる。「ああ、こういう想いを持って、こういう生き方をすれば、こういう大人になれるのね。」と言うのが、いろんなスタイル/オプションを伴って見えて来る。

⑤2年間のエンターテインメント。忙しいとは言え、学生。飲み会もイベントもスポーツ観戦も旅行も集中して楽しめる。新婚で行けば実質2年間のハネムーン。20代後半、30前後で、2年間限定で夏休み、魂の洗濯としてがつんと羽を伸ばすのもまた一つの選択肢。歳とって引退してからじゃ遅過ぎるし、若い頃にしか楽しめない事も多い。大学卒業して4-10年仕事に没頭して馬車馬の様に走り続けて来たなら尚更。一回想いっきり息抜き入れようぜ、激しくオン=オフ切り替えてみようぜ、何か見えて来るからさ、って話。

(ちなみに自分の場合も、プロフェッショナルファームで全速力で走った20代の6年間の後に、飽きて、疲れて、そして辿り着いたMBAで、卒業後は、「ま、十分遊んだし、もう一回切り替えて思いっきり戦ってやろっと」という気持ちに素直になる事が出来た。)

⑥それらを通しての、「自分探し」と「自分の軸作り」。もちろん、誰しも高校でも大学でも就職活動でも、人生を通じて「自分探し」はやって来たと思う。だけど、やはり20代精一杯働いて、自分が何者なのかをもう一歩深いレベルで知った上で、ショック療法的に多くの価値観や世界や人々に触れ、グイッと視野を広げられる。自分自身を見つめ、自分自身と会話する時間も存分にある。自分は本当に何がやりたいのか、何が好きなのか、死の床で人生を振り返って、どういう生き方をしていれば後悔しないのか、そういった本質的で根源的な問いととことん向き合う事が出来る。完全な答えこそ出ないが、「現時点での確からしい一つの仮説」は自分なりになんとなく掴み取る事が出来る。それらの2年間を通じて、多くの卒業生が「全く違った自分自身へと進化する」と表現する。(僕自身も全く持って同意する。)

⑦生々しくて現金な話、生涯賃金。Life Time ValueとしてのNPV(キャッシュフローの総現在価値)。乱暴に言えば、1,500万円投資して、生涯を通じて数億円(人によっては数十億円もしくはそれ以上)上乗せ収入を得る。自分自身のキャリアが株やFXに比べればよっぽどlow risk high returnな投資先という考え方。(もちろん、お金が人生の最上位のプライオリティになるケースは少ないとは思うし、どちらかというともっと大事なのは本質的に自分がやりたい仕事をやる事だが。)(ちなみに、資金に関しては特にアメリカ人の場合、フルに借金して、卒業後数年で返済する、というスタイルを取る学生が多い。文字通り事業投資/ROIの考え方。トップ校であれば学費ローンで、学費、及び最低限の生活費分を課してくれるケースも多い。)

それらの結果、⑧その後、より楽しくて充実した人生とキャリア、MBA留学していなければ得られなかった体験を得る。自分自身の人生をより主体的に/ポジティブに捉えられるようになり、それをコントロールし、そのプロセスをエンジョイ出来るようになる。

と言うのが、多くの日本人の優秀な人材が欧米のトップビジネススクールにMBA留学するべきと考える理由。

敢えてもう一歩説得力を持たせるために付け加えると、MBAホルダーの多かった前職で、そして出願準備中に出会ったUSトップスクールのMBAホルダー200人近くの中で、「MBAに行って本当に良かった、最高だった、強く勧める、お前も絶対に若いうちにMBA留学するべき」と言わなかった人は見た事が無い。「行かなきゃ良かった。お勧めしない」と言った人は日本人では未だかつて一人も見た事が無い。(唯一の例外は、幼少期からぶっちぎりの神童で、名門大学を飛び級進学/卒業し、20代前半で起業して成功しmillionairになった上でHarvardに来て、「イマイチ得る事無いかな...」と辞めてしまったアメリカ人だが、それはまあ例外中の例外。)それくらい素晴らしい体験になると保証出来る。

逆に、敢えて、世の中的に誤解されがちな、本来は目的じゃないし、実際にはそんなに重要じゃない(と僕が考える)ファクター。恐らく世間一般的には、この辺を目的だと勘違いし、批判するケースが多い様に見える。(多くの場合、彼らは実際に留学を体験していない。要は、「論点がズレている」ケースが多い。)

①肩書き/ブランド/箔付け。そんなもんはほぼ役に立たない。別にHarvardやKelloggに行ったから人生やキャリアが保障されるなんて訳がない。行ってもその後も継続的に努力/成長し、プルーブし続ける必要。(ただ、トップスクールに行けば、自分よりも確実に優秀で才能のある連中が[例えそれがアメリカ人だろうが中国人、インド人だろうが]、ハングリーに、高い志と情熱を持って、目ぇ血走らせて必死で努力している姿はこれでもかと言うくらい目にするので、どのくらい頑張らなくちゃいけないか/頑張れるのかの世界水準に触れることは出来る。)

②「経営学」の「お勉強」。座学で知識を身に付けるためにMBA留学があるんじゃない。そんなもん気合い入れて独学で3ヶ月掛けて300冊くらい経営学/戦略論/マーケティング/ファイナンスの教科書/ビジネス書籍を反復して読めば知識としては身に付く。ケースディスカッションそのものに興味があるなら、Globisに行って経験するも良し。所謂実務での実力に関しては実戦で学ぶのがほぼ唯一絶対のやり方な訳で、BCGやMcKinsey、金融スペシフィックに言えばGoldman Sachsと言った一流プロフェッショナルファームで新卒/第二新卒で2-3年やればMBA卒業生よりも数段真っ当な「使える」実務の実力が身に付く。個人的にはMBAで学ぶ「形式知」自体が最も重要だとは全く持って思わない。(もちろん、いざ実際に学んでみると、意外と使える知識/知恵も多いが。要はそれ「だけ」が目的では絶対にないという意味で。)

2007年に書いた合格体験記にもその辺のWhy MBA?や合格方法、MBAそのものについて基本的な事を知るための情報ソースも含めて記載したので、もし興味有れば&真剣に検討されたければ是非。(リンク

加えて、Kellogg時代のブログにも入学後に感じた「Why?」を書いた事があるので、ご興味が有れば。(リンク


3. Lacrosseが身近にあるUS Business School

と、書いてるうち前置きが長くなり過ぎたが、以下、US B-School上位校でのラクロスの状況。順位は最も参照される事の多いBloomberg Businessweek Business School Rankingの2010年。(リンク

基本コンセプトは、「どうせ同じMBA留学するなら、せっかくだからラクロスを見たり、プレーしたり、いろんなスポーツや文化や環境を存分に楽しんだ方がいいでしょ?同じ条件で学校を選ぶなら、より面白いところに行った方がいいよね。」という単純な話。

ちなみに、各校のより具体的な説明は恐らく日本語Wikipediaにも結構記載されてたりするので、そちらを参考されたし。独断と偏見に基づくラクロス環境評価付き(ちなみに、男子ラクロス視点です。すいません)。

1. Chicago (Booth) ラクロス環境: C
  • 金融プロフェッショナルヘビーなので(卒業直後の収入が底上げされ)、若干本来の実力以上のランキングになっている面も否定出来ないが、ここ数年トップクラスの評価を維持。
  • が、残念ながら(最近育ちつつあるとは言え)ラクロス不毛地帯の中西部Chicagoにある上、体育会は死滅。MLLのChicago Machineも昨年移転、NLLのChicago Shamrockも数年前に解散、ラクロス環境的には厳しい。
2. Harvard ラクロス環境: A
  • 言わずと知れたIvy League最強の名門校 at Boston。元祖ビジネススクール。MBAとしては申し分無し。但し、冬寒し。
  • HarvardのラクロスはIvy Leagueでは2-4位辺りをウロウロ。NCAA Div 1全体では10-30位をウロウロ。Tournamentに出る年もあるかも、ぐらい。HCのJohn TillmanがMarylandに行ってしまい、今後数年のリクルーティングが若干見えない。
  • 一方で、MLLのBoston CannonsがHarvard Stadiumを本拠地としているため、ホームゲーム、年によってはChampionship WeekendやAll Star Gameへのアクセスがいいってのはあり。
  • NLLのBoston Blazersもあり、と書こうと思って、2012にsuspendされてしまった事を思い出した...
  • 恐らく学校のクラブでプレーも出来るはず。
3. Pennsylvania (Wharton) ラクロス環境: A
  • Philadelphia。金融に強い。元々学年800人中20人以上日本人がおり、最大日本人コミュニティを誇った時代も有ったが、ここ数年は10人未満にまで縮小。
  • U-Pennのラクロス部はIvy Leagueで中位。Duke等強豪とも試合するので、一応いい試合を見られるっちゃ見られる。Philadelphiaは大学が多く、Villanova, Drexel, Delawareなどの中堅校の試合も見られる。(従って、対戦相手であるSyracuse, Duke, Hopkinsなども見られる)
  • MLLのPhiladelphia Barrageが数年前に解散して以来MLLとの縁は無し。
  • NLLのWingsはここ数年優勝と縁が無いが、スタジアムの環境は正にNLLを象徴する熱い物。これだけでも行く価値ありかな?とも思う。
  • こちらもラクロスクラブがあった記憶あり。
4. Northwestern (Kellogg) ラクロス環境: B-(女子ラクロスに限ればA+)
  • Chicagoの北の高級住宅街Evanston。僕の母校。14期の高田カズが在学中。2期の上利さんも卒業生。90年代から2000年代前半までランキング1-2位を維持してきたが、ここ数年、General Management(金融やプロフェッショナルではなく、事業会社での経営者)志向の強さから、卒業直後の賃金が投資銀行等には叶わぬ事もあり、若干順位を落としている。校舎も数年後の建て替えを前に老朽化しており、生徒から不満の声も。(が、個人的には、[自分が行っていたから、と言うのを抜きに、客観的に見て]多くの日本人にとっては最高の選択肢、最高のビジネススクールだと信じてます。学校としての素晴らしさもさることながら、「楽しさ」も高いレベルで満たしてくれる、最高のバランスを持った学校。)
  • ラクロス的には...悲しいかな男子ラクロス部無し。が、女子は伝説的強豪新興校。ザ・シンデレラストーリー。創設10年で5連覇含む優勝6回(マンガかっ)。女子ラクロスの新時代を切り開いた張本人、元MarylandでUS代表のHead Coach Kelly Amonte-Hiller氏が全米から(時々オーストラリアから)最高クラスの選手を集め、毎年優勝または準優勝。試合観戦はUS代表の競演状態。無双過ぎて壮快過ぎ。(記事
  • が、それ以外はラクロスほとんど無し...あと冬は寒過ぎて吐きそうになる。夏は軽井沢みたいで最高。Chicagoの街も素晴らしいし。
  • あと、名物のSports Managementの授業は秀逸。以前MLLの経営陣が講演に来てくれた事も。(記事
5. Stanford ラクロス環境: C
  • 西海岸San Francisco。女子は創設直後から急ピッチで強豪の仲間入りを。男子は現時点でチーム無し。MLLのSan Francisco Dragonsが2008年に無くなって以来無し。
6. Duke (Fuqua) ラクロス環境: A
  • North CarolinaのTriangleに位置するDurham。バスケもラクロスも強豪。Coach Danowski (Dinoのお父さん)率いるBlue Devilsは毎年強力な新人を取り続けており、今後も安泰。天候も最高。もし、ラクロス有りきで、尚本当にレベルの高いビジネススクールに行きたい、という双方を高い水準で満たそうとするならば、Dukeが最高の選択肢な気も。
  • 時々Ivy Leagueからトランスファー(転校)してきた選手がBusiness Schoolに在学してるので、同級生になれるかも。
  • UNCも車で10分。車で2時間のCharlotteにMLLのHoundsが来た。ゴルフも最高。アメフトがしょぼいのが難点。
7. Michigan ラクロス環境: A-
  • 東大ラクロス部と10年に渡り人材交流を行って来たMichigan WolverinesとHC JP。遂に今年念願のNCAA Div 1入り。ここ数ヶ月リクルーティングで優秀な選手をかなり確実に抑え始めており、学校のブランド力の強さ、HC JP氏のコーチとしての実力を既に発揮し始めている。数年で強豪の仲間入りする事は間違い無いと見られる。当然冬は極寒。でもドームなので大丈夫。
8. UC Berkeley ラクロス環境: C
  • 西海岸。男子ラクロス的に面白くなってくるのは、まあ、10年先か。
9. Columbia ラクロス環境: C
  • 東海岸の北。NY州自体はラクロス盛んだが、NY Cityになっちゃうときつい。NCAAのラクロス部も無い。NY CityはMLLもNLLも無し。MLLのLong Islandも物理的には近いが、如何せんNYCの北から、車も無いとなると気軽に行ける感じでもない。NLLのTitansもMadison Square Gardenのコストの高さに耐えかねて移転。
  • 4月のBig City Classicに車で行き易いくらいかなー。
10. MIT ラクロス環境: B-
  • 所謂マサチューセッツ工科大学ですな。学校自体のラクロス部は聴いた事無いが、Harvardのお隣なので、実質Harvardと同じ評価ですな。
  • ちなみに、所謂一般の日本人受け、というか、結婚式で「新郎の○○様は、アメリカ××大学を卒業し...」の紹介時に於ける親族の「オーーーッ(何か凄そう)」のボリュームの大きさ、またはキャバ嬢の「すごーーーーい(よく分かんないけど何か聴いた事ある)」の「ー」の数で言えば、恐らくHarvardと並んで強いはず。(Undergradや工学部の知名度とBusiness Schoolとしての良さが必ずしも比例していないが、その辺は一般の人には分からないので。)
11. Virginia (Darden) ラクロス環境: A
  • 昨年優勝校のVirginiaのビジネススクールもそこそこ高い評価を受けている。特にGeneral Management(事業会社での経営者キャリア)に於いては第一線。がっつりUVAラクロスにまみれるならあり。
12. Dartmouth (Tuck) ラクロス環境: B
  • これまた北の極寒の地。今12期の石田さん(MF)が在学中。Dartmouthのラクロス部自体はDiv 1中位。Ivy League含め上位校が何回かくるかな、という感じ。
13. Cornell ラクロス環境: A-
  • NY州の北部。ざっくり言うと、SyracuseやRochesterのある「方面」
  • Cornellラクロス部が見られるって意味では最高。が、The Middle of NowhareのIthakaにあるため、他の全てが遠過ぎる...Rob Pannellが卒業してしまった後暫く低迷する気もする。
16. North Carolina ラクロス環境: A
  • Dukeと同じ街。双方強豪。双方見られる。CharlotteにはMLL。ゴルフ、バスケ/アメフト観戦等はベスト。学校のランクへの拘りをある程度犠牲にして、私生活充実最大化ならかなり上位に。
  • ここもBusiness Schoolに現役選手が時々いる。
  • ちなみに今僕自身が住んでるのがこの学校のキャンパスの近所。のんびり、広々してて、温暖なので、仕事しながら住む、引退後に住むにはベストかも。
33. Georgetown ラクロス環境: B
  • 名門だったラクロス部が最近明らかに落ち目...万年中堅チームが定位置に...
  • ただ、ラクロスの聖地Baltimoreに近い。肌で感じられるラクロス感はあるはず。
他、ビジネススクールとしての順位が大分落ちてしまうので、留学先の候補としての価値が一気に落ちてしまうが、ラクロス強豪校でビジネススクールが一応あるのは、
  • 42. Maryland
  • 44. Penn State
って感じだろうか。SyracuseHopkinsに強力なB-Schoolが無いのが痛い所。

まとめると、所謂上位校の中で、2年間ラクロスを楽しめる環境があるのは、Harvard、Wharton (U-Penn)、Duke、Virginia、Michigan、Cornellと言った辺りだろうか。多少ランクが落ちるが、UNCも入って来る。女子であればKelloggは文句無しで最高。書いてみて、意外と選択肢多いなと感じた次第。

ちなみに、理系の院(Master/PhD)で行く留学、又は司法試験合格後に大手法律事務所の弁護士の方がよく行くLLMの学校のポートフォリオも比較的被って来ると思われるので、ある程度この表のラクロス評価はレバレッジ可能。


4. 最後に

こんなもんただの雑感だが...しかし、改めて、こうやって見ると、まあ、名門ビジネススクールってことごとく寒い所に有りますな...実際に東海岸(Philadelphia & Delaware)、西海岸(California)、中西部(Chicago)、南東部(North Carolina)と住んでみてよーく分かったが、寒いエリアの方が学問的に発展するのは心理的にも社会的にも納得の必然。楽しいかどうか、楽かどうかは別として...

逆に、ご覧の通り、悲しいかな西海岸はNCAA Div 1のチームが無いため、ラクロス最適で留学を考えるなら厳しい。MCLA(非体育会リーグ)のチームは大体全米どこにもあり育っているが、やはり本場のハイレベルのプレーをみたいならまだまだ物足りないはず。

という感じでしょうか。個人的に、今後日本で、ラクロス選手→トップビジネススクール留学、というパスがよりメジャーになって行けば素晴らしいな、と感じている。例えば、毎年日本からのUS top 20 b-schools留学生の中に元/現役ラクロス選手が10-20人いる、みたいな状況になれば最高だ、なんて妄想してしまう。

うっを...思ったより長くなってしまった。ラクロス部の現役選手/卒業生でMBA留学を考えてらっしゃる方がいらっしゃれば相談に乗るので、気軽にご連絡下さいませ。グイッと人生を変える、自分を生まれ変わらせるきっかけとしては最適なので。

今もし卒業生でMBA留学に行くべきかどうか迷ってる人がいらしたら、メッセージはこれ以上無いくらい明確で、「迷わず行け。絶対に想像以上の物が得られるから」です。

2 件のコメント:

  1. もはやいたるさんの脳の中を覗き込みたいくらいのしびれる世界観に圧倒されました。文章力、言葉の節々から感じられるエナジーでビリビリしてきました。

    仕事何年かしたら行きたいなーとぼんやり思ったりします。

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  2. おーいいねー。

    そうだね。まずは3-4年は目の前の仕事に没頭して極められる限界まで、行けるとこまで行って、自分の揺るがない土台を作って、そこから世界にチャレンジって感じじゃない?4-5年目で準備初めて、5-6年目で留学する感じ。30までには行っときたい。

    正にうえのみたいな優秀で揺らがぬ自分の軸を持ってて、達成動機が高くて、且つ要領のいい人材がこそMBA留学にくべきだと思うよ。行って多くの事を吸収し、成長して、且つそのプロセスを楽しめるだけの才能がある人材の一人だと思う。同期や先輩後輩も誘って行っちゃいなよ(ジャニさん風)。ラクロスで一緒に戦った仲間と2年間海外のトップビジネススクールで一緒に学べて遊べたら最高だと思うよ。

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