2012年5月5日土曜日

NCAA 2012 Game Review vol.28 Cornell @Princeton

Ivy Leagueの伝統のライバル関係。毎年恒例のレギュラーシーズン終盤の試合、Cornell vs Princeton。

現時点での大学最高の選手、Rob Pannell(ロブ=パル)

今年のNCAA Division 1 Lacrosseの最大のStory lineの一つは、やはり何と言っても現時点での大学最高の選手、過去15年で史上最高のATとも言われる、去年のUSILA MVPで今年のMLL全体1位指名、Cornell #3 AT Rob Pannell (Sr)の怪我での離脱。3年前の2009年に1年生として司令塔を勤め、当時CaptainだったMF Max Seibaldらと共に決勝まで勝ち残るも、最後の最後にOTでSyracuseに逆転負け。最終学年の今年こそ果たす事の出来なかった優勝を成し遂げられるかに注目が集まっていたが、開幕2試合目で足首を骨折。復帰出来ぬままここまで来てしまった。

Face Off Classicでカートに股がってベンチで他の選手たちにアドバイス&激励していたのが印象的だった。

当初は2ヶ月以内に戻って来ると言われていたが、現時点でまだ復帰出来ておらず。QuintによるESPNU Lacrosse Podcastのインタビューでも、復帰の目処は立っておらず、ひたすらリハビリに努めているとだけコメントしていた。

①リハビリが奇跡的に間に合って今年の最後の数週間をトーナメントのためだけに復帰するのか、仮に出た所で果たして出てチームを救えるのか。②はたまた今年は諦めて、卒業も諦めて来年5年生として復帰するのか、③それとも卒業してしまってPrincetonのJack McBrideがUNCに大学院生として再入学して出ているように、最後の一年のEligibilityを他校で使うのか。それとも④単純にもう大学ラクロスは卒業して来年からNYで働きつつMLLでプレーするのか、去就に注目が集まり始めている。

難しいのは、学問的にも名門のCornellでこれまで卒業に向けて勉強も頑張って来た訳で、その努力を捨ててまで学期を放棄するという選択をするかどうか。仕事的にも既にNYの仕事のオファーを貰っており、それが一年待ってくれるのかという疑問もある。が、彼のCornellへの忠誠心を考えるとそれも考えられる。はたまた、学問的な無駄を避けて、一方でラクロスキャリアを最大化させるために、例えばVirginiaやDukeやUNCのBusiness Schoolの大学院に入学して大学院生としてプレーしたりしたらなかなか驚愕のシナリオだ...(ま、今からだとさすがにApplication(出願)が間に合わないか...)

Pannellが抜けたCornellはここまでパッとしておらず、シーズン開幕前3位の面影はもはや感じられない。彼がいるのといないのとで全く別のチームという印象。

試合

そして、この試合もそれを如実に現すかの様に、14-9でPrinceton圧勝。
  • Princetonがここに来て明らかに良くなって来ている。Face Off ClassicでのUNCへの敗北、その後Syracuse, Hopkinsに負けていた頃と比べても、明らかに全体的に良くなっている印象を受ける。DFと現NCAA最高Gの一人#6 G Tylor Fioritoが鉄壁の守りを取り戻している。加えて、OFも下級生が覚醒しつつあり、アグレッシブな攻めを見せている。
  • Cornellはキツい...Pannellがいないと抜ける選手、OFをクリエイト出来る選手がほとんどいなくなる...、と思ってみていたら、Pannellが怪我の間自分の分身として付きっきりで弟子として指導してきた1年生の#30 AT Matt Donnovanが驚きの活躍。明らかにPannellと同じ動きをし始めている。Princetonの最強DF #9 Chad Weidmeier (Sr)相手にズバズバと抜いて決めている。特にFinalizer(ゴール裏のネットによる引っかけ)の動き等は完全に生き写し。今後3年間Cornellの大黒柱で有り続ける事間違い無し。
  • 解説者のQuint Kessenich氏 (元Princeton All American Goalie)が鋭く指摘していたが、CornellのDFはスライドを飛ばすのが早過ぎたとの事。PrincetonにはHopkinsやVirginia、UNC、Dukeに比べると明らかにダッジで抜けるMFやATが少ない。そんな中でそこまで早いスライドをする必要は無かったはず。結果としてカバーが間に合わず、一歩だけ抜いてスライドを発生させ、簡単に空いたフリーの選手に出され、中距離のTime & Room(日本語で言う所のスタンディングシュート)をズバズバ決められてしまった。逆に言うと、早いスライドで来るDFに対する攻めの勉強としてはいい教材か。
  • 来週は開催2年目のIvy LeagueTournament。決勝で再びこの2チームがぶつかる可能性がある。去年はHarvardとCornellが熱い火花を散らした。
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