2012年5月17日木曜日

NCAA Tournament 2012 1st Rd Denver @North Carolina

さて、一回戦8試合の中でも最も注目されていた激戦必至の一戦。全体8位のUNC対Denver。
 開幕前の練習試合では12-12の引き分け。双方協力な打線が売りで、大量得点の乱打戦が予想されていた。

地元Chapel Hillのため会場のUNC Fetzer Fieldで観戦。

立ち上がりから期待通りの大量得点祭り。ハーフの時点で11-9でUNCが2点リード。
が、3Qに4-1でDenverが流れを掴み、最後は16-14で逃げ切ってDenver勝利。

素晴らしい試合だった。

これで残念ながら地元で一年間応援して来たUNCは敗退。Final 4まで十分に行けるチームだっただけに残念でならない。が、主力のほとんどが1-2年生。ATには1年生2枚(来年エースとして復帰するであろうNicky Galassoも2年)、Starting MFは2年生2枚に1年生1枚。FOGOもLSMも1-2年生。来年、再来年以降に期待したい。
対するDenverは素晴らしいの一言。
  • ぶっちゃけこの試合の勝敗を明確に分けたのは、FO。NCAA D-1最強FOの#33 MF Chase Carraroが23/31で74%支配。もう一人の最強FOGO、#25 RG Keenanとの勝負を圧勝で飾った。正直言ってUNCは「攻める時間が与えられなかった」と言うのが最大の敗因だろう。ポゼッション数で実に15回DenverがUNCを上回った。もしこの試合のポゼッション数/FO勝率が互角だったら、間違い無くUNCが大差で勝っていた。それだけFOがこのスポーツでは大事だと言う事。笛に対する反応が尋常じゃ無く速かった。予想してるのか?どうやったらあんなに速く反応出来るんだ?その後の掻き出し/拾いも絶妙。FOになる度にかなりの確率でゴールを脅かしてくる。恐ろしい選手だ。しかもラクロスあるんかね?というKentucky州Louisville出身という経歴。身長170ぐらいなのでNCAA D-1では文字通りちびっ子。それでこの存在感ってよ...
  • 加えて、OFの完成度の高さに文字通り溜め息が出た。#22 AT Mark Matthews (Sr, MLL Denver Outlawsが一巡目指名)の安定感とオフェンスクリエイト力は引き続きだが、全体が極めて有機的、効率的に点を取れていた。OF CoachとしてBill Tierney HCの下で指揮を執るMatt Brown氏の手腕。OFの現役選手/OFコーチの方は見て学ぶ事が多いチーム。Matthewsはパフォーマンスに波があると言われているが、Quintが指摘していたのは「TV放映になると異様にパフォームして点取りまくる」と言う点...確かに!去年からそうだぞ...
にしてもDenver。やはり最後に仕上げて来ている。レギュラーシーズン中も1点差の試合を多く落としており、実は実際の成績以上に実力が有ったのは間違い無い。去年もノーマークからFinal 4。今年も二回戦でLoyolaとの三度目の対戦で三度目の正直で勝てば、何と2年連続のFinal 4。西の最果てDenverのチームが2年連続Final 4なんて事態は90年代に一体誰が想像しただろうか?それだけラクロスが全米で爆発的に成長し、裾野が広がっていると言う事だし、やはり大学ラクロス史上最高のコーチであるBill Tierney氏の伝説たる所以だろうか。
試合後の記者会見でのMark Matthewsの言葉が非常に印象に残っている。「最後に一つだけ言わせて下さい。NCAAのDivision 1ラクロスの上位校では、正直どこも素晴らしいレベルの選手を集められている。もちろん、それだけの選手を集めるのは簡単じゃないが、一度集められれば、素材の面では実はどこも互角。上位校間の『入学時の素材』での勝負ではもう差が付かない所までアメリカの大学ラクロスは到達している。そこから先本当に勝負を分けるのは、『どれだけ死ぬ程本気で優勝したいと思ってるか』そして『毎日どれだけ努力して、練習して、上手くなれるか』。自分たちはそこでは負けないと思っている」

心の底から痺れたわ。尋常じゃなく腹据わってんわ。
こういうチームだよ...毎年なんだかんだ言って接戦を制して最後に残ってくるのは。そして優勝を成し遂げるのは。競争が飽和して、勝ったり負けたりの接戦が続く中で最後の最後に勝つのはこういうチームだ。そしてそういうチームを作り上げて来るTierney氏の凄さ。

その試合での姿勢とメンタルからも、非常に学ぶべき点が多いと感じ、(UNCの)敵ながら敬意を感じた。

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