2012年5月10日木曜日

NCAA 2012 Game Review vol.31 Princeton vs Yale

NCAA Division 1レギュラシーズン最後の試合。Ivy LeagueのTournament。

感動した。感心を越えて感銘を受けた。Yaleに。

来週から始まるNCAAトーナメント16チームの出場枠を目指して争われる7リーグのトーナメントのうち、Ivy League。Havard, Princeton, Cornell, Yale, Brown, Dartmouthなど伝統的学問名門校が名を連ねる。

Yaleは前々日にCornellを破っている(これで全体13位だったCornellはNCAA Tournament進出が絶望的に厳しくなるんじゃないだろうか...大エースRib Pannellが怪我で脱落した事で開幕前3位のチームがここまで落ちるとは...)。

Princetonは無難にBrownを破り決勝進出。

現時点でYaleは15位、Princetonは10位。Yaleはこの決勝に勝たないとTourney進出はまずな無い。Princetonも負けると若干不安。仮に出られるにせよより有利なシードを獲得したいのも本音。共に何とか勝ちたい一戦。

結果は15-7でYaleが圧勝。(スコアボード

しかし、そのYaleの姿に感銘を受けた。

実はTVでYaleを見たのは今回が初めて。今までも非常にいいと言う話は聞いていたが、何がどういいのか良く解っていなかった。今回見てそれが非常に良く解った。
  • まず、大前提として、明らかにサイズと身体能力と言う、入学時の素材のレベルでは明らかに一段劣っているのは一目瞭然だった。がっしりしたコンタクトスポーツ仕様の体育会推薦で固められたPrincetonに比べると、明らかに「普通の大学生」感が強い(そうは言っても至近距離で見たら明らかにでかいのがNCAAだが...他の上位チームとの比較感という意味で)
  • ところが、やっているラクロス、スタイル、戦術、個人技術、メンタル、全てに於いて非常に素晴らしいものを持っており、チームとして非常にいいチームを作り込んで来ていると感じた。「限られた素材/兵糧をベースに、その後の成長で勝つ」考え方の真骨頂。DukeやVirginiaなど毎年ヘビー級のエリート選手を取って強い上位校に比べ、東大を始めとした日本の大学のラクロスチームが見て学べる点がむしろ多いと感じた。
  • 試合全体を通して、チーム全体を通じて強く感じたのは、「効率的に、合理的に、狡猾に勝つ」姿勢の徹底。一言で言うととにかく「試合巧者」。まず、基本が極めてしっかりしている。GB、トランジッション、パスキャッチ、DF、全てに於いて土台がしっかり。OFでもブレークで点をとる、Setでも崩して、崩して、フリーを作って着実に、チーム皆で点を取る。一人で無茶してバカなシュートを絶対に打たない。DFもクリース前をタイトにパックして打たせるのは遠い/薄いシュートのみ。確率論/統計学に基づいた、角度とポジションのマネジが徹底されている
  • Gの#45 Jack Meyer (So)が素晴らしいセーブを連発。見ていて明らかに感じたのは、所謂「Bait(ベイト)=餌/オトリ」を時々使っている点。敢えてファーサイドに構えて反射的にニアに打たせてがっつりセーブ、という技を使っている。
  • ATの#22 Brandon Mangon (So.),  and #33 Matt Gibson (Sr.)が極めてImpressive。別にデカくも無いし、爆発的に速くも無いし、キャノン砲シュートが有る訳でもない。でも、ずる賢くツルッと抜いて、サクッといいパスを出して、ゴール前で落ち着いて確実に決められる決定力がある。「突き抜けた武器」が無くてもここまでやれるのね、と勉強させられた。
  • これでYaleはNCAA Tournament出場枠を獲得。全体順位が低いので、恐らく一回戦はawayで上位校と当たる筈。が、結構このチーム侮れない、相当Upset alert候補のチームになって来るなと感じた。
Highlight

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